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料理調査団体ミストラル フランドリン・バーグのミックスフライ
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八百万
長蛇の列を作る事で有名な八百万、今では店自体が大きく拡張され回転率もあがり、一度に多くのお客さんがぞろぞろと店に入っていく。
前までは行列を見て諦めていたお客さん達も、並んでいる人たちが減少した事により八百万の列に並ぶようになり、結局はお客さんの量は増加しているのだが、料理をアイテムボックスで保管できて、一瞬で提供できるのは大きな利点で回転率は速い。
近くの漁港の未利用魚を利用した生で食べる海鮮丼や焼き魚定食も人気で漁師達からの受けもいい。
何せ、海上や湖などで大量発生したウナギやアナゴなど煮ても焼いても食えない、まさに貧民も食わないと言われていた魚や値段のつけられない雑魚を引き取ってくれて金まではらってくれるのだから、漁師たちは大量に網にかかった雑魚達を海に返す事も禁止されていた為、処理に非常に困っていた。
これを安い値段とはいえ、大量に買い取ってくれるのだから収入的にも今までに比べたら儲けてしかたないなんて言う漁師もいる。
海上の女王の異名で知られる、グラナダ領の娘、リナリア・フォン・グラナダにも認められ、グラナダ名産の鉄砲貝を大量に送られるとか、グラナダの大振りで豊かな味の鉄砲貝は美味い、美味いが奴らは鉄砲貝、当たれば地獄を見る事になり、そのトラウマで生で食う事ができなくなった奴らも沢山いる。
だが一度八百万の店主が調理すれば、鉄砲貝で当たる事無くいくらでも食べれるという。
現に鉄砲貝の食い放題なんかをやったりもしている。
そもそも魚や肉を生で食うか?時には死人もでると言われているのにだ!八百万なら生でも大丈夫!?それは少しずるくないか?嫌、我々にはそもそも生で食べるという文化自体がなかったから、生で肉や魚、ましてや内臓なんぞを刺身で食うなど、まさに八百万が発祥のオリジナルといってもいい。
思いつくとかそんな問題じゃなくて、初めから試さない様な事とかを当たり前にやる。
あれだけ色々試されて、しかも血に毒があるウナギをあんなに美味く調理できるなんて誰が考え付く?
各国で様々な料理、それこそ部族特有の料理から精霊が食べる精霊食、幻想食、様々な料理食べては評価してきた事で世界的にも有名な料理調査団体ミストラルの特級調査員、フラウドリン・バーグはドティの旅行記を見て、即座にウェールズの八百万に飛んだ。
なんだ!この都市は!人間も!エルフも!ドワーフ!龍族!精霊!妖精!獣人族!そして色々な種族のハーフ達!人族に友好的な魔物の氏族!なんて色々な人種の人間達が当たり前の様に生活している。
街の道は広く!夜には街灯により道が明るく!端から端まで建物が綺麗でスラムがない!!孤児院も何処かの貴族の屋敷の様に綺麗で子供達はふくよかで元気!お年寄りの家や人手が足りない店などに出向いては人を助け!読み書き計算すらできる。
ゴミなどはゴミ箱が設置されて、その周辺もゴミで溢れる事もなく清潔!これだけの近代化された都市でありながら街には緑や公園があり、整理された区画には均等に飲食店や色々な店が並び!人族以外にも魔物ですら商売をしている。
衛兵の詰め所も点在しているが、威圧的な兵士は存在せず!むしろ困っている人を見つければ親切に手助けをし、怪しい人物にも高圧的にではなく優しく声をかける。
何だこの街は!こんな街見た事も聞いた事もない!
