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4:子猫の大冒険?

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チリチリン…。

控えめに首元の鈴が鳴る。


実琴は住宅街の中を歩いていた。

朝霧が自由に外に出られるように、ベランダの窓を少しだけ開けておいてくれたのだ。

ベランダへと出ると、すぐ横にある植木に飛び移れば何とか地上へと降りることが出来た。

自分が助けた子猫が困っていたように、この小さな身体では木から降りるのも一苦労ではあったが。


『此処を出た以上は自らの力で生きていく覚悟を決めろ』


そう言っていた朝霧。

(こうして出て来てしまった以上は、もうあの家には戻れないってことだよね…)

本音を言うと、かなり居心地は良かったのだけれど。

それでも、あのまま朝霧の家にいて猫として大人しく過ごしている訳にはいかないから。

(まずは『私』がどうなったか調べないとね)


あの後、救急車に運ばれてどうなったのか。

病院にいるのか、家に戻っているのか。

意識は…。

(戻っていたら、怖いな…)

それは、もう私じゃない…ということになる。

当たり前だけど。


正直、不安で一杯だった。

(でも、このまま迷っていても何も状況は変わらないよね。…こんな時は行動あるのみ!だ)

覚悟を決めた。


だが、自分の家へ帰ろうにも、この朝霧の家がどの辺りに位置しているのかがイマイチ判らないのだった。

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