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天敵襲来!
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久しぶりの学校とあって、教室内はとても賑やかだった。
夏休み中で随分と背が伸びた者や、真っ黒に日焼けした者、妙に洒落っ気づいた者など変化も様々で、仲間内でツッコミも含め、皆が会話に花を咲かせていた。
「冬樹っ、長瀬っ!おはよー」
後ろから、丁度朝練を終えた雅耶が教室に入って来て挨拶を交わす。
「はよー」
「オッス♪初日から朝練だったんだって?お疲れサン」
「うん、もうすぐ大会もあるしなっ。先輩達も気合入ってるんだよ」
爽やかに笑いながら雅耶が言った。
「…そう言えば、さっき先輩が話してたんだけど、一年に転入生が入るらしいよ」
「へー、そうなん?高校で転入とかってのも珍しいよなー?」
「うん、確かに。でも、どこのクラスに入るんだろうな?」
そんな雅耶と長瀬の話に、冬樹は何気なく耳を傾けていたが、特別興味もなかったのでそのままゆっくりと自分の席へと向かった。
窓際の席は日差しが眩しい位で、思わず冬樹は目を細めた。
(今年の夏は、何だか色々なことがあり過ぎたな…)
皆と盛り上がって話せるような楽しい内容ではあまりないけれど…。
そう思うと、思わず小さな溜息が出た。
(でも、雅耶が彼女と実は別れてたっていうのも、ちょっと驚いたな…)
夏休み中の雅耶の様子を見ていても、特に変化はなかったように思う。
いつ頃別れたのかさえ見当も付かない程だった。
冬樹は机に頬杖を付きながら、向こうの席で長瀬と話している雅耶を何気なく眺めた。
(でも…部活以外で、あれだけオレと一緒に居たら、彼女との時間なんて確かにろくに取れないかも…)
そう思うと、何だか少し複雑だった。
そんな時、担任の教師が教室内に入って来た。
教師は、全体の挨拶を済ませると、
「今日は、このクラスに新しい仲間が加わることになった」
と、転入生がいることを紹介した。
教室の前方にある扉に向かって「入って来なさい」と言うと、その生徒は廊下に待機していたのか、扉を開けて入って来た。
(へぇ…。さっき雅耶が言ってた転入生って、このクラスなんだ…)
クラス内がざわめく中、冬樹も何気なく前の扉に目を向けたその時だった。
「………っ!?」
冬樹は瞳を見開くと、驚愕のあまり固まった。
そこに立っていたのは、冬樹の知っている…、だが思いもよらぬ人物だったのだ。
夏休み中で随分と背が伸びた者や、真っ黒に日焼けした者、妙に洒落っ気づいた者など変化も様々で、仲間内でツッコミも含め、皆が会話に花を咲かせていた。
「冬樹っ、長瀬っ!おはよー」
後ろから、丁度朝練を終えた雅耶が教室に入って来て挨拶を交わす。
「はよー」
「オッス♪初日から朝練だったんだって?お疲れサン」
「うん、もうすぐ大会もあるしなっ。先輩達も気合入ってるんだよ」
爽やかに笑いながら雅耶が言った。
「…そう言えば、さっき先輩が話してたんだけど、一年に転入生が入るらしいよ」
「へー、そうなん?高校で転入とかってのも珍しいよなー?」
「うん、確かに。でも、どこのクラスに入るんだろうな?」
そんな雅耶と長瀬の話に、冬樹は何気なく耳を傾けていたが、特別興味もなかったのでそのままゆっくりと自分の席へと向かった。
窓際の席は日差しが眩しい位で、思わず冬樹は目を細めた。
(今年の夏は、何だか色々なことがあり過ぎたな…)
皆と盛り上がって話せるような楽しい内容ではあまりないけれど…。
そう思うと、思わず小さな溜息が出た。
(でも、雅耶が彼女と実は別れてたっていうのも、ちょっと驚いたな…)
夏休み中の雅耶の様子を見ていても、特に変化はなかったように思う。
いつ頃別れたのかさえ見当も付かない程だった。
冬樹は机に頬杖を付きながら、向こうの席で長瀬と話している雅耶を何気なく眺めた。
(でも…部活以外で、あれだけオレと一緒に居たら、彼女との時間なんて確かにろくに取れないかも…)
そう思うと、何だか少し複雑だった。
そんな時、担任の教師が教室内に入って来た。
教師は、全体の挨拶を済ませると、
「今日は、このクラスに新しい仲間が加わることになった」
と、転入生がいることを紹介した。
教室の前方にある扉に向かって「入って来なさい」と言うと、その生徒は廊下に待機していたのか、扉を開けて入って来た。
(へぇ…。さっき雅耶が言ってた転入生って、このクラスなんだ…)
クラス内がざわめく中、冬樹も何気なく前の扉に目を向けたその時だった。
「………っ!?」
冬樹は瞳を見開くと、驚愕のあまり固まった。
そこに立っていたのは、冬樹の知っている…、だが思いもよらぬ人物だったのだ。
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