87 / 143
6:思いもよらぬ接点
6-9
しおりを挟む
「彼女とかいないの?」
「……は?」
「だってモテそうじゃん。伊織くん、僕に似てイケメンだし♪引く手あまたなんじゃないの?」
朝霧の父は、それはそれは爽やかに笑って言った。
「……は…。自分で言ってりゃ世話ない…。くだらないな…」
朝霧の小さな呟き。
「え?…何??」
聞き返す父親に朝霧はダンッ…とテーブルを叩くと、途端に僅かに声を張り上げた。
「くだらないって言ったんだよ。人を見かけで判断して言い寄ってくるような奴らに好かれて何が楽しいんだ。心底ウンザリなんだよ」
(…あれ?朝霧、言葉使い…)
その足元にいた実琴は勿論のこと。話を振った父や近くにいた千代さえも朝霧のその変化に驚き固まっている。
朝霧は小さく息を吐くと開き直ったように言った。
「だがな、アンタは別だ。…父さんは違った意味で、もっと見かけを気にしろよっ。病院の医院長がそんなにチャラいの、俺はどうかと思うぞ。後ろ髪も切れ。今すぐ!変に色気づいてるんじゃない!」
それだけ説教をすると。
言うだけ言ってやった…というように朝霧は、フン…と腕を組んで横を向いた。
暫くの沈黙の後。
そこには何故だか嬉しそうに声を上げて笑い出す朝霧父がいた。
「……は?」
「だってモテそうじゃん。伊織くん、僕に似てイケメンだし♪引く手あまたなんじゃないの?」
朝霧の父は、それはそれは爽やかに笑って言った。
「……は…。自分で言ってりゃ世話ない…。くだらないな…」
朝霧の小さな呟き。
「え?…何??」
聞き返す父親に朝霧はダンッ…とテーブルを叩くと、途端に僅かに声を張り上げた。
「くだらないって言ったんだよ。人を見かけで判断して言い寄ってくるような奴らに好かれて何が楽しいんだ。心底ウンザリなんだよ」
(…あれ?朝霧、言葉使い…)
その足元にいた実琴は勿論のこと。話を振った父や近くにいた千代さえも朝霧のその変化に驚き固まっている。
朝霧は小さく息を吐くと開き直ったように言った。
「だがな、アンタは別だ。…父さんは違った意味で、もっと見かけを気にしろよっ。病院の医院長がそんなにチャラいの、俺はどうかと思うぞ。後ろ髪も切れ。今すぐ!変に色気づいてるんじゃない!」
それだけ説教をすると。
言うだけ言ってやった…というように朝霧は、フン…と腕を組んで横を向いた。
暫くの沈黙の後。
そこには何故だか嬉しそうに声を上げて笑い出す朝霧父がいた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる