17 / 35
第17話 訪問者
しおりを挟む
あれから一週間が経過した。
問診のために村に足を運び、村人たちの症状を確認していく。皆、体調が良好で、石化病も完治していた。村はすっかり霧が晴れたかのように、明るい雰囲気に包まれていた。
「先生が来てくれてから、村が本当に明るくなりました。まるで昔に戻ったようです」
「皆、皇女殿下様と先生には感謝しております」
村人たちは俺を医者と誤解しており、皆からは大層な呼び方をされている。ちなみに、その後、レーヴェンは石化病の原因と薬の調合方法を手紙にしたためていた。そこに俺の名前が記されていたことが気になったが、石化病で苦しむ人々を助けることができるのならばと、今回は目をつぶることにした。
「お兄ちゃんこれあげる」
「こんなに沢山、いいのか?」
「うん、お母さんと一緒に採ってきたの」
あの時、ムクネ草を分けてくれた恥ずかしがり屋な少女――ルーナから山菜を受け取り、感謝の意を告げる。
「じゃあ、またな」
また来ることを少女に伝え、俺は屋敷に帰った。新鮮な山菜をテレサに渡し、レーヴェンに会いに行こうと部屋の前までやって来たのだが、そこでノックをする手が止まってしまう。
「ふざけるなァッ!!」
部屋の中から聞こえてきた怒声は、まるで食器が床に叩きつけられるような音だった。
「なぜテイラー議員やコックス議員が、議会から追放されねばならんのだッ!」
「御二方とも、最後まで殿下のお力にと」
「恐らく、そのことを良く思わない者たちによって帝国議会を……」
部屋の中から、危険な話題が聞こえてきた。
帝国議会は、皇族・貴族院と公選議員で構成される帝国の最高機関だ。噂では、帝国は民衆の不満を抑えるためだけに衆議院を設立したと言われており、帝国議会における発言権はほとんどない。レーヴェンたちの話に出てくる議員は、おそらく貴族院からなる上院議員のことだろう。帝国内では、下院議員はただのお飾りに過ぎない。
「……」
話の内容は気になったが、俺はその場を後にした。帝国内部の問題に、よそ者の俺が首を突っ込むべきではないと思った――が、それでもやはり気になる。
話の流れから察するに、テイラー議員とコックス議員はおそらくレーヴェンの支持者だろう。もし彼らが議会から追放されたとしたら、レーヴェンの立場はかなり危うい状況にあるのかもしれない。
「ただでさえ、このような辺境の地に追いやられているんだもんな」
そもそも、レーヴェンはなぜこのような辺境の場所に追いやられたのだろう。
その答えは、あの日、レーヴェンを裏切った騎士、パウロの言葉を思い出せば、容易に理解できた。
『決して誰も認めない。女の皇帝など断じてだれっ――』
レーヴェンの目標は、自分がシュタインズ帝国の皇帝になることで間違いない。そのために、彼女は女性でありながら戦場に出続けたと考えられる。戦功を重ねれば、いつかは認められると信じていたのだろう。
しかし、貴族社会はそんなに甘くない。
女性が男性よりも優れた戦果を上げると、その分嫉妬心が増すものだ。貴族たちは誇り高い存在で、女性に仕えたことなど、歴史を遡っても聞いたことがない。ましてや、帝国の第一皇子や第二皇子が黙っているとは考えにくい。これらの考えを巡らせながら、俺は過去の人生を振り返っていた。
「うーん……」
過去100回の人生において、女性がシュタインズ帝国の皇帝になったなどという話は、さすがに聞いたことがない。現在の皇帝が亡くなった場合、通常は皇子が皇帝の座に就くはずだ。その時々によって、第一皇子であったり第二皇子であったりと、皇位に就くものは違っていたが、やはり何れも男性だったと記憶している。
「でも、待てよ。だったら、レーヴェンはどうなったんだ?」
これは俺の個人的な考えだが、レーヴェンは今も皇帝の座を諦めていない。彼女はこのような辺境の地にまで追いやられても尚、自身の野心を捨てていない。
しかし、俺が過去100回の人生で、レーヴェン・W・シュタインズの名前を聞いたことはない。
もし彼女が皇帝の座を諦め、誰かと結婚していたなら、それは大々的に報じられているはずだ。しかし、そのような話は聞いたことがなかった。もちろん、皇帝になったという話も。
「では、彼女は一体どこで何をしていたんだ?」
俺の脳裏に、ある可能性が浮かび上がっていた。それは、彼女が何者かによって暗殺され、歴史から抹消されてしまった可能性だ。
「……」
俺は庭から屋敷を見上げた。レーヴェンの部屋がある窓の方を……。
「……っ」
考えたくはないが、おそらく彼女は……。
「死ぬ」
無意識に漏れたその言葉に、背筋が寒くなる。戦場の死神と称された彼女の背後には、実際に死神が付きまとっていたのかもしれない。
人の人生は些細なことで180度変わることがある。彼女の人生が100回も同じ結末を迎えたということは、裏を返せば、彼女が絶対に皇帝の座を諦めないという決意を持っていることでもある。
ではなぜ、レーヴェン・W・シュタインズは、そこまでして皇帝という世界最大の権力を欲しているのだろう。
「一体何が、彼女をそこまで駆り立てているんだ」
そんな疑問を考えながら庭先を歩いていると、「頼もうっ!」門の方から甲高い男性の声が聞こえてきた。
その声に、どこか聞き覚えがあった。
「私はセドリック・サンダース! シュナイゼル殿下の使者として馳せ参じた! 直ちにこの門を開けよ!」
シュナイゼル殿下の使者だと!?
