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第14話 恋のライバルはメイド長……?
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翌朝、いつも通りにレーヴェンと一緒に朝食を取っていると、メイド長がじっと俺の顔を見つめてくる。
「レーヴェンに、俺が屋敷を出ることを伝えなさい」というメッセージが、彼女の目から伝わってきた。
しかし、俺はまだレーヴェンから離れることを望んでいない。そして、まだ自分の気持ちをレーヴェンに伝えていなかった。
伝えたとしても、この恋が叶う保証はないし、それは夢のような願いかもしれない。それでも、伝えないで終わるのは嫌だった。何よりも、あの夜のレーヴェンとハーネスの会話が頭から消えないのだった。
『パウロ殿たちをけしかけた者は……』
『おそらく、弟たちの誰かだろうな』
元王族の俺には、この事情がよく理解できた。シュタインズ帝国は今、皇位継承問題に揺れ動いている。
通常、皇位継承権は女性には与えられない。そのため、皇位継承問題に女性であるレーヴェンが巻き込まれることは考えにくい。が、彼女は既に巻き込まれている。誰も口には出さないかもしれないが、このような辺境の地に追いやられたのも、明らかに皇位継承問題が関係していた。
彼女自身が皇帝の座を望んでいることに加え、誰よりも戦果を上げてきた彼女を、兄弟や貴族たちも無視することができない。優れた女性ほど、王族や貴族社会では妬まれることがある。この世界は時に不条理なのだ。
だからこそ、今の状況で俺が彼女から離れるわけにはいかない。騎士を失った彼女の騎士に俺がなる。
それゆえに、「ふんっ」と、俺は明日の方角に顔を向ける。
「――――」
すると、メイド長の顔に不機嫌そうな縦じわが浮かび上がる。明らかに怒っている様子だ。
ん……?
しかし、すぐにいつも通りの無表情に戻り、レーヴェンの方に歩み寄る。何かを耳打ちしていた。
何を話しているんだろ?
気になるな。
チラチラとこちらを見るメイド長の視線が、焦りを感じさせる。黙って耳を傾けているレーヴェンの眉が、驚きの兆しを示すように少しだけ上がった。
「……そうか」
いつもよりも低く、沈んだトーンのレーヴェンの声が、静まり返った食堂にかすかに響いた。不安が募る中、無意識のうちにフォークとナイフを握る手に力が入る。
「食事が終わったら、すぐに立つのか?」と、こちらに顔を向けてきたレーヴェンが、柘榴色の瞳で問いかけてきた。
「いや……その」
「出発は早い方がいいかと」
俺に考える時間を与えまいとするロレッタが、矢継ぎ早に追い出すための言葉を重ねてくる。どうやらロレッタは本気で俺を屋敷から追い出そうとしているようだ。
しかし、不思議なもので、相手が追い出そうとするほど、人間は却って反発したくなる生きものなのだ。決して覗かないでくれと言われれば覗きたくなり、開けないでくれと言われれば開けたくなる。この行動パターンは、心理学的には『心理的リアクタンス』と呼ばれている。
賢者な師匠いわく、『人は自由を制限されると反発し、より自由に執着する』
だから、俺も反発するのかもしれない。
「そのことだけど、もうしばらくお世話になろうかなって思ってる」
「!?」
思いがけない俺の言葉に、ロレッタは驚いていた。
「しかし、ランス様、昨夜は行くところがあると仰られていましたよね? このような辺境の地でのんびりしておられる時間はないのでは?」
「そうなのか?」
小首をかしげるレーヴェンに、俺は「そんなことはない」と答える。
「レーヴェンも知っての通り、俺は情けないことに王家を追い出された身だろ。昨夜はなんというか、つい見栄を張って行くところがあると言ってしまったんだ」
「そうだったのか。ランスの気持ちも分からなくはない。が、ここでは背伸びをする必要はないのだぞ。ランスさえ良ければ、ずっと居てくれても構わんのだ」
「うん、ありがとう。だけど世話になりっぱなしというのも問題があると思うんだ」
「そうか?」
私は全然構わないと言ってくれる心優しいレーヴェンだが、それではまたいつどのメイド長にチクリと刺されるか分かったものではない。
「ここに居る間は客人としてではなく、俺のことも使用人として扱ってほしいんだ。もちろんハーネスさんのようにはいかないけど、適当な雑用くらいなら俺でもできると思うから」
