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第一章 降龍の谷と盗賊王

第十九話 再会を誓って 《一章 最終話》

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天から、銀色に輝く龍が舞い降りて来る…!!

孟徳の目には、そう映った。
「孟徳様…!危ない!!」
虎淵が叫んで孟徳に飛び付き、後方へ勢い良く押し倒した。

降りて来た龍は、敵兵たちの真上から、一気に地面へ落ちて砕け散り、逃げ遅れた騎馬たちを巻き込みながら、激しい水飛沫みずしぶきを上げて崖下がいかへと落ちて行く。

水の勢いはとどまる事無く、孟徳たちと敵兵たちを分断する様に流れ落ちている。
体を起こした孟徳が、砦の方を振り返って見上げると、砦の岩肌のあらゆる箇所から突如出現した滝が、何本も流れ落ちているのが見えた。
夕陽に浮かび上がるその光景は幻想的であり、身震いする程美しかった。

「千頭の龍の伝説は…本当であった…!」

孟徳は瞳を輝かせて、その光景を見詰めた。

「あの砦の中には、幾つもの水脈があってな…ここ暫く降り続いた雨で蓄えられた水が、遂にせきを切って外へ飛び出したのであろう…」

玄徳も砦の方を見上げた。

「だが…こんな事になるとは、俺も予想していなかったがな…!」
そう言って孟徳の方を振り返り、初めて見る様な笑顔を向けた。

崖下を見ると、下を流れる小さな川は次第に水嵩みずかさを増し、やがて激流へと姿を変えて行く。
「ここに居ては、我々も危険だ…!」
玄徳はそう言って二人を立ち上がらせると、三人は崖沿いの道を砦の方へ向かって走った。


呂興将軍の騎兵部隊は、行く手を阻まれた上、引き返そうにも道幅が狭く、円滑に進む事が出来ない。
右往左往していると、やがて砦の方から、谷間を激流が下って来るのが見えて来た。

「…まずい…!退却だ!退却しろー!」

騎兵隊の隊長が、声をらさんばかりに叫んだ。
兵たちは慌てて狭い道を引き返し始めたが、押し合いの末、馬が足を踏み外し、大勢の兵士が馬と共に崖下へと転落して行く。
逆巻く激流が岩肌にぶち当たり、阿鼻叫喚する兵士たちを、次々に飲み込んで行った。

砦の方から、長く低い地響きが鳴り響いて来る。
谷間を退却していた陵牙の部隊にも、その異様な音が聞こえていた。
奉先は馬を止め、砦の方を振り返った。

「何の音だ…?あれは…」
いぶかし気に目を細め、陵牙が呟いた。

やがて谷の向こうから、白い物がこちらへ向かっているのが見えた。
白い壁の様にも見えるそれに、奉先は青ざめた。

「陵牙…!兵を連れて、丘へ上がれ!」

そう叫ぶと、馬を走らせ、崖を駆け上がった。
そして眼下の兵たちに、声を限りに叫んだ。

「全員丘へ向かえ!振り返らず、真っ直ぐ走れ!!」
その声に、兵たちは一瞬どよめいたが、皆我先にと丘の方へ走り出す。

だが、怒涛どとうの如く迫り来る水の勢いは凄まじく、あっという間に彼らの部隊に到達し、兵士たちを飲み込んで行く。
「陵牙…!」
丘の中腹まで兵たちを引き連れて上がっていた陵牙が、激流へと落ちて行くのが見えた。

崖に登った奉先の馬も、見る見る水位の上がって行く水に沈み始め、遂に激流に巻き込まれた。
馬と共に渦巻く水中へ引き込まれた奉先は、必死に水面を目指したが、大量に流れて来る馬や兵士たちが妨げとなり、辿り着く事が出来ない。
何度も意識を失い掛けながらも、流れて来た流木を掴み、やっとの思いで水面へ辿り着いた。

激しい流れで何度も水を被り、水中に飲まれそうになりながら陵牙を探したが、彼の姿を見付ける事は出来ない。
必死に流木にしがみつき体を預けると、奉先は遂に意識を失った。


丘の上からその光景を目にした偵察隊が、急いで呂興将軍の元へ駆け戻る。
「敵は、水計を用いて我が軍を壊滅しました…!此処も危険です!高所へ避難を…!」

「水計だと…?!」

将軍は信じられぬという表情で、偵察兵を睨んだ。

だが迷っている暇は無い。
将軍は残った全部隊を、速やかに丘へ上がらせた。
その直後、谷の奥から凄まじい激流が迫って来た。
あと一歩遅ければ、将軍の本隊も巻き込まれていたに違いない。
眼下を流されて行く自分の兵士たちを、将軍はただ見ているしか無かった。

「おのれ…師亜め…!全軍撤退だ…!」

将軍は血走った目で、生き残った部隊の将たちに命令した。


やがて、流れ落ちる滝の勢いが収まり始めた頃、玄徳たち三人が砦へと辿り着いた。

「兄者!無事だったか…!」

嬉しそうに叫んで、翼徳が走り寄って来る。
疲労困憊ひろうこんぱいした三人は、砦の門をくぐるとほぼ同時に、地面に倒れ込んだ。

「あれを見たか?!砦の反対側でも小競り合いがあったが、突然噴き出した滝に恐れを成して、奴らしっぽを巻いて逃げて行きやがった!」
がっはっはっ!と機嫌良く笑いながら、翼徳は戦況の報告をする。

「翼徳…少し黙ってくれないか…!」
玄徳は仰向けに倒れ、目を閉じたまま、息を整えながら言った。

「何だよ兄者、だらしないではないか!この程度で、へたばるなんて…!」
体を起こした玄徳は、何か言いたそうに眉を寄せて翼徳の顔を見たが、言葉が出て来ない。

「孟徳…!虎淵…!」

奥から玉白が走り寄り、倒れた二人の前に膝を突くと、心配そうに覗き込む。
傷付いた二人の姿に、玉白の胸は締め付けられ、まぶたに涙が溢れた。

「玉白、怪我はもう良いのか…?」
孟徳が体を起こしながらそう言うと、玉白は孟徳の胸に飛び付いた。

「心配かけたな、すまなかった…」

強く胸に抱き着く玉白の肩は、小さく震えている。
孟徳は微笑し、玉白の頭を優しくで下ろした。



ゆっくり目を開くと、目の前の木の枝に、一羽の色鮮やかなカワセミがまっているのが見えた。
黄昏たそがれの、僅かに残った陽の光が、翡翠ひすい色の羽を輝かせている。

自分が何処どこで何をしていたのか、咄嗟には思い出せないが、とにかく体が重い。
奉先は体を起こそうと、片腕を地面に突いた。
全身ずぶ濡れで体中が痛むが、とりあえず腕も足もちゃんと付いているらしい。

「生存者がいたぞ…!」

そう叫びながら、誰かが駆け寄って来る。
負傷兵を回収する部隊の兵士の様だ。

「立てるか?」
そう言いながら、奉先の肩を支えて立ち上がらせる。

「俺は、大丈夫だ…陵牙は…陵牙は無事か…?!」

「いや、恐らくまだ発見されておらぬ…」
兵士は深刻な面持ちで、首を横に振りながら答えた。

奉先が振り返ると、そこには川の流れをき止める程の、馬や兵士たちの死骸が積み重なっているのが見えた。

此処は…地獄だ…

その凄惨な光景には言葉を失う。
覚束おぼつかない足取りだが、奉先は自力で歩き出した。

「おい、無理をするな…!」
兵士が呼び掛けたが、振り向きもせず歩き去って行く。

やがて、辺りに夕闇が落ち始めた。
奉先は、泥濘ぬかるみに埋もれた馬や兵士たちの間を、彷徨さまよう様に歩いた。
その時、うつろな彼の目に、陵牙が乗っていた馬が土砂に埋もれ、倒れている姿が飛び込んだ。
はっとして、それに駆け寄り確認したが、馬は既に死んでいた。
側に陵牙の姿は見当たらない。

「何処だ…陵牙…!」
奉先は叫びながら、辺りを探した。

「陵牙…!」

倒れていた馬から少し離れた場所で、土砂に埋もれて頭から血を流し、泥の中へ沈み掛けている陵牙の姿を、遂に発見した。
奉先は急いで駆け寄り、陵牙の体を泥の中から引きずり出した。

陵牙の顔は蒼白で、血の気が全く無い。
胸に耳を押し当てたが、鼓動は聞こえて来なかった。

「しっかりしろ…!」
両手を重ね、強く胸を押して蘇生そせい措置そちを行う。
何度も繰り返したが、陵牙はぐったりとしたままで、無反応であった。

「陵牙…!死ぬな…!」

思えば此処へ来て、右も左も分からぬ自分に声を掛け、傷を負ったのを心配してくれたのは、陵牙しかいなかったではないか…!

