10 / 221
1:樹の上の子猫
1-9
しおりを挟む
(…イタタ…)
やだ…私、うっかり木から落ちちゃった??
何てドジやらかしちゃってんのよ。
不意に風に煽られたとは言え、そのドジ加減に後悔しかない。
(っていうか、そうだ!ネコちゃんはっ!?)
あの震えていた、か弱い小さな身体のことが心配になり、気合いを入れるように朦朧としていた頭をぷるぷると振った。
途端に頭の奥がズキズキと痛む。
(う…。頭打ったのかな?もしかして、私…一瞬気を失ってた??)
でも、まずは自分のことより子猫の安否が心配だ。
咄嗟に守るように抱えはしたが、うっかり怪我なんかさせてしまっていたら、それこそ後悔しきれない。
嫌な考えが頭をよぎって、とにかく子猫を探そうと慌てて身体を起こそうとするが思うように起き上がれなかった。
(ちょっ…何か重いものが乗っかっててッ!)
うつ伏せに倒れている自分の背の上に、とてつもなく大きなものが乗っかっている。
(何なの、これっ?こんな大きなもの…何処から??)
初めは太い枝でも折れて、それに挟まれてしまっているのかと思った。
でも、それにしては柔らかい。
それに温かいのだ。そして感触からして大きな布に覆われている感じだった。
先程の突風が何処からか運んできたのだろうか?
(それにしちゃ、デカ過ぎ…)
やだ…私、うっかり木から落ちちゃった??
何てドジやらかしちゃってんのよ。
不意に風に煽られたとは言え、そのドジ加減に後悔しかない。
(っていうか、そうだ!ネコちゃんはっ!?)
あの震えていた、か弱い小さな身体のことが心配になり、気合いを入れるように朦朧としていた頭をぷるぷると振った。
途端に頭の奥がズキズキと痛む。
(う…。頭打ったのかな?もしかして、私…一瞬気を失ってた??)
でも、まずは自分のことより子猫の安否が心配だ。
咄嗟に守るように抱えはしたが、うっかり怪我なんかさせてしまっていたら、それこそ後悔しきれない。
嫌な考えが頭をよぎって、とにかく子猫を探そうと慌てて身体を起こそうとするが思うように起き上がれなかった。
(ちょっ…何か重いものが乗っかっててッ!)
うつ伏せに倒れている自分の背の上に、とてつもなく大きなものが乗っかっている。
(何なの、これっ?こんな大きなもの…何処から??)
初めは太い枝でも折れて、それに挟まれてしまっているのかと思った。
でも、それにしては柔らかい。
それに温かいのだ。そして感触からして大きな布に覆われている感じだった。
先程の突風が何処からか運んできたのだろうか?
(それにしちゃ、デカ過ぎ…)
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】ツインクロス
龍野ゆうき
青春
冬樹と夏樹はそっくりな双子の兄妹。入れ替わって遊ぶのも日常茶飯事。だが、ある日…入れ替わったまま両親と兄が事故に遭い行方不明に。夏樹は兄に代わり男として生きていくことになってしまう。家族を失い傷付き、己を責める日々の中、心を閉ざしていた『少年』の周囲が高校入学を機に動き出す。幼馴染みとの再会に友情と恋愛の狭間で揺れ動く心。そして陰ではある陰謀が渦を巻いていて?友情、恋愛、サスペンスありのお話。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
【完結】天上デンシロック
海丑すみ
青春
“俺たちは皆が勝者、負け犬なんかに構う暇はない”──QUEEN/伝説のチャンピオンより
成谷響介はごく普通の進学校に通う、普通の高校生。しかし彼には夢があった。それはかつて有名バンドを輩出したという軽音楽部に入部し、将来は自分もロックバンドを組むこと!
しかし軽音楽部は廃部していたことが判明し、その上響介はクラスメイトの元電子音楽作家、椀田律と口論になる。だがその律こそが、後に彼の音楽における“相棒”となる人物だった……!
ロックと電子音楽。対とも言えるジャンルがすれ違いながらも手を取り合い、やがて驚きのハーモニーを響かせる。
---
※QUEENのマーキュリー氏をリスペクトした作品です。(QUEENを知らなくても楽しめるはずです!)作中に僅かながら同性への恋愛感情の描写を含むため、苦手な方はご注意下さい。BLカップル的な描写はありません。
---
もずくさん( https://taittsuu.com/users/mozuku3 )原案のキャラクターの、本編のお話を書かせていただいています。
実直だが未熟な高校生の響介は、憧れのロッカーになるべく奔走する。前途多難な彼と出会ったのは、音楽に才能とトラウマの両方を抱く律。
そして彼らの間で揺れ動く、もう一人の友人は──孤独だった少年達が音楽を通じて絆を結び、成長していく物語。
表紙イラストももずくさんのイラストをお借りしています。本編作者( https://taittsuu.com/users/umiusisumi )もイラストを描いてますので、良ければそちらもよろしくお願いします。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる