18 / 35
第18話 皇子の使者
しおりを挟む
「セドリックだとッ!?」
まるで雷が鳴り響くかのような大声が響き渡り、屋敷の玄関扉は一瞬で吹き飛んだ。鬼のように変わり果てたレーヴェンが、扉を蹴破って姿を現したのだ。
「お待ちください、レーヴェン様!」
彼女を追いかけるように、ロレッタとハーネスも飛び出してきたが、レーヴェンは二人の制止を振り切り、門前へと駆けていった。
「貴様っ! 次に会ったら容赦しないと言ったはずだァッ!」
「えっ!? ちょっ、ちょっと待って!?」
サーベル片手に鉄門を蹴破り、セドリックに襲いかかるレーヴェン。
「ランス、レーヴェン様を止めなさいっ!」
「え……俺っ!?」
「そこの間抜けな裏切り者は、一応シュナイゼル殿下の使者として来ているのです!」
すっかり俺のことを呼び捨てにするようになったロレッタに命令され、俺は仕方なくレーヴェンを後ろから制止した。
「冷静になってくれ、レーヴェン!」
「離せ、ランス! セドリック、貴様、どうして私の前にのこのこ現れたっ!」
「あっ、ちょっと待って!」
腕の中でレーヴェンが暴れるたび、高貴でお姫様のような香りが鼻に広がり、頭がぼーっとした。それに、レーヴェンの体は驚くほど柔らかかった。
「離すんじゃありませんよ、ランス! ハーネスッ!」
「はっ!」
目にも留まらぬスピードで、ハーネスがレーヴェンを抱えて屋敷に消えていった。地面に臀部を打ち付けた俺の前には、馬の上で震えるセドリックの姿があった。
「お前、あの時のっ!?」
俺を認識したセドリックは、不機嫌そうな皺を眉間に寄せた。
「げっ!?」
しかし、すぐにその表情が引きつってしまう。俺の背後に立つメイド長から放たれる凄まじい殺気に、セドリックの顔色が急速に変わっていく。どうやら彼はメイド長の恐ろしさを理解しているようだ。
俺は首を振って後ろをちらっと確認したが、両手に計六本ものテーブルナイフを持つメイド長は、もはやただのメイドではない。その姿勢はまさに、伝説の「アサシン」と呼ぶに相応しいものだった。
「お久しぶりでございます、セドリック様」
「……あ、ああ。久しぶり」
心に氷のような冷たさが広がるロレッタの言葉に、彼の肩が小刻みに震えていた。その怒りが俺に向けられていないことに、俺は心から安堵していた。
「で、私が手塩にかけて育てた可愛いメイドたちを手にかけたセドリック様が、なぜシュナイゼル殿下の使者としてここにいるのか、是非その経緯をお聞かせいただければ幸いです」
冷静な口調の奥にひそむ怒りと殺意に、俺はこの場から逃げ出したい気持ちに駆られていた。けれど、メイド長は俺をそっと引き止めた。
「ランス、申し訳ありませんが、私の側から離れないでいてくれますか?」
「へ……?」
にっこり微笑むメイド長が、恐ろしいことを口にする。
「誰も見ていないとなれば……私、この間抜けをバラして豚の餌にしてしまいかねないので」
「……」
「そんなことをすれば、レーヴェン様の御迷惑になってしまいます。監視係として、側にいてくれますか?」
「………は、はい」
怖いから嫌だ! なんてことは、口が裂けても言えない。
「あ……」
セドリックは恐怖に驚き、まるで口から魂が抜け出たような表情を浮かべていた。そんなに怖いのなら、なぜ裏切ったのかと思わずにはいられなかった。
「う、馬を厩舎に繋ぎたいのだが」
セドリックは何とか気を取り戻し、恐る恐る尋ねた。が、メイド長は彼には答える気配もなく、お前になど教えるかと明後日の方向を向いてしまった。仕方なく、俺が屋敷の裏手の厩舎に彼を案内することになった。
「なんで貴様がここにいる」
「口が臭いから喋らない方がいいぞ」
「なっ、なんだと貴様!?」
「おいてくぞ?」
レーヴェンを裏切った奴にいちいち説明してやる義理もなければ、彼女の敵に親切にする必要もない。
「俺は誇り高き帝国聖騎士、サンダース家の次期当主だぞ! 平民如きがそんな口を聞いて許されると思うなよ!」
「あっそ。丸腰の臣下を斬りつける騎士なんて聞いたこともない。騎士ってのは魂とも呼べる剣に忠義を誓うんだろ? でも、主君をころころ変えるサンダース家ってのは、騎士というよりは道化師の方がお似合いなんじゃないのか?」
「き、貴様! サンダース家を愚弄する気か!」
「剣の腕も平凡以下。あの時は相当情けなかったよな。もう少しパパに木剣で稽古つけてもらった方がいいんじゃないか?」
「貴様ッ!」
セドリックに肩を掴まれたところで、ロレッタに止められた。
「セドリック様、レーヴェン様がお待ちです。御用があるならお早めに」
「その前に、この無礼者を処罰しろ!」
ロレッタが静かに俺に視線を向ける。
あなたが挑発してどうするのですかと、ロレッタはやれやれと肩をすくめていた。それからセドリックに向かい合っていた。
「セドリック様、この御方は平民ではございません」
「では、どこの田舎貴族だ」
「ランナウェイ国の第一王子、ランス・ランナウェイ殿下です」
「は? 王子だと!?」
もう王子でもなければ、ランナウェイでもないのだが、面倒事を避けるために黙っていることにした。セドリックは俺が小国の王子であることを知り、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「なんでランナウェイ国の王子がこんなところにっ……」
独り言ちるセドリックを無視して、俺とロレッタは屋敷に入っていく。応接室には、セドリックに激怒しているレーヴェンや姿があった。彼女はソファに深く腰かけ、その背後にはハーネスが控えていた。何かあればすぐに対応できるように、神経を張り巡らせていた。
「――!?」
よそ者の俺はすぐに退室しようとしたのだが、ロレッタに腕を掴まれた。
「王族のフリをして隣に座りなさい」
「え……?」
「もし何かあった場合は、体を張ってレーヴェン様を止めなさい」
ロレッタが耳元で囁き、お茶の用意をするために一度退室する。俺は彼女にうなずいて、踵を返した。そして、レーヴェンの隣に腰を落ち着かせた。
心の中では、レーヴェンに注意されるのではないかと不安だったが、彼女は俺には目もくれず、目の前の男に集中していた。一心に彼を睨んでいた。
セドリックは黙って足元を見つめていた。どうやら顔を上げることさえできない様子だった。蛇に睨まれた蛙とは、今の彼のことをいうのだろう。
しばらくして、バーカートを押したメイド長が戻ってきた。応接室にはダージリンの爽やかで華やかなフラワリーな香りが広がり、机にはティーカップが並べられた。
「それで、シュナイゼルの使者が私に何用だ」
威圧的な暗い声に、緊張が走る。セドリックは喉を鳴らし、懐から一枚の封書を取り出した。それをレーヴェンへと差し出す。
「それは何だ?」
「シュナイゼル殿下より預かって参りました。婚約披露パーティに関する知らせのようです」
「シュナイゼルにはすでに婚約者がいたはずだ。それに、なぜ私がシュナイゼルの婚約パーティに出席せねばならん」
「いえ、これはシュナイゼル殿下の婚約パーティではなく、レーヴェン殿下の婚約パーティの知らせです」
「何?」
「え……?」
俺とレーヴェンはほぼ同時に驚きの声を上げていた。場の空気が凍りつき、時間が一瞬止まったようだった。
やがて――
「婚約だとっ!?」
「ふざけるなッ!」
俺たちは同時に大声を上げていた。
まるで雷が鳴り響くかのような大声が響き渡り、屋敷の玄関扉は一瞬で吹き飛んだ。鬼のように変わり果てたレーヴェンが、扉を蹴破って姿を現したのだ。
「お待ちください、レーヴェン様!」
彼女を追いかけるように、ロレッタとハーネスも飛び出してきたが、レーヴェンは二人の制止を振り切り、門前へと駆けていった。
「貴様っ! 次に会ったら容赦しないと言ったはずだァッ!」
「えっ!? ちょっ、ちょっと待って!?」
サーベル片手に鉄門を蹴破り、セドリックに襲いかかるレーヴェン。
「ランス、レーヴェン様を止めなさいっ!」
「え……俺っ!?」
「そこの間抜けな裏切り者は、一応シュナイゼル殿下の使者として来ているのです!」
すっかり俺のことを呼び捨てにするようになったロレッタに命令され、俺は仕方なくレーヴェンを後ろから制止した。
「冷静になってくれ、レーヴェン!」
「離せ、ランス! セドリック、貴様、どうして私の前にのこのこ現れたっ!」
「あっ、ちょっと待って!」
腕の中でレーヴェンが暴れるたび、高貴でお姫様のような香りが鼻に広がり、頭がぼーっとした。それに、レーヴェンの体は驚くほど柔らかかった。
「離すんじゃありませんよ、ランス! ハーネスッ!」
「はっ!」
目にも留まらぬスピードで、ハーネスがレーヴェンを抱えて屋敷に消えていった。地面に臀部を打ち付けた俺の前には、馬の上で震えるセドリックの姿があった。
「お前、あの時のっ!?」
俺を認識したセドリックは、不機嫌そうな皺を眉間に寄せた。
「げっ!?」
しかし、すぐにその表情が引きつってしまう。俺の背後に立つメイド長から放たれる凄まじい殺気に、セドリックの顔色が急速に変わっていく。どうやら彼はメイド長の恐ろしさを理解しているようだ。
俺は首を振って後ろをちらっと確認したが、両手に計六本ものテーブルナイフを持つメイド長は、もはやただのメイドではない。その姿勢はまさに、伝説の「アサシン」と呼ぶに相応しいものだった。
「お久しぶりでございます、セドリック様」
「……あ、ああ。久しぶり」
心に氷のような冷たさが広がるロレッタの言葉に、彼の肩が小刻みに震えていた。その怒りが俺に向けられていないことに、俺は心から安堵していた。
「で、私が手塩にかけて育てた可愛いメイドたちを手にかけたセドリック様が、なぜシュナイゼル殿下の使者としてここにいるのか、是非その経緯をお聞かせいただければ幸いです」
冷静な口調の奥にひそむ怒りと殺意に、俺はこの場から逃げ出したい気持ちに駆られていた。けれど、メイド長は俺をそっと引き止めた。
「ランス、申し訳ありませんが、私の側から離れないでいてくれますか?」
「へ……?」
にっこり微笑むメイド長が、恐ろしいことを口にする。
「誰も見ていないとなれば……私、この間抜けをバラして豚の餌にしてしまいかねないので」
「……」
「そんなことをすれば、レーヴェン様の御迷惑になってしまいます。監視係として、側にいてくれますか?」
「………は、はい」
怖いから嫌だ! なんてことは、口が裂けても言えない。
「あ……」
セドリックは恐怖に驚き、まるで口から魂が抜け出たような表情を浮かべていた。そんなに怖いのなら、なぜ裏切ったのかと思わずにはいられなかった。
「う、馬を厩舎に繋ぎたいのだが」
セドリックは何とか気を取り戻し、恐る恐る尋ねた。が、メイド長は彼には答える気配もなく、お前になど教えるかと明後日の方向を向いてしまった。仕方なく、俺が屋敷の裏手の厩舎に彼を案内することになった。
「なんで貴様がここにいる」
「口が臭いから喋らない方がいいぞ」
「なっ、なんだと貴様!?」
「おいてくぞ?」
レーヴェンを裏切った奴にいちいち説明してやる義理もなければ、彼女の敵に親切にする必要もない。
「俺は誇り高き帝国聖騎士、サンダース家の次期当主だぞ! 平民如きがそんな口を聞いて許されると思うなよ!」
「あっそ。丸腰の臣下を斬りつける騎士なんて聞いたこともない。騎士ってのは魂とも呼べる剣に忠義を誓うんだろ? でも、主君をころころ変えるサンダース家ってのは、騎士というよりは道化師の方がお似合いなんじゃないのか?」
「き、貴様! サンダース家を愚弄する気か!」
「剣の腕も平凡以下。あの時は相当情けなかったよな。もう少しパパに木剣で稽古つけてもらった方がいいんじゃないか?」
「貴様ッ!」
セドリックに肩を掴まれたところで、ロレッタに止められた。
「セドリック様、レーヴェン様がお待ちです。御用があるならお早めに」
「その前に、この無礼者を処罰しろ!」
ロレッタが静かに俺に視線を向ける。
あなたが挑発してどうするのですかと、ロレッタはやれやれと肩をすくめていた。それからセドリックに向かい合っていた。
「セドリック様、この御方は平民ではございません」
「では、どこの田舎貴族だ」
「ランナウェイ国の第一王子、ランス・ランナウェイ殿下です」
「は? 王子だと!?」
もう王子でもなければ、ランナウェイでもないのだが、面倒事を避けるために黙っていることにした。セドリックは俺が小国の王子であることを知り、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「なんでランナウェイ国の王子がこんなところにっ……」
独り言ちるセドリックを無視して、俺とロレッタは屋敷に入っていく。応接室には、セドリックに激怒しているレーヴェンや姿があった。彼女はソファに深く腰かけ、その背後にはハーネスが控えていた。何かあればすぐに対応できるように、神経を張り巡らせていた。
「――!?」
よそ者の俺はすぐに退室しようとしたのだが、ロレッタに腕を掴まれた。
「王族のフリをして隣に座りなさい」
「え……?」
「もし何かあった場合は、体を張ってレーヴェン様を止めなさい」
ロレッタが耳元で囁き、お茶の用意をするために一度退室する。俺は彼女にうなずいて、踵を返した。そして、レーヴェンの隣に腰を落ち着かせた。
心の中では、レーヴェンに注意されるのではないかと不安だったが、彼女は俺には目もくれず、目の前の男に集中していた。一心に彼を睨んでいた。
セドリックは黙って足元を見つめていた。どうやら顔を上げることさえできない様子だった。蛇に睨まれた蛙とは、今の彼のことをいうのだろう。
しばらくして、バーカートを押したメイド長が戻ってきた。応接室にはダージリンの爽やかで華やかなフラワリーな香りが広がり、机にはティーカップが並べられた。
「それで、シュナイゼルの使者が私に何用だ」
威圧的な暗い声に、緊張が走る。セドリックは喉を鳴らし、懐から一枚の封書を取り出した。それをレーヴェンへと差し出す。
「それは何だ?」
「シュナイゼル殿下より預かって参りました。婚約披露パーティに関する知らせのようです」
「シュナイゼルにはすでに婚約者がいたはずだ。それに、なぜ私がシュナイゼルの婚約パーティに出席せねばならん」
「いえ、これはシュナイゼル殿下の婚約パーティではなく、レーヴェン殿下の婚約パーティの知らせです」
「何?」
「え……?」
俺とレーヴェンはほぼ同時に驚きの声を上げていた。場の空気が凍りつき、時間が一瞬止まったようだった。
やがて――
「婚約だとっ!?」
「ふざけるなッ!」
俺たちは同時に大声を上げていた。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる