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4:子猫の大冒険?
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『今だっ!』
犬が回り込もうとしたところで実琴は犬のいない方側から抜け出すと、壁の穴へと向かって全速力で駆け出した。
そうして、何とかその穴の中へと滑り込むことに成功する。
『セーフ!!』
駆け込んだ穴の内側で、先程の猫が嬉しそうに声を上げた。
犬は暫く外側から穴に鼻を突っ込んだりして周辺をウロウロしていたが、その内に諦めて他所へ行ってしまった。
『はぁ…助かった…』
実琴は息を整えつつ、その場にへたり込んだ。
それを面白そうに見ながら、先程の猫が笑って言う。
『お前、チビのくせにやるじゃんっ』
『ありがとう。あなたが声を掛けてくれたおかげだよ』
その猫を見上げると、大きさは既に子猫とは言い難いが、まだ若そうなやんちゃ盛りといった雰囲気の猫だった。
『お前見掛けない顔だよな。この辺の猫じゃないだろ?っていうか、お前まだ生まれてそんなに経ってないんじゃないのか?出て来ちゃって大丈夫なのかよ?ご主人さま、心配してんじゃないのか?お前飼い猫だろ?首輪付いてるし!』
興味津々な様子で次から次へと出て来る質問に、実琴は笑みを浮かべた。
『うん。実は、この近くにある学校を探してるんだけど…知らないかな?』
目指してたバス停はもうすぐだし、多分この近くだと思うのだけど。
だが、その猫は不思議そうに首を傾げた。
『…?ガッコウ…?って何だ?』
犬が回り込もうとしたところで実琴は犬のいない方側から抜け出すと、壁の穴へと向かって全速力で駆け出した。
そうして、何とかその穴の中へと滑り込むことに成功する。
『セーフ!!』
駆け込んだ穴の内側で、先程の猫が嬉しそうに声を上げた。
犬は暫く外側から穴に鼻を突っ込んだりして周辺をウロウロしていたが、その内に諦めて他所へ行ってしまった。
『はぁ…助かった…』
実琴は息を整えつつ、その場にへたり込んだ。
それを面白そうに見ながら、先程の猫が笑って言う。
『お前、チビのくせにやるじゃんっ』
『ありがとう。あなたが声を掛けてくれたおかげだよ』
その猫を見上げると、大きさは既に子猫とは言い難いが、まだ若そうなやんちゃ盛りといった雰囲気の猫だった。
『お前見掛けない顔だよな。この辺の猫じゃないだろ?っていうか、お前まだ生まれてそんなに経ってないんじゃないのか?出て来ちゃって大丈夫なのかよ?ご主人さま、心配してんじゃないのか?お前飼い猫だろ?首輪付いてるし!』
興味津々な様子で次から次へと出て来る質問に、実琴は笑みを浮かべた。
『うん。実は、この近くにある学校を探してるんだけど…知らないかな?』
目指してたバス停はもうすぐだし、多分この近くだと思うのだけど。
だが、その猫は不思議そうに首を傾げた。
『…?ガッコウ…?って何だ?』
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