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2:不思議な同居生活
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『~~~~っ!?』
自分でもよく分からない奇声を発すると、慌てて傍にあったベッドの下へと滑り込む。
「………?」
その声に朝霧が振り返るが、既に子猫の姿はそこらには見当たらないのだった。
(やだやだっ!超ビックリしたっ!!)
実琴はベッド下の奥の方で、小さくうずくまっていた。
驚きで未だに心臓がばくばくいっているのが自分でも分かる。
(ううぅ…まさか、着替えてるなんて思わなかったんだもんっ。わざとじゃないよっ。うんっ見てないよ、見てない…)
実琴は自らを否定するように、小さく頭をぷるぷると横に振った。
そう、朝霧は着替えていたのだ。
クローゼットの前で脱いだ制服をハンガーに掛けていたのだが、その上半身は何も身に着けていない状態で。
思わず見てしまった朝霧の、その細くも鍛えられた背中が、衝撃で逆に頭に焼き付いていて離れない。
覗き見してしまったような罪悪感と、これは事故であり仕方なかったと弁明する自分と、それなりにある乙女の羞恥心とが相まって、実琴は暫くそこで呻きながら己の中で葛藤していた。
暫くすると、姿の見えない子猫を探して朝霧がベッド下を覗いてきた。
「こんな所にいたのか」
(…朝霧…)
伸びてきた長い手にそっと掴まれ、その狭く薄暗い空間から強制的に出される。
自分でもよく分からない奇声を発すると、慌てて傍にあったベッドの下へと滑り込む。
「………?」
その声に朝霧が振り返るが、既に子猫の姿はそこらには見当たらないのだった。
(やだやだっ!超ビックリしたっ!!)
実琴はベッド下の奥の方で、小さくうずくまっていた。
驚きで未だに心臓がばくばくいっているのが自分でも分かる。
(ううぅ…まさか、着替えてるなんて思わなかったんだもんっ。わざとじゃないよっ。うんっ見てないよ、見てない…)
実琴は自らを否定するように、小さく頭をぷるぷると横に振った。
そう、朝霧は着替えていたのだ。
クローゼットの前で脱いだ制服をハンガーに掛けていたのだが、その上半身は何も身に着けていない状態で。
思わず見てしまった朝霧の、その細くも鍛えられた背中が、衝撃で逆に頭に焼き付いていて離れない。
覗き見してしまったような罪悪感と、これは事故であり仕方なかったと弁明する自分と、それなりにある乙女の羞恥心とが相まって、実琴は暫くそこで呻きながら己の中で葛藤していた。
暫くすると、姿の見えない子猫を探して朝霧がベッド下を覗いてきた。
「こんな所にいたのか」
(…朝霧…)
伸びてきた長い手にそっと掴まれ、その狭く薄暗い空間から強制的に出される。
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