「え……セドリックって!?」
突然の訪問者は、レーヴェンの弟であり、シュタインズ帝国の第二皇子、その使者、新米聖騎士セドリック・サンダースだった。
問診のために村に足を運び、村人たちの症状を確認していく。皆、体調が良好で、石化病も完治していた。村はすっかり霧が晴れたかのように、明るい雰囲気に包まれていた。
「先生が来てくれてから、村が本当に明るくなりました。まるで昔に戻ったようです」
「皆、皇女殿下様と先生には感謝しております」
村人たちは俺を医者と誤解しており、皆からは大層な呼び方をされている。ちなみに、その後、レーヴェンは石化病の原因と薬の調合方法を手紙にしたためていた。そこに俺の名前が記されていたことが気になったが、石化病で苦しむ人々を助けることができるのならばと、今回は目をつぶることにした。
「お兄ちゃんこれあげる」
「こんなに沢山、いいのか?」
「うん、お母さんと一緒に採ってきたの」
あの時、ムクネ草を分けてくれた恥ずかしがり屋な少女――ルーナから山菜を受け取り、感謝の意を告げる。
「じゃあ、またな」
また来ることを少女に伝え、俺は屋敷に帰った。新鮮な山菜をテレサに渡し、レーヴェンに会いに行こうと部屋の前までやって来たのだが、そこでノックをする手が止まってしまう。
「ふざけるなァッ!!」
部屋の中から聞こえてきた怒声は、まるで食器が床に叩きつけられるような音だった。
「なぜテイラー議員やコックス議員が、議会から追放されねばならんのだッ!」
「御二方とも、最後まで殿下のお力にと」
「恐らく、そのことを良く思わない者たちによって帝国議会を……」
部屋の中から、危険な話題が聞こえてきた。
帝国議会は、皇族・貴族院と公選議員で構成される帝国の最高機関だ。噂では、帝国は民衆の不満を抑えるためだけに衆議院を設立したと言われており、帝国議会における発言権はほとんどない。レーヴェンたちの話に出てくる議員は、おそらく貴族院からなる上院議員のことだろう。帝国内では、下院議員はただのお飾りに過ぎない。
「……」
話の内容は気になったが、俺はその場を後にした。帝国内部の問題に、よそ者の俺が首を突っ込むべきではないと思った――が、それでもやはり気になる。
話の流れから察するに、テイラー議員とコックス議員はおそらくレーヴェンの支持者だろう。もし彼らが議会から追放されたとしたら、レーヴェンの立場はかなり危うい状況にあるのかもしれない。
「ただでさえ、このような辺境の地に追いやられているんだもんな」
そもそも、レーヴェンはなぜこのような辺境の場所に追いやられたのだろう。
その答えは、あの日、レーヴェンを裏切った騎士、パウロの言葉を思い出せば、容易に理解できた。
『決して誰も認めない。女の皇帝など断じてだれっ――』
レーヴェンの目標は、自分がシュタインズ帝国の皇帝になることで間違いない。そのために、彼女は女性でありながら戦場に出続けたと考えられる。戦功を重ねれば、いつかは認められると信じていたのだろう。
しかし、貴族社会はそんなに甘くない。
女性が男性よりも優れた戦果を上げると、その分嫉妬心が増すものだ。貴族たちは誇り高い存在で、女性に仕えたことなど、歴史を遡っても聞いたことがない。ましてや、帝国の第一皇子や第二皇子が黙っているとは考えにくい。これらの考えを巡らせながら、俺は過去の人生を振り返っていた。
「うーん……」
過去100回の人生において、女性がシュタインズ帝国の皇帝になったなどという話は、さすがに聞いたことがない。現在の皇帝が亡くなった場合、通常は皇子が皇帝の座に就くはずだ。その時々によって、第一皇子であったり第二皇子であったりと、皇位に就くものは違っていたが、やはり何れも男性だったと記憶している。
「でも、待てよ。だったら、レーヴェンはどうなったんだ?」
これは俺の個人的な考えだが、レーヴェンは今も皇帝の座を諦めていない。彼女はこのような辺境の地にまで追いやられても尚、自身の野心を捨てていない。
