上 下
1 / 132
序章 龍神の呪いと永遠の友情

第一話 鬼神

しおりを挟む
 
 その広い屋敷の庭には、桃の花が舞い散り、麗らかな春の日差しが降り注いでいる。

「お嬢様!いけません、そのような事をなさっては…!」

 屋敷の庭先へ、血相を変えた侍女の一人が走り出て来た。
 小鳥たちのさえずりに紛れ、童子のかけ声と、打ち鳴らす木刀の音が聞こえている。

「心配するな、自分の身は自分でまもれる!」

 屈託の無い笑顔を侍女に見せるその娘は、まだ幼いが、既に美貌の片鱗を見せはじめている。

 侍女は呆れた表情をするが、きっと向き直って、剣術の相手をしている少年を睨みつけた。
せん!お前は一体、何のためにお嬢様のお側にいるのです?!」
「…麗蘭れいらん様を…お護りするためです…」

 "先"と呼ばれたその少年は、ニ、三歳年長であろうか。体格も良く長身で、精悍さを漂わせている。
 先は、苦笑を浮かべながら頭を掻いた。

「ああ…奥様がご覧になったら…きっと卒倒なさるわ……!」
 侍女は天を仰ぎ見ると、嘆息を漏らした。

「麗蘭様。」
 先は、そっと麗蘭の側へ来ると、耳元に囁いた。

「秘密の場所を、探しておきます。」

「本当か?!」

 麗蘭は瞳を輝かせて、先を仰ぎ見た。



 -七年後-

 小さな城邑の大通りでは、むらの人々が集まり、皆ひそひそと語り合っていた。

「可愛そうになあ…遂に邑一番の美女、大華たいか様が行く事になるとは…」

 やがて、通りの向こうから、一台の牛車がゆっくりとやって来る。

「しかし大蛇様は、全く強欲よ…!毎月のように供物を捧げておるのに…若い娘まで要求するとは…!」
「しっ!声が高いぞ…!」
「大蛇様の祟りを鎮めるためじゃ…仕方がない…」

 牛車が、憂い顔を寄せる邑人たちの前を、ゆっくりと通過して行く。
 牛車の側面には窓が付いているが、簾が下がっているため、中の様子を知る事は出来ない。
 その簾の隙間から、細い指が伸び、中から白い少女の顔が覗いた。
 美しいその少女は、不安気な表情で、近付く邑の城壁の上を見上げた。

 城壁の上には、どんよりとした雲が立ち込めている。
 やがて、黒い二つの人影が城壁の上に現れた。
 牛車が門を通り過ぎる時、その人影も消えていた。

 牛車は邑から離れ、深い山の中へと入って行く。
 しばらく進むと、辺りから日の光は消え失せ、昼間とは思えぬ暗がりが広がっている。
 その湿った暗がりの中に、ぼんやりと浮かんで見えるのは、古く朽ち果てたやしろであった。

「大蛇様…!約束通り、お嬢様をお連れしました…どうか、わしらの邑や民に災いがありませんよう…!」

 社の中へ、少女の手を引いて入った邑の男は、少女を床に座らせ、震える両手を合わせた。
 少女には、頭部を覆い隠す薄い絹布がかけられている。布は両肩までを覆い隠しており、少女は黙って俯き、男と同じように静かに手を合わせていた。

 突如、社の堂内に冷たい風が吹き込み、傍らに置かれた灯籠の火を掻き消した。

「ひい……!」
 男が震え上がる。

『心配はいらぬ…!!早う立ち去れ…!!』

 闇に包まれた堂内に、恐ろしい声が響き渡った。

「で…出たーーーー!!」

 男は腰を抜かさんばかりに驚き、地面を這うようにして、社から転がり出た。
 そのまま後ろを振り向く事もせず、牛車に飛び乗り、飛ぶように走り去った。

 しんと静まり返った社の中に、少女が一人取り残された。
 堂内には、開け放たれた扉から差し込む、細い光だけが少女の姿を照らしている。
 やがて、扉の陰から、ぬっと大きな黒い影が姿を現し、ずるずると堂内に忍び込んで来た。
 少女の周りをぐるりと取り囲んだのは、体長ニ十尺はある大蛇であった。

