飛翔英雄伝《三國志異聞奇譚》〜蒼天に誓う絆〜

銀星 慧

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第一章 降龍の谷と盗賊王

第十五話 雨中の追跡

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屋敷の外には、華美な庭園が広がっている。
中央にそびえる楼閣や、回廊を渡した大きな池に、冷たい雨が降り注ぐ。
雨脚あまあしは、次第に強くなっていた。 

部屋へ通された小柄な男を、奉先は見上げた。
「あ…!」
男の背後から、あとに連れられて入って来た者の姿に、思わず奉先は、小さく声を上げた。

趙泌は将軍の前に額突ぬかずくと、懐から取り出した書簡を、丁重に差し出す。

「おい、玉白…!お前ぇも、さっさと頭を下げねぇか!」
そう言って、後ろに立つ少女の腕を引っ張り、ひざまずかせた。

将軍は二人を一瞥すると、書簡を開いて中を見た。
やがて顔を上げ、書簡を畳みながら、
「確かに…この度は、ご苦労であったな。この者に、謝礼を渡してやれ。」
そう言って、側近を部屋の外へ行かせた。

あのむすめ…玉白と言うのか…

奉先は、趙泌の隣に跪く少女に、じっと視線を送った。
俯いていた玉白はその気配に気付き、少し顔を上げて奉先の方を見ると、その瞳には、やや驚きの色が浮かんだ。

「それから、将軍…お耳に入れておきたい事が有りやす…!」

趙泌はそう言って、少し将軍の方へ膝を進めた。
将軍は何も答えず、黙って趙泌の顔を凝視している。

「実は、将軍のお命を狙う者が、このまちにいるんです!」
「…わしの命を?」
将軍は怪訝な表情を浮かべる。

「そいつは、ただの豎子じゅしに過ぎねぇんですが…かなり腕の立つ奴で、気を付けた方が宜しいですぜ…!」
それを聞くと、将軍は口元を緩ませ、鼻で笑った。

「そいつは、孟徳って野郎です…!」

「何だと…?!」
将軍は思わず驚きの声を上げ、一瞬、奉先の方へ視線をやった。

孟徳…

奉先には、その名に聞き覚えがあったが、何処で聞いたのか、咄嗟には思い出せなかった。

「奴が…この邑にいるのか…!!」

趙泌に向き直ると、念を押す様に言った。
将軍は、少し考え込む様に視線を床へ落とし、暫く沈黙していたが、にわかに顔を上げ、

「よく、知らせてくれたな。褒美を倍にしてやる!」
そう言い、趙泌に微笑を返した。

戻って来た側近が、趙泌の前に、二つの大きな箱を差し出した。

「有りがたく、頂戴致します…!」
趙泌は、深々とこうべを垂れる。

「中身を確認しなくて良いのか?」
「へぇ、大丈夫ですよ!将軍の事は信頼しておりやす!」

それから、趙泌は玉白に箱の一つを持たせると、追い立てる様にして、その部屋を出て行った。

再び室内に、奉先と将軍の二人だけが残った。
雨戸を叩く、激しい雨風の音だけが鳴り響いている。
突然の珍客が去って行った先を、暫く見詰めていた将軍が、おもむろに口を開いた。

「あの者は信用出来ぬ…恐らく、裏で師亜とも繋がっているだろう…奉先、奴らを始末しろ…!」

「あの…娘もですか…?!」
奉先は驚きの声を上げた。

「何か、問題があるのか…?」
将軍は冷めた目付きで、奉先を振り返った。

「しかし…まだ子供では…?!」

「それが何だ?わしの命令には、黙って従えば良い!」

将軍は声を荒げ、足元の酒器を蹴り飛ばすと、奉先の着物の胸ぐらを掴んだ。
奉先は暫く押し黙って、将軍を睨み返していたが、やがて呟いた。

「わかりました…」

奉先が承諾の返事をしたのを見届けると、将軍は手を離し、すっくと立ち上がった。

「ただし、まちの中ではるな…!城邑の者に知られると面倒だ…奴らが城を出てから殺れ!」

奉先を見下ろしながら告げる将軍の目は、寒気がする程、冷酷なものであった。


一度兵舎へ戻った奉先は、部屋で着物を着替え、将軍に渡された宝剣を手に取った。
鞘から抜き取り、刃を明かりに照らす。
その剣は、師亜との死闘に、刃毀はこぼれ一つしていない。
奉先は、ゆっくりと剣を鞘に戻し、腰に佩いた。

偵諜ていちょうの者が、趙泌の動向を探っている。
彼らが城邑を出る気配を見せれば、連絡が届く事になっていた。

外は相変わらず雨が降り続き、止む気配は無い。
その時、雷光が辺りを照らし、廊下に男の姿を浮き上がらせた。
激しい雷鳴が轟くと、入って来た男が告げた。
「奴らが城を出るぞ…直ぐに後を追え!」
予想より早いと感じたが、奉先は黙って頷き、男とは別れて廊下を走った。