しかし、俺が過去100回の人生で、レーヴェン・W・シュタインズの名前を聞いたことはない。
もし彼女が皇帝の座を諦め、誰かと結婚していたなら、それは大々的に報じられているはずだ。しかし、そのような話は聞いたことがなかった。もちろん、皇帝になったという話も。
「では、彼女は一体どこで何をしていたんだ?」
俺の脳裏に、ある可能性が浮かび上がっていた。それは、彼女が何者かによって暗殺され、歴史から抹消されてしまった可能性だ。
「……」
俺は庭から屋敷を見上げた。レーヴェンの部屋がある窓の方を……。
「……っ」
考えたくはないが、おそらく彼女は……。
「死ぬ」
無意識に漏れたその言葉に、背筋が寒くなる。戦場の死神と称された彼女の背後には、実際に死神が付きまとっていたのかもしれない。
人の人生は些細なことで180度変わることがある。彼女の人生が100回も同じ結末を迎えたということは、裏を返せば、彼女が絶対に皇帝の座を諦めないという決意を持っていることでもある。
ではなぜ、レーヴェン・W・シュタインズは、そこまでして皇帝という世界最大の権力を欲しているのだろう。
「一体何が、彼女をそこまで駆り立てているんだ」
そんな疑問を考えながら庭先を歩いていると、「頼もうっ!」門の方から甲高い男性の声が聞こえてきた。
その声に、どこか聞き覚えがあった。
「私はセドリック・サンダース! シュナイゼル殿下の使者として馳せ参じた! 直ちにこの門を開けよ!」
シュナイゼル殿下の使者だと!?
「え……セドリックって!?」
突然の訪問者は、レーヴェンの弟であり、シュタインズ帝国の第二皇子、その使者、新米聖騎士セドリック・サンダースだった。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
薬術の魔女の結婚事情【リメイク】
しの
恋愛
『身分を問わず、魔力の相性が良い相手と婚姻すべし』
少子高齢化の進む魔術社会でそんな法律が出来る。それは『相性結婚』と俗世では呼称された。
これは法律に巻き込まれた、薬術が得意な少女の物語——
—— —— —— ——
×以下 中身のあらすじ×
××
王家を中心に複数の貴族家で構成されたこの国は、魔獣の襲来などはあるものの隣国と比べ平和が続いていた。
特出した育児制度も無く労働力は魔術や魔道具で補えるので子を増やす必要が少なく、独り身を好む者が増え緩やかに出生率が下がり少子高齢化が進んでいた。
それを危惧した政府は『相性結婚』なる制度を作り上げる。
また、強い魔力を血筋に取り込むような婚姻を繰り返す事により、魔力の質が低下する懸念があった。その為、強い血のかけあわせよりも相性という概念での組み合わせの方が、より質の高い魔力を持つ子供の出生に繋がると考えられたのだ。
しかし、魔力の相性がいいと性格の相性が良くない事が多く、出生率は対して上がらずに離婚率をあげる結果となり、法律の撤廃が行われようとしている間際であった。
薬作りが得意な少女、通称『薬術の魔女』は、エリート学校『魔術アカデミー』の薬学コース生。
第四学年になった秋に、15歳になると検討が始まる『相性結婚』の通知が届き、宮廷で魔術師をしているらしい男と婚約する事になった。
顔合わせで会ったその日に、向こうは「鞍替えしても良い」「制度は虫よけ程度にしか使うつもりがない」と言い、あまり乗り気じゃない上に、なんだかただの宮廷魔術師でもなさそうだ。
他にも途中で転入してきた3人もなんだか変なやつばっかりで。
こんな感じだし、制度はそろそろ撤廃されそうだし。アカデミーを卒業したら制度の通りに結婚するのだろうか。
これは、薬術の魔女と呼ばれる薬以外にほとんど興味のない(無自覚)少女と、何でもできるが周囲から認められず性格が歪んでしまった魔術師の男が制度によって出会い、互いの関係が変化するまでのお話。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる