12 / 19
たまご(1)
しおりを挟む
「……その、昨日はありがと」
「え?」
就業早々かけられた、予想外の言葉に動揺する。
寝落ちた彼を好き勝手した翌日にまさかそんなことを言われるとは思ってもよらず、激しく動揺した。
「覚えがないのだが。」
「あ゛ーー、もー……。……、事後、処理みたいな」
昨日の夜の出来事を脳内で反芻する。俺のものを抜いて、しゃぶって、騎乗位で特大サービスしてくれたこと。そのまま倒れた彼を使ってイって、その穴を好き勝手ねぶったこと。回想するうちに股間がゆるくテントを立て始めた気配がして、やや前屈みになる。
「……ああ!そのことか」
証拠隠滅のために彼の体を拭いたこと。中を舐めまわした結果的お掃除クンニをしたこと。それらに思い当たり合点がいった。
「言わせんな、……」
恥ずかしくなったのかダリスははにかむ。
「問題ない、特に気にしていない」
「……。ん」
俯いたまま頷く姿も愛おしい。
彼が寝てしまってからの一連の出来事がバレていないことに安堵しながら、俺はいつも通り彼の家へと向かう。
「でさ、そのお礼?になんだけど」
「ふむ?」
「……今日、あんたの好きにしていいよ。…………何でもしてあげるって言った中でこういうのも変だけどさ」
言葉の意味がわからず首を傾げる。
「だから。……いつもはあれこれやめてって言うけど、今日は特別に何でも許してあげるってこと。」
「まじか」
「まじ。……今日で本気で終わらせるから。何だって耐える覚悟はできてる」
そう言うダリスはきりりとした凛々しい表情をしている。これから抱かれる立場なのに格好いい。そういうところも含めて可愛いのだが。
「で、何するの」
「……寄りたい場所がある」
職場からダリスの家までの道なりは全て地下通路におさまっている。何軒か管轄の違う建物を通り、服や食べ物、家具などが詰め込まれた中央地下道をまっすぐ通り、その途中を曲がって着く集合住宅の一間が彼の家。
その途中の中央地下道で、俺はダリスを連れ道を外れた。
「……ここ寄るの?」
ぽかんとした顔でダリスが言う。ついた場所は食品の並ぶ店。
「あぁ。適当に買ってくから好きなやつを選べ。金は俺が出すから」
「……なんか思ってたのと違う」
「どんな意味だ」
「別にー。」
そう言っている横顔は楽しそうで、相変わらず素直じゃないな、と微笑ましくなる。
初めは遠慮がちにそわそわとしていたダリスだったが、俺がゆで卵を数パックカゴに入れたあたりで何かを察したのか、気がつけば一人で店内を歩き回り好きな食品を持ち運んできていた。惣菜、サラダ、パン、惣菜、惣菜、惣菜、フルーツ、生菓子と遠慮なくぽんぽんカゴに詰め込まれ手持ちの金で会計が間に合うかヒヤッとしたが、問題なく買い物は済んだ。
ずっしりとしたビニール袋をぶら下げ、まったり会話を交わしながらダリスの部屋まで向かう。いつもは光の速さでダリス宅に転がり込みセックスに至っていたため、帰路でこのように駄弁ることはなかったから新鮮だった。
荷物を下ろしてすぐ、ダリスはちらちらと期待の眼差しを向けていた。
「これは今から食べるやつだぞ。もちろん」
「い、いいの?ほんとに?」
「あぁ」
袋から食品を取り出しながら答える。
生春巻き、サラダパスタ、惣菜パン、ラザーニャ、メンチカツをはじめとする統一性のない食べ物が次々にテーブルを彩る。
「これ全部食えるのか?」
「あんたどうせいっぱい食べるでしょ」
くすりと笑いながらダリスが割り箸を割る。
初めて彼と共にする食事は、これまでの何よりも楽しかった。
「はー。食べた食べたぁ」
ぱんぱんにしたお腹を撫でながら、ダリスが幸せそうに呟く。胎児を抱えているかのようにふっくらとしたお腹は股間に効いたが、平然を装って適当な返事をかえす。
「……で、どうせ他もあるんでしょ?聞くよ?」
「一緒に風呂に入りたい」
「…………いいけど?」
またも予想が外れたといった顔をしたダリスは、不思議そうに俺を見ていた。
「え?」
就業早々かけられた、予想外の言葉に動揺する。
寝落ちた彼を好き勝手した翌日にまさかそんなことを言われるとは思ってもよらず、激しく動揺した。
「覚えがないのだが。」
「あ゛ーー、もー……。……、事後、処理みたいな」
昨日の夜の出来事を脳内で反芻する。俺のものを抜いて、しゃぶって、騎乗位で特大サービスしてくれたこと。そのまま倒れた彼を使ってイって、その穴を好き勝手ねぶったこと。回想するうちに股間がゆるくテントを立て始めた気配がして、やや前屈みになる。
「……ああ!そのことか」
証拠隠滅のために彼の体を拭いたこと。中を舐めまわした結果的お掃除クンニをしたこと。それらに思い当たり合点がいった。
「言わせんな、……」
恥ずかしくなったのかダリスははにかむ。
「問題ない、特に気にしていない」
「……。ん」
俯いたまま頷く姿も愛おしい。
彼が寝てしまってからの一連の出来事がバレていないことに安堵しながら、俺はいつも通り彼の家へと向かう。
「でさ、そのお礼?になんだけど」
「ふむ?」
「……今日、あんたの好きにしていいよ。…………何でもしてあげるって言った中でこういうのも変だけどさ」
言葉の意味がわからず首を傾げる。
「だから。……いつもはあれこれやめてって言うけど、今日は特別に何でも許してあげるってこと。」
「まじか」
「まじ。……今日で本気で終わらせるから。何だって耐える覚悟はできてる」
そう言うダリスはきりりとした凛々しい表情をしている。これから抱かれる立場なのに格好いい。そういうところも含めて可愛いのだが。
「で、何するの」
「……寄りたい場所がある」
職場からダリスの家までの道なりは全て地下通路におさまっている。何軒か管轄の違う建物を通り、服や食べ物、家具などが詰め込まれた中央地下道をまっすぐ通り、その途中を曲がって着く集合住宅の一間が彼の家。
その途中の中央地下道で、俺はダリスを連れ道を外れた。
「……ここ寄るの?」
ぽかんとした顔でダリスが言う。ついた場所は食品の並ぶ店。
「あぁ。適当に買ってくから好きなやつを選べ。金は俺が出すから」
「……なんか思ってたのと違う」
「どんな意味だ」
「別にー。」
そう言っている横顔は楽しそうで、相変わらず素直じゃないな、と微笑ましくなる。
初めは遠慮がちにそわそわとしていたダリスだったが、俺がゆで卵を数パックカゴに入れたあたりで何かを察したのか、気がつけば一人で店内を歩き回り好きな食品を持ち運んできていた。惣菜、サラダ、パン、惣菜、惣菜、惣菜、フルーツ、生菓子と遠慮なくぽんぽんカゴに詰め込まれ手持ちの金で会計が間に合うかヒヤッとしたが、問題なく買い物は済んだ。
ずっしりとしたビニール袋をぶら下げ、まったり会話を交わしながらダリスの部屋まで向かう。いつもは光の速さでダリス宅に転がり込みセックスに至っていたため、帰路でこのように駄弁ることはなかったから新鮮だった。
荷物を下ろしてすぐ、ダリスはちらちらと期待の眼差しを向けていた。
「これは今から食べるやつだぞ。もちろん」
「い、いいの?ほんとに?」
「あぁ」
袋から食品を取り出しながら答える。
生春巻き、サラダパスタ、惣菜パン、ラザーニャ、メンチカツをはじめとする統一性のない食べ物が次々にテーブルを彩る。
「これ全部食えるのか?」
「あんたどうせいっぱい食べるでしょ」
くすりと笑いながらダリスが割り箸を割る。
初めて彼と共にする食事は、これまでの何よりも楽しかった。
「はー。食べた食べたぁ」
ぱんぱんにしたお腹を撫でながら、ダリスが幸せそうに呟く。胎児を抱えているかのようにふっくらとしたお腹は股間に効いたが、平然を装って適当な返事をかえす。
「……で、どうせ他もあるんでしょ?聞くよ?」
「一緒に風呂に入りたい」
「…………いいけど?」
またも予想が外れたといった顔をしたダリスは、不思議そうに俺を見ていた。
42
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!



身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる