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四章 〜聖龍と最後で最初の日々〜』
66話 『目指せ聖域』
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ルナのありもしない話や毎晩の修行の話と、リッタが初めて僕と出会ったと言う話、ゆぅが僕とパートナーになった時の話が僕の目の前で繰り広げられていた。お互いに自分しか知らない話を自慢しているようだ。
どれもこれも僕と各々しか知らない話が、何故か僕を一番疎外して話されている。どうにも不思議な感じだけど、みんなが自分の事を嬉しそうに話してくれる事には素直に喜びを感じる。
話が逸れ過ぎてなんで今日ここに集まったのかを忘れてしまっているのか、一向に終わる気配がなかった。
そこで、僕が話に割って入っていった。
「もうその話はそこまで! 今日はこれからどうするのかを話しに来たんだから」
「「「でも!」」」
「でももなし!」
珍しく声を張った僕に、三人ともうぅと言いながらも話しをやめた。
僕もコーヒーを一口飲んで話しを続けた。
「めでたく今日からルナも一緒に旅が出来るんだし、明日からどうするか考えよう」
「それについてはいい考えがあるよ!」
ルナが飲んでいたオレンジジュースっぽい飲み物を置いてそう言った。
「君達は確か聖龍様に会うのが旅の目的って言ってたよね?」
「そう言えばそうだったね」
「リッタ、忘れていたのですか?」
「べ、別に忘れてなんていないよ?」
「まあまあ二人とも……」
何かあるとすぐにワイワイやりだす二人を宥めるのも結構大変なんだけどな。話しが進まないから兎に角頑張る。
「心葉には話したんだけど、ボクの師匠がその聖龍様だからさ、ボクが聖龍様のところまで案内してあげるよ!」
「ほんとに⁉︎ いいの? そんな簡単に聖龍に会って大丈夫なの?」
「ボクがいれば問題ないよ。いなくてもあの方なら大丈夫だと思うけどね」
「生きてるといろんな事があるんだね」
「まさか聖龍がルナさんの師匠だとは思いませんでした」
「堅苦しいのは嫌だから、ルナでいいよ!」
考えてみればルナの師匠が聖龍ってのはほんとに驚くべきことなんだよな。あの時は焦っていてほとんど頭に入ってこなかったけど、これってもう奇跡だよね。
そんな奇跡に改めて感動する。
リッタの言う通り、生きてるといろんな事がある。異世界転移してみたり、魔族と戦ったり、不思議な魔力に目覚めたり、チートみたいな威力の技をぶっ放したり、こんな風に誰かと出会ったり。
世の中本当に上手くできてるよ。
「さあ、これからの予定も決まったんだ。目指そうじゃないか、聖域を!」
そうして次の行き先が決まり、僕らはルナの用意してくれた宿に戻るのだった。
どれもこれも僕と各々しか知らない話が、何故か僕を一番疎外して話されている。どうにも不思議な感じだけど、みんなが自分の事を嬉しそうに話してくれる事には素直に喜びを感じる。
話が逸れ過ぎてなんで今日ここに集まったのかを忘れてしまっているのか、一向に終わる気配がなかった。
そこで、僕が話に割って入っていった。
「もうその話はそこまで! 今日はこれからどうするのかを話しに来たんだから」
「「「でも!」」」
「でももなし!」
珍しく声を張った僕に、三人ともうぅと言いながらも話しをやめた。
僕もコーヒーを一口飲んで話しを続けた。
「めでたく今日からルナも一緒に旅が出来るんだし、明日からどうするか考えよう」
「それについてはいい考えがあるよ!」
ルナが飲んでいたオレンジジュースっぽい飲み物を置いてそう言った。
「君達は確か聖龍様に会うのが旅の目的って言ってたよね?」
「そう言えばそうだったね」
「リッタ、忘れていたのですか?」
「べ、別に忘れてなんていないよ?」
「まあまあ二人とも……」
何かあるとすぐにワイワイやりだす二人を宥めるのも結構大変なんだけどな。話しが進まないから兎に角頑張る。
「心葉には話したんだけど、ボクの師匠がその聖龍様だからさ、ボクが聖龍様のところまで案内してあげるよ!」
「ほんとに⁉︎ いいの? そんな簡単に聖龍に会って大丈夫なの?」
「ボクがいれば問題ないよ。いなくてもあの方なら大丈夫だと思うけどね」
「生きてるといろんな事があるんだね」
「まさか聖龍がルナさんの師匠だとは思いませんでした」
「堅苦しいのは嫌だから、ルナでいいよ!」
考えてみればルナの師匠が聖龍ってのはほんとに驚くべきことなんだよな。あの時は焦っていてほとんど頭に入ってこなかったけど、これってもう奇跡だよね。
そんな奇跡に改めて感動する。
リッタの言う通り、生きてるといろんな事がある。異世界転移してみたり、魔族と戦ったり、不思議な魔力に目覚めたり、チートみたいな威力の技をぶっ放したり、こんな風に誰かと出会ったり。
世の中本当に上手くできてるよ。
「さあ、これからの予定も決まったんだ。目指そうじゃないか、聖域を!」
そうして次の行き先が決まり、僕らはルナの用意してくれた宿に戻るのだった。
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