27 / 221
2:不思議な同居生活
2-7
しおりを挟む
急にどうしたというのだろう。
(私、何か不自然なことした…?かな?)
実琴は内心で慌てながらも、その鋭い視線を目の前に硬直した。
何を考えているのか読めない瞳。
すると、朝霧がぽつり…と、表情を変えずに呟いた。
「お前…」
(…えっ…?)
何を言うつもりなんだろう?
実琴は、思わず目を丸くした。
だが…。
「メスか…」
『はあっ!?』
瞬時にカチン!と来て。
実琴は、すぐ傍にあったその手にガリッ…っと噛みついてやった。
(最っ低ッ!!)
「つっ…」
突然牙を剥き出した子猫をうっかり取り落としそうになり、慌ててその身体を再び手の中に収める。
「危ないだろっ。落とすとこだぞっ」
一瞬だけ必死さを見せた朝霧に。
『いーーだ!!デリカシーのないアンタが悪いっ!』
実琴は心の中で、あかんべーをした。
小さな子猫の身を心配して慌てて抱えてくれたのは有り難いが、実琴的にはそれどころではない。
(ホント信じらんないっ!!)
朝霧は目を大きくしてこちらを見下ろしていた。
「みーっ!にゃあにゃあみゃあっ!」
「危ないだろっ」と言ったことに反論するように、突然鳴きだした手の中の子猫を物珍しそうに見つめている。
『…なによ。文句ある?』
内心で頬を膨らませながら、実琴は朝霧を睨み上げた。
(私、何か不自然なことした…?かな?)
実琴は内心で慌てながらも、その鋭い視線を目の前に硬直した。
何を考えているのか読めない瞳。
すると、朝霧がぽつり…と、表情を変えずに呟いた。
「お前…」
(…えっ…?)
何を言うつもりなんだろう?
実琴は、思わず目を丸くした。
だが…。
「メスか…」
『はあっ!?』
瞬時にカチン!と来て。
実琴は、すぐ傍にあったその手にガリッ…っと噛みついてやった。
(最っ低ッ!!)
「つっ…」
突然牙を剥き出した子猫をうっかり取り落としそうになり、慌ててその身体を再び手の中に収める。
「危ないだろっ。落とすとこだぞっ」
一瞬だけ必死さを見せた朝霧に。
『いーーだ!!デリカシーのないアンタが悪いっ!』
実琴は心の中で、あかんべーをした。
小さな子猫の身を心配して慌てて抱えてくれたのは有り難いが、実琴的にはそれどころではない。
(ホント信じらんないっ!!)
朝霧は目を大きくしてこちらを見下ろしていた。
「みーっ!にゃあにゃあみゃあっ!」
「危ないだろっ」と言ったことに反論するように、突然鳴きだした手の中の子猫を物珍しそうに見つめている。
『…なによ。文句ある?』
内心で頬を膨らませながら、実琴は朝霧を睨み上げた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。


隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる