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第六章 反逆の迅雷と戦火の都
第七十話 少年と飛焔
しおりを挟むその頃、傷だらけの腕で谷間の木の枝に掴まりながら、男が少年を背中に背負って傾斜を登っていた。
少年は掠り傷程度だが、途中で意識を失いぐったりとしている。
やがて辺りはすっかり夕闇に包まれ、男は漸く目指す洞穴まで辿り着いた。
暗がりの中、小さな炎の揺らめきが薄すらと開いた瞳に映る。
横たわっていた少年は、多少の目眩を感じつつも、ゆっくりと両手を冷たい地面に突き身体を起こした。
小さな焚き火の向こうに、若い男が座って此方を見ている事に気付き、少年は思わずギクリとして身体を強張らせる。
「腹が減っているであろう?」
そう言われ、先程から肉を焼く良い香りが辺りに漂っている事に気付くと、途端に彼の腹がぎゅうっと唸った。
少年は顔を紅くしながら、慌てて自分の腹を両手で押さえる。
実のところ、少年はこの二日間ろくに食べる物を口にしていなかったのである。
男は微笑すると、焚き火で焼いた獣の肉を彼の前へ差し出した。
戸惑いつつも手を伸ばし、彼から肉を受け取ると、少年は直ぐ様その肉に食らい付く。
男はその様子を黙って見詰めていた。
「おじさん、僕を殺しに来たんでしょう…?どうして、僕を助けてくれるの?」
やがて口に頬張る肉を飲み下した少年は、訝しげな瞳を上げて問い掛けた。
「お前は何故、俺の指示に従った…?」
逆に男からそう問われ、少年は俯いて少し考え込む。
「おじさんは、悪い人に見えなかったから…」
「…悪い人に見えない、か…」
目を細めて少年を見詰めながら、奉先はそう呟き、ふっと鼻で笑った。
「おじさんは董卓の手下だって、あの人が言っていた…僕を、董卓の所へ連れて行くの?」
「嫌か?では、あの者たちの所へ戻りたいか?」
少年はその言葉に強く頭を振る。
やがて赤い目を向け顔を上げると、
「僕は…母上に会いたい…!」
震える声でそう言い、大粒の涙を流した。
「………」
弘農王の母、何太后は、既に董卓らによって殺害されている。
少年はその事を知らぬのか、亡き母に会いたい一心で彼に付いて来たのである。
返す言葉が見付からず、奉先はただ黙って涙に暮れる少年を見詰めた。
「弟は…弟の協はきっと、僕がいなくなって心細いに違いない…」
少年は、溢れる涙を両腕で拭いながら、幼い弟の事を思って頻りにしゃくり上げ、やがて泣き疲れたのか、再びその場に横たわり眠ってしまった。
何時しか、焚き火の炎は小さく弱くなり、白い煙を立ち昇らせながら消えて行く。
暗闇の中、じっと座して虚空を見上げていた奉先は、咄嗟に腰の剣を抜き放ち、素早く少年に近寄ると、眠る彼の喉元に鋭い切っ先を向けた。
これ以上、悲しい思いをするくらいなら…いっそ死なせてやった方が良いではないか…!
奉先は強く目を閉じ、心の中でそう叫んだ。
剣を握る腕が小刻みに震える。
どれ程の時が経過したのであろうか、額から流れる汗が頬を伝って足元に落ちた。
「はっ…!」
殺していた息を一気に吐き出し、肩で激しく息をしながら、奉先は額の汗を手で拭うと少年の首から離した剣を、再び腰に差した鞘へゆっくりと収める。
「すぅすぅ…」と寝息を立てている少年の寝顔を、奉先は項垂れたまま、何時までも見詰めていた。
遠くから馬の嘶きが聞こえ、少年はまだ眠い眼を擦った。
洞穴から顔を覗かせると、目の前に大きな馬の姿が現れ、驚いた少年は思わず「ひっ…!」と息を呑んで尻もちを付いた。
朝日に輝くその馬の毛並みは、真っ赤に輝いて見える。
その美しさに魅入られ、少年は呆気に取られた顔で見上げた。
「この馬、おじさんの馬…?!」
馬の背から降りる奉先に気付き、彼に走り寄る。
「ああ、そうだ。飛焔と言う名だ。乗りたいか?」
奉先は振り返り、少年の輝く瞳を見下ろした。
背に少年を跨がらせると、飛焔は嫌がり、前脚を激しく踏み鳴らす。
「飛焔、弘農王を振り落とすなよ…」
彼の耳に囁き、奉先がその首を優しく撫でると、飛焔は大きく首を振って荒い鼻息を吐いたが、仕方が無いといった様子で、少年を背に軽快な足取りで駆け出した。
「凄い!僕、馬に乗るのは初めて…!」
少年は飛焔の背で、楽しそうにはしゃいでいる。
飛焔の奴、俺より子供の扱いが上手いではないか…!
そう思いながら微笑し、眩しく輝く朝日に手を翳しながら、奉先は少年と飛焔の姿を眺めた。
辺りに追っ手の気配は無いとはいえ、のんびりとはしていられない。
恐らく『天聖師道』の天華はまだ諦めておらず、弘農王の行方を追っている筈である。
少年を飛焔の背に乗せ、その後ろに跨がった奉先は地図を開き、暫し黙考すると進路を西へ取った。
このまま東南へ進路を取り、真っ直ぐに雒陽へ向かえば、追っ手と遭遇する可能性が高いと考えられる。
軽い足取りの飛焔は、二人を背に乗せながらも難無く山を超えて行く。
途中の山頂から来た道を振り返って遠望したが、彼らを追って来る者の姿は何処にも見られなかった。
上手く追っ手を振り切れた様である。
人気の無い林を飛焔に乗って進みながら、奉先は張り詰めた緊張の糸を、ほんの少し緩ませた。
ふと見下ろすと、少年が不安な面持ちで此方を見上げている。
「どうした…?」
「…うん、僕たち雒陽へ向かっているんだよね…でも、やっぱり…僕は、母上には会えないのかな…」
目元を赤く染めながら呟く少年に、
「ああ、残念だが…母君に会わせてやる事は出来ぬ…」
憐憫の眼差しを向けてそう答えると、少年は悲しげな顔で再び俯いた。
その時、突然飛焔の脚が止まり、首を上げて激しく嘶きを上げる。
辺りに何か異様な気配を感じ取ったらしい。
それは直ぐに奉先にも伝わり、飛焔の背から素早く飛び降りると、腰の剣を抜き取り精神を集中させた。
「!!」
次の瞬間、頭上から無数の矢が降り注ぎ彼らを襲った。
奉先は飛焔と少年を庇いながら、剣でその矢を悉く払い落とす。
やがて、前方の林に立ち込める靄の中から、白装束を纏い武装した男たちの姿が現れた。
「やはり、天華様の予見された通りであった…!」
集団の部隊長と思われる男が、不気味な笑みを浮かべ此方へ歩み寄る。
「…?」
奉先は訝しげに男を睨み付けながら、剣を構えた。
男の仲間と思われる者たちが背後からも現れ、彼らは取り囲まれてしまった。
「お前は、北へも南へも行かず、必ず西へ進路を取ると申されたのだ。弘農王を西方へ逃がす積りであろうとな…!刺客の分際で、情に流されるとは…」
「…お前たちこそ、弘農王に向け見境なく矢を射るとは、どういう積りだ!彼を死なせても良いのか!?」
奉先はそう怒鳴ると剣を振り上げ、飛焔の背に跨がる少年に切っ先を向ける。
少年は驚いて、思わず「ひっ」と声を上げた。
「ほう、殺したければ殺せ…!天華様は貴様らの首をご所望だ。最早、弘農王など必要無いと申されておる。我らに従う気が無いのなら、いっそ他の者に奪われる前に殺せとな…!」
「何だと…っ」
奉先は少年に切っ先を向けたまま男を睨み付け、小さく歯噛みをした。
追っ手たちは彼らを取り囲みながら、じりじりと歩み寄る。
「どうした?さっさと殺らぬのか?ならば、我々がお前たちの首を頂くとしよう…!」
男は不敵に笑い、抜き取った剣を体の前に構え、それと同時に、取り囲む者たちも次々と剣刃を閃かせながら攻撃の構えを取る。
「……っ」
少年に向けていた剣を素早く体の前に構えた奉先は、飛焔を背に後退った。
「飛焔、行け…っ!」
突然、奉先が叫んだかと思うと、その声に弾かれた様に飛焔が勢い良く走り出し、追っ手たちの囲みに猛突進した。
少年は振り落されそうになりながらも、必死に飛焔の鬣にしがみ付く。
飛焔の勢いに圧倒された男たちは思わず怯み、その隙に奉先は部隊長の男に向かって斬り掛かる。
囲みを破った飛焔は、弘農王を乗せたまま疾風の如く林を走り抜けた。
その速さには誰も追い付く事が出来ない。
部隊長は素早く奉先の攻撃を躱し、襲って来る剣刃を弾き返す。
その時、追っ手たちが投げた匕首が一斉に奉先を襲い、彼は身を翻してそれを避けたが、腕や足を切り付けられ、着物に血が滲んだ。
攻撃の一瞬の隙きを突き、奉先は靄の立ち込める林の中へ駆け込む。
「逃がすな…!」
部隊長が叫び、追っ手の者たちも彼らの後を追った。
飛焔の姿は何処にも見えなかったが、奉先が走りながら「ピィッ」と指笛を鳴らすと、瞬く間に飛焔の蹄音が近付いて来た。
それと同時に、男たちも走りながら目で合図を送り合い、音の聞こえた方向へと向かう。
靄の中から突然姿を現した飛焔が、走って来る敵を次々に蹴り飛ばす。
奉先も敵に立ち向かい、襲って来る彼らを次々と斬り伏せた。
気付くと、追っ手の者たちは皆地面に倒れ、立っているのは部隊長の男一人になっていた。
部隊長は青褪め、後退りながら辺りを見回した。
たった一人と、一頭の馬に部隊を壊滅させられてしまったのである。
「こ、こんな…まさか…!」
「戻って天華に伝えろ…!俺たちを追っても無駄だとな…!」
奉先は男に血濡れた剣の切っ先を向け、鋭く睨み付ける。
男は強く歯噛みをしたが、素早く身を転じると走り去って行った。
極度の緊張から解放された為か、飛焔の背に跨っていた少年は安堵の溜め息を吐くと、突然、どさりと飛焔の背から転がり落ちてしまった。
「弘農王…!」
その音に振り返った奉先は慌てて彼に走り寄り、その身体を抱え上げる。
「大丈夫か…?!」
「う、うん…大丈夫だよ。」
少年は瞼を上げ、心配気に覗き込む奉先の顔を見上げ微笑した。
それを見て奉先も安堵し、少年に笑顔を返す。
その時、奉先の首筋に激しい痛みが走った。
「うっ…!!」
見ると、彼の首筋に細い針の様な物が突き立っている。
奉先は直ぐ様、それを手で払い落とした。
傷口を押さえた手を見ると、僅かに血が滲んでいる。
それは倒れていた敵の一人が、最後の力を振り絞り放った毒針であった。
「おじさん、大丈夫!?」
「ああ、平気だ。さあ、愚図々々している暇は無い。」
奉先はそう言うと、弘農王と共に飛焔に跨がり、再び走り出した。
やがて林を抜け、長い下り坂を進む飛焔の背に揺られる奉先は、額に大粒の汗を浮かべていた。
既に、手綱を握る腕には力が入らず、視界が霞み、意識も朦朧としている。
まずい…このままでは…
「おじさん、大丈夫…?!」
少年は心配そうに奉先を見上げた。彼の顔色は見る間に青白くなって行く。
飛焔の歩みを止めると、奉先は馬の背から降りた。
「弘農王、飛焔と共に逃げろ。行き先は、飛焔に任せると良い…」
奉先は少年の手にしっかりと手綱を握らせる。
「おじさんは、どうするの…?」
「心配は要らぬ。俺一人なら、どうとでもなる。」
それから、奉先は飛焔の首を優しく撫で、
「飛焔、お前の故郷へ弘農王をお連れしろ。決して、此処へは戻るなよ…」
そう言って彼の逞しい首筋に額を寄せる。
飛焔は大きく首を振り、その場で足踏みをすると、奉先の胸元へ鼻を押し当てて行きたくないと訴えている様子を見せる。
「行くんだ、飛焔…!」
奉先は少し険しい表情を見せ、腰から剣を抜くと、剣の腹で飛焔の尻を強く叩いた。
飛焔は激しく嘶き、棹立ちになると勢い良くその場から走り出す。
「おじさん…!」
飛焔の背にしがみ付く少年は振り返って叫んだが、佇む彼の姿は、あっという間に遠ざかって行った。
走り去る飛焔の姿が見えなくなると、奉先はその場に崩れ落ち、膝を突いて激しく喘いだ。
「はぁ、はぁ…っ」
最早、立ち上がる力は残っていない。
やがて草が生い茂る地面に倒れ、そのまま意識を失った。
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