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復刻メニュー 第三位 地龍のステーキと地龍尽くしの定食

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 地龍、ワニが巨大になったような見た目をしていて、たまに二足歩行なんかもする恐竜に近い魔物である。 
 
 ワニに近いお肉なら淡白な鳥肉の様なお肉を想像しがちだが、脂肪を層の様に蓄え、冬や夏に備える為、お肉脂身お肉脂身といった豚バラ肉に近いお肉をしていたり、筋肉の中に脂肪を混ぜ込む為に、鞭の様なしなやかさを実現したりしている不思議な体をしている。 
 
 筋肉と聞くと硬かったり筋張っている様な想像をするが、しなやかでプルプルの赤身肉に程よく脂の粒や筋が入り込み、噛めばしっとり柔らかな抜群の赤身肉の旨味を発揮しつつも甘い脂がくどく無いほどよくじゅんわりとしみ出るのだ。 
 
 表面の皮は非常に硬く、ワイバーン以上に硬く、火竜よりは一段劣るものの、皮も服に加工できて、それでいて魔法体制もあるので人気な皮でもある。 
 
 魔力を通す事で、鋼鉄以上の硬度としなやかさを発揮し値段は高いが、非常に防御力のある服が完成される。 
 
 S級クラスの冒険者の依頼であり、人によってはこの上なく簡単に狩れるので人気の討伐依頼となっている。 
 
 また肉も高めなのだが非常に人気で、高級店や大貴族などが来るお店でもたまに提供されるくらい味にも自信がある。 
 
 臭みがほとんどなく、寄生虫の心配もないので刺身でも食べれるが、刺身で出す店は八百万くらいだろう。 
 
 そして今まで肉にばかり注目していたが、八百万が提供する事でそのうまさを新たに発見したのは、内臓である、地龍の舌や腸、心臓に肝臓など本来ならマジックポーションや薬、精力剤など様々な薬品に変わるはずだった、心臓に肝臓、これを血をしっかりと抜いて、薄くスライスしてごま油やパプリカパウダーと味付けして焼いてみると、これが美味いのだ!。 
 
 地龍の肝臓なんかを使った薬は苦いのが定番だったはずだと思わず首をかしげる。 
 
 ドードー鳥の肝臓や輝き鳥の肝臓の様に、物凄く濃厚で、肝臓のかの字も見当たらない食べ物に変化する物もあれば、地龍の肝臓は少し独特の臭みや風味があるものの、しっとりしてとろとろで脂分もありつつ濃厚で美味い、こうも変わるものかとびっくりするほどだ、そこに八百万の米の酒をぐっと飲むと綺麗な川のせせらぎの様にさーっと口の中が洗われる、まるで酒とセットで一つであったかのような美味さににっこりと笑って頷きたくなる。 
 
 おっとっと何が言いたいかというと、地龍の高級牛に負けない美味さをもっていて、冒険者の間では人気な食材なんだといいたいんだ。 
 
 ーS級冒険者 黄金のレオンー 
 
 さて、地龍が復刻メニューにランクインした。 
 
 絶対に5位以内には入るだろうとおもっていたんだ。 
 
 地龍はそれなりに高い、けど美味い!癖になる美味さなんだ、屋台で地龍の串焼きを売っている店もあれば、スープの具や焼きで出す店もある。 
 
 そんな中八百万だ、ここのステーキがまずデカい!人差し指の第一関節くらいの分厚さのステーキが出て来る、大盛もある大盛にすると単純にその倍の分厚さのステーキが出て来る、レアでもウェルダンでも美味い!蒸し焼きにしているから、中までしっとり火が入っていて、それでいて単純に塩と胡椒だけなのになんでか知らないが高級店に負けないくらい美味い!!ここが不思議なところだ。 
 
 俺はレアで!八百万の特性玉ねぎソースをかけて、肉を切って綺麗なロゼ色の赤い色を堪能したら思いっきり食う!ぷりぷりのじゅわじゅわに溢れ出る肉汁とソースが合わさり、口の中に幸せが現れる、そんでもって米を掻っ込む!程よい微かな米の甘味と風味が濃い肉のタレと肉汁と混ざり合い、これをんぐんぐと喉奥に運ぶ時の快感といったら、もう最高に幸せだね! 
 
 そして赤身の刺身と白い脂身の刺身が交互に並べられているのを、赤と白を一緒に掴んで、ワサビ醬油でいただく!赤身のくにくにとしてむっちりした食感に脂身のサクサクと歯切れのいい食感が交互に俺の歯を押し返す、そして赤身の旨味と脂身の甘味とこく、そんでもって醬油の塩味とワサビの風味が混ざって、口の中は大混乱だ、悶えるくらい美味い! 
 
 ここで一息、漬物にエスケープだ、そんでもって里いもの煮っころがしを食い、また米を食う!この肉の合間の漬物や煮物なんかがいい仕事しやがる、また塩オクラがサクサクのとろとろで、こいつも癖になる美味さだ。 
 
 さてここいらで、またステーキの肉をタレにしっかりつけ、米に乗せ、肉で包んで米と一緒に肉を食う!これがどえれー美味い!肉と米を一緒に口の中に入れるとそれはもう美味いんじゃ!んふ~と鼻からしっかり息を吸い込み、もぐもぐと楽しむ、時には肉だけを味わい、その後に米を食い、時には同時に肉と米のランデブーを楽しむのだ。 
 
 胸あたりに圧迫感を感じ始めたら、味噌汁を飲む、具は簡単な物だ。 
 
 豆腐にネギにわかめ、これだけなのに完成されたかの様なネギと豆腐とわかめ・・・・・これがまた米を誘い込む。 
 
 そして一休みの水を飲むと、口の中に広がった塩分のおかげか、妙に水がうまくて、それでいて食道を通ってさらさらと胃まで落ちていく。 
 
 おっと今回の地龍の定食はまだまだある、今度は肉寿司を食う! 
 
 半分は火が入って炙ってあるのと、半分は完全に生の地龍の肉、甘味が本当に丁度良く甘すぎる事なく抑えられた酢飯の上に綺麗な赤身の肉が妖艶に乗っていて、それを眺めているだけで喉がごくりと音をたてる。 
 
 いざ!口の中へ!ちょんとつけた醬油の塩味と酢飯の甘味、地龍の肉の旨味、そしてワサビが口の中で一つになっていく、いらないものなんて何一つない、これで正解!といわんばかりの旨味が口の中で生まれる、下の上でしっとりとろける様は肉とは思えない感じでスーっと自然に舌を喜ばせ、複雑に複雑に醬油やワサビ、酢飯と絡み合っていく。 
 
 他の客を見ると、俺以外の客も笑いをこらえるほど笑顔で、はずかしくなって咄嗟に口元を隠すけど、どう考えても顔がにやけ顔になっているのがばれる、目じりは垂れ下がり、自然とにっこりと微笑んでしまう、ここでこらえないと声を出して笑ってしまうかもしれない。 
 
 そして今度は炙ってある方をぱくり・・・・・すると肌がぶわっと泡立つ余りの美味さに鳥肌が、程よく入った火、生の赤身の部分と火が入った部分が絶妙でタレでも美味いが塩でも美味い!なんだったらそのままでも美味い!更にはもう一貫、地龍のタンの炙り寿司だ、こいつは舌なんだよなぁと思いつつも、八百万に通いなれた俺にとっては舌といったらご馳走なんだよ!と思い、思いっきり口に入れる・・・・・・・なんじゃいもん!なんだ?なんだ?なんだ?なんじゃいもん!?下にねっとりとコクが広がり赤身とはまた全然違う旨味をこれでもかとじゅんわり口いっぱいに広げ、それでいて後味がめちゃくちゃすっきりとしている、ちゃんと濃厚な部分はしっかりと味の主張をしているのにも関わらず、飲み込めばすっきりと影すらなく綺麗に消えていく!おいおいおい、死んだわ俺、地龍のタンめちゃうまじゃんかよぉ! 
 
 添えてある分厚く焼いてあるタンを食ってみる。 
 
 なんだこの食感!?硬いとおもわせて、ザックザクに歯が入っていく、表面がちょっと弾力があるが、歯が入ると繊維に沿って綺麗にサク、サクとスッと歯で噛み切れる。 
 
 赤身の肉とは全然違う肉の味、じゅわんじゅわんに口に広がる脂、こいつはうめぇ!極上の香りがプンプンするぜぇー!何よりこの歯ごたえがたまんなく楽しくて美味い! 
 
 パンチドランカーの様に脳を揺さぶられながらも、俺のステーキ定食の道は最後の砦にぶつかる。 
 
 細切りにしてタレを混ぜた肉の上に鳳の卵の濃厚な黄身が特徴の卵黄が鎮座している。 
 
 黄身を崩して混ぜ、ひょいと一口、ラウンドワン!ファイ!うわぁうわあうわぁ・・・・ユッケ!ウォン!・・・・はっ!?なんだ今のドット絵は?何かわからんが一瞬で敗北した事だけはわかる、ほげ~!肉!タレ!黄身!これが絡み合って、宇宙みてぇな美味さが出来上がってる!ステーキに負けない美味さだぞこれ!こいつは米だ!米を食わなきゃ始まらん!ユッケを口に入れて、米を頬張る!幸せだ!おらぁ幸せだ!この定食一回でどんだけの感動が詰め込まれてんだよ!! 
 
 感動に打ちのめされて、終わるのかとおもったけど、ステーキはまだ残っている、そうだ!こんな美味いもん!忘れちゃいけねぇ、いくらどんだけ美味くても忘我のかなたにわすれちゃいけねぇ!しっかり覚えるんだ!この美味さを!無限に広がる可能性をしっかり覚えるんだ!わすれちゃいけない!こん美味いもんわすれちゃいけないんだ!。 
 
 食い終わって店を出る・・・・・深呼吸してハッと笑顔になる、生きててよがったああああああああああああ!!!
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