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3巻
3-1
しおりを挟む第一話 旅は道連れ
『イナホちゃん、モフモフ~』
『ん~、僕は美味しくないよ~?』
俺――福菅健吾の隣で、猫によく似た見た目のペットであるイナホと、エルフの森で新しく仲間になった森と風の精霊のフィーがちぐはぐな会話を繰り広げつつ戯れていた。
俺はそんな微笑ましい光景に破顔する。
イナホ達はお互いの言葉が分からないため、このような光景は日常茶飯事だ。
パーティ内の意思疎通は、基本的に俺が『言語理解』スキルを使用して通訳している。
この世界に転移して最初のうちは役に立たないと言われていたスキルだったが、今では大活躍だ。
ちなみに、フィーのような精霊は本来普通の人には見えない。
エルフの森で出会った際に俺が契約したことで現実世界との繋がりが強くなり、そのおかげで基本的に誰にでも見えるようになったらしい。
自然に溶け込んで、今まで通り姿を見られないようにすることもできるようだ。
『きゃははっ。くしゅぐったーい!』
『はにゃーんっ』
じゃれ続けるイナホ達の可愛らしさに、俺は我慢できずに二人の頭を撫でまわす。
フィーは嬉しそうにはにかみ、イナホは気持ちよさそうに目を細めて顔を蕩けさせた。
ふと、俺が窓の外に視線を向けると、そこには長閑な草原が広がっていた。
エルフの森の危機を救い、先日まで滞在していた俺達は、本来の目的地である大洞窟へ向かって馬車を走らせているところだった。
馬車といっても特別製だ。人工知能を搭載したシルバ――俺が命名した馬型のロボットが、俺達が乗っている屋形を自分の判断で引いてくれるため御者がいらない。
その上、屋形も超古代文明の技術によって、見た目以上に広い空間になっており、乗り心地は振動なども一切ないくらい快適で、暇潰しのための娯楽も十分に備わっている。元々俺が生活していた日本以上に過ごしやすい環境だ。
「じゃじゃーん! ねぇねぇ、どうかしら?」
ここに来るまでの出来事を振り返っていると、そこに旅の仲間であり、俺の彼女でもあるリンネがやってきた。俺の目の前で、その姿を見せびらかすようにポーズを取っている。
そんな彼女の服装は、三角帽を被り、ローブを羽織って、その下にシンプルなワンピースというものだった。
「おう、いかにも魔法使いの女の子って感じだな。よく似合ってるよ」
「ふふーん。そう?」
俺の反応に、得意げな顔になるリンネ。
彼女が今しているのは、魔法使いらしい服装をとっかえひっかえしてのファッションショーだ。
エルフの森で魔法を習得したことで、馬車で見ていた映画に登場する、魔法使いや魔法少女に対する憧れがより一層強まったようだ。俺とイナホ、フィーはそのお披露目に付き合っていたのだった。
今ではイナホとフィーはすっかり飽きてしまって、俺だけが残っているのだが。
「こ、これはどうかしら?」
「ま、まぁいいんじゃないか?」
いつの間にかリンネが別の服に着替えていた。
今度はピンクを基調としていて、魔法少女が着ていそうな非常に可愛らしいタイプのヒラヒラしたドレスだった。
「でもキャピキャピしすぎかも」
「それはあるかもなぁ」
流石に年頃の女子が着ると、なんだか色々問題ありそうな気がする。
彼女自身もそれに気づいたのか、モジモジしていて少し恥ずかしがっていた。
というか、この馬車はあんな服まで完備されているのか。とんでもない品揃えだ。
『あ、フィーもしょういうふくがいいなぁ!』
それまでまったく興味を示さなかったフィーが、リンネの前に浮かんで目を輝かせる。
『へーんしん!』
そして次の瞬間、眩い光を放った。俺はあまりの眩しさに顔を腕で覆う。
