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 ラーメンの日を作ろうか?
 
 ラーメンはこれまで塩ラーメン、家系の醬油豚骨、ホープ軒と天一を足した様な濃厚どろどろ系のラーメンと三つやってきた。 
 
 今回挑戦するのは、背油チャッチャ系の濃厚醬油ラーメン!背油チャッチャ系と言えば平大周 味庵さんや、ごっつ秋葉原店などがあり、ホープ軒も背油の量を選べる店だ。 
 
 どのお店も背油を扱っているのに、お店独自のまさに他の店では味わえない唯一無二の味を誇る。 
 
 脂と言う甘味と旨味の暴力に絡まるかえしは絶品で油まみれなのにすっきりと飲めてしまう魔法の様なスープ!麺は太目でごわごわのわしわし感と小麦の香と味がしっかり味わえる。 
 
 今回つかう豚はライトン、光豚とも言われぴかっとダンジョンで光るのが特徴なのだが、この豚さんは脂身がとても美味しい!この豚でチャーシューを作ろう! 
 
 スープは鳥ガラで透明なスープを取る、塩ラーメンにしても絶品だった輝き鳥の鳥ガラを豪勢に使う。 
 
 はっきり言って背油なしの醬油ラーメンでもめちゃくちゃ美味いと思う。 
 
 ネギと味玉、チャーシューを四枚、メンマではなくサクサクの青さが若干ある若いタケノコの穂先何本か添えて完成。 
 
 そのラーメンの上から脂をちゃっちゃと振りかける!それはもう暴力の様に!ギタギタを味わえる様に! 
 
 これは・・・・・・苦手な人はとことん苦手ではないだろうか?店で出していい物か悩む、先に味をみないと、上の具を避けてまずは麺をすする! 
 
 「ああ~ちきしょう!うめぇなぁ!家で作った。自分で作ったっていうのを引いてもこれは合格点だろ、都会までいかなきゃ味わえない味が家で味わえるっ!なんて贅沢なラーメンなんだ!」 
 
 似て非なるものにはどうしてもなってしまうのは仕方がない、だが異世界産の食材と最近手に入った調理魔道具のおかげで限りなく近いものができるようになった。 
 
 手間や金はかかるので、やはりお店までいった方が楽だし自分で作るより確実にコスパもお店で食べたほうがいいはずだ。 
 
 だが、俺が住んでいる場所は100キロ圏内にコンビニすらない場所なのだ、なんだったら一番近いお隣さんの家までが2~30キロ距離があるくらいだ。 
 
 宅配で荷物が届く事とインターネットが問題なくやれるのが唯一の利点といっていいド田舎もド田舎だからなぁ、もちろん店があった事もあるんだが潰れてなくなったりでこんな事になっている。 
 
 病気になって動けないくなったり、火事になっても助けはこない、強盗や犯罪者が出ても警察が来るまでに余裕で逃げられるだろう。 
 
 行ってみれば廃村に無理やりライフライン通して住んでる様なものだから、都会のラーメンやハンバーガーなど気軽に外食できる環境と違うので、食べたかったら自分で作るしかない。 
 
 地球のスーパーで売ってる品だけだったら、こんな本格的なラーメン作れずにフラストレーションが溜まった事だろう。 
 
 なんだかんだで、ここの扉が異世界と繋がってかなり助けられているのだ。 
 
 もしも完全に一人だったら?途中で何かに挫折して都会に逆戻りしたかもしれない、それだけ都会のコンビニやチェーン店やラーメンなどの飲食店は魅力的だ。 
 
 ん?ちょっとまてよ?僕が異世界にいけるって事は?ねねやリリ、ニーアさん達を日本に招待する事もできるのだろうか?試した事はなかったけど、試す価値はあるのかもしれない、僕ばかりが異世界を堪能して、彼女たちがこれないのはちょっともったいないかな?きっと喜ぶものが沢山あると思うんだけどなぁ。 
 
