飛翔英雄伝《三國志異聞奇譚》〜蒼天に誓う絆〜

銀星 慧

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第七章 魔王の暴政と小さき恋の華

第八十五話 盗賊団の砦

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姜子牙は、たおした虎の皮を慣れた手付きで手速くぎ取り、それを持って一先ひとまず近くのむらまで奉先を案内した。
彼の肩の傷を手当てする為、そこで一晩の宿を借り、翌朝早く荷物をまとめ、二人は揃って盗賊の根城を目指して出発した。

「全く、あんたも物好きな奴だな…会った事も無い娘の為に、何だってこんな危険をおかそうとするのか…」
昨夜から子牙は、何度か厳氏の娘の事を諦めるよう説得を試みたが、彼はどうしても首を縦に振らない。

「俺の妻となるかも知れない人だ。助けに行くのは当然であろう。」
「まだ妻になると決まった訳ではあるまい!」

思わず子牙が声を荒げると、奉先は「しっ…!」と自分の口元に指を当て彼を制する。
それから振り返り、

「あんたは、“最強の軍師”なのであろう?どうやって侵入すれば良いか、教えてくれ。」
そう言って目元に微笑を浮かべた。

山頂付近に築かれた盗賊団の砦は、入口を大きな木組みの門で閉ざされており、その周りを哨戒しょうかいする数名の賊兵たちの姿が見える。
二人は砦が望める丘まで登り、岩場の間からそちらを伺い見ていた。

邑人むらびとから聞いた話にれば、砦の人口は凡そ三百人。その内、戦闘員となる賊の数は百人程度だそうだ。見ての通り、入口はあの門一つしか無い。輜重しちょう隊が通る為一日に一度は門が開かれるが、昼夜見張りが付いていて、隙きを見て入り込むのは難しいであろう。翼でもあれば、上空からの侵入も可能なのだがな…」

「…………」
奉先は黙って彼の言葉を聞いていたが、ふと思い立った様に
「上空から…?」
と呟き、広がる蒼天を見上げた。

哨戒の兵たちが雑談をしながら門の前を歩いている。
丁度そこへ荷車を引いた輜重隊が戻って来た。
荷車には、ふもとむらから奪った物資を乗せているらしい。

「麓の邑で祭祀さいしをやっていてな、貢物みつぎものをたんまり奪って来たぜ!」
「そりゃあ良い!早速、かしらに報告だ!」
盗賊たちは門を開き、荷車を砦の中へと引き入れる。

その時、ふと上空を見上げた哨戒兵の一人が声を上げた。
「お、おい…!あれを見ろ…!」
「何だ、どうした?」

仲間の盗賊たちもいぶかしげに上空を見上げる。
逆光で太陽がまぶしく、皆額に手をかざして目を凝らした。
すると、何やら大きな影が上空を漂い、こちらへと近付いて来るのが見える。

「あ、あれは何だ?!」
「こっちへ近付いているぞ!」
「敵かも知れねぇ!急いで隊長に報告しろ!」
盗賊たちは慌てふためき、たちまち砦は混乱におちいった。

「一体、何を騒いでいる?!」
指揮官の一人らしい男が門の前に現れ、部下の話を聞いて上空を見上げると、

「慌てるな、さっさと弓矢を用意しろ!」
そう言って、呼び寄せた部下たちに弓を引かせ、上空の大きな影を狙って無数の矢を放った。

謎の物体は、よく見れば人型ひとがたにも見える。
矢はその影に吸い込まれる様に次々と当たり、謎の物体は矢を受けてふらふらと落ち始めた。
やがて門の近くへ落下し、盗賊たちは我先にと落ちた物体に走り寄る。

「何だこいつ!?」
数名の部下たちが、その物体を引きる様に抱えて指揮官の元へと運んで来た。

「見てくれ兄貴!」
「?!」
見るとそれは、落下の衝撃で壊れてしまっているが、木の枝を組み合わせた人型の大きなたこである。布地には大きな虎の毛皮が貼り付けられていた。

「凧だと…!一体、何処のどいつが…!」
男は壊れた凧を手に、眉をひそめてそれを睨み付けた。

嗚呼ああ、あの虎の毛皮は惜しい事をしたなぁ…剥製はくせいにすれば高く売れたのに。」
子牙はまとった襤褸ぼろ布を脱ぎ捨てながら、悔しそうに嘆息する。
二人は、盗賊たちが皆凧に気を取られている隙きに開いた門を潜り抜け、まんまと砦へと侵入していた。

「子牙殿のお陰で上手く行ったな。此処からは、俺一人で何とかする。あんたは何処かへ身を潜め、隙きを見て逃げてくれ。」
奉先がそう言って立ち去ろうとすると、子牙は彼の肩を強く掴んだ。

「おい、待てよ!乗りかかった船だ、俺も一緒に行くぜ!手分けをしてさらわれた娘たちを探そう!」
子牙はそう言って目に微笑を浮かべる。
振り返った奉先は彼に微笑を返すと、

「良し、分かった。では一緒に娘たちを救い出そう…!」
と、強くうなずきながら彼の肩を叩く。

二人は薄暗く狭い砦の通路を進み、分岐ぶんき点で二手に分かれた。
門の前の騒ぎで警備体制が強化されたらしく、見回りの兵たちがせわしなく行き交っている。
物陰に身を潜めた奉先は、兵たちに気付かれぬ様辺りを伺いながら、更に砦の奥へと向かった。

突然、ガシャンッと大きな音を立てて盆がひっくり返り、運んでいた食事や酒が広間の床にぶちけられる。

「この餓鬼!何をしていやがる!」
少女が慌てて、こぼした食事を片付けようとすると、男が目を吊り上げて少女を足蹴あしげにした。

「も、申し訳ありません…!親方様…っ」
少女は床に平伏し必死に謝ったが、男は更に少女の頭を掴んで殴り付けようとする。

「おい、止めないか…!まだ子供じゃねぇか、弱い者をいじめるのでは無い!」

そう言って男をなだめるのは、獣の毛皮を敷いた床で両腕に若い娘たちを抱き、踏ん反り返って座る、顎に濃い髭をたくわえた巨漢きょかんである。
大男は、機嫌良く酒の入った酒坏さかずきを傾けていた。

少女を掴んだ男は小さく舌打ちし、きょうが冷めた様に少女を突き飛ばす。

「あ、有り難うございます…親方様!」
少女は再び床に平伏して、大男に向かって頭を下げた。

「もう良い、お前は下っておれ!」
大男は少しわずらわしげに手を振って、少女を広間から追い出した。

広間を出て、狭く薄暗い通路を急ぎ足で歩いて行くと、突然、物陰から現れた男に捕まえられ、少女は思わず悲鳴を上げそうになったが、男に素早く手で口をふさがれた。

「!?」

「静かにしろ…!お前は、ふもとの邑から連れ去られた娘か?」
驚いた少女が大きな目で見上げると、彼女を拘束こうそくしているのは長身の若い男であった。
口を塞がれたまま、少女が小さくうなずくと、

「良し、怖がる事は無い。俺は、お前たちを助けに来たのだ。他の娘たちは何処に居る?」
更に男に問われ、少女は震える指で通路の奥を指差した。

大きな鉄の扉が開かれると、薄暗い牢の中に強い光が差し込み、互いに身を寄せ合っていた少女たちは震えながら入口の方を見上げる。

「嗚呼…林杏りんきょう、無事だったのね!」
入って来る少女を見て、娘たちは安堵あんどの溜め息を吐いたが、その後から入って来る男の姿に気付くと、再び全員が震え上がった。

ねえさんたち、大丈夫よ。この人は、わたしたちを助けに来たんだって。」
林杏がそう言って、囚われた娘たちの手を握って安心させる。

「この中に、厳氏の娘は居るか?」

奉先は、身を寄せ合う娘たちを見渡しながら問い掛けた。
そこには七人の娘が囚われていたが、娘たちは互いの顔を見合わせて首を傾げる。

「お兄さん、厳氏の娘って…雲月うんげつ姐さんの事…?」
林杏が奉先を見上げながら尋ねた。

「雲月殿と言うのか。何処に居る?」

「あんたが探している娘は、その中には居ないよ…!」

その時、背後から声を掛けられ入口を振り返ると、そこに子牙が立っていた。

「あ、雲月姐さん!」
子牙の姿を認めた林杏がそう叫び、彼に走り寄った。

「!?」
その姿に、奉先は訳が分からず狼狽うろたえた。

「林杏、無事で良かったよ!奴らに酷い事をされなかったかい?」
「うん、平気よ!助けに来てくれたの?」
「そうだよ。一緒に帰ろうね。」
子牙は腰を下ろして、林杏の頭を優しく撫でる。

「子牙殿…?これは一体、どう言う事だ…?」
奉先は子牙を見下ろし、訝しげに問い掛けた。

「あんたが探してるのは、このあたし。あたしが、雲月だよ!」

そう答えて笑い、子牙は呆気あっけに取られている奉先を見上げた。

確かに、彼は中性的な美しい面立おもだちの青年ではあったが、まさか女性であるとは夢にも思わなかった。

「全くにぶい男だねえ…あたしが女だと、気付かなかったのかい?」
「うっ…も、申し訳無い…」
そう突っ込まれると、何だか急に恥ずかしさが込み上げ、奉先は赤面して自分の頭を掻いた。

「まあ良い。さっさと此処から抜け出さないと…!」
「そうだな、もう行こう!」
雲月にうながされ、奉先は娘たちを引き連れ牢を後にした。

畜生ちくしょう…!娘たちが居ねぇ!」
牢から娘たちが逃げ出した事を知った盗賊たちは、武器を手に砦の中を捜索し始めた。

「居たぞ!あそこだ!」
物見櫓ものみやぐらから見張っていた兵が、娘たちを連れた奉先と雲月の姿をとらえ、櫓に吊り下げた銅鑼どらを鳴らして仲間に合図を送る。

たちまち盗賊たちが殺到し、彼らの行く手をはばもうと襲い掛かった。
奉先は剣を抜き放ち、前方から襲ってくる敵兵たちを次々と斬り伏せながら走り抜ける。
雲月は走りながら後方を振り返り、追ってくる敵兵たちを正確に矢で射貫いぬいて行った。

彼らが通り抜けた後には、倒された賊兵たちが折り重なって道を塞ぐ。
やがて砦の外へ出て門の方へ向かって走ると、そこには既に、弓矢を構えた兵たちが待ち構え彼らの行く手をさえぎっていた。

小賢こざかしい真似をするでは無いか…!小僧っ!」

太い両腕を胸板の前に組み、彼らの前に仁王立ちになっているのは濃い髭の巨漢である。
立ち止まった奉先は、彼に追い付いて来た娘たちに両腕を開いて、自分の背後で踏み止まらせた。
それから体の前に剣を構え、大男を睨み付ける。その時、

「悪いが、娘たちは返してもらうぞ!」

大声たいせいでそう言い放ち、娘たちの間を縫って前に進み出たのは雲月である。

「ほお、これは雲月では無いか!やっとわしの嫁になる気になったのか?!」
巨漢は口をゆがめ、にたりと笑って舌舐したなめずりをする。

「ふん!相変わらず馬鹿な男だね、烈凰れつおう…!あたしが、あんたの嫁になりたいなんて言う訳無いだろう!」
雲月は呆れた口調でそう言い返したが、
「だが…」
と続け、不意に隣に立つ奉先へ視線を送る。

「この男は、あたしを嫁にする為に此処まで来たのだ。もし、こいつをあんたがたおしたら…考えるかも知れないよ…!」

「雲月殿…?!」
奉先は、驚きの表情で雲月を見詰めた。

「がはは!その餓鬼をたおせだと?そんな簡単な事か…!」
巨漢の烈凰は大きな笑い声を上げ、部下たちに手で合図を送って自分の得物えものを運んで来させる。
それは、軽く五十きん(約30kg)は有ろうかと思われる程の、巨大な鉄斧てつおのである。

「でも…もし、この男があんたをたおした時は、娘たちは全員返して貰うよ…!」

再び鋭く烈凰を睨み付けそう言い放った後、次に奉先を振り返った雲月は、今度は目元に微笑を漂わせる。

「心得た…!」

そんな彼女に笑顔でこたえた奉先は、上空に向かって「ピィーッ」と指笛を鳴らした。

すると、遠くからひづめの音が鳴り響き、忽ち此方へと近付いて来る。
門の外まで来たかと思うと、あっという間に門兵たちを跳ね飛ばし、木組みの門を破って入って来たのは飛焔である。
門の前に連なっていた弓兵たちは、余りの驚きに弓を引く所か、阿鼻叫喚あびきょうかんして逃げ惑った。

「飛焔、待たせたな…!」
自分の前へ走り寄った飛焔の頭を撫で、奉先は彼の背にくくり付けた方天戟ほうてんげきを解いて、それを手に構えた。

「小僧、少しは腕に自身が有る様だな!」
その様子を見ながら、烈凰は太々ふてぶてしく笑い奉先の前へ進み出た。
それから胸を張って名乗りを上げる。

「わしは、この砦のかしら、烈凰と言う…!」

「呂奉先と申す。尋常に勝負願おう…!」

言い終わると同時に、二人は互いの武器を振りかざし火花を散らして激突する。
その時、遠くの空から低い雷鳴のとどろきが聞こえ、砦に響き渡った。

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