そう思うと、目頭めがしらが熱くなる。
いつの間にか、自分が泣いている事に気付いた。
両腕を振り上げ、握った拳を陵牙の胸に勢い良く叩き付ける。

「…陵牙…!頼む…死なないでくれ!」

声を振り絞る様にそう言うと、奉先は陵牙の脇に泣き崩れた。

突然、陵牙は口から水を吐き出し、激しくせ返った。
奉先は、はっとして顔を上げ、苦しそうに咳き込む陵牙の肩を掴んだ。

「陵牙…お前、俺が分かるか…?!」
顔に掛かる髪を手で払い退け、陵牙の目を覗き込みながら聞いた。

「…ほ、奉先…?俺たち、死んだのか…?」
陵牙は周りを見渡し、夕闇に浮かび上がる兵士や馬の死骸に、不安な表情で呟く。

嗚呼ああ…!良かった!」
奉先は叫んで、陵牙の体を強く抱き締めた。

「奉先…いっ痛い…!腕の骨が折れてるらしい…!」
陵牙は苦痛に顔をゆがめた。
見ると、右腕が赤く腫れ上がっていたが、折れた骨が飛び出したりはしていない。

「痛みがあるのは、生きている証拠ではないか…!」

奉先はそう言って笑うと、腰にいていた剣を鞘から抜き取り、自分の着物の袖を切り取った。
そして鞘を添え木にし、素早く布を陵牙の右腕に巻付けた。

頭の傷にも残った布を巻くと、陵牙の肩を支えて立ち上がらせる。
「歩けるか?」
「ああ、大丈夫だ…俺たち、負けたんだな…」
陵牙はしみじみとした口調で呟いた。

「………」
陵牙の肩を支えて歩きながら、奉先は夜空に昇った、寒々とした月を見上げた。
半分欠けた青白い月は、暗い夜空に浮かんだまま、冷ややかにこちらを見下ろしている様だった。

孟徳殿…あなたは今何処で、あの月を見ているだろうか…
あの月はまた…何処かにいる孟徳殿を、見下ろしているのか…

降り注ぐ青白い月の光を頼りに、奉先は陵牙と共に歩き続けた。



砦の中では、住民たちが戦勝を祝って賑わっていた。
戦で傷付いた兵士たちに、酒や豪華な食事が振る舞われ、皆声を上げて歌ったり踊ったりしている。

物見櫓ものみやぐらの上で一人、谷を遠望している玄徳の姿を見付け、孟徳も櫓へ上がった。

「このあと、お前の予言ではどうなる?」
近付きながら、玄徳の背中に問い掛けた。

「…これからも、困難は続く…戦乱の世は、避けられぬであろう…」
そう言いながら、孟徳を振り返った。

「お前は、どうする?」
玄徳は真っ直ぐに、孟徳の目を見詰めながら問い返した。

「俺は、故郷くにへ帰ろうと思う…」

そう言って、夜空に浮かぶ青白い月を見上げた。

「今の俺には、何の力も無い。その事が、ようやく分かった…今のままでは、あの将軍の足元にも及ばぬ。奉先を取り戻すのは、きっとまだ先になるが…俺は絶対に諦めぬ…!」

孟徳の瞳は、青白い光に輝いて見える。
それを見詰める玄徳は、ほんの少し口角を上げて微笑した。
最早もはや、俺が何を言っても無駄だな…」

「だが、それもまた良し…!運命にあらがいながら、何処までやれるか、俺も試したくなった…!」

玄徳はそう言いながら、同じ様に月を見上げた。

「では、お前はどうするのだ?」
「この砦を出る…砦の人々は皆、もう我ら義兄弟きょうだいが居なくとも、立派に身を護れるだろう。」

孟徳の問いに答えると、玄徳は振り返って、砦の住民たちを見下ろした。

「だが…"剣聖けんせい師亜しあ"が消えれば、役人たちは益々民たちを苦しめるのではないか?」
「なに、役人共が好き勝手出来るのも、今の内だけよ…やがて強力な統治者によって、ねじ伏せられる日が来るだろう…!」
玄徳の瞳には、底光りする怪しい炎が立ち昇っている様に見えた。

「それはお前か…それとも、俺か…」

そう呟く様に言うと、再び孟徳を振り返った。

「思えばあの日、お前に出会った事で…俺たちの運命は、既に大きく狂わされていたのかも知れぬな…」
「………」

玄徳は、青白く輝く瞳を孟徳に向けながら言うと、長い衣をひるがえし、櫓を降りて行った。
孟徳は黙してその姿を見送ると、再び青白い月を見上げた。



翌朝、空は晴れ渡り、何処までも青空が広がっている。
孟徳と虎淵は、砦の門前で、砦の住民たちに別れを告げていた。

「俺たちが、州境しゅうきょうまで案内しよう。」
そう言って馬を引きながら、玄徳が砦から現れた。二人の馬を、翼徳と雲長が引いて来る。

将軍の兵と共に戦った若者たちが、順番に孟徳と虎淵の手を取り、別れを惜しんでいた。
「あなたは、立派な指揮官になれるだろう…!」
「ああ、また共に戦える日が来るかも知れぬ…!その時まで、皆無事で暮らせよ…!」

住民たちの間から、明明と共に玉白が姿を見せた。
孟徳の前に走り寄り、大きな黒い瞳を輝かせながら見上げる。

「孟徳…!私も一緒に、行きたい…!」

孟徳は片膝を突いて、玉白の両肩にそっと手を乗せると、彼女の顔をじっと見詰めた。

「玉白…お前は、俺に人をいつくしむ心を教えてくれた…俺は、自分に嘘を付きたく無いから、本当の事を言う…」

玉白は、次の孟徳の言葉を予測しているのか、目を潤ませ、悲し気な表情で見詰め返す。

「俺は、お前の事が好きだ…!だが、今の俺には力が無い。お前を連れて行ってやれぬのだ…」

玉白は一瞬、驚いた様な目で孟徳を見たが、やがて顔を紅潮させて俯いた。
孟徳は玉白のあかい頬を、指で優しく撫で、伝い落ちる涙を拭き取った。

「だが、必ずお前を迎えに来る…何処に居ようと、きっと見付け出す…!俺を、信じてくれないか…?」
玉白に語り掛ける孟徳の姿を、虎淵は目を細めて見詰めている。

明明が玉白の後ろに立ち、優しく肩を支えた。
「玉白ちゃん、私たちと一緒に行きましょう。」
やがて玉白は小さくうなずくと、涙で濡れた顔を上げ、

「孟徳…きっと来てくれるって、信じてる…!」

そう言って、孟徳の目を真っ直ぐに見詰めながら、眩しそうな笑顔を見せた。

「では、そろそろ行くか…!」
玄徳が馬にまたがり、二人に出発を促した。

砦の人々が、去って行く二人に手を振っている。
明明と手を繋ぎ、濡れた瞳のままの玉白も、笑顔で大きく手を振って、二人を見送った。
馬上の孟徳は、後ろを振り返って、手を振り返した。

「玉白…元気でな…」

そう呟いた孟徳の瞳にも、涙の雫が光っていた。


やがて州境へ辿り着いた彼らは、高い丘の上から、遥かな山並みを遠望した。
「あの河を越え、東へ向かえば、お前の故郷くにへ早く辿り着ける。」
玄徳はそう言うと、地図のえがかれた布を、孟徳に手渡した。

「ちびすけ、もう迷子になるなよ!」
翼徳が笑いながら言った。
「砦の皆からの餞別だ。持って行くが良い。」
そう言って、雲長が大きな布に包んだ荷を、二人の馬の背に乗せた。

「お前たちには、世話になったな。またいつか、何処どこかで会える日が来るかも知れぬ…」

そう言って笑顔を向ける孟徳に、長い髪を風になびかせながら、玄徳は微笑を返した。

「そうだな。その時は、再び共に戦えると良いな…」
「ああ、それまでに、俺はきっと強くなる…!」
二人は互いの手を取り、固く握り合った。

「ではまた、いつか必ず会おう、玄徳…!」

そう言うと、孟徳は馬を走らせた。

虎淵もそれに続いて馬を走らせる。
二人の姿は、まだ少し冷たい風に吹かれながら、次第に遠ざかって行った。
丘から、いつまでも二人の姿を見詰め続けている玄徳は、小さく呟いた。

「曹孟徳…きっと、また会おう…!」


-《第一章 完》-
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