 そうなってくるとお金が必要になってくるけど、あっちで稼いだお金はこっちで円に変換される。 
 
 脱税・・・・・・僕は首を横に振った。 
 
 きききききっと神様がなんとかつじつまあわせてくれる。 
 
 そう思う事にした。 
 
 「きゅ~!きゅ~!」 
 
 「ああ、考え事してた。アリスも食べたいの?」 
 
 僕は麺をアリスにあーんしてあげると、ちゅるちゅると麺を食べ始めた。 
 
 ニーアさんが言うには、龍に限らず異世界の魔物や動物はなんでも食うし、人間と同じものを食べたからと言って病気になる事はないって話だ。 
 
 なんでも魔力や身体強化にガンガン消費するので、食いすぎて一時的に腹回りが太ってもすぐ痩せてしまうのだとか、王族やら一部の貴族がぶくぶくふとってるのは食べるだけ食べて消費しないかららしい、魔力などを使えない人もいるのでそんな人たちは太る人間もいるのだとか?戦闘時に一時的に若返る爺や婆などもいるくらいだし、よくわかってないこともあるのだとか。 
 
 「ぎゅ~!!きゅきゅ!」 
 
 「美味しい?今度店で出そうかと思ってさ、売れると思う?」 
 
 「きゅんきゅん!きゅんきゅん!」 
 
 「はいはい、チャーシューも食べてごらん」 
 
 「きゅきゅん~~!」 
 
 「う~ん、今度出すのは背油系なのはいいとして、袋ラーメンの日なんかもあってもいいかなぁ?色々あって楽したいっていいながらもパスタもレトルトのタレは使ってないし、いっそ大鍋でナポリタンの日とかもありかもなぁどうおもう?アリス?」 
 
 「もっちゃもっちゃもっちゃもっちゃ」 
 
 「うわぁ、君べとべとだなぁ。わぁ!その状態ですりすりしないで!脂でべとべとになる!」 
 
 綺麗に拭いてやるのだが、またどんぶりのラーメンに顔を突っ込むのでべとべとになる、麺を掴む両手もべとべとだし。 
 
 食べ終わったら、風呂はいりにいこう。 
 
 「あ~シンプルな醬油ラーメンと餃子のセットとかもいいなぁ!丼の日ももっとやれるな、スタミナ丼とかマーボー丼もいいかも!からあげとかつけてさぁ、こった料理もいいけど、やっぱ街中華とか商店街の定食屋みたいなメニューもいいよねぇ。肉うどんとか天ぷらそばもいいけどコロッケの暖かい立ち食いソバがまたいいみたいな?」 
 
 アリスに向かって話しかけているのだが、麺をすすりながら小首をかしげるアリス、可愛い。 
 
 「ピザやハンバーガー、グラタンなんかも美味しいよね。王道的に牛丼やカツ丼もいいかも、いつかは寿司もだしたいし」 
 
 「きゅ~?ずるずる、もちゃもちゃ」 
 
 アリスに向かって喋っているのだが、独り言を飼い猫に喋るおっさんの図になってきた。 
 
 子龍の居候が増えたのなら、狼とか犬とか猫が増えてもいいんじゃないかと考え始める。 
 
 丁度街の反対側にコボルトの集落があるのだが、小さな犬が二足歩行でとことこ歩く姿はかなり可愛いのだ。 
 
 色んな種類がいるし、中にはぶちゃかわいいのもいるので、見ていて飽きない。 
 
 昔は畑を荒らされたり、家畜を殺されたりと関係は悪かったみたいだけど、この街に庇護を求めて来た魔物は比較的おとなしく人間と共同でいきていけるし、同族でも凶暴性がある奴とは相いれないみたいで、ちゃんと選別されているとの話だ。 
 
 ウェールズに移住する魔物もいれば、外に自分達の集落を作って買い物や食事にウェールズを訪れる魔物の集団もいる。 
 
 判別するための通行の為の札や個人別のタグをつけている魔物もいる。 
 
 知能が高いケットシーやコボルトは商会で働く事もある。 
 
 ケットシー喫茶やコボルトカフェなんかあっても繁盛しそうだな、もちろん僕もいく。 
 
 「きゅ~ん!けぷっぼぅっ!」 
 
 アリスがげっぷと共に火を噴く、食べ終わったみたいだ。 
 
 とりあえずはこの新しい、背油チャッチャ系ラーメンでお客さんがどんな反応するか見たいな。 
 
 アリスだけじゃ感想わからないから、ねねやリリ、ニーアさんにも食べてもらって感想もらわなきゃ、その前にアリスをつれてお風呂に入ろう。
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