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第20話 さよならの意味
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レーヴェンの後を追って応接室を出た俺は、窓の外に目を向けて足を止めた。彼女が庭先に立ち尽くしている姿が目に入ったのだ。その背中は非常に寂しげだった。
「よっと」
俺は玄関に向かうことなく、窓から庭に飛び出した。
「風が心地いいな」
「……ああ」
静かに背後から近づき、声をかけた。レーヴェンはこちらを振り返ることなく、短く返事をする。その声には力がなかった。
「先程はつまらないものを見せてしまったな。帝国はずっと、皇位継承問題で……」と、最後まで言う力もなく、彼女は溜息を吐いた。
いつも頼もしいレーヴェンだが、今の彼女はどこか頼りなく、少し弱々しさを感じてしまう。元々小さな彼女の背中が、さらに一回りほど小さく見えた。
「少し、分かる気がするよ」
「……」
彼女の横に立つと、彼女の柘榴色の瞳が静かに俺に向けられる。
「うちも王位継承問題で似たような感じだったからさ。あっ、もちろんうちは小国だったから、帝国ほど大規模な争いには発展しなかったんだけど……。というか、俺が早々に脱落しただけか」
そう言って、俺は空笑いを浮かべた。しかし、その笑いに対して、レーヴェンの真剣な視線が突き刺さる。
「王になりたい、そう思ったことは?」
彼女の単刀直入な質問に、俺は空に視線を向けた。蒼い空を眺めながら、少し思案する。
「ある、かな」
息を吐き出すように、真実を告げた。
「幼い頃、俺は玉座に深く腰掛ける王に憧れていた。父のような立派な王になることを夢見ていた。しかし、いつからか俺の関心は玉座から別の場所に移っていた。俺は王として小さな世界を統べるよりも、自由になって大きな世界に飛び出したいと思うようになっていたんだ」
レーヴェンは微笑みながら小さな声で言った。「そんな風に思えるランスが羨ましい」と。そして、彼女も胸の中に秘めた思いを少しだけ明かしてくれた。
「私の中には幼い頃から、弟たちへの嫉妬があった。父は女の私よりも弟たちを可愛がり、周りの人々も同様だった。子供の頃から『なぜだろう?』『どうしてだろう?』という感情があったのだ。しかし、ある時、たまたま剣を手にする機会があり、私は弟たちのように剣を振ってみた」
すると、彼女の見事な突きを目にした者たちは、弟たちよりもレーヴェンの方が武の才能があるのではないかと噂し始めた。その声は次第に彼女の父である皇帝にまで届くようになった。元々、彼女の父は剛王と謳われ、武勇の数々を誇っていた。世界を統べるには力が必要だと豪語する人物だった。そのため、皇帝が彼女の剣の才能に魅入られるのは、必然だった。
「父は、私に言った」
真の皇帝になるために性別は関係ない。皇帝となるべきは力ある者だ。
「そうでなければ、民衆は弱い皇帝をやがて見限る。そうなれば、帝国は必ず崩壊する」
だからこそ、レーヴェンは力を求め、父である皇帝に認めてもらおうと戦場に身を投じたのだ。最初は父親に愛されたいという願望も、いつしか戦場は彼女を、戦場の死神と呼ばれるほどの存在に変えてしまった。
話を聞いた俺は、ふと疑問が湧いた。
「今の話の流れだと、皇帝陛下は次の皇帝にレーヴェンを指名するんじゃないのか?」
俺が純粋な疑問を投げかけると、彼女は口を引き締め、遠くを見つめた。
「父が健在だったなら、あるいはそんな未来もあったかもしれんな」
「皇帝陛下は、そんなに悪いのか?」
「………」
その問いに対しては黙っていた。当然のことだ。
皇帝陛下の体調が優れないという噂は、数年前から囁かれていた。事実、現皇帝陛下はじきに亡くなるのだ。そのことを知っているのは、人生101回目の俺だけだ。
「たとえ父が健在だったとしても、争いは避けられなかっただろう」
クーデターか……。
仮に皇帝陛下が健在で、次期皇帝に皇女を指名したとなれば、保守派の貴族たちが黙っていない。皇子たちを祭り上げ、女帝の誕生を阻止しようと必死になったことだろう。あるいは、現在帝国の支配下にある国々が反乱を企てる可能性も十二分に考えられる。それはまさに帝国の崩壊を意味している。
それを防ぐためには、帝国内の有力貴族たちの支持が不可欠となる。彼らの支援なしでは、彼女の野望は実現しないのだ。
「それはそうと、ランスのおかげでポセル村の者たちはすっかり回復したようだな」
先ほどまでの険しい表情から一変、彼女は突然笑顔に変わった。不自然なまでの話題転換に、胸がざわめく。
ちなみに、ポセル村とは石化病に苦しんでいたルーナたちの村のことである。
「うん、もう村人たち全員完治している。万が一また石化病が発症したとしても、ポセル村の人たちは薬の調合方法を知っているから問題ないだろう」
「そうか。ランスには本当に世話になったな」
「……?」
彼女が俺に向き直り、右手を差し出してきた。俺はその手を見つめ、彼女の宝石のような瞳に疑問符を浮かべる。
この握手は一体、何を意味するのだろうか?