『どうかなぁ?』
光が収まって腕をどけると、緑色を基調とした、リンネと同じようなひらひらしたドレスを纏うフィーが浮かんでいた。
「おう、可愛いと思うぞ」
『わーい、やったぁ!』
俺が頭を撫でてやると、フィーが体全体を使って嬉しさを爆発させた。やはり、こういう服は小さな女の子によく似合う。
リンネがお気に入りの一着を見つけたようで、着替えを終えて俺の隣に腰を下ろした。
いったん魔女っ娘スタイルの服装で落ち着いたらしい。
「ふぅ~、満足」
「お疲れ様。どれもよく似合ってたよ」
「ふーん、別に褒められても嬉しくないけどね」
俺は、口ではそんなことを言いながらも頭を差し出してくるリンネの頭を撫でる。
「よしよし」
「にへへっ」
リンネは満足そうな笑みを浮かべた。
『お姉ちゃーん』
一人が寂しくなったのか、俺達のもとにイナホもやってきた。
そして、イナホがリンネの膝の上に飛び乗ると同時に、アンドロイドメイドのバレッタの声が頭の中で響く。
『イナホちゃんの言語パターンの解析を完了しました。魔導ナノマシンを通じて言語プログラムをインストールします』
「え、何これ、どういうこと? バレッタ?」
その声はリンネにも聞こえたらしく、辺りをキョロキョロと見回している。
『どうしたのぉ?』
イナホが怪訝そうな顔で俺達を見つめた。
「いえ、なんでもないのよ。イナホはいい子ね」
『えへへ~。お姉ちゃんのナデナデ気持ちいいな』
リンネが撫でると、気持ちよさのあまり、イナホの頭から一瞬で違和感が抜け落ちて、リンネの膝の上でだらしなく腹を見せている。
「ここかしら? ここがいいのかしら? ……ってあれ?」
その途中で、リンネが何かに気づいたように顔を上げた。
「あぁあああああっ。イナホの言葉が分かるようになってるわ!」
リンネが叫ぶと、イナホが体を起こした後、首を傾げながら鳴いた。リンネはイナホの言葉にブンブンと首を縦に振る。
『えぇ~、ホント?』
「うんうん、分かる分かる」
『わーい、これで主がいない時でもお話しできるね』
「そうね」
「がーんっ」
二人のやり取りに、俺はショックを受けてしまった。
『動物たらし』のスキルを手に入れても、いつもリンネの方が動物に好かれていた。そんな俺にとって、彼らの言葉が分かる言語理解だけがアドバンテージだったのに、それすらなくなったら俺はいったいどうすればいいんだ……
ははは……いいんだ。
所詮俺なんて、バレッタが言語を解析したらお役御免になる程度の存在なんだ……
『大丈夫? 頭撫でる?』
俺がしょんぼりしていると、フィーが頭を差し出してきた。
「ああ、撫でる……」
『ふへへ』
俺は精神安定剤代わりにフィーを抱いて頭を撫でることで、ショックを緩和させた。
「それにしても、なんで急にイナホの言葉が分かるようになったのかしら? バレッタの声が関係してそうだけど」
リンネからの俺への問いかけに、バレッタからそのまま回答が返ってくる。
『はい。奥様の疑問にお答えします。三人の体内にある魔導ナノマシンに指示を出して、脳に直接イナホちゃんの言語の知識を送りました。知識自体は、これまでのケンゴ様とイナホちゃんの会話記録をもとに解析しました。奥様が会話を理解できるようになったのは、それが理由です』
「そ、そう。なるほどね。イナホの件は分かったけど……その、やっぱり『奥様』って呼ぶのは少し早いんじゃない?」
満更でもない顔をしながら、リンネがちょっと落ち着かない様子でバレッタにお伺いを立てている。
『いえ、まったくそのようなことはありません。今後も奥様と呼ばせていただければ、と』
「わ、分かったわ。私はケンゴの奥さんなんて願い下げだけど、どうしてもって言うなら考えてあげなくもないし、あなたにはそう呼ぶことを許すわ」