浮浪者の様な、この街にそぐわないちょっと服の寄れている人間に話を聞くと、最近来たばかりで仕事を探していると言う。
商業ギルドにいけば、簡単なその日の仕事を紹介してもらえたり、長く務める店も自分で判断して見つける事が出来るという。
生活や収入が安定するまで、簡易宿泊所を利用でき、飲食は稼いだ金で外で食べてもいいし、ギルドの食堂で安く済ませる事も可能だが、男はよく八百万にいってはご馳走になっていると言う。
ドティの手記に出て来た八百万だ!ここでその名を聞くとは!聞けば孤児や収入がまだ安定してない人間などは無料で食事を提供していると言う。
そんな店、貧乏人に食いつくされるだろうと思ったが、店主の八意斗真はどれだけの孤児、浮浪者が押し寄せても決して言葉を曲げず、いまだに食事を提供していると言う。
そしてその八百万の前に今私はいる。
外観は蓬莱国や黄金郷の島国を思わせる、まさに旅館スタイルの食事処、8歳から10歳くらいの小さな女の子が一人とその子の姉と思わせる姉妹の狐人族の二人が孤児かな?と思わせる子達に指示したりして、テキパキと料理を運んでいる。
孤児なのかなってのは、見た目がどうにも孤児には見えない立派な子達が多いからだ、でも働いてると言う事は孤児か親の収入が心元ないからなのだろうと察する事が出来る。
今日はアジフライ?という魚を揚げたものがメインのミックスフライ定食の日だと言う。
米と味噌汁はお替わり自由で自分で好きなだけ盛る様になっている。
座るとほぼ同時に料理は運ばれてきて、水が添えられている。
この水は??ずいぶん透き通っているが、まさかこいつも勘定に含まれるわけではあるまいな?注文した覚えはないぞ、私一人しか座ってないテーブルに水のお替わりができるようにか、大きなピッチャーを置いて子供は去っていった。
ふむ・・・ブリタニア大陸は水に敏感ではなく、未だに地方では濁った水を平気で飲む気風の人種だったはずだが?ずいぶんと透明だな?どれ・・・・・うぉ!美味い!なんだこの水!ただの水じゃないぞ!エルフの森林にある遥か昔はエルフしか飲む事を許されなかった湧き水と同じくらい聖なる気質が漂っている!美味い!飲めば飲むほど健康になるって奴だ!くっ!私が調査員だと気が付いたのか!?料理の前に水で小細工するとは生意気な!
そんな事を考えていると、周りではこの水を当たり前の様に飲んだり、なんだったら布に濡らして手を拭いたり、ああっそんな事に使っていいみずではないのに!?とこえがもれそうになる。
これがあたりまえなのか!?気づかれたのではなく、これがこの店の当たり前!?
首を左右に振り、出された料理に集中する。
アジ?フライ?見れば雑魚っぽい魚を開いて何かをつけて揚げたのか、じゅわじゅわとまだ音が鳴ってる。
ソースでも醬油でも塩でもお好きな様にお召し上がりください。
からしなんかをつけても美味しいですよ~と言われる。
う~む・・・・・まずは米、これはエルフが栽培していると言うが、エルフの食べ方とは違うな、ほくほくとして弾力がある。
もぐもぐもぐ・・・・・ぬぉおおおお!甘味と弾力!歯ごたえ?嫌硬さか?なんとも子気味よい、奇妙なもっちりかんとサックり感!むちむちな感じと硬さが丁度良く控えめな味わいだが、確かに旨味がある。
味噌汁、スープか、うん!なるほど!合点がいった!なるほどなるほど!米、そして味噌汁!この相性!この二つの相性!これが抜群に合う!味噌汁の塩味!されど一辺倒の塩を舐めたような平坦な味ではなく、複雑に見え隠れする塩味の波!また中のぐたるや!ネギに海藻にこれは?豆腐か!黄金の島国で寺の聖職者が食うと言う豆腐!豆の味が濃い!なんとなんと!私の味覚が鋭いからか??洗練されてるではないか!この米と味噌汁!
添えられている小鉢も多い、これは?海藻を刻んだものと?うむ!紫蘇だ!梅かと勘違いしそうだが、この酸味は紫蘇!いいではないか!そうか!!そこに米なのだな!うんうんうん!合う!いいぞ!このぐいぐいと米が喉奥に進んでいく感覚!これがまた快感だ!飲み込むのが快感なのだ!
野菜を煮たものか?この味!醬油か!よくよく煮込まれて味のしみている!どこか自然の風景が心に情景として現れる。
塩漬けの漬物もパリパリとして食感楽しく、癖になる。
こうにも計算された食の快楽!まさに定められた食!定食!。
いかんいかん、まだだ、まだメインを全然食べていないのに、かなり今の段階で満足度が高い、気を取り直してアジのフライにソースを適度にかけ、箸で掴むがこれがデカい!しかもこのデカさでアジのフライは二枚、デン!デン!と乗っている。
気を引き締めて、いざ、ガブリシャス!んほおおおおおおおおおおおおお!ザックリふわふわの身がしっとり顔を出す!誰だこの魚を雑魚と言った奴は!説教してやる!!しっかりと味の主張もするじゃないか!そしてソース!酸味のあるこのソース!美味い!美味いよ!急げ急げ!いまここに米を!米を運ぶんだ!
子供の頃に戻った様に、誰に急かされる訳でもなく早食い犬食い状態になる。
飢えを欲望を満たす様に、決して上品ではないだろう、でもそんな事、今自分の腹が満たされる事に比べればなんてことはない!