「別れの握手だ」
「え……」
「賢いランスならば分かるだろ? ここは直に危険になる。巻き込まれる前に、すぐにここを離れるんだ」
彼女の言葉に、俺は戸惑った。俺はレーヴェンの騎士になることを誓った。彼女を置いて逃げるわけにはいかない。
「俺は……」
「ランスと会えて良かった。私の弟たちも、ランスのように可愛げがあれば良かったのだがな」
「弟……」
ショックで言葉に詰まり、自分を責めた。彼女にとって、俺は弟のような存在だったのかと思うと、悔しさがこみ上げてきた。
「広い世界をたくさん見てこい。そして、いつかまた会うことがあれば、その時は、お前が見た世界の話を聞かせてくれ。私はその日を楽しみに、待っている」
俺は分かっていた。
そんな日が来ないことを。
いや、彼女もきっと分かっていた。
再び会うことはないことを。
たとえ戦場の死神として恐れられていた彼女でも、多勢に無勢では勝ち目はない。
「レーヴェン、俺は――――」
君がここに残れと言うなら、私のために戦えと言うなら、俺は喜んで戦う覚悟だ。
だから、お願いだ。言って欲しいんだ。
一緒に戦ってくれと。
ロレッタやハーネスたちと同じように、俺も君とずっと一緒にいたいんだ。
なのに、それなのに……。
「さよならだ、ランス」
彼女は俺の気持ちを、言葉を遮った。
突き放すように、言葉の矢が正確に俺の心臓を突き刺した。
「……っ」
見上げた空はこんなに蒼いのに、世界はこんなに明るいのに、俺の未来は暗闇に閉ざされてしまったかのようだった。
無理やり握った彼女の手は、まるで嘘みたいに冷たくて、かすかに震えていた。
「よっと」
俺は玄関に向かうことなく、窓から庭に飛び出した。
「風が心地いいな」
「……ああ」
静かに背後から近づき、声をかけた。レーヴェンはこちらを振り返ることなく、短く返事をする。その声には力がなかった。
「先程はつまらないものを見せてしまったな。帝国はずっと、皇位継承問題で……」と、最後まで言う力もなく、彼女は溜息を吐いた。
いつも頼もしいレーヴェンだが、今の彼女はどこか頼りなく、少し弱々しさを感じてしまう。元々小さな彼女の背中が、さらに一回りほど小さく見えた。
「少し、分かる気がするよ」
「……」
彼女の横に立つと、彼女の柘榴色の瞳が静かに俺に向けられる。
「うちも王位継承問題で似たような感じだったからさ。あっ、もちろんうちは小国だったから、帝国ほど大規模な争いには発展しなかったんだけど……。というか、俺が早々に脱落しただけか」
そう言って、俺は空笑いを浮かべた。しかし、その笑いに対して、レーヴェンの真剣な視線が突き刺さる。
「王になりたい、そう思ったことは?」
彼女の単刀直入な質問に、俺は空に視線を向けた。蒼い空を眺めながら、少し思案する。
「ある、かな」
息を吐き出すように、真実を告げた。
「幼い頃、俺は玉座に深く腰掛ける王に憧れていた。父のような立派な王になることを夢見ていた。しかし、いつからか俺の関心は玉座から別の場所に移っていた。俺は王として小さな世界を統べるよりも、自由になって大きな世界に飛び出したいと思うようになっていたんだ」
レーヴェンは微笑みながら小さな声で言った。「そんな風に思えるランスが羨ましい」と。そして、彼女も胸の中に秘めた思いを少しだけ明かしてくれた。
「私の中には幼い頃から、弟たちへの嫉妬があった。父は女の私よりも弟たちを可愛がり、周りの人々も同様だった。子供の頃から『なぜだろう?』『どうしてだろう?』という感情があったのだ。しかし、ある時、たまたま剣を手にする機会があり、私は弟たちのように剣を振ってみた」
すると、彼女の見事な突きを目にした者たちは、弟たちよりもレーヴェンの方が武の才能があるのではないかと噂し始めた。その声は次第に彼女の父である皇帝にまで届くようになった。元々、彼女の父は剛王と謳われ、武勇の数々を誇っていた。世界を統べるには力が必要だと豪語する人物だった。そのため、皇帝が彼女の剣の才能に魅入られるのは、必然だった。