『ありがたき幸せ』
リンネは完全にバレッタの手のひらの上だ。まぁ、嬉しそうな顔をしているし、放っておこう。
昼ご飯を食べた後、リンネが魔法の練習をしたいと言い出した。
腹ごなしにちょうどいいと思った俺は、リンネの修業に付き合うことにした。
皆で馬車から降りて、周囲を散策する。
『ちゅれてきたよ~』
歩いていると、それまで林をうろうろしていたフィーが飛び出してきた。
その後ろから、彼女を追ってきたのか、獣の影も姿を現す。それは、ダイアウルフというCランク程度の狼型モンスターだった。
「いくわよ、ファイヤーボール!」
ダイアウルフを引きつけてからリンネが魔法を唱えると、拳サイズの炎の球が放たれる。
「きゃんっ」
フィーに気を取られていたダイアウルフの頭に、その攻撃が直撃した。炎の球が爆発を引き起こして、モンスターが吠える。
それを見たリンネが、モンスターを指さしながらこちらを振り向いた。
「わぁ~、当たったわ、ケンゴ。当たった!」
「見てるよ。ほらほら、まだ死んでないぞ。油断するなよ」
「分かってるって!」
攻撃魔法が初めてモンスターに当たってはしゃいでいるようだ。
だが、ダイアウルフはCランクモンスターだけあって、初級魔法であるファイヤーボールを一発当てただけでは倒せなかった。
嬉しいのは分かるけど、戦闘中に油断は禁物だ。相手が死んだことを確認し、周りに脅威がないと分かるまでは決して気を抜いてはいけない。
リンネは魔法が関わると途端に精神年齢が下がるからな。俺が気をつけないと。
ダイアウルフが、ダメージを負った頭をブルブルと振って辺りを見回す。
リンネはその隙を見逃さずに上段で剣を構える。
「ずっとやってみたかったんだよねぇ、これ。グラヴァール流魔剣術、炎凰剣」
彼女が思いきり振り下ろした剣は炎を纏っていて、まさに魔法剣と呼ぶに相応しい。振った軌跡から現れた炎の鳥が、ダイアウルフに向かって飛んでいく。
モンスターの体は炎の鳥に包まれ、そのまま真っ黒になるまで燃え続けた。
「ふぅ~。見た? ねぇねぇ、見た?」
「ああ。ちゃんと見てたよ」
リンネが俺の方に駆け寄ってきて、まるで子供のように目を輝かせて話す。
俺は微笑ましく思いながら返事をした。
「え~、本当に? なんか変な道具持ってるし、ちゃんと見てたか怪しいんだけど?」
「ちょっとした思いつきで取り出したんだよ」
「ふぅん、なんなの、それ」
「この道具はな……その場で起きたことを映像として記録できるんだよ」
訝しげな視線でこちらを見るリンネの隣で、俺は持っていた道具を操作しながら説明する。
「え、これって……もしかして……」
そして、道具によって映された映像にリンネが釘付けになった。
「そうだよ。さっきのリンネの戦闘シーンだ」
俺が持っていたのは、地球で言うところのドローン型のビデオカメラに近いアイテムだ。もちろん馬車と同じく超古代文明の技術が使われていて、性能は元の世界より格段に優れている。限りなく現実に近い臨場感を出せるほどだ。
そんなビデオカメラから空中に表示されたホログラムには、先ほどのリンネの戦闘の一幕が映し出されていた。実際に再生してみて実感するが、先ほどの戦闘シーンを時間を巻き戻してもう一度起こしたと言っても過言ではないほどの再現度だった。複数のドローンカメラによって、まるで時間そのものを切り取ったかのように見える。
この前倉庫の整理で偶然見つけて、俺達の旅の思い出を残すために持ち出したものだったが、さっそくいい画が撮れた。
「えぇ~、何これ!? この前見た映画みたいじゃない! 私映画の登場人物になっちゃったの!?」
「あははは、そうじゃなくって、この道具でさっきのリンネの姿を記録したんだよ」
「えぇ~、そんなことできちゃうの? 信じられない!」
リンネは、自分が戦闘している映像を見て大興奮している。その瞳は、純真無垢な子供のようにキラキラしていた。
「じゃあ、もしかして私が物語の主人公になることもできるの?」
映像を見終えたリンネが尋ねてきた。
見るものとしてこれまで映画を楽しんでいたリンネだったが、自分が映ったことで、撮られる側に興味が湧いたらしい。
「いや、まぁ、できなくもないと思うが……」
「ホントに!?」
俺の返事を聞いて、リンネの目に期待の色が浮かぶ。
「あ、あぁ。でも期待しているところ悪いが、ちゃんとした人が演技して撮影しないと、映画みたいにはならないと思うぞ?」
「そんなことはないわ! ケンゴが少し記録しただけで、こんなに素晴らしいものができるんだもの! 映画だって簡単に撮れちゃうわよ。いいなぁ、私も魔法少女になってみたいなぁ」
それからリンネがチラッ、チラッと何度かこちらを上目遣いで見る。
釘を刺したつもりだったが、彼女の興味は抑えられなかったようだ。すっかり撮影してもらう気満々の様子だった。
ちゃんと否定しておけばよかった、と少し後悔する。このまま撮っても、リンネが見た映画ほどの出来栄えにならず、落胆させてしまう可能性もあるが……今更できないとは言えない。
まぁ、一度実際に撮影して作ってみれば、きっと満足してくれるはずだ。
「そうだな。時間がある時にやってみるか」
少し悩んだ末、俺がそう答えると、リンネが顔を寄せてきた。
「いいの!?」
「あぁ、面白そうだからな」
「絶対だからね!」
「分かったよ」
「絶対の絶対よ? 約束破ったら許さないんだから!」
何度も念を押すリンネ。よほどやってみたいらしい。
俺は呆れながらも頷いた。
「分かったって」
「ふふーん、ありがと、ケンゴ」
「気にするなって」
リンネが嬉しそうに俺の腕に自分の腕を絡ませてきた。
自分が憧れた魔法少女になれるとあって、その嬉しさもひとしおなのだろう。
澄ました態度のリンネも可愛いが、こういうデレデレのリンネも可愛いので良しとしよう。
そのまま馬車の方へ向かうと、シルバの報告が耳に入る。
『マスター、前方で何者かがモンスターに襲われています』
「なんだと!?」
『いかがしますか?』
「助けるに決まってるだろ」
『承知しました。それでは、皆様乗ってください』
シルバに言われるがままに、俺達は急いでチャリオン――馬車の屋形部分に乗り込んだ。
一瞬で、のんびりした空気が緊迫したものへと変わる。
「あれか!」
馬車を走らせながら、透視モードに移行したチャリオンから前方を見ていると、モンスターに襲われている集団が目に入った。
遠目で見る限り、ドワーフの一団っぽい。彼らの馬車が多数のモンスターに囲まれていた。
「いい加減に離れやがれ!」
「とりゃぁあ!」
屈強な体を持っているおかげで、ドワーフ達はモンスター相手にどうにか応戦していた。だが、長引けば不利になるだろう。
俺はチャリオンに向かって話しかける。
「チャリオン、ドワーフ達を巻き込まずに攻撃できるか?」
『否定。あの状態では、私に搭載されている兵器だと、対象が広範囲に及ぶため全員を巻き込んでしまいます』
「分かった。リンネ、俺達で行くぞ」
「了解!」
俺はリンネと一緒にチャリオンを飛び出して、ドワーフ達の方へ駆け出した。
その後ろを追いかけながら、フィーが俺に話しかけてくる。
『フィーをわすれちゃ、め、だよ』
「ん? もしかしてドワーフを傷つけずに攻撃できるのか?」
『そんなのかんたんだよ~、フィーにおまかしぇ~、ええい!』
――スパァンッ
俺の言葉に頷くと、彼女が軽く手を振った。その数秒後にモンスター達の首が落ちる。
「な、なんだ!? 何が起きたんだ?」
「突然モンスターが死んだぞ?」
「皆、気を引き締めろ!」
ドワーフ達が、目の前でいきなりモンスターが倒れたことに混乱していた。
たしかに、彼らからしたら意味不明な事態だもんな。別の敵が来たと勘違いするのも当然だ。
「おおーい! 大丈夫か! 今の攻撃は俺達がやったんだ!」
俺は彼らの警戒を解くために、声を張り上げて危険が去ったことを知らせる。
「お、お前達は何者だ!」
「盗賊か!?」
だが、モンスターに襲われたばかりのドワーフ達の警戒心は簡単に拭えず、彼らは俺達に鋭い視線を向けた。
「俺はSランク冒険者のケンゴだ」
「私はSSSランク冒険者のリンネ・グラヴァールよ」
ギルドカードを提示しながら、俺とリンネは近づいていく。
「こんなところに高ランクの冒険者だと? 本物か?」
「いやいや、こんな辺鄙な場所にいるわけねぇだろ」
「そうだそうだ、偽物に違いねぇ」
しかし、ドワーフ達はなかなか俺達の言葉を信用してくれない。しまいには、武器を向けられてしまった。
「お前達、待ちな」
そんな中、一人の女性の声が辺りに響いた。
まるで小学校高学年くらいの見た目をした小柄な女性が、身の丈以上のハンマーを肩に担いで、前に出てきた。肌は他のドワーフと同じく褐色だ。
彼女が出てきた途端、他のドワーフ達の注意がそちらに向く。
「姉御?」
「いったいどうしたんですかい?」
「そうですぜ、あいつらは敵ですよ?」
ドワーフの男達が口々に言う。
女性は彼らから姉御と慕われているようだ。いったいどんな関係なのだろうか。
そんな彼女は、周りのドワーフ達を見た後、大きなため息をついた。
「何言ってんだい、お前ら。相手の力量も分からないのかい? あの男と女がその気なら、私らなんてさっきのモンスターと同じように一瞬でバラバラにされてるよ」
「そんなバカな!?」
「あいつらそんなに強いんですかい?」
「どちらも普通の冒険者にしか見えませんぜ?」
「はぁ……まさかここまで目が曇っているとはね。こりゃあ、帰ったら扱かないと駄目みたいだね」
ドワーフの男達は、女性の説明が信じられない様子だ。
姉御と呼ばれている彼女は、呆れたように顔を手で覆って首をフルフルと横に振った。
「ひぇ~! 勘弁してくれよ、姉御」
「油断していたらこれだぁ」
「嫌だ~、扱かれるのだけは嫌だ~」
ドワーフ達が怯えたように、涙目になって土下座をし始める。
流石にこのままじゃ話が進まないな。
俺は、ドワーフ達のやり取りを遮って声をかけた。
「ちょっといいか?」
「あ、ああ、茶番に付き合わせて悪いね。それから助けてくれてありがとよ。私はアミノってもんだ。よろしくな」
「いや、別に通りがかったついでだから、気にするな。俺はケンゴ、よろしくな」
「はははっ。あんたいい奴だね。私の男にならないかい?」
アミノが豪快に俺の背中を叩いた。突然の爆弾発言とともに。
「だ、駄目に決まってるでしょ!」
リンネが俺とアミノの間に割り込んで、まるで犬のようにアミノを威嚇した。
「あんたはこの男のなんなんだい?」
「わ、私はケンゴの彼女、リンネ・グラヴァールよ」
「ふーん。彼女連れなら諦めるか。仕方ないね」
「俺も小さな女の子は対象外でね」
俺が肩を竦めてそう言うと、アミノが心外だとでも言いたげな顔をした。
「まったく、これだから人間は! 見た目だけで判断するんじゃないよ! 私はとっくに成人を迎えた、れっきとしたレディだよ!」
アミノの言葉を聞き、先ほどまで土下座をしていたドワーフ達が後ろでひそひそと話し始めた。
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