からし!なるほどやべーじゃんこれ!からしにフライってやべーじゃん!美味いじゃん、めっちゃソースとあうわ!マブダチだわ。
キャベツの千切りには玉ねぎのサラダソースがかかっていて、これもうままままっまああ!んでもって端っこにちょっと添えられている、なにこれ?芋?芋潰してソースまぜたやつ?え?マッシュポテト?うんめぇ!潰した芋にマヨ?ソースが美味い!芋ってあの芋でしょ?腐るほどくったけどこんな味知らない!全然知らない!
あれくって、これくって、あれくって、あれくって、くってくってくってくって、そして行き着くのはやっぱりメインの米!柱が何個もある屋敷の土台の様なコースになっている料理の群れ!
そりゃこんだけ美味くて、色んな味楽しめたらさ、もうどうしようもないじゃん、難癖なんてつけられないじゃん。
ボリュームもあって働く男にも子供にも女性にも大大満足だろ!そしてまだ箸のつけてない俵型のフライに目をつける。
これは・・・・なんのフライだ?ミックスフライっていってたな?もう一つは尻尾が見える事からなるほど、エビか?ザクリと噛むと、んほほほサファイヤシュリンプじゃん!ぷりんぷりんの卵がぷちぷちと豪華だ。
嫌々、お替わりしちゃうだろ!
そんでもって最後のフライ、ばくんと噛むとじゅんわりぷりぷりのグラナダ鉄砲貝!脂で揚げられて身の味がめちゃウマ!狂乱は続く!
美味いよ!ああっ!美味いよ!文句なんて一つもねぇ!ドティの野郎の手記は気に入らないがぶっちぎりで美味い!もっとその事を書けよ!この宿の事!料理の事!街の事!もっともっと説明して書けよ!お前が楽しんだ感想だけじゃ足りないんだよ!なのにベストセラーで世界中で売れて、色んなセレブがあいつの真似をする。
それだけじゃ足りない!全然表現しきれない!それぐらいのインパクト!定食の凄さ!
え?明日には違うメニューになってるの?同じメニューが出るのは次いつになるかわからない?え?じゃあ毎日違う料理が出て来るの?
・・・・・・・・・・・・・
料理調査団体ミストラルに特級調査員フランドリン・バーグが消息を絶った報告が流れて、組織は動揺した
長蛇の列を作る事で有名な八百万、今では店自体が大きく拡張され回転率もあがり、一度に多くのお客さんがぞろぞろと店に入っていく。
前までは行列を見て諦めていたお客さん達も、並んでいる人たちが減少した事により八百万の列に並ぶようになり、結局はお客さんの量は増加しているのだが、料理をアイテムボックスで保管できて、一瞬で提供できるのは大きな利点で回転率は速い。
近くの漁港の未利用魚を利用した生で食べる海鮮丼や焼き魚定食も人気で漁師達からの受けもいい。
何せ、海上や湖などで大量発生したウナギやアナゴなど煮ても焼いても食えない、まさに貧民も食わないと言われていた魚や値段のつけられない雑魚を引き取ってくれて金まではらってくれるのだから、漁師たちは大量に網にかかった雑魚達を海に返す事も禁止されていた為、処理に非常に困っていた。
これを安い値段とはいえ、大量に買い取ってくれるのだから収入的にも今までに比べたら儲けてしかたないなんて言う漁師もいる。
海上の女王の異名で知られる、グラナダ領の娘、リナリア・フォン・グラナダにも認められ、グラナダ名産の鉄砲貝を大量に送られるとか、グラナダの大振りで豊かな味の鉄砲貝は美味い、美味いが奴らは鉄砲貝、当たれば地獄を見る事になり、そのトラウマで生で食う事ができなくなった奴らも沢山いる。
だが一度八百万の店主が調理すれば、鉄砲貝で当たる事無くいくらでも食べれるという。
現に鉄砲貝の食い放題なんかをやったりもしている。
そもそも魚や肉を生で食うか?時には死人もでると言われているのにだ!八百万なら生でも大丈夫!?それは少しずるくないか?嫌、我々にはそもそも生で食べるという文化自体がなかったから、生で肉や魚、ましてや内臓なんぞを刺身で食うなど、まさに八百万が発祥のオリジナルといってもいい。
思いつくとかそんな問題じゃなくて、初めから試さない様な事とかを当たり前にやる。
あれだけ色々試されて、しかも血に毒があるウナギをあんなに美味く調理できるなんて誰が考え付く?
各国で様々な料理、それこそ部族特有の料理から精霊が食べる精霊食、幻想食、様々な料理食べては評価してきた事で世界的にも有名な料理調査団体ミストラルの特級調査員、フラウドリン・バーグはドティの旅行記を見て、即座にウェールズの八百万に飛んだ。
なんだ!この都市は!人間も!エルフも!ドワーフ!龍族!精霊!妖精!獣人族!そして色々な種族のハーフ達!人族に友好的な魔物の氏族!なんて色々な人種の人間達が当たり前の様に生活している。
街の道は広く!夜には街灯により道が明るく!端から端まで建物が綺麗でスラムがない!!孤児院も何処かの貴族の屋敷の様に綺麗で子供達はふくよかで元気!お年寄りの家や人手が足りない店などに出向いては人を助け!読み書き計算すらできる。
ゴミなどはゴミ箱が設置されて、その周辺もゴミで溢れる事もなく清潔!これだけの近代化された都市でありながら街には緑や公園があり、整理された区画には均等に飲食店や色々な店が並び!人族以外にも魔物ですら商売をしている。
衛兵の詰め所も点在しているが、威圧的な兵士は存在せず!むしろ困っている人を見つければ親切に手助けをし、怪しい人物にも高圧的にではなく優しく声をかける。
何だこの街は!こんな街見た事も聞いた事もない!
浮浪者の様な、この街にそぐわないちょっと服の寄れている人間に話を聞くと、最近来たばかりで仕事を探していると言う。
商業ギルドにいけば、簡単なその日の仕事を紹介してもらえたり、長く務める店も自分で判断して見つける事が出来るという。
生活や収入が安定するまで、簡易宿泊所を利用でき、飲食は稼いだ金で外で食べてもいいし、ギルドの食堂で安く済ませる事も可能だが、男はよく八百万にいってはご馳走になっていると言う。
ドティの手記に出て来た八百万だ!ここでその名を聞くとは!聞けば孤児や収入がまだ安定してない人間などは無料で食事を提供していると言う。
そんな店、貧乏人に食いつくされるだろうと思ったが、店主の八意斗真はどれだけの孤児、浮浪者が押し寄せても決して言葉を曲げず、いまだに食事を提供していると言う。
そしてその八百万の前に今私はいる。
外観は蓬莱国や黄金郷の島国を思わせる、まさに旅館スタイルの食事処、8歳から10歳くらいの小さな女の子が一人とその子の姉と思わせる姉妹の狐人族の二人が孤児かな?と思わせる子達に指示したりして、テキパキと料理を運んでいる。
孤児なのかなってのは、見た目がどうにも孤児には見えない立派な子達が多いからだ、でも働いてると言う事は孤児か親の収入が心元ないからなのだろうと察する事が出来る。
今日はアジフライ?という魚を揚げたものがメインのミックスフライ定食の日だと言う。
米と味噌汁はお替わり自由で自分で好きなだけ盛る様になっている。
座るとほぼ同時に料理は運ばれてきて、水が添えられている。
この水は??ずいぶん透き通っているが、まさかこいつも勘定に含まれるわけではあるまいな?注文した覚えはないぞ、私一人しか座ってないテーブルに水のお替わりができるようにか、大きなピッチャーを置いて子供は去っていった。
ふむ・・・ブリタニア大陸は水に敏感ではなく、未だに地方では濁った水を平気で飲む気風の人種だったはずだが?ずいぶんと透明だな?どれ・・・・・うぉ!美味い!なんだこの水!ただの水じゃないぞ!エルフの森林にある遥か昔はエルフしか飲む事を許されなかった湧き水と同じくらい聖なる気質が漂っている!美味い!飲めば飲むほど健康になるって奴だ!くっ!私が調査員だと気が付いたのか!?料理の前に水で小細工するとは生意気な!
そんな事を考えていると、周りではこの水を当たり前の様に飲んだり、なんだったら布に濡らして手を拭いたり、ああっそんな事に使っていいみずではないのに!?とこえがもれそうになる。
これがあたりまえなのか!?気づかれたのではなく、これがこの店の当たり前!?