「おい!何処へ行っていた?!お前…その頭、どうした?」

廊下で、奉先は呼び止められた。
頭に巻いた包帯に目をやりながら、陵牙が問い掛ける。

「これはその…馬に蹴られて…」
「全く、ドジな奴だ…!」
適当にごまかした奉先の胸を拳で叩きながら、陵牙は笑って言った。

「そんな事より、俺も討伐軍に参加する事になったんだ!」
「え…?!まさか…!」

嬉しそうに言う陵牙の顔を、奉先は驚きの表情で見上げた。

「二百の兵を与えられた…!中隊長なんだぜ、凄いだろう!お前も一緒に、行かないか?将軍に頼んでやるぜ!」
愕然として、言葉を失った奉先は、喜ぶ陵牙に笑顔を返す余裕も無かった。

陵牙に、兵を指揮する能力は無いと、はっきり言い張っていた将軍が、何故急に陵牙を連れて行く気になったのか…?

そう考えると、奉先には一抹の不安がぎる。だが、色々な事が有り過ぎて、心を整理するいとまも無い。

「なあ、おい!しっかりしろよ、ぼんやりして…大丈夫か?」

陵牙に肩を叩かれ、奉先は我に返った。
「あ、ああ…悪い、これから行かねばならぬ所がある…」

「こんな時間に?」
それには答えず、奉先は背を向けて再び走り出した。
陵牙は少し、訝し気な表情を浮かべたまま、奉先の後ろ姿を見送った。



固く閉じられた城門の外には、門が開くのを待ちながら、冷たい雨の中、野営をしている人々が大勢いる。

「夜の間、ここの城門は手形を持つ者以外、通れないのだそうです…明明ちゃんの言う通り、朝まで待てば良かったのですよ…」
虎淵は深く溜め息をついた。
「どこか、他へ回ろう…」
「無駄ですよ、孟徳様…!」
孟徳は、城壁に沿って馬を走らせた。

暫く進むと、東門の前が騒がしい。
誰かが門を通ったらしく、外の者たちが殺到している。

「見ろ、何やら揉めている…あれに紛れて、入れるのではないか…」
「そんな簡単に行きますか…?それに、次いつ開くか分かりませんよ…」

二人は東門の前へやって来た。
辺りはけんけんごうごう々として、人々が門衛と揉み合っている。
孟徳は馬を降り、人々を掻き分けて門の近くまで進んだ。

その時、突然城門が開かれ、中から一騎の騎馬が飛び出した。
騎馬は孟徳の頭上を跳ぶ様に走り抜け、驚いて逃げ惑う人垣をすり抜けると、あっという間に、雨が降りしきる夜の闇の中へ消えて行った。

「孟徳様…!門が…!」

呆気に取られて見ている孟徳に、虎淵が呼び掛けた。

「しまった…!走れ!」

門衛が必死に人々を押し戻そうとしている。城門は音を立てて、閉まり始めていた。
孟徳と虎淵は、泥に足を取られながらも全力で走り、閉まりかけた門の隙き間へ滑り込んだ。

「おい!お前たち、待て!」
城門の上から、弓兵たちが矢を放って来る。
矢の雨が降り注ぐ中、二人は素早く立ち上がると、剣で矢を払いながら、その場を走り去った。

孟徳と虎淵は、宿の戸を叩いた。
暫くすると、中から仏頂面の主人が顔を出し、二人を迷惑そうな面持ちで見てくる。

「玉白殿が、居なくなった?!」

主人は、二人を空き部屋へ通したが、そこで虎淵は驚きの声を上げた。
「わしが部屋へ行った時は、猫しか居なかった。猫もいつの間にか居なくなったがな…」
そう言いながら、主人は取っておいた二人の着物を、机の上へ投げて置いた。

「そうですか…大変お世話になりました…」
虎淵は、深々と主人に頭を下げる。
主人は黙ってその部屋を出て行った。

「孟徳様…何だか、悪い予感がします…!玉白殿を探さないと…!」

ずっと押し黙ったまま、泥に汚れた着物を脱いでいる孟徳を、虎淵は振り返った。
孟徳は、湯の入った桶で顔を洗い、体の泥を濡らした布で拭き取りながら、ようやく口を開いた。

「虎淵、一先ず玉白の事は忘れろ…!」
「孟徳様…!」
「あいつは、自分の意思でここを出たんだ。訳があったに違いない…天命があるなら、きっとまた、どこかで会えるだろう…」

孟徳の声には覇気が無い。
虎淵はふと、孟徳が急いでここへ戻りたがったのは、玉白の為では無かったかと感じた。
宿の外で降りしきる雨音が、静寂する二人の間に、いつまでも鳴り響いていた。



趙泌は雨の中、荷車を繋いだ馬に鞭を呉れながら、山岳の細い道を走っていた。
荷車には、筵を掛けた褒美の箱と、雨具を被った玉白が乗っている。
玉白は膝を抱いたまま、時折顔を上げて、元来た道筋を見詰めた。
玉白の目には、一筋の光も写らない。道の先には、ただ闇が続いている。

何やら嫌な音がして、趙泌が後ろを振り返った時、突然荷車の車輪が外れた。
荷台が傾き、玉白は荷と共に道へ投げ出され、水溜まりの中へ転げ落ちた。

「くそ…!急いでるってぇのに…!」

趙泌は馬を止めると、急いで傾いた荷車へ駆け寄った。
荷車の車輪は割れていて、使い物になりそうに無い。
趙泌は縄で縛っていた荷を解き、背中に背負った。
倒れた玉白を立たせると、玉白にも荷を持たせ、引きずるように歩かせた。

「さっさとしねぇか!師亜の旦那が警告した通り、将軍はきっと追っ手を放って来る…!急がねぇと、追い付かれちまうぞ!」
玉白は足に怪我を負い、走る事が出来ない。何度も泥の中へ倒れ込んだ。

「?!」

その時、背後から馬蹄ばていの音が近づいているのを感じて、趙泌は後ろを振り返った。
稲妻が辺りを照らした時、闇の中から、一騎の騎馬の姿が浮かび上がるのが見える。
「まずい…!」
倒れた玉白の腕を引っ張り、趙泌は脇道へ入った。

奉先は、遥か前方に壊れた荷車が乗り捨てられているを目でとらえ、馬から飛び降りた。
腰の剣を抜き取り、静かに近く。
荷車には何も乗っていないが、辺りに二人の足跡が残されている。
雷光が辺りを照らすのを頼りに、足跡を辿ると、脇道へ入って行った形跡がある。

奉先はその後を追って、脇道へ入った。
目の前の草木を払いながら前へ進むと、突然頭上から人影が降って来た。

趙泌は、剣刃を奉先目掛けて振り下ろす。

奉先は素早くその攻撃をかわし、剣で払い退けた。
剣を弾かれた趙泌は、次に素早く蹴りを繰り出し、奉先の顎を狙った。

「くっ…!」
咄嗟に腕で防御したが、奉先の体は一瞬よろける。
直ぐに体勢を立て直し、今度は、趙泌が斬り掛かる剣刃を弾き返した。

距離を開けば、奉先の剣が飛んで来る事は百も承知である。
小柄な趙泌は、敏捷びんしょうな動きで距離を詰め、奉先を翻弄しようとした。
だが、目に雨が入り視界が悪く、泥濘ぬかるんだ地面に足を取られる。

奉先は、さっと飛び退すさり、趙泌の攻撃範囲から外れると、素早く剣を打ち込む。
趙泌は奉先の剣刃を退け反って躱したが、剣先は彼の着物を切り裂いた。
次の攻撃は剣で受け止めた。だが、力では到底敵わない。
強烈な一撃に、趙泌の腕は痺れ、思わず膝を折った。

奉先は上から趙泌を押さえ込む様に、じりじりと剣刃を趙泌の首筋に近付ける。
「く…くそ…!」
趙泌は必死に押し戻そうと、泥濘ぬかるみに沈み掛けた両足を踏ん張る。
それと同時に、趙泌はたもとに隠し持っていた匕首ひしゅを、奉先目掛けて手首から放った。

匕首は奉先の頬を掠めた。
奉先は素早く組み合った剣を引き、次の瞬間、突き出した剣刃で、趙泌の胸板を貫いた。

「ぐっ……!!」

口から血が溢れ出し、趙泌の体は前方へ傾いた。
奉先が剣を抜き取ると、そのまま前のめりに、泥濘の中へ倒れた。

趙泌の体から流れ出た鮮血が、雨に流され、やがて立ち尽くす玉白の足元へ辿り着いた。

奉先は、そこへ棒立ちになっている玉白に気付き、立ち上がった。
玉白の顔は蒼白となり、恐怖に怯えた表情で奉先を見上げている。

血濡れた剣を握ったまま、奉先が近付くと、突然玉白は背を向け、草むらの中へ走り去った。
奉先は、玉白の後を追った。

足に怪我を負っている玉白は、早く走る事が出来ない。
何度も泥の中へ倒れ、後ろを振り返った。
稲妻が、追って来る男の姿を浮かび上がらせる。

やがて、玉白の前方に、切り立った崖が立ち塞がった。
玉白は崖に縋り付くと、そこを登ろうとしたが、泥で滑って、到底上がれそうに無い。
振り返ると、既に男が追い付き、真後ろに立っていた。
玉白は思わず、悲鳴を上げそうになった。

男は剣を振り上げ、次第に玉白に近付いて来る。
玉白の目から、涙が溢れ、雨と共に流れ落ちた。

孟徳、虎淵…助けて…!

玉白は心の中で叫んでいた。
死に恐れは無いが、今は無性に、孟徳と虎淵の二人に会いたかった。

「お前に、恨みは無いが…」
男の口から、呟きが漏れた。
玉白は、奉先を見上げたまま、立ち尽くしている。

ゆるせ…!」

奉先は構えた剣を、一気に玉白の上に振り下ろした。

玉白は声も上げず、その体は力無く奉先の足元に倒れた。
閃光が辺りに走った時、長い睫毛を閉じた、玉白の青白い顔が浮かび上がった。
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