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作者、天丼の小話

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 さて、本日はお日柄もよく、どうも作者でございます。 
 
 ここで好物の話を少しさせていただきます。 
 
 わたくしは天丼が大の好物でございます。 
 
 今の日本で個人の天丼や老舗なんて言われる店なんかも沢山増え、チェーン店なんて私の様な貧乏人が気軽に通えて、それでいて値段も安い、それなのに味の方は徹底した管理の元、素人でも決まった調理法でしっかりその通りに調理すれば、下手に家で自分で揚げたものなんかより遥かに美味い天丼が頂ける世の中でございます。 
 
 コンビニはもちろん、スーパーに回転寿司屋なんかでも天丼が売ってたりするのですが、如何せん、コンビニやスーパーなんかの天丼は作り置きだ。 
 
 冷えてしまってる上に、衣が剥がれたりなんかっしちゃって、中にはあんなもん天丼じゃねぇやなんて思う方もいると思いやす、チェーン店が安い、美味い、速いと世の中の色んな料理の平均点ってものを底上げしてしまったばかりに、家系ラー麺や牛丼、カツ、寿司、天丼やイタリアンなど様々な料理がチェーン店以下の味の個人店を一掃しちまった世の中でございます。 
 
 折角の好物を味わおうに、見知らぬ街の料理屋に入って無難に好物を注文した挙句、街のそこら中にあるチェーン店より味が劣るなんてがっかりだなぁなんて事を経験した人もいれば、ふらっと入った好物の天ぷら屋がこれまたひと際美味くてびっくり、チェーン店なんかよりも遥かに美味くて、まさにこの店でしかくえない逸品だ!なんて名品にである事もあるのが日本の食事上の面白い所で、味はそこそこにボリュームで勝負なんて店も沢山ありますよねぇ。 
 
 とこんな感じで、世の中色々と便利でほしい物にすぐ手が届く世の中になりました。 
 
 ところが、作者のあっしが活動する範囲の間に、大好きなチェーン店の天丼屋が街の再開発と共に閉店しちまいまして、並みの天丼を食いたきゃ隣町の駅中までいかなきゃいけないと言った始末、隣駅なら、なんだ近いもんじゃないかいって?ところがどっこい、あっしの活動範囲の商店街からはかなり遠いもんで、自転車でこいで10分でつくってのに、人間楽になるといけない癖がでちまって、その10分がこれまた面倒くさいときたもんだ。 
 
 天丼は食いたい、けど10分の移動は面倒くさい、こうなってくると好物を我慢するしかなくなるんですが、天丼回なんか話で書いたり、動画で美味い天ぷら屋をお勧めしているショート動画や普通の動画なんか見ていると、こいつぁ我慢の限界がくるわけでございます。 
 
 それでも面倒くさがりのあっしは、なんとか近くで済ませたいと考え、コンビニの天丼やスーパーの天丼なんかに手を伸ばす訳でございます。 
 
 おい、おめぇさんそんな不出来なもん、いっちゃあ悪いが天丼っていってもコンビニやスーパーのは似て非なるもんじゃないのかい?大の天丼好きを語っておいて、コンビニですますってのはどう言う了見なんだなんて、他の天丼好きの方には笑われちゃうかもしれないですが。 
 
 どうにもこうにも隣町まで足の向かない私は、ついにコンビニで天丼を買って、家で電子レンジで温める訳でございます。 
 
 そうして蓋をあけて、タレをかけてみると、まぁ見た目は中々悪くない、タレはやはり店の方が格段にうまいのがわかってたりもするんですが、念願の天丼、それも近場でちょちょっと買ってきた天丼にちょっと感動なんかしちゃってね、米に衣わくっつい剥がれるわ、ふやけた頃もでサクサク感はないわで、散々なんですが、食い終わってみるとこれが意外と満足している自分がそこにはいるんですね。 
 
 コンビニの天丼、そりゃ店の天丼に比べたら、米もべしゃべしゃ、衣もふやふや、タレなんか砂糖と醬油だけしか混ぜてないんか?と聞きたくなるようなのっぺりとした味、老舗所か、チェーン店とも比べ物にならないくらいの別物も別物なんですが、食い終わって一息つくと存外心の中に、まぁコンビニの天丼なんてこんなものかと、まぁこれはこれで悪くはないかなと、なんとそれなりに満足してしまうわけでごいます。 
 
 これを聞いて、そりゃああんた、あんたの舌が貧乏舌だからだよと、あんたは本物の天丼好きじゃないよ!なんて怒りを覚える方もいるかもしれませんが。 
 
 何せ我慢に我慢して、平均的なしっかりした味よりも近くで手に入る事を優先した結果でございまして、おい!お前さんそれなら今はやりのウーバーで注文すりゃぁよかったんじゃないのかい?値段は高くなるがしっかりした天丼が食えるじゃないのかい?みなさんそう思うでしょ?所がどっこい天丼ってのは出来立て以上に美味いもんなんて存在しないんでございやす。 
 
 あっしもね、隣の駅に用事があっていった際に、おぅ帰りに天丼でも買って家で優雅に好物の天丼を頂こうかと思って、持ち帰りをした事がございます。 
 
 買って、電車で帰ったものだから20分から30分くらいで家まで帰って食べようとしたんですが、蓋をあけりゃあ、米はびしょびしょのふやふやの天ぷら、タレはなんとか美味いものの、これじゃあコンビニやスーパーで買ったふやけた天丼と変わりないじゃあないかと、事の真相はあつあつの天ぷらをプラスチックの容器で2~3十分蓋して、ふらふらしてたもんだから、中で水蒸気が水分となって天丼に襲い掛かった次第、サクサクほくほくの天ぷらを優雅に家で食おうと考えた結果、ふやけたコンビニ天丼と似たようなもんをくう羽目になった次第でございます。 
 
 食いもんには、寿命と言うものがしっかりと存在しています。 
 
 天丼、天ぷらの寿命は揚げたてを出されて、2~3分の熱いうちが華なんだと、その2~3分がまさに本物の味だったわけでございます。 
 
 つまり作者は何がいいたいのか?好きすぎるが故に不出来な物にも寛容になり感動を覚えるか、好きであるが故に不出来なものは許せずに、似て非なるものと断じて拒絶するか?好みは人それぞれなれど、作者のあっしは舌が貧乏舌だったが故に、本物とは遠い味の物でもそれなりに満足出来たと言う小話でございました。 
 
 食べ物のこんな小話、きっと多くの読者様達に独特な拘りや、こうでなくっちゃと言った話が沢山あると思います。 
 
 いつもは八百万を通して、お話を考えている作者でございますが、いつの日か逆に読者様のこだわりや食べ物の思い出、好物の話などを聞いて語りあいたいとおもっているしだいでございます。 
 
 いつもの八百万をお待ちの方には、あい申し訳ございませんが、作者の小話につきあってもらい誠にありがとうございました。 
 
 また感想欄やTwitterにて、この料理の話が見たいなどございましたら、一言いただけると確実とは約束できませんが、全力でお話を考えたいと思います。 
 
 思い切っての参加お待ちしております。 
 
 とここいらで、作者の天丼の小話お開きとさせていただきます。 
 
 八百万へのまたのご来店、作者を初め店主の斗真とリリ、ねね、ニーア含めみんなでお待ちしております。 
 
 ありがとうございました。
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