首を左右に振り、出された料理に集中する。
アジ?フライ?見れば雑魚っぽい魚を開いて何かをつけて揚げたのか、じゅわじゅわとまだ音が鳴ってる。
ソースでも醬油でも塩でもお好きな様にお召し上がりください。
からしなんかをつけても美味しいですよ~と言われる。
う~む・・・・・まずは米、これはエルフが栽培していると言うが、エルフの食べ方とは違うな、ほくほくとして弾力がある。
もぐもぐもぐ・・・・・ぬぉおおおお!甘味と弾力!歯ごたえ?嫌硬さか?なんとも子気味よい、奇妙なもっちりかんとサックり感!むちむちな感じと硬さが丁度良く控えめな味わいだが、確かに旨味がある。
味噌汁、スープか、うん!なるほど!合点がいった!なるほどなるほど!米、そして味噌汁!この相性!この二つの相性!これが抜群に合う!味噌汁の塩味!されど一辺倒の塩を舐めたような平坦な味ではなく、複雑に見え隠れする塩味の波!また中のぐたるや!ネギに海藻にこれは?豆腐か!黄金の島国で寺の聖職者が食うと言う豆腐!豆の味が濃い!なんとなんと!私の味覚が鋭いからか??洗練されてるではないか!この米と味噌汁!
添えられている小鉢も多い、これは?海藻を刻んだものと?うむ!紫蘇だ!梅かと勘違いしそうだが、この酸味は紫蘇!いいではないか!そうか!!そこに米なのだな!うんうんうん!合う!いいぞ!このぐいぐいと米が喉奥に進んでいく感覚!これがまた快感だ!飲み込むのが快感なのだ!
野菜を煮たものか?この味!醬油か!よくよく煮込まれて味のしみている!どこか自然の風景が心に情景として現れる。
塩漬けの漬物もパリパリとして食感楽しく、癖になる。
こうにも計算された食の快楽!まさに定められた食!定食!。
いかんいかん、まだだ、まだメインを全然食べていないのに、かなり今の段階で満足度が高い、気を取り直してアジのフライにソースを適度にかけ、箸で掴むがこれがデカい!しかもこのデカさでアジのフライは二枚、デン!デン!と乗っている。
気を引き締めて、いざ、ガブリシャス!んほおおおおおおおおおおおおお!ザックリふわふわの身がしっとり顔を出す!誰だこの魚を雑魚と言った奴は!説教してやる!!しっかりと味の主張もするじゃないか!そしてソース!酸味のあるこのソース!美味い!美味いよ!急げ急げ!いまここに米を!米を運ぶんだ!
子供の頃に戻った様に、誰に急かされる訳でもなく早食い犬食い状態になる。
飢えを欲望を満たす様に、決して上品ではないだろう、でもそんな事、今自分の腹が満たされる事に比べればなんてことはない!
からし!なるほどやべーじゃんこれ!からしにフライってやべーじゃん!美味いじゃん、めっちゃソースとあうわ!マブダチだわ。
キャベツの千切りには玉ねぎのサラダソースがかかっていて、これもうままままっまああ!んでもって端っこにちょっと添えられている、なにこれ?芋?芋潰してソースまぜたやつ?え?マッシュポテト?うんめぇ!潰した芋にマヨ?ソースが美味い!芋ってあの芋でしょ?腐るほどくったけどこんな味知らない!全然知らない!
あれくって、これくって、あれくって、あれくって、くってくってくってくって、そして行き着くのはやっぱりメインの米!柱が何個もある屋敷の土台の様なコースになっている料理の群れ!
そりゃこんだけ美味くて、色んな味楽しめたらさ、もうどうしようもないじゃん、難癖なんてつけられないじゃん。
ボリュームもあって働く男にも子供にも女性にも大大満足だろ!そしてまだ箸のつけてない俵型のフライに目をつける。
これは・・・・なんのフライだ?ミックスフライっていってたな?もう一つは尻尾が見える事からなるほど、エビか?ザクリと噛むと、んほほほサファイヤシュリンプじゃん!ぷりんぷりんの卵がぷちぷちと豪華だ。
嫌々、お替わりしちゃうだろ!
そんでもって最後のフライ、ばくんと噛むとじゅんわりぷりぷりのグラナダ鉄砲貝!脂で揚げられて身の味がめちゃウマ!狂乱は続く!
美味いよ!ああっ!美味いよ!文句なんて一つもねぇ!ドティの野郎の手記は気に入らないがぶっちぎりで美味い!もっとその事を書けよ!この宿の事!料理の事!街の事!もっともっと説明して書けよ!お前が楽しんだ感想だけじゃ足りないんだよ!なのにベストセラーで世界中で売れて、色んなセレブがあいつの真似をする。
それだけじゃ足りない!全然表現しきれない!それぐらいのインパクト!定食の凄さ!
え?明日には違うメニューになってるの?同じメニューが出るのは次いつになるかわからない?え?じゃあ毎日違う料理が出て来るの?
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料理調査団体ミストラルに特級調査員フランドリン・バーグが消息を絶った報告が流れて、組織は動揺した
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