「父は、私に言った」
真の皇帝になるために性別は関係ない。皇帝となるべきは力ある者だ。
「そうでなければ、民衆は弱い皇帝をやがて見限る。そうなれば、帝国は必ず崩壊する」
だからこそ、レーヴェンは力を求め、父である皇帝に認めてもらおうと戦場に身を投じたのだ。最初は父親に愛されたいという願望も、いつしか戦場は彼女を、戦場の死神と呼ばれるほどの存在に変えてしまった。
話を聞いた俺は、ふと疑問が湧いた。
「今の話の流れだと、皇帝陛下は次の皇帝にレーヴェンを指名するんじゃないのか?」
俺が純粋な疑問を投げかけると、彼女は口を引き締め、遠くを見つめた。
「父が健在だったなら、あるいはそんな未来もあったかもしれんな」
「皇帝陛下は、そんなに悪いのか?」
「………」
その問いに対しては黙っていた。当然のことだ。
皇帝陛下の体調が優れないという噂は、数年前から囁かれていた。事実、現皇帝陛下はじきに亡くなるのだ。そのことを知っているのは、人生101回目の俺だけだ。
「たとえ父が健在だったとしても、争いは避けられなかっただろう」
クーデターか……。
仮に皇帝陛下が健在で、次期皇帝に皇女を指名したとなれば、保守派の貴族たちが黙っていない。皇子たちを祭り上げ、女帝の誕生を阻止しようと必死になったことだろう。あるいは、現在帝国の支配下にある国々が反乱を企てる可能性も十二分に考えられる。それはまさに帝国の崩壊を意味している。
それを防ぐためには、帝国内の有力貴族たちの支持が不可欠となる。彼らの支援なしでは、彼女の野望は実現しないのだ。
「それはそうと、ランスのおかげでポセル村の者たちはすっかり回復したようだな」
先ほどまでの険しい表情から一変、彼女は突然笑顔に変わった。不自然なまでの話題転換に、胸がざわめく。
ちなみに、ポセル村とは石化病に苦しんでいたルーナたちの村のことである。
「うん、もう村人たち全員完治している。万が一また石化病が発症したとしても、ポセル村の人たちは薬の調合方法を知っているから問題ないだろう」
「そうか。ランスには本当に世話になったな」
「……?」
彼女が俺に向き直り、右手を差し出してきた。俺はその手を見つめ、彼女の宝石のような瞳に疑問符を浮かべる。
この握手は一体、何を意味するのだろうか?
「別れの握手だ」
「え……」
「賢いランスならば分かるだろ? ここは直に危険になる。巻き込まれる前に、すぐにここを離れるんだ」
彼女の言葉に、俺は戸惑った。俺はレーヴェンの騎士になることを誓った。彼女を置いて逃げるわけにはいかない。
「俺は……」
「ランスと会えて良かった。私の弟たちも、ランスのように可愛げがあれば良かったのだがな」
「弟……」
ショックで言葉に詰まり、自分を責めた。彼女にとって、俺は弟のような存在だったのかと思うと、悔しさがこみ上げてきた。
「広い世界をたくさん見てこい。そして、いつかまた会うことがあれば、その時は、お前が見た世界の話を聞かせてくれ。私はその日を楽しみに、待っている」
俺は分かっていた。
そんな日が来ないことを。
いや、彼女もきっと分かっていた。
再び会うことはないことを。
たとえ戦場の死神として恐れられていた彼女でも、多勢に無勢では勝ち目はない。
「レーヴェン、俺は――――」
君がここに残れと言うなら、私のために戦えと言うなら、俺は喜んで戦う覚悟だ。
だから、お願いだ。言って欲しいんだ。
一緒に戦ってくれと。
ロレッタやハーネスたちと同じように、俺も君とずっと一緒にいたいんだ。
なのに、それなのに……。
「さよならだ、ランス」
彼女は俺の気持ちを、言葉を遮った。
突き放すように、言葉の矢が正確に俺の心臓を突き刺した。
「……っ」
見上げた空はこんなに蒼いのに、世界はこんなに明るいのに、俺の未来は暗闇に閉ざされてしまったかのようだった。
無理やり握った彼女の手は、まるで嘘みたいに冷たくて、かすかに震えていた。
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