「ランスにとってその方が気兼ねがないというのなら、私は構わない。ハーネスはどうだ?」
「ええ、私も構いません」
こうして、俺は正式にレーヴェンの側に居られる権利を手に入れた。
「ただし、食事は食堂で私と摂ること」
「いいのか?」
「私も一人で食事をするより、ランスと食事をした方が楽しいからな」
「そういうことなら、ありがたく受け入れるよ」
チラッとロレッタに視線を移すと、相変わらずの無表情だが、その中に確かな苛立ちが見えた。
「ロレッタもいいな?」
「レーヴェン様がそれで宜しいなら」
「うむ」
間があったのが気になるところだが、これで彼女に追い出される心配もないだろうと安心する。ようやく心を落ち着かせて食事ができる。
食事を終えた俺がレーヴェンと一緒に屋敷内を散歩していると、どこかに出かけようとするハーネスを見つけた。
「どこかに行くのか?」
「食材を森で調達するのにも限界がございますので、本日は村まで下りてみようかと思っている次第であります」
「それなら俺も行くよ」
「しかし」
困った様子で眉根を寄せるハーネス。
「さっき雑用なら任せてくれって言ったろ。荷物持ちくらいなら俺にもできるからさ」
「いいんじゃないか」
レーヴェンの一言で、ハーネスは鷹揚と頷いた。
「では、お願い致します」
「うん!」
こうしてハーネスと村に買い出しに行くことになったのだが、なぜかレーヴェンも一緒に屋敷を出てしまった。
「一度、ちゃんと村を視察しておこうと思っていたところだ」
「そうか。では、三人で一緒に行こう」
「四人です!」
「うわぁっ!?」
一体どこから現れたのか、俺とレーヴェンの間にロレッタが割り込んできた。
「――――」
「……っ」
まるで害虫を払うように、俺からレーヴェンを引き離すロレッタ。その行動に、ついムッとしてしまう。
貴方にレーヴェン様は百億万年早いっ! と言わんばかりに、眼鏡の奥の黒い瞳がギラリと光った。
「ロレッタも村に用事か?」
「ええ、レーヴェン様が虫に刺されないよう、蚊除けにならなければなりませんから」
「蚊除け……?」
村には蚊が多いのかと口にするレーヴェンの横で、ロレッタが監視するように俺へ視線を向ける。
嫌な眼で見てくるメイドだな。
ま、いい。
仕方なく、右から左に移動しようとした。つまり、レーヴェンの隣を歩こうと思っていた。
しかし……。
「――――!?」
「なにか?」
この野郎っ!
ロレッタが巧妙に自分とレーヴェンの位置を入れ替えた。どうしても俺とレーヴェンを引き離そうとするつもりらしい。
「?」
疑問の表情を浮かべるハーネスを無視し、俺はこのメイド長に絶対に負けないと決意した。
レーヴェンの隣を巡る熾烈な争いは、村にたどり着くまで繰り返された。
「レーヴェンに、俺が屋敷を出ることを伝えなさい」というメッセージが、彼女の目から伝わってきた。
しかし、俺はまだレーヴェンから離れることを望んでいない。そして、まだ自分の気持ちをレーヴェンに伝えていなかった。
伝えたとしても、この恋が叶う保証はないし、それは夢のような願いかもしれない。それでも、伝えないで終わるのは嫌だった。何よりも、あの夜のレーヴェンとハーネスの会話が頭から消えないのだった。
『パウロ殿たちをけしかけた者は……』
『おそらく、弟たちの誰かだろうな』
元王族の俺には、この事情がよく理解できた。シュタインズ帝国は今、皇位継承問題に揺れ動いている。
通常、皇位継承権は女性には与えられない。そのため、皇位継承問題に女性であるレーヴェンが巻き込まれることは考えにくい。が、彼女は既に巻き込まれている。誰も口には出さないかもしれないが、このような辺境の地に追いやられたのも、明らかに皇位継承問題が関係していた。
彼女自身が皇帝の座を望んでいることに加え、誰よりも戦果を上げてきた彼女を、兄弟や貴族たちも無視することができない。優れた女性ほど、王族や貴族社会では妬まれることがある。この世界は時に不条理なのだ。
だからこそ、今の状況で俺が彼女から離れるわけにはいかない。騎士を失った彼女の騎士に俺がなる。
それゆえに、「ふんっ」と、俺は明日の方角に顔を向ける。
「――――」
すると、メイド長の顔に不機嫌そうな縦じわが浮かび上がる。明らかに怒っている様子だ。
ん……?
しかし、すぐにいつも通りの無表情に戻り、レーヴェンの方に歩み寄る。何かを耳打ちしていた。
何を話しているんだろ?
