異世界定食屋 八百万の日替わり定食日記 ー素人料理はじめましたー 幻想食材シリーズ

夜刀神一輝

文字の大きさ
上 下
61 / 186

グラナダ鉄砲貝祭り

しおりを挟む
 今日はグラナダ領から大量に入荷した頂き物のグラナダ鉄砲貝祭りの日、生に焼き、ワイン蒸しにカキフライなど選んで食べ放題!!小金貨1枚ときたもんだ!。 
 
 冒険者ギルドではニーアさんが、商業ギルドではギムレットさんが、本日八百万!グラナダ鉄砲貝食べ放題の日!となっていると宣伝の張り紙をだしてもらってる頃だ。 
 
 さてここで日本の牡蠣とグラナダ鉄砲貝の大きさの違いを説明しよう。 
 
 日本の物でも拳一つ分の大きさがあったりする牡蠣だが、グラナダの物は更に拳三つ分はデカい!ぷりぷりして複雑な味わいがあり、豊かなこくがあり、どこかクリーミーな味を感じるとっても美味しい貝、ただ雑食な為、人体に有害な物を食べたりすると、それを食べた人間が腹痛になってしまう事がある。 
 
 だが神の加護で、寄生虫や病原菌などを寄せ付けないスキルをもってる八百万では安心安全に食べる事が可能で、更には毒物なども除去してくれる為、その後腹痛になる事もないのだ。 
 
 ただここで注意するべき点がある、蟹の身や水分たっぷりの貝は食べすぎると、その水分が吸収しきれずに便として排出される事がある、腹痛とは別の理由で下痢になる事や水が出るなんて事があるので食べすぎには注意が必要なのである。 
 
 グラナダ・フォン・リナリア嬢に気に入られた八百万に、グラナダ領から船にでも積み込むのか?ってくらいの量が送られてきた、仕入れでもこんなに買う事はないとはっきりといいたい。 
 
 その分お値段も相当だと思う。 
 
 グラナダ嬢は「何、私のおこずかい程度の金額だ!気にするな!」と言われたが、食べ放題で相当数出しても、最低でも10回くらいは祭りができる量だ、なのでつまりはとんでもない量の牡蠣がただで手に入ってしまったのである。 
 
 八百万を通してグラナダ領の貝を楽しもう、改め、グラナダ・フォン・リナリア様のご厚意に感謝して、ウェールズの街とグラナダ領の更なる発展を目指し、グラナダ鉄砲貝祭りは開催された。 
 
 まずは生でレモンに醬油、これがたまらなく美味い、ぷりぷりの身を噛み切ると跳ね返ってくる程よい弾力、むっちりとした触感に口に広がるのは独特の貝の風味、一口じゃ食いきれず二口めを口に入れるが、全然違う風味が鼻を抜ける、海の味をどことなく感じるそんな味。 
 
 そして焼き牡蠣に、レモンと醬油でもぐもぐもぐ!これが美味い!夢でも見てるかの如く美味い!そしてデカい!頬張った一口をぷっつりと噛み切ると、後二口分くらい余っている。 
 
 食いつく場所でも味の濃厚さは変わり美味い、さっぱりしてる所もこりこりの所もある!。 
 
 日本の牡蠣の三倍くらいのデカさの貝に、味も複雑に違いまた満足度も変わってくる。 
 
 ここで変わり種、ホワイトソースにパン粉チーズで牡蠣グラタンだ。 
 
 ホワイトソースの甘味とチーズの塩味、パン粉の香ばしさ、こいつは贅沢な一品だ!美味い! 
 
