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天敵襲来!
16-6
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「力様、お帰りなさいませ」
校門を出た先に停車していた高級車から、運転手の男は素早く降りて来ると、さり気ない動作で後部座席のドアを開けて待った。
「ああ。ただいま…」
それが当たり前のように力は車に乗り込むと、運転手によってすぐにドアは閉められる。そして、男は自らも素早く運転席に乗り込むと、車を発車させて行った。
学校に運転手付きの迎えの車が来る…その尋常でない様子に、たまたまその場に居合わせた者達は、何事かとその様を見送っていた。
それが、噂の転入生とあって余計に皆の注目を浴びていた。
「凄くね?運転手付きだよっ運転手付き!あれは明らかに家族とかじゃない。使用人とかその類だよ。噂では『様』付けで呼ばれてるとかって言うじゃんっ。何者なんだよあいつッ?」
長瀬が興奮気味に話している。
「さあな…」
お互い部活終了後、昇降口で一緒になり雅耶と長瀬は並んで歩いていた。
(そう言えば、前に会った時も車に運転手が待機してたな…)
崖で出会った時のことを思い出す。
「…見かけによらず、お金持ちのボンボンとかだったりするのかな?」
雅耶が呟くと、
「『見かけによらず』かー、言うねっ雅耶!」
とか、冷かされてしまった。
別に、あいつに特別悪いイメージはない。
ちょっと変わっているし、気取り屋な感はあるけどそういう奴だって、まぁ何処にでもいるだろう。
ただ…。
冬樹に纏わりつき過ぎなのが、目に付く。
それが、雅耶的には面白くなかった。
「だいたい、冬樹チャンに会いたくて転入してくるとか、有り得なくね?編入試験とかもあるんだぜ?実際、めんどくさいっつーの!」
「まぁ…そうだよな…」
「それに、以前何処の高校行ってたか知らんけど、また制服やら何やら金とか掛かる訳じゃん。やっぱ、相当の金持ちのボンボンと見たねっ」
やっぱり興奮気味の長瀬に。
(…何だ、やっぱり金持ちのボンボンって見解に落ち着くんじゃないか…)
と、声に出さずにツッコミを入れた。
「実際、冬樹チャンも変な奴に入れ込まれちゃって大変だよなー。あいつが転入してきて、ここ数日…冬樹チャンの笑顔全然見てない気がするもん。冬樹チャンの天使の笑顔を返せーっつーの!」
相変わらずどこまで本気で言っているのか分からない長瀬の言い分に、雅耶は苦笑を浮かべた。
校門を出た先に停車していた高級車から、運転手の男は素早く降りて来ると、さり気ない動作で後部座席のドアを開けて待った。
「ああ。ただいま…」
それが当たり前のように力は車に乗り込むと、運転手によってすぐにドアは閉められる。そして、男は自らも素早く運転席に乗り込むと、車を発車させて行った。
学校に運転手付きの迎えの車が来る…その尋常でない様子に、たまたまその場に居合わせた者達は、何事かとその様を見送っていた。
それが、噂の転入生とあって余計に皆の注目を浴びていた。
「凄くね?運転手付きだよっ運転手付き!あれは明らかに家族とかじゃない。使用人とかその類だよ。噂では『様』付けで呼ばれてるとかって言うじゃんっ。何者なんだよあいつッ?」
長瀬が興奮気味に話している。
「さあな…」
お互い部活終了後、昇降口で一緒になり雅耶と長瀬は並んで歩いていた。
(そう言えば、前に会った時も車に運転手が待機してたな…)
崖で出会った時のことを思い出す。
「…見かけによらず、お金持ちのボンボンとかだったりするのかな?」
雅耶が呟くと、
「『見かけによらず』かー、言うねっ雅耶!」
とか、冷かされてしまった。
別に、あいつに特別悪いイメージはない。
ちょっと変わっているし、気取り屋な感はあるけどそういう奴だって、まぁ何処にでもいるだろう。
ただ…。
冬樹に纏わりつき過ぎなのが、目に付く。
それが、雅耶的には面白くなかった。
「だいたい、冬樹チャンに会いたくて転入してくるとか、有り得なくね?編入試験とかもあるんだぜ?実際、めんどくさいっつーの!」
「まぁ…そうだよな…」
「それに、以前何処の高校行ってたか知らんけど、また制服やら何やら金とか掛かる訳じゃん。やっぱ、相当の金持ちのボンボンと見たねっ」
やっぱり興奮気味の長瀬に。
(…何だ、やっぱり金持ちのボンボンって見解に落ち着くんじゃないか…)
と、声に出さずにツッコミを入れた。
「実際、冬樹チャンも変な奴に入れ込まれちゃって大変だよなー。あいつが転入してきて、ここ数日…冬樹チャンの笑顔全然見てない気がするもん。冬樹チャンの天使の笑顔を返せーっつーの!」
相変わらずどこまで本気で言っているのか分からない長瀬の言い分に、雅耶は苦笑を浮かべた。
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