気になるな。
チラチラとこちらを見るメイド長の視線が、焦りを感じさせる。黙って耳を傾けているレーヴェンの眉が、驚きの兆しを示すように少しだけ上がった。
「……そうか」
いつもよりも低く、沈んだトーンのレーヴェンの声が、静まり返った食堂にかすかに響いた。不安が募る中、無意識のうちにフォークとナイフを握る手に力が入る。
「食事が終わったら、すぐに立つのか?」と、こちらに顔を向けてきたレーヴェンが、柘榴色の瞳で問いかけてきた。
「いや……その」
「出発は早い方がいいかと」
俺に考える時間を与えまいとするロレッタが、矢継ぎ早に追い出すための言葉を重ねてくる。どうやらロレッタは本気で俺を屋敷から追い出そうとしているようだ。
しかし、不思議なもので、相手が追い出そうとするほど、人間は却って反発したくなる生きものなのだ。決して覗かないでくれと言われれば覗きたくなり、開けないでくれと言われれば開けたくなる。この行動パターンは、心理学的には『心理的リアクタンス』と呼ばれている。
賢者な師匠いわく、『人は自由を制限されると反発し、より自由に執着する』
だから、俺も反発するのかもしれない。
「そのことだけど、もうしばらくお世話になろうかなって思ってる」
「!?」
思いがけない俺の言葉に、ロレッタは驚いていた。
「しかし、ランス様、昨夜は行くところがあると仰られていましたよね? このような辺境の地でのんびりしておられる時間はないのでは?」
「そうなのか?」
小首をかしげるレーヴェンに、俺は「そんなことはない」と答える。
「レーヴェンも知っての通り、俺は情けないことに王家を追い出された身だろ。昨夜はなんというか、つい見栄を張って行くところがあると言ってしまったんだ」
「そうだったのか。ランスの気持ちも分からなくはない。が、ここでは背伸びをする必要はないのだぞ。ランスさえ良ければ、ずっと居てくれても構わんのだ」
「うん、ありがとう。だけど世話になりっぱなしというのも問題があると思うんだ」
「そうか?」
私は全然構わないと言ってくれる心優しいレーヴェンだが、それではまたいつどのメイド長にチクリと刺されるか分かったものではない。
「ここに居る間は客人としてではなく、俺のことも使用人として扱ってほしいんだ。もちろんハーネスさんのようにはいかないけど、適当な雑用くらいなら俺でもできると思うから」
「ランスにとってその方が気兼ねがないというのなら、私は構わない。ハーネスはどうだ?」
「ええ、私も構いません」
こうして、俺は正式にレーヴェンの側に居られる権利を手に入れた。
「ただし、食事は食堂で私と摂ること」
「いいのか?」
「私も一人で食事をするより、ランスと食事をした方が楽しいからな」
「そういうことなら、ありがたく受け入れるよ」
チラッとロレッタに視線を移すと、相変わらずの無表情だが、その中に確かな苛立ちが見えた。
「ロレッタもいいな?」
「レーヴェン様がそれで宜しいなら」
「うむ」
間があったのが気になるところだが、これで彼女に追い出される心配もないだろうと安心する。ようやく心を落ち着かせて食事ができる。
食事を終えた俺がレーヴェンと一緒に屋敷内を散歩していると、どこかに出かけようとするハーネスを見つけた。
「どこかに行くのか?」
「食材を森で調達するのにも限界がございますので、本日は村まで下りてみようかと思っている次第であります」
「それなら俺も行くよ」
「しかし」
困った様子で眉根を寄せるハーネス。
「さっき雑用なら任せてくれって言ったろ。荷物持ちくらいなら俺にもできるからさ」
「いいんじゃないか」
レーヴェンの一言で、ハーネスは鷹揚と頷いた。
「では、お願い致します」
「うん!」
こうしてハーネスと村に買い出しに行くことになったのだが、なぜかレーヴェンも一緒に屋敷を出てしまった。
「一度、ちゃんと村を視察しておこうと思っていたところだ」
「そうか。では、三人で一緒に行こう」
「四人です!」
「うわぁっ!?」
一体どこから現れたのか、俺とレーヴェンの間にロレッタが割り込んできた。
「――――」
「……っ」
まるで害虫を払うように、俺からレーヴェンを引き離すロレッタ。その行動に、ついムッとしてしまう。
貴方にレーヴェン様は百億万年早いっ! と言わんばかりに、眼鏡の奥の黒い瞳がギラリと光った。
「ロレッタも村に用事か?」
「ええ、レーヴェン様が虫に刺されないよう、蚊除けにならなければなりませんから」
「蚊除け……?」
村には蚊が多いのかと口にするレーヴェンの横で、ロレッタが監視するように俺へ視線を向ける。
嫌な眼で見てくるメイドだな。
ま、いい。
仕方なく、右から左に移動しようとした。つまり、レーヴェンの隣を歩こうと思っていた。
しかし……。
「――――!?」
「なにか?」
この野郎っ!
ロレッタが巧妙に自分とレーヴェンの位置を入れ替えた。どうしても俺とレーヴェンを引き離そうとするつもりらしい。
「?」
疑問の表情を浮かべるハーネスを無視し、俺はこのメイド長に絶対に負けないと決意した。
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