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6:思いもよらぬ接点
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過去を思い返していたら、どこかしんみりした気持ちになってしまい、父はわざと明るく話を振った。
「でもさー。僕、そんなにチャラいかな?この髪ダメ?結構気に入ってるんだけど…。看護師さんや患者さんたちにも割と受けは良いんだよ?」
悪戯っぽく上目遣いで聞いて来る父親に「チャラいだろ」と朝霧は即答した。
「まぁ…でも、その軽さが父さんらしいのかもな」
「あ、伊織くん。何気にヒドイ…」
「本当のことだろう?それに…。それは、お祖父さま…先代に対しての父さんなりの意思表示だったんじゃないのか?」
「…え……」
こちらの真意を問うような真っ直ぐな視線で射られて。
(…まったく。かなわないな…)
この出来た息子には全てお見通しのようだ。(一部親バカ発言あり。)
二人のやり取りを傍でずっと聞いていた実琴は、また一つ朝霧の知られざる一面を見てしまったような、そんな気がしていた。
(…っていうか殆ど次元が違う世界の話だよっ。朝霧の家って本当に凄い家だったんだ…)
自分は祖父のことを「おじいさま」などと呼んだことさえない。
(ましてや「先代」って何!?)
それだけで家柄の差が表れているような気がした。
ただ…詳しいことは分からないけど、最初に見たようなよそよそしさがこの親子からは無くなっていて。
(朝霧も、ちょっと嬉しそうかも…)
それが何だか嬉しかった。
「でもさー。僕、そんなにチャラいかな?この髪ダメ?結構気に入ってるんだけど…。看護師さんや患者さんたちにも割と受けは良いんだよ?」
悪戯っぽく上目遣いで聞いて来る父親に「チャラいだろ」と朝霧は即答した。
「まぁ…でも、その軽さが父さんらしいのかもな」
「あ、伊織くん。何気にヒドイ…」
「本当のことだろう?それに…。それは、お祖父さま…先代に対しての父さんなりの意思表示だったんじゃないのか?」
「…え……」
こちらの真意を問うような真っ直ぐな視線で射られて。
(…まったく。かなわないな…)
この出来た息子には全てお見通しのようだ。(一部親バカ発言あり。)
二人のやり取りを傍でずっと聞いていた実琴は、また一つ朝霧の知られざる一面を見てしまったような、そんな気がしていた。
(…っていうか殆ど次元が違う世界の話だよっ。朝霧の家って本当に凄い家だったんだ…)
自分は祖父のことを「おじいさま」などと呼んだことさえない。
(ましてや「先代」って何!?)
それだけで家柄の差が表れているような気がした。
ただ…詳しいことは分からないけど、最初に見たようなよそよそしさがこの親子からは無くなっていて。
(朝霧も、ちょっと嬉しそうかも…)
それが何だか嬉しかった。
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