 大蛇は少女の肩越しに頭をもたげ、口から長い舌を伸ばすと、少女の顔を覆う布をひらりと持ち上げた。
 隙間から、少女の白い頬と、紅をひいた唇がちらりと覗く。

「へっへっ…こいつは上玉だな…」
 笑いを押し殺したような声が、大蛇の口から漏れる。

「全く…下衆な大蛇だ…!」

「何…!!」

 少女は唇を歪めて、笑いを浮かべた。
 次の瞬間、大蛇の顎から脳天にかけて、剣が貫いた。

「ぎゃ…!!」

 大蛇が悲鳴がを上げる。
 大蛇の口の中にいた男は、鼻先を剣に切られ、思わずのけ反った。

「兄貴!どうした!?」
 大蛇の中には、他にもまだ男が入っている。
 更に、剣は大蛇の胴体部分を、真っ二つに絶ち斬った。

「うわ!!」
 中からは、三人の男たちが転がり出て来た。

「てめぇ…!よっよくもわしの鼻を…!!」

「黙れ悪党共!!次は鼻だけでは済まさぬ!!」

 少女は剣を構えて、すっくと立ち上がり、被っていた布を取り払った。
 そこに立っているのは、牛車に乗っていた少女とは別人である。



「ちっ…!」

 窮した男たちは、社から外へ飛び出し、逃走を図る。
 それを娘が追いかけ、外へ出ると、木の間から放たれた矢が娘を襲った。
 娘は素早く、剣でその矢を払い落とす。

「わしらの正体を知った以上、生きて帰すわけにはいかん…!」

「放て!!」
 鼻を斬られた"兄貴"と呼ばれた男が命令を下すと、一斉に放たれた矢が娘に迫る。

 突如、一陣の風が巻き起こると、娘の前に一人の男が、頭上から舞い降りていた。
 男は、片手に握った剣で素早く矢を薙ぎ払い、娘の目前にまで迫った最後の一矢を、右手で掴み取った。

「貴様…!何者だ!!」

「お前らに名乗る名は無い…それより自分たちの心配をしたらどうだ?!」
 男は、鋭い眼光を盗賊たちに向ける。

「なっ何ぃ……!」

 盗賊たちが辺りを見回すと、既に頭上の木々から、数人の若者たちに取り囲まれ、弩を向けられている。
 逃げ場が無い事に気付き、観念した盗賊たちは、次々に武器を地面に投げ棄てた。

「うまくいったな。麗蘭殿。」

 捕らえた盗賊たちに、若者たちが縄をかけている。
 その傍らに立っている娘の側に、少年が近付く。

「その名で呼ぶな!それに奉先…来るのが遅いぞ!」

 振り向いた娘、麗蘭は、奉先を睨みつけると、肘で奉先の脇腹を突いた。

「すまぬ、孟殿もうどの…であったな…!」
 奉先は脇腹を押さえ、苦笑する。

「よくもやってくれたな…!覚えていやがれ!小娘…!!」

 "兄貴"は縄に縛られながら、麗蘭に唾を吐きかけ、悪態をつく。
 麗蘭は素早く剣を抜き、男の喉元に切っ先を当てた。

「いいか!悪党…よく聞け!俺は、男だ!!」



 城邑の大通りは、商人や旅人で賑わっている。
 店先で、旅人に酒を売っている女主人は、城邑の大門の前に佇んでいる、少女たちに気付いて、顔を上げた。

「母さま…!」
 少女の一人が走り出し、女主人の前までやって来た。

「お前…!無事だったのかい?!」
 女主人は、娘の体を強く抱きしめた。

「よく帰って来た!」
「私たち…盗賊たちに捕まっていたのよ…」

 娘は、涙ながらに語った。
 少女たちは、それぞれの家族に迎え入れられ、人々は抱き合って喜び合う。

 そんな人々の姿を、不安そうな面持ちで見つめている少女がいた。
 やがて、少女の見つめる先に、探していた相手の姿を見付けた時、少女の表情は一瞬で綻んだ。

「孟様…!!」

「大華殿、必ず成功すると、申したであろう。」

「はい!信じておりました!」
 少女は潤んだ瞳のまま、満面の笑みを向ける。

「これが大蛇の正体よ…!!」

 大華の目の前に、巨大な大蛇の首が現れる。

「きゃあ…!!」
 思わず、大華は悲鳴を上げた。

 大蛇の口を開くと、中から奉先が顔を出す。

「まあ…邑の人たちは、こんなものに騙されていたのですね…」

 大蛇は、どう見ても精巧とは言えない、粗末な造りである。
 森の暗がり、人々の恐怖心によって、有り得ないものが、本物と見紛われたのである。

「この世に、鬼神の祟りなど存在せぬ…!」

 麗蘭は、力強く言い放った。



「麗蘭!どこへ行っていたの?!」

屋敷の廊下を走って来た少女は、庭先で麗蘭をつかまえ、怒声を放った。

「またそんな格好を…!お父様に知れたら大変…!」
男物の着物を身に付けている麗蘭を見ると、眉を寄せる。

「早く着替えて!大事なお客様がいらっしゃるんだから!」
「は…はい!姉上…!」

麗蘭は、まるで蛇に睨まれた蛙のように縮み上がり、いそいそと自分の部屋の方へ走って行く。

「ちょっと、奉先!!」

「はっ…はい!」
先ほどから、麗蘭の傍らにいながら、その存在を出来る限り消していた奉先は、突然声を掛けられ、肝が冷えた。

「お前が付いていながら…ちゃんと見張ってよ!」
「す…すみません…」
「あの子も、もうすぐ十五歳…約束の日限まで、あと少しなんだから…」

少女は、遠ざかる麗蘭の後ろ姿を見つめている。

香蘭こうらん、支度はまだか?もうすぐ将軍がいらっしゃる。」

奥の部屋から、気品のある着物を身に付け、瀟洒《しょうしゃ》な冠を被った、髭の豊かな男性が姿を現した。

「お父様、すぐに参ります!」
香蘭は、慌てて父に頭を下げる。

「お客人とは、呂興りょこう将軍ですか?」

「ええそうよ、反乱軍鎮圧の帰りに、この邑へお立ち寄りになるの。」
奉先の問い掛けに、香蘭は嬉しそうに答える。

「将軍の前で、舞を披露するのよ。見初められれば、将軍の夫人になれるかも…きゃーーー!」

先ほどまでの、鬼の形相とは打って変わって、まさに華も恥じらう乙女、と言わんばかりに、体をくねらせる。

「それは…気合いが入りますね…」
奉先は、やや苦笑を浮かべつつそう言った。

「そりゃそうよ!呂興将軍は、お若くて格好良くて、それに…とってもお強い方なの!!」



広間では、華やかな宴が催されている。

「お招き頂き、感謝する。」

宴席に座した呂興将軍は、巨躯きょくと呼べる雄大な体格をしている。壮年に差し掛かったばかりで、眉宇には精悍せいかんさがみなぎっている。

屋敷の主人は、将軍に酒の盛られた杯を差し出しながら、兵たちの労を労った。
「反乱軍鎮圧の任務、ご苦労でございます。皆様、大変お疲れでありましょう。どうぞごゆるりと。」
「お言葉に甘え、今宵は大いに楽しませて頂く。」
将軍は微笑を浮かべ、杯を掲げた。

此度こたびの反乱軍は、いわゆる宗教団体によるものであった。彼らは、死をも恐れぬ狂気さを持っておる故、なかなか厄介である…」

将軍は溜め息を交えながら、主人に語った。

「そのような芽は、小さなうちから摘んで行かねばならぬ。やがて大きな大樹となれば、この国は大いに乱れるであろう…」

そう言うと、杯の酒を飲み干す。
そして、急に思い出したように顔を上げ、主人の方へ身を乗り出した。

「そうじゃ、ここへ来る前、近隣の邑で面白い話を聞いたぞ。」
「面白い話…ですか?」

「なんでも、その邑の北に、神をまつる山があるのだが、一年程前から、その山に大蛇が住み着いたというのだ。大蛇は邑人や旅人を襲い、恐れた邑人たちは、大蛇の怒りを鎮める為と、邑の若い娘を生け贄として捧げたそうじゃ。」

「何と…むごい事を…」
主人は、嫌悪感をあらわにする。

「ところがじゃ、ある若者が邑の娘に成り代わり、その大蛇を退治したのだという…」

将軍がそこまで話した時、部屋を仕切る簾の裏から、がしゃんという、何かを激しく床に打ち付ける音がする。

「これ!何をしておる?!お客様がおいでなのだぞ!!」
主人は険しい叱声を、簾の裏にいる者に浴びせた。

「すっ…すみません…!!」
簾の裏にいる人物は、慌てて返事を返し、落としたきんを拾い上げた。

気を取り直した将軍は、再び話を続ける。

「大蛇というのが、なんと偽物!その山に住み着いた盗賊たちが、邑人たちを騙していたという訳だ!どうじゃ、その若者は勇者であろう!!」

将軍は、子供のように無邪気な表情で笑う。

「おっしゃる通りでございます!」
主人が同意を示すと、宴席に居る全員が、愉快そうに笑い合った。

宴もたけなわとなり、やがて、長女香蘭の舞が披露される事となった。
香蘭は、鮮やかな薄浅葱うすあさぎの着物を身に付け、しなやかな肢体を華麗に操り、まるで天女のような美しさである。
その場に居る誰もが、香蘭の舞に釘付けとなり、将軍も自分の顎髭を撫でながら、香蘭の舞いをうっとりとした表情で眺めている。

舞を踊る香蘭の後ろでは、あでやかな唐紅からくれないの着物姿の麗蘭が、琴を奏でている。
腰まである長い黒髪が、首筋から肩を流れ、美しい艶を煌めかせている。

「これは、娘の香蘭でございます。」

香蘭は、しおらしく将軍の前に平伏する。

「香蘭殿、素晴らしい舞であった。」

将軍は上機嫌である。
香蘭は頬を染めて、俯いた。

「そして…」
将軍は、更に後ろで控えている、麗蘭の方へ目を向けた。

「見事な琴であった。」

思いがけず将軍から声を掛けられ、驚いた麗蘭は、慌ててその場に平伏した。

「次女の、麗蘭でございます。琴の腕前はこのまち一番でございます。」
主人は誇らしげに、麗蘭を将軍に紹介した。

「麗蘭殿…おもてを上げられよ。」

麗蘭が緊張している事を見澄ました将軍は、優しげな声で呼びかける。
麗蘭は、少し躊躇ためらいがちに、ゆっくりと頭を起こした。

将軍の胸元まで視線を上げたが、目を合わせる事が出来ず、麗蘭の黒い瞳は揺れ動いている。
将軍はその様子を、しばらく黙って見つめていたが、やがて口元に笑みを浮かべた。

「実に美しい…わしの妻としたいが、どうか?」

その言葉に、一座はざわめき、麗蘭の顔は一瞬で青ざめた。

主人は慌てて、将軍の前へ進み出ると、
「こ…これはまだほんの子供でして…!将軍の妻になど、とてもなれませぬ…!」
と、額に汗を浮かべる。

将軍は笑いながら、

「心配と申すなら、姉と妹、二人とも貰おう。」

そう言い、香蘭と麗蘭の二人を指差した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

和ませ屋仇討ち始末

志波 連
歴史・時代
山名藩家老家次男の三沢新之助が学問所から戻ると、屋敷が異様な雰囲気に包まれていた。 門の近くにいた新之助をいち早く見つけ出した安藤久秀に手を引かれ、納戸の裏を通り台所から屋内へ入っる。 久秀に手を引かれ庭の見える納戸に入った新之助の目に飛び込んだのは、今まさに切腹しようとしている父長政の姿だった。 父が正座している筵の横には変わり果てた長兄の姿がある。 「目に焼き付けてください」 久秀の声に頷いた新之助だったが、介錯の刀が振り下ろされると同時に気を失ってしまった。 新之助が意識を取り戻したのは、城下から二番目の宿場町にある旅籠だった。 「江戸に向かいます」 同行するのは三沢家剣術指南役だった安藤久秀と、新之助付き侍女咲良のみ。 父と兄の死の真相を探り、その無念を晴らす旅が始まった。 他サイトでも掲載しています 表紙は写真ACより引用しています R15は保険です

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲

俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。 今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。 「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」 その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。 当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!? 姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。 共に 第8回歴史時代小説参加しました!

【18禁】「巨根と牝馬と人妻」 ~ 古典とエロのコラボ ~

糺ノ杜 胡瓜堂
歴史・時代
 古典×エロ小説という無謀な試み。  「耳嚢」や「甲子夜話」、「兎園小説」等、江戸時代の随筆をご紹介している連載中のエッセイ「雲母虫漫筆」  実は江戸時代に書かれた随筆を読んでいると、面白いとは思いながら一般向けの方ではちょっと書けないような18禁ネタもけっこう存在します。  そんな面白い江戸時代の「エロ奇談」を小説風に翻案してみました。    下級旗本(町人という説も)から驚異の出世を遂げ、勘定奉行、南町奉行にまで昇り詰めた根岸鎮衛(1737~1815)が30年余にわたって書き記した随筆「耳嚢」  世の中の怪談・奇談から噂話等々、色んな話が掲載されている「耳嚢」にも、けっこう下ネタがあったりします。  その中で特に目を引くのが「巨根」モノ・・・根岸鎮衛さんの趣味なのか。  巨根の男性が妻となってくれる人を探して遊女屋を訪れ、自分を受け入れてくれる女性と巡り合い、晴れて夫婦となる・・・というストーリーは、ほぼ同内容のものが数話見られます。  鎮衛さんも30年も書き続けて、前に書いたネタを忘れてしまったのかもしれませんが・・・。  また、本作の原話「大陰の人因の事」などは、けっこう長い話で、「名奉行」の根岸鎮衛さんがノリノリで書いていたと思うと、ちょっと微笑ましい気がします。  起承転結もしっかりしていて読み応えがあり、まさに「奇談」という言葉がふさわしいお話だと思いました。  二部構成、計六千字程度の気軽に読める短編です。  

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

処理中です...