35 / 50
おじさんはリアルでも奇跡を起こす
第035話 やっぱり大好きなアレ
しおりを挟む
「こらこら、勝手に触ったりしたら駄目だよ?」
スーパーには色んな食材が並んでいるので、マヒルたちが興味津々。楽しそうに食材を眺めている。手を出そうとするのを止めている亜理紗。
俺はその年の離れた姉妹のような様子をほっこりした気分で眺めていた。
「さて、今日は何を作ろうか」
俺は食材を眺めながら料理を考える。
そういえば、マヒルとヨルはやっぱり油揚げが好きなんだろうか。
彼女たちは狐だ。日本で狐と言えば、お稲荷様の御遣いとしてとても有名だ。そして、お稲荷さんと言えば、油揚げだろう。
俺は油揚げあるコーナーへと向かう。
「きゅんっ!!」
「きゅうっ!!」
油揚げが見えてくると、マヒルとヨルが目を輝かせて駆け出していく。
「きゅんきゅんっ!!」
「きゅうううんっ!!」
そして、油揚げを指さして俺たちにアピールするように飛び跳ねた。
思った通り、この子たちは油揚げが好きみたいだ。
油揚げ料理と言えば、含め煮にご飯を入れていなり寿司にしたり、うどんに乗せてきつねうどんにしたりする。味噌汁に入れるのもいい。
「それじゃあ、今日は油揚げ料理と行きますか」
「あ、私あれ食べたいな。昔よく作ってくれたやつ」
料理のテーマを決めると、亜理紗が思い出したように言う。
「あぁ。五目いなりか」
俺はその料理をよく作っていた。
下拵えを終わらせれば、油揚げに詰めて終わりという料理なので、亜理紗にも手伝わせていたのを思い出す。
その時、彼女はとても楽しそうにしていた。
「きゅうっ……」
「きゅっ……」
いなりという言葉の知識は知っているようで耳をピコーンと立ててマヒルたちが反応する。俺の足元にやってきて期待に満ちた目で見上げてくる二人。
「そうするか」
「やったね!!」
そんな顔をされたら五目いなり以外の選択肢はない。
「ワラビモチ、お前は何か好きな物はないのか?」
「ピッ」
ワラビモチにも尋ねると、体の一部を変化させて、自分を指さした。
それってどういうことだ?
「わらび餅を食べてみたいってことじゃない?」
「そうなのか?」
「ピッ」
意味が分からずにいると、亜理紗が助け舟をくれて、食べ物のわらび餅を食べてみたいということが分かった。
亜理紗が名前の由来を教えていたので気になったらしい。
当然と言えば、当然だが、カシワモチも柏餅が気になったようだ。
それなら、デザートはわらび餅と柏餅にするか。
俺は油揚げを使った料理に必要な具材と付け合わせの材料、そして、デザートと日々の食材を買い込んだ。しかし、柏餅は売っていなかったので、カシワの葉以外の材料を購入した。
「今福引やってますよ。お父さんも一回引けるからチャレンジしてみては?」
レジの人から福引券を渡される。
それにしてもお父さんと勘違いされるとは思わなかった。
まぁでも、尻尾や耳があるとはいえ、小さな女の子を連れて歩いていたら、そういう風に見えても仕方がないか。
「当たらないと思うけど、たまにはこういうのもいいな」
福引なんてずっとやっていなかったので少しワクワクする。
「それはどうかなぁ」
「どういう意味だ?」
「さぁね」
意味ありげに言う亜理紗に尋ねるが、彼女はニヤリと笑ってはぐらかした。
何が言いたかったんだ?
――カランカランッ
「特賞!! 大当たり~!!」
疑問に思いながら福引を回したら、俺の予想は大外れ。たった一度引いただけで特賞を当ててしまった。
その結果、高級焼肉店の特別招待券を貰えた。なんとその日は食べ放題になるらしい。太っ腹すぎる。
「ほらね?」
「何がだ?」
「当たったでしょ?」
亜理紗が得意げに言う。
「何で分かったんだ?」
「おじさん、最近ツイてるからね。当たるんじゃないかと思ったんだよ」
「なるほどな」
亜理紗の返事を聞いて納得する。俺はステータスが覚醒して以来、色んな幸運に恵まれていた。
こんなに可愛いマヒルとヨルと出会ったり、ワラビモチが仲間になったり。良いことばかりだ。
俺はホクホクとした気持ちでスーパーを後にした。
店を出ると、大きな看板が目に入る。
不幸が続いた反動か、最近ツイてるのは間違いない。
「ちょっとだけ、買ってみるのも悪くないか」
「え、買うの?」
俺が呟くと、亜理紗が意外そうな顔をする。
「ああ。亜理紗が言うみたいに最近良いことばかりだからな。流れに乗ってみるもいいかなと思ってな」
「うんうん、良いと思うよ!! 買ってみよう!!」
「分かった」
俺の言葉に亜理紗は賛成してくれた。
「……くっくっくっ。これでまたハピおじ旋風が巻き起こること間違いなしだね」
後ろで亜理紗が何か呟いている。
「何か言ったか?」
「んーん、なんでもないよ。夕食が楽しみだね?」
「そうだな」
俺たちは手を繋いで仲良く家に帰った。
スーパーには色んな食材が並んでいるので、マヒルたちが興味津々。楽しそうに食材を眺めている。手を出そうとするのを止めている亜理紗。
俺はその年の離れた姉妹のような様子をほっこりした気分で眺めていた。
「さて、今日は何を作ろうか」
俺は食材を眺めながら料理を考える。
そういえば、マヒルとヨルはやっぱり油揚げが好きなんだろうか。
彼女たちは狐だ。日本で狐と言えば、お稲荷様の御遣いとしてとても有名だ。そして、お稲荷さんと言えば、油揚げだろう。
俺は油揚げあるコーナーへと向かう。
「きゅんっ!!」
「きゅうっ!!」
油揚げが見えてくると、マヒルとヨルが目を輝かせて駆け出していく。
「きゅんきゅんっ!!」
「きゅうううんっ!!」
そして、油揚げを指さして俺たちにアピールするように飛び跳ねた。
思った通り、この子たちは油揚げが好きみたいだ。
油揚げ料理と言えば、含め煮にご飯を入れていなり寿司にしたり、うどんに乗せてきつねうどんにしたりする。味噌汁に入れるのもいい。
「それじゃあ、今日は油揚げ料理と行きますか」
「あ、私あれ食べたいな。昔よく作ってくれたやつ」
料理のテーマを決めると、亜理紗が思い出したように言う。
「あぁ。五目いなりか」
俺はその料理をよく作っていた。
下拵えを終わらせれば、油揚げに詰めて終わりという料理なので、亜理紗にも手伝わせていたのを思い出す。
その時、彼女はとても楽しそうにしていた。
「きゅうっ……」
「きゅっ……」
いなりという言葉の知識は知っているようで耳をピコーンと立ててマヒルたちが反応する。俺の足元にやってきて期待に満ちた目で見上げてくる二人。
「そうするか」
「やったね!!」
そんな顔をされたら五目いなり以外の選択肢はない。
「ワラビモチ、お前は何か好きな物はないのか?」
「ピッ」
ワラビモチにも尋ねると、体の一部を変化させて、自分を指さした。
それってどういうことだ?
「わらび餅を食べてみたいってことじゃない?」
「そうなのか?」
「ピッ」
意味が分からずにいると、亜理紗が助け舟をくれて、食べ物のわらび餅を食べてみたいということが分かった。
亜理紗が名前の由来を教えていたので気になったらしい。
当然と言えば、当然だが、カシワモチも柏餅が気になったようだ。
それなら、デザートはわらび餅と柏餅にするか。
俺は油揚げを使った料理に必要な具材と付け合わせの材料、そして、デザートと日々の食材を買い込んだ。しかし、柏餅は売っていなかったので、カシワの葉以外の材料を購入した。
「今福引やってますよ。お父さんも一回引けるからチャレンジしてみては?」
レジの人から福引券を渡される。
それにしてもお父さんと勘違いされるとは思わなかった。
まぁでも、尻尾や耳があるとはいえ、小さな女の子を連れて歩いていたら、そういう風に見えても仕方がないか。
「当たらないと思うけど、たまにはこういうのもいいな」
福引なんてずっとやっていなかったので少しワクワクする。
「それはどうかなぁ」
「どういう意味だ?」
「さぁね」
意味ありげに言う亜理紗に尋ねるが、彼女はニヤリと笑ってはぐらかした。
何が言いたかったんだ?
――カランカランッ
「特賞!! 大当たり~!!」
疑問に思いながら福引を回したら、俺の予想は大外れ。たった一度引いただけで特賞を当ててしまった。
その結果、高級焼肉店の特別招待券を貰えた。なんとその日は食べ放題になるらしい。太っ腹すぎる。
「ほらね?」
「何がだ?」
「当たったでしょ?」
亜理紗が得意げに言う。
「何で分かったんだ?」
「おじさん、最近ツイてるからね。当たるんじゃないかと思ったんだよ」
「なるほどな」
亜理紗の返事を聞いて納得する。俺はステータスが覚醒して以来、色んな幸運に恵まれていた。
こんなに可愛いマヒルとヨルと出会ったり、ワラビモチが仲間になったり。良いことばかりだ。
俺はホクホクとした気持ちでスーパーを後にした。
店を出ると、大きな看板が目に入る。
不幸が続いた反動か、最近ツイてるのは間違いない。
「ちょっとだけ、買ってみるのも悪くないか」
「え、買うの?」
俺が呟くと、亜理紗が意外そうな顔をする。
「ああ。亜理紗が言うみたいに最近良いことばかりだからな。流れに乗ってみるもいいかなと思ってな」
「うんうん、良いと思うよ!! 買ってみよう!!」
「分かった」
俺の言葉に亜理紗は賛成してくれた。
「……くっくっくっ。これでまたハピおじ旋風が巻き起こること間違いなしだね」
後ろで亜理紗が何か呟いている。
「何か言ったか?」
「んーん、なんでもないよ。夕食が楽しみだね?」
「そうだな」
俺たちは手を繋いで仲良く家に帰った。
29
あなたにおすすめの小説
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
『捨てられシスターと傷ついた獣の修繕日誌』~「修理が遅い」と追放されたけど、DIY知識チートで壊れた家も心も直して、幸せな家庭を築きます
エリモコピコット
ファンタジー
【12/6 日間ランキング17位!】
「魔法で直せば一瞬だ。お前の手作業は時間の無駄なんだよ」
そう言われて勇者パーティを追放されたシスター、エリス。
彼女の魔法は弱く、派手な活躍はできない。 けれど彼女には、物の声を聞く『構造把握』の力と、前世から受け継いだ『DIY(日曜大工)』の知識があった。
傷心のまま辺境の村「ココン」に流れ着いた彼女は、一軒のボロ家と出会う。 隙間風だらけの壁、腐りかけた床。けれど、エリスは目を輝かせた。
「直せる。ここを、世界で一番温かい『帰る場所』にしよう!」
釘を使わない頑丈な家具、水汲み不要の自動ポンプ、冬でもポカポカの床暖房。
魔法文明が見落としていた「手間暇かけた技術」は、不便な辺境生活を快適な楽園へと変えていく。
やがてその温かい家には、 傷ついた銀髪の狼少女や、 素直になれないツンデレ黒猫、 人見知りな犬耳の鍛冶師が集まってきて――。
「エリス姉、あったか~い……」「……悔しいけど、この家から出られないわね」
これは、不器用なシスターが、壊れた家と、傷ついた心を修繕していく物語。 優しくて温かい、手作りのスローライフ・ファンタジー!
(※一方その頃、メンテナンス係を失った勇者パーティの装備はボロボロになり、冷たい野営で後悔の日々を送るのですが……それはまた別のお話)
田舎おじさんのダンジョン民宿へようこそ!〜元社畜の俺は、民宿と配信で全国初のダンジョン観光地化を目指します!〜
咲月ねむと
ファンタジー
東京での社畜生活に心身ともに疲れ果てた主人公・田中雄介(38歳)が、故郷の北海道、留咲萌町に帰郷。両親が遺したダンジョン付きの古民家を改装し、「ダンジョン民宿」として開業。偶然訪れた人気配信者との出会いをきっかけに、最初の客を迎え、民宿経営の第一歩を踏み出す。
笑えて、心温かくなるダンジョン物語。
※この小説はフィクションです。
実在の人物、団体などとは関係ありません。
日本を舞台に繰り広げますが、架空の地名、建造物が物語には登場します。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。
ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。
ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。
ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。
なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。
もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。
もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。
モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。
なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。
顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。
辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。
他のサイトにも掲載
なろう日間1位
カクヨムブクマ7000
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる