ハッピーおじさん~不幸のどん底に落ちた男、幸運値が限界突破して姪っ子の配信でバズるも、気づかないままモフモフ幼女達とスローライフ~

ミポリオン

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おじさんはリアルでも奇跡を起こす

第035話 やっぱり大好きなアレ

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「こらこら、勝手に触ったりしたら駄目だよ?」

 スーパーには色んな食材が並んでいるので、マヒルたちが興味津々。楽しそうに食材を眺めている。手を出そうとするのを止めている亜理紗。

 俺はその年の離れた姉妹のような様子をほっこりした気分で眺めていた。

「さて、今日は何を作ろうか」

 俺は食材を眺めながら料理を考える。

 そういえば、マヒルとヨルはやっぱり油揚げが好きなんだろうか。

 彼女たちは狐だ。日本で狐と言えば、お稲荷様の御遣いとしてとても有名だ。そして、お稲荷さんと言えば、油揚げだろう。

 俺は油揚げあるコーナーへと向かう。

「きゅんっ!!」
「きゅうっ!!」

 油揚げが見えてくると、マヒルとヨルが目を輝かせて駆け出していく。

「きゅんきゅんっ!!」
「きゅうううんっ!!」

 そして、油揚げを指さして俺たちにアピールするように飛び跳ねた。

 思った通り、この子たちは油揚げが好きみたいだ。

 油揚げ料理と言えば、含め煮にご飯を入れていなり寿司にしたり、うどんに乗せてきつねうどんにしたりする。味噌汁に入れるのもいい。

「それじゃあ、今日は油揚げ料理と行きますか」
「あ、私あれ食べたいな。昔よく作ってくれたやつ」

 料理のテーマを決めると、亜理紗が思い出したように言う。

「あぁ。五目いなりか」

 俺はその料理をよく作っていた。

 下拵えを終わらせれば、油揚げに詰めて終わりという料理なので、亜理紗にも手伝わせていたのを思い出す。

 その時、彼女はとても楽しそうにしていた。

「きゅうっ……」
「きゅっ……」

 いなりという言葉の知識は知っているようで耳をピコーンと立ててマヒルたちが反応する。俺の足元にやってきて期待に満ちた目で見上げてくる二人。

「そうするか」
「やったね!!」

 そんな顔をされたら五目いなり以外の選択肢はない。

「ワラビモチ、お前は何か好きな物はないのか?」
「ピッ」

 ワラビモチにも尋ねると、体の一部を変化させて、自分を指さした。

 それってどういうことだ?

「わらび餅を食べてみたいってことじゃない?」
「そうなのか?」
「ピッ」

 意味が分からずにいると、亜理紗が助け舟をくれて、食べ物のわらび餅を食べてみたいということが分かった。

 亜理紗が名前の由来を教えていたので気になったらしい。

 当然と言えば、当然だが、カシワモチも柏餅が気になったようだ。

 それなら、デザートはわらび餅と柏餅にするか。

 俺は油揚げを使った料理に必要な具材と付け合わせの材料、そして、デザートと日々の食材を買い込んだ。しかし、柏餅は売っていなかったので、カシワの葉以外の材料を購入した。

「今福引やってますよ。お父さんも一回引けるからチャレンジしてみては?」

 レジの人から福引券を渡される。

 それにしてもお父さんと勘違いされるとは思わなかった。

 まぁでも、尻尾や耳があるとはいえ、小さな女の子を連れて歩いていたら、そういう風に見えても仕方がないか。

「当たらないと思うけど、たまにはこういうのもいいな」

 福引なんてずっとやっていなかったので少しワクワクする。

「それはどうかなぁ」
「どういう意味だ?」
「さぁね」

 意味ありげに言う亜理紗に尋ねるが、彼女はニヤリと笑ってはぐらかした。

 何が言いたかったんだ?

 ――カランカランッ

「特賞!! 大当たり~!!」

 疑問に思いながら福引を回したら、俺の予想は大外れ。たった一度引いただけで特賞を当ててしまった。

 その結果、高級焼肉店の特別招待券を貰えた。なんとその日は食べ放題になるらしい。太っ腹すぎる。

「ほらね?」
「何がだ?」
「当たったでしょ?」

 亜理紗が得意げに言う。

「何で分かったんだ?」
「おじさん、最近ツイてるからね。当たるんじゃないかと思ったんだよ」
「なるほどな」

 亜理紗の返事を聞いて納得する。俺はステータスが覚醒して以来、色んな幸運に恵まれていた。

 こんなに可愛いマヒルとヨルと出会ったり、ワラビモチが仲間になったり。良いことばかりだ。

 俺はホクホクとした気持ちでスーパーを後にした。

 店を出ると、大きな看板が目に入る。

 不幸が続いた反動か、最近ツイてるのは間違いない。

「ちょっとだけ、買ってみるのも悪くないか」
「え、買うの?」

 俺が呟くと、亜理紗が意外そうな顔をする。

「ああ。亜理紗が言うみたいに最近良いことばかりだからな。流れに乗ってみるもいいかなと思ってな」
「うんうん、良いと思うよ!! 買ってみよう!!」
「分かった」

 俺の言葉に亜理紗は賛成してくれた。

「……くっくっくっ。これでまたハピおじ旋風が巻き起こること間違いなしだね」

 後ろで亜理紗が何か呟いている。

「何か言ったか?」
「んーん、なんでもないよ。夕食が楽しみだね?」
「そうだな」

 俺たちは手を繋いで仲良く家に帰った。
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