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7:朝霧くんの観察日記2
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「…そこ、こだわる所ですか?」
げんなりしながら朝霧が問うと「当然です」という言葉が即答で返ってくる。
「伊織坊っちゃまがミコちゃんのことをお名前で呼んでるの、未だに聞いておりませんもの。もしかしてやっぱり、あまりお気に召さないのではありませんか?」
ちょっぴり拗ねるように、こちらの表情を窺って来る千代に。
朝霧は「まさか」と小さく笑った。
「折角千代さんが命名してくれたんだし。ただ、まだ呼び慣れていないだけですよ」
そのひと言で、どうやら千代の機嫌は直ったようだった。
そう。『ミコ』という名に特別不満なんてない。
ただ、その名を口にすることを自分が何となく躊躇していただけで。
何故なら、それはアイツの呼び名と同じだったから…。
『実琴』の名を略して『ミコ』。
辻原が仲の良い女子達に「ミコ」という愛称で呼ばれていたのを知っていた。
だから、その名は辻原を連想してしまい何となく呼び難かったという…本当に、ただそれだけのことだった。
名前がかぶることなんて幾らでもあるのに。
自分でも意識しすぎな感は否めない。
(でも、そう言えば今朝の夢の中で初めて『ミコ』と名を口にしたな…)
所詮、夢は夢でしかないが。
夢で出会った実琴の姿を何となく思い出して、朝霧はハッとした。
(もしかして、アイツ…?)
げんなりしながら朝霧が問うと「当然です」という言葉が即答で返ってくる。
「伊織坊っちゃまがミコちゃんのことをお名前で呼んでるの、未だに聞いておりませんもの。もしかしてやっぱり、あまりお気に召さないのではありませんか?」
ちょっぴり拗ねるように、こちらの表情を窺って来る千代に。
朝霧は「まさか」と小さく笑った。
「折角千代さんが命名してくれたんだし。ただ、まだ呼び慣れていないだけですよ」
そのひと言で、どうやら千代の機嫌は直ったようだった。
そう。『ミコ』という名に特別不満なんてない。
ただ、その名を口にすることを自分が何となく躊躇していただけで。
何故なら、それはアイツの呼び名と同じだったから…。
『実琴』の名を略して『ミコ』。
辻原が仲の良い女子達に「ミコ」という愛称で呼ばれていたのを知っていた。
だから、その名は辻原を連想してしまい何となく呼び難かったという…本当に、ただそれだけのことだった。
名前がかぶることなんて幾らでもあるのに。
自分でも意識しすぎな感は否めない。
(でも、そう言えば今朝の夢の中で初めて『ミコ』と名を口にしたな…)
所詮、夢は夢でしかないが。
夢で出会った実琴の姿を何となく思い出して、朝霧はハッとした。
(もしかして、アイツ…?)
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