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アーサー 嵐の後の昼食

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 -アーサー・フォン・ドラゴンー 
 
 昼食を食べに来た私達、ガウェインとグラナダ嬢は思いのほか、重い話を聞いていた、今まで商業ギルドに任せていた施設は、我が公爵家と、王家、ほとんど王家が運絵に絡む事になるらしい、確かにあれだけ超常の建物だ、一公爵家が扱うより、国が管理していると言った方がいいだろう。 
 
 ウェールズの5大英雄が、我が国の守護者クラウス殿に叱られていた、これは他人事ではなく、私自身も怒られているのだと感じた、圧倒的情報不足、国王様がラウンズに稀人探しをさせたのも多分わざとだ、あのお方は影からの情報でウェールズに稀人が現れたのを知りつつも、誰にも言わず、こんな回りくどい事をしたのは、私達がSSSランク冒険者に頼りすぎている事、そのSSSランクが実質前線を離れ、昔の研ぎ澄まされていた状態じゃなく、実力が落ちている事を暗に伝えたかったのだと思う。 
 
 もし王家が本気なら、クラウスさんは無理にでも斗真殿をさらて王都に帰った事だろう、だが稀人である斗真殿自身がそれを望まない事もわかっていて、クラウス様に叱ってもらったのだろう、また付け加えるなら、斗真さん自身にも自分が特別な人間なんだと理解してもらう為にとった事でもあると思う。 
 
 クラウスさんとギムレットさんは引き継ぎの為、宿全体の把握をしにいき、この場にナンバー6ルーナが傍にいる状態だ。 
 
 「はいはいはい!湿っぽいのは終わり!昼営業はなくなったけど、夜にお詫びの一杯お客さんにサービスするから、それの準備もしなきゃね!アーサーさん達は食べていきますよね、もらったキングサファイアシュリンプ、美味しく調理できたんです、それにグラナダ領で捕れたグラナダ鉄砲貝の身も大きくて食べ応えありますよ!」 
 
 「そうだな、俺達だけでなんか申し訳ないがいただこう」 
  
 「そうだな!腹減っちまったよ~」 
 
 「グラナダ領で捕れた鉄砲貝とは嬉しいな!」 
 
 ねねは俺にべったりとくっついて離れない・・・・・ねね大丈夫だよ、だからちょっと離れようかといったら食い気味、嫌!!と断られた、半分抱っこしながら、まぁお膳をもっていくだけなので、リリが運んでくれた、リリもリリで離れたと思ったら、俺の側にすぐにくっついてきた、俺が迷惑ならもう会う事もないって言った事が結構ショックだったみたいだ、ごめんよ。 
 
 「うぉ!こりゃボリュームあるな!美味そうだ!!卵のこれはタレか?こいつは珍しい!アーサーお前の好物だろ、お前から食べてみろよ」 
 
 「そうか、同じに見えて味が違うのかこのタレ、どれ順番に左からつけて、もぐもぐ!ごくん!はぁ~これはやばいな!!さくさくぷりぷり、それでいて卵のタレがまた豪華に絡む!こっちは・・・・ぷりりと辛いが良い辛さだ!なんだ!癖になるぞこれ!もぐもぐ美味い!」 
 
 「うっは~美味そう、俺も、タレはじゃあ右の・・・・もぐもぐ!うん!甘くてちょっと辛いけどこれもいいな!これ卵だけでもご馳走じゃないか?豪華だぜこれは!」 
 
 「私はもちろんグラナダ鉄砲貝からいただこう!もぐもぐもぐ!うん!貝の旨味が溢れ出る!!ぷっつりと噛み切れて、じゅわじゅわと旨味が溢れ出る!生も美味いが生では味わえない、鼻を抜ける香!香ばしい衣とあって美味い!これが食えない客たちはなんて可哀そうなんだ!!」 
 
 「付け合わせの漬物が、またさっぱりとしていて、これはナスと黒いプルプルしたものに甘いタレがかかってるの?これもまた米が進むな!」 
 
 今日の付け合わせは、ナスの素揚げとこんにゃくの田楽なんだ、甘味噌でたべると美味いんだ。 
 
 「八百万はメインも美味いけど、付け合わせの漬物や煮物もまた美味いんだよなぁ、体に良い物を食べている感じになる」 
 
 「わかる!味も極端にしおっからいものとかなく丁度いいんだよな!」 
 
 「話の流れ的に、斗真殿が店を閉めると言った時は正直ひやりとした、もうこの飯が食えなくなると思うと、これからの長い人生どれだけ無為な時間になるか、考えただけで残酷だ、それに折角異国なんかよりも遠くからの来訪者だ、交友を深めれるならそれに越した事はない」 
 
 「う~むグラナダ領からもここの施設には沢山のお客さんが来るだろう、我がウェールズだけ一方的にお客様で溢れるのは、健全なのだろうか?何かグラナダ領にも特になる事がないと、申し訳ない気がする」 
 
 「グラナダにはグラナダでしかとれない魚や貝など魚介が豊富だ、八百万ではイールの日があるんだろ?グラナダの魚介を使った料理を出す日でもあれば、客はある程度興味を持つのではないか?」 
 
 「いいかもしれないな、実際にグラナダ鉄砲貝は有名だし、身もでかくて旨味も抜群だ、腹痛に苦しむのがわかっていても生で食うのがやめられないって奴等がいるくらいだ、でも斗真殿の能力なら腹痛になんぞならなくて、安全に腹いっぱい食える、まさに食い放題だ!」 
 
 「これからは定期的にグラナダの魚介を八百万にもってこよう!斗真殿頼まれてくれるか?」 
 
 「もちろんですよ!こんな美味しい貝、いっぱい仕入れられるなら、宣伝くらいお安い御用です。グラナダの街でもお祭りとか何かイベントをやるなら、グラナダの魚介祭りやってる間、街の方でもお祭りがあるみたいですよ~って声かければ、興味もっていく冒険者や商人、普通の人でも遊びにいく人がいるかもしれませんね」 
 
 「なるほど、祭りの開催期間の告知か、それはいいかもしれない」 
 
 「自分達の利益だけを考えてたら出ない発想だ、ここで飯を食うだけで中々にアイディアが出るものだ、はっはっはっは」 
 
 「一方的ではなく、互いに発展していくって言う事は大切な事だ、やはり斗真殿はこの世界に必要な御仁だ」 
  
 俺が移動出来て、スキルにまかせて建築物の整理や、公共機関の立派な建物や建築物の補強や増加など手をかしてあげれれば一番いいのかもしれないけど、今はまだ動けないし、いつ動けるかもわからない、軽率に動くわけにはいかないし、迷惑がかかるから
 
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