 おっと一人で味わいすぎた、ねねやリリも呼んでやらなきゃニーアさんもそろそろ来るはず。 
 
 「ねね~リリ~」 
 
 ねねとリリを呼ぶと、先に店のドアが開いてニーアさんが顔を出した。 
 
 「はぁはぁ!斗真先に食ってただろ!めっちゃいい匂いただよってた!」 
 
 ニーアさんの嗅覚は恐ろしいな、まずはお水を飲んで落ち着いてもらおう、何も走ってこなくても。 
 
 「牡蠣だぁ!」 
 
 「ねね牡蠣食べれるの?俺がねねくらいの時は生牡蠣苦手だったなぁ」 
 
 「ねねは大丈夫!」 
 
 「私も大丈夫です」 
 
 「私ももちろん大好物だぞ!」 
 
 「じゃあとりあえず生3個焼き3個蒸し3個グラタン1個で、足らなかったらいってね」 
 
 「うひょ~生のグラナダ貝!滅多に生じゃ食べられないぞ!グラナダ領にいっても生じゃあぶないからって出さない店の方が多いんだ!ぷりぷりで美味い!すっごい濃い味だぁ!」 
 
 「むっちりこりこりで濃厚!噛み応えもいいし、これは人気でちゃうよ~」 
 
 「生ってちょっと前までなら考えられないのに、手を加えてないのにこんなに美味しいなんて不思議です~」 
 
 「焼きも美味いよ、引き締まってくにくにして、生も美味しいけど焼きが好きって人も多いだろうね、グっと風味が変わるのも面白い」 
 
 「初めてなら生より食べやすいかも、ちょっと小さくなってるけど、それでもまだ大きい!」 
 
 「焼きの醬油とバターが最高にあう!美味すぎるよ!斗真!昼もエールだしたら売れるぞ、ワインや日本酒もいいかも!」 
 
 「確かにお酒とセットで出せば売れそうだけど、昼の間は出さなくてもいいと思う、よりつけなくなっちゃう人も出そうで」 
 
 まぁ昼は飯処だから、お酒は夜にって事で。 
 
 「ワイン蒸しも美味しい、香が違う、なんだろう身も全然違うものに感じる!しっとりして美味しい!」 
 
 「日本酒で蒸しても美味そうだよなぁ」 
 
 「香りならワインかと思って、そっちにしてみた、これもいけるね」 
 
 「高級なお店で出てきそうです」 
 
 最後はグラタン。 
 
 「ねねはこれが一番好き!はうあう!美味しい!!」 
 
 「貝だけでも美味いのに、これはもっと美味いな!あぁそういえば貝のタルタルも美味かったよなぁあれはやらないのか?わたしも牡蠣のフライのタルタル最高だと思うぞ!」 
 
 「揚げも注文にいれようか、タルタルもストックあるし、実は牡蠣で米を一緒に炊いた牡蠣飯もあるんだけど食べる?」 
 
 「「「食べる!!」」」 
 
 振り洗いと醬油洗いをして、牡蠣を最初に調味料と煮込んで味をつけておくことがポイントと、米が沸騰した状態の時に牡蠣をいれるのが、美味しく炊けるポイントだと、プロのレシピって書いてあった。 
 
 醬油、酒、塩、昆布だしのタレに沢山の塩で汚れを取った牡蠣を投入して味付け完了。 
 
 調味料ごと炊飯器に投入してかき混ぜてまた蓋をすれば、後は炊きあがるのを待つだけ。 
 
 「くっは~お米つやつやで美味しそう!」 
 
 「牡蠣の身の旨味を吸い込んだ米!」 
 
 「美味しそうです!」 
 
 おこげもあってめちゃ美味そう!。 
 
 「「「「いただきます!」」」」 
 
 「あぁ~やっぱり美味しい!うちの常連さんなら絶対ほしがるよこれ!」 
 
 「牡蠣も全然違う!焼きとか蒸しと全然違って!こいつも美味い!そんでもって米も美味い!」 
 
 「なんて贅沢なご飯なの~!むっちりした牡蠣とお米!おかずなくてもこれだけでご馳走だよ~」 
 
 幸せそうな顔で一番美味そうに食ってるのが、牡蠣の炊き込みご飯とは、やっぱりお米が美味いのもあって牡蠣と合わせると、日本人の心を揺さぶるなぁ、他の炊き込みご飯ももっとやっていきたいなぁ、簡単で美味しいって凄い事だよね 
 
 
しおりを挟む
感想 144

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

処理中です...