86 / 207
6:思いもよらぬ接点
6-8
しおりを挟む
「ところで…学校生活の方はどうだい?楽しんでるかい?」
重い話題から切り替えるように朝霧の父が話を振ってくる。
「まあ…。普通です」
「普通…」
「………」
(そ…それで終わりっ!?会話終わっちゃったじゃん!)
朝霧の足元にいた実琴は、その相変わらず無表情な横顔を見上げた。
そんな対応に朝霧父も苦笑いを浮かべながらも根気良く話を振り続ける。
「まぁ『普通』って大事だよね。普通に学校生活を送れるのは良いことだよ。伊織くんは勉強も頑張ってるみたいだし。充実してるって意味かな」
そこまで言った所で、それを聞いていた千代が横から口を挟んだ。
「坊ちゃまは一年生を首席で終えていますものね。とてもご立派ですわ」
「そうか。それはまた凄いね」
「…たまたまですよ」
(うわ…昨年の学年首席って朝霧だったんだ?…知らなかった…)
実琴は珍しいものを見るように、朝霧を見上げた。
「勉強も勿論だけど、学校生活で得るものって沢山あるからね。学生のうちに色々なことに挑戦したり、エンジョイして欲しいなぁ」
「…エンジョイ…ね」
朝霧は思わずフッ…と息を吐くように笑う。
(あ…。今の朝霧、ちょっとブラック入ってる…)
実琴は、その冷たい笑顔に顔を引きつらせた。
だが、父親はその変化には気付いていないようだ。
「そう言えば、伊織くんってさ…」
「………?」
重い話題から切り替えるように朝霧の父が話を振ってくる。
「まあ…。普通です」
「普通…」
「………」
(そ…それで終わりっ!?会話終わっちゃったじゃん!)
朝霧の足元にいた実琴は、その相変わらず無表情な横顔を見上げた。
そんな対応に朝霧父も苦笑いを浮かべながらも根気良く話を振り続ける。
「まぁ『普通』って大事だよね。普通に学校生活を送れるのは良いことだよ。伊織くんは勉強も頑張ってるみたいだし。充実してるって意味かな」
そこまで言った所で、それを聞いていた千代が横から口を挟んだ。
「坊ちゃまは一年生を首席で終えていますものね。とてもご立派ですわ」
「そうか。それはまた凄いね」
「…たまたまですよ」
(うわ…昨年の学年首席って朝霧だったんだ?…知らなかった…)
実琴は珍しいものを見るように、朝霧を見上げた。
「勉強も勿論だけど、学校生活で得るものって沢山あるからね。学生のうちに色々なことに挑戦したり、エンジョイして欲しいなぁ」
「…エンジョイ…ね」
朝霧は思わずフッ…と息を吐くように笑う。
(あ…。今の朝霧、ちょっとブラック入ってる…)
実琴は、その冷たい笑顔に顔を引きつらせた。
だが、父親はその変化には気付いていないようだ。
「そう言えば、伊織くんってさ…」
「………?」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】眠り姫は夜を彷徨う
龍野ゆうき
青春
夜を支配する多数のグループが存在する治安の悪い街に、ふらりと現れる『掃除屋』の異名を持つ人物。悪行を阻止するその人物の正体は、実は『夢遊病』を患う少女だった?!
今夜も少女は己の知らぬところで夜な夜な街へと繰り出す。悪を殲滅する為に…
【完結】ツインクロス
龍野ゆうき
青春
冬樹と夏樹はそっくりな双子の兄妹。入れ替わって遊ぶのも日常茶飯事。だが、ある日…入れ替わったまま両親と兄が事故に遭い行方不明に。夏樹は兄に代わり男として生きていくことになってしまう。家族を失い傷付き、己を責める日々の中、心を閉ざしていた『少年』の周囲が高校入学を機に動き出す。幼馴染みとの再会に友情と恋愛の狭間で揺れ動く心。そして陰ではある陰謀が渦を巻いていて?友情、恋愛、サスペンスありのお話。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる