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2:不思議な同居生活
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普段の生活からは想像もつかない、不可思議な出来事。
(…こんなことって、あるんだ…)
未だに、この現実が信じられない。
それに、こうしている間の自分自身の身体はどうなっているんだろう?とか。
どうやったら戻れるんだろうか?とか。
本当に解らないことばかりで。
今は、ただただ頭が憔悴しきっていて何も考えられなかった。
雨に濡れてすっかり冷えてしまった身体に、不覚にも朝霧の手のぬくもりが安心感をもたらしてくれて、何だか不思議な気分だったけれど。
その温かな手の中で揺られているうちに、思わず眠気が襲ってきて実琴はゆっくりと瞼を閉じた。
少しウトウトしただろうか。
ずっと絶えず聞こえていた傘を打つ雨音が不意に途切れたことで、実琴はふと目を開いた。
どうやら朝霧の家に着いたようだった。
朝霧は子猫の実琴を片手に乗せたまま器用に傘を閉じると、慣れた様子で制服のズボンのポケットから鍵を取り出した。
(朝霧って徒歩通学なんだ。知らなかった…)
ここへ着くまでに少しまどろんではいたが、特に乗り物などを利用することがなかったことだけは、ちゃんと分かっている。
(ここって、学校の近くだったりするのかな?)
朝霧が歩いていたのは知っているが、どの位の時間を掛けていたかまでは曖昧だった。
何となく周囲の景色を見渡してみたところで、次の瞬間。実琴は固まっていた。
(…こんなことって、あるんだ…)
未だに、この現実が信じられない。
それに、こうしている間の自分自身の身体はどうなっているんだろう?とか。
どうやったら戻れるんだろうか?とか。
本当に解らないことばかりで。
今は、ただただ頭が憔悴しきっていて何も考えられなかった。
雨に濡れてすっかり冷えてしまった身体に、不覚にも朝霧の手のぬくもりが安心感をもたらしてくれて、何だか不思議な気分だったけれど。
その温かな手の中で揺られているうちに、思わず眠気が襲ってきて実琴はゆっくりと瞼を閉じた。
少しウトウトしただろうか。
ずっと絶えず聞こえていた傘を打つ雨音が不意に途切れたことで、実琴はふと目を開いた。
どうやら朝霧の家に着いたようだった。
朝霧は子猫の実琴を片手に乗せたまま器用に傘を閉じると、慣れた様子で制服のズボンのポケットから鍵を取り出した。
(朝霧って徒歩通学なんだ。知らなかった…)
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(ここって、学校の近くだったりするのかな?)
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何となく周囲の景色を見渡してみたところで、次の瞬間。実琴は固まっていた。
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