異世界定食屋 八百万の日替わり定食日記 ー素人料理はじめましたー 幻想食材シリーズ

夜刀神一輝

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会合

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 流石にそろそろクリスタさんのいる教会に行ってみないといけない、色々あってどんどん後回しにしてたからなぁ、クリスタさんが言うには凄い力が眠っているかもしれない?何かしらの加護があるかもしれない?って可能性だけど、う~ん物語によくある戦闘系のスキルや技能はもらっても宝の持ち腐れだし、どうせなら包丁捌きが早くなるとか、味付けのセンスがあがるとか、そっち系の能力がいいなぁ、浄化とか寄生虫除去とか体に悪い細菌の除去とかできれば、お刺身やレバ刺しとか、生肉系の料理も出せる様になっていいかも、ユッケとか刺身は美味しいからなぁ。 
 
 建築スキルとかあれば俺でもマジックハウス建てられるのかな?それならリリ達の為になっていいかもなぁ、それなら思いっきり豪華な宿建てちゃうんだけどな、楽しそうじゃないか?そしたら小道具や遊具とかの作成のスキルもいいな、見た限り娯楽がお酒に偏りすぎてる世界だから、将棋やチェスなんかあってもいいと思うんだ。 
 
 もしも建てる事が出来るなら、リリやねねの遊び場も作ってやりたいな、大きなトランポリンとかで部屋中跳ねて遊ぶとか、体操選手が使うしなる鉄棒とかさ、アスレチックやジップラインとかって夢ばかり広げているけど、実際俺の中に眠っている力がどんなものかわからないからなぁ、そんな大層な力が眠っているとはとても思えないんだよね、あっても調理スピードアップとかそんなもんだろ多分・・・・。 
 
 ねねと手を繋ぎながら街を歩くのだが、ねねはあっちいったりこっちいったりで制御の効かない子犬の様にいったりきたりする。 
 
 ねねの興味は完全に露店の食べ物に向いている、本当に娯楽が少ない、お洒落とかには興味はまだないみたいだな。 
 
 ニーアさんも俺の能力に興味あるとかで、一緒にきているのだけど、この人冒険者ギルドのトップなんだよな、こんなにふらふらしてていいのか?。 
 
 「これはニーア様、ようこそいらっしゃいました」 
 
 「おうよ!クリスタに呼ばれてな、あたしは付き添いだ。クリスタに呼ばれたのはこっちの斗真だ」 
 
 「さようでございますか。急ぎクリスタ様をお呼びいたします。どうぞ中でお待ちください」 
 
 教会の内部は広い、大聖堂と言うのだろうか?いざと言う時に避難所にも指定されているから、大勢の人が入れるような広さになっている、教壇みたいなものがあり、その後ろには大きな女神像がステンドグラスに照らされて綺麗だ。 
 
 まっていると、いつもより神々しい衣装のクリスタさんが現れた。 
 
 「ようこそいらっしゃいました!斗真様!ねねちゃんにリリちゃんも・・・ニーアがなんでいるの?」
 
 「付き添いだよ!聖人様なんだろ、護衛の一人でもいないと何かあってからじゃ遅いからな!」 
 
 「そんな事言って、どうせご飯が・・め・・あて・・・ってもしかしてもう!?」 
 
 半べそかいてたニーアさんは、天丼を大層気に入って、それはそれは嬉しそうに、宝物でも食べるかのように大事に大事に天丼を食べてたなぁ、めちゃ幸せそうな顔してたからこっちも嬉しかった。 
 
 ニーアは照れた様な顔をして「えへへ」と笑う。 
 
 「ずるいわ!?何食べたの!?貴方から物凄く幸せのオーラが出てる!?」 
 
 ニーアはにっこりと笑って。 
 
 「今までにないくらい美味かった!七色豚並みかそれ以上に幸せってあるんだなって」 
 
 「信じらんないこの子!人出し抜いて置いて何幸せ語ってんの!?」 
 
 「悪かったよ、今度斗真にまた作ってもらおうぜ!あれは分かち合うもんだ!」 
 
 なんとも言えないキラキラとしてニーアの笑顔に溜息をつき。 
 
 「それでは斗真様、女神様に祈りを、女神像の前で祈りを捧げてみてください」 
 
 言われるがままに祈りを捧げる、目を閉じて・・・・・もういい?1分くらいはたったと思う、目を開けてみると、真っ白な空間に俺はいた。 
 
 「えっどこ!?」 
 
 「初めまして、八意斗真さん」 
 
 「もしかして、女神様ですか?」 
 
 「そうです。創生の母ティアマトといいます」 
 
 聞きたい事は色々ある、どうして俺の家と異世界が繋がっているのかとか 
 
 「それは貴方が選ばれたからです」 
 
 もしかして心の中も読めちゃいます? 
 
 「はい、まず第一に、この世界に呼ぶ人は誰でもいいと言う訳ではありませんでした。無垢な心、善性を持つ優しき心の持ち主を選び、貴方が選ばれました」 
 
 「なるほど、そんな善性って言われる自信もないのですが」 
 
 「こちらの世界に来たがる人間は多いです。そして多くの人がダンジョンに興味を持ち、個人の武力求め、そしてその武力をもって人の世界に介入しようとします。多くの人が知らずか流れにまかせてか、英雄や王の様な道に進んでいきます。ですが私達はその道とは違う可能性を持つ人を選びました。それが貴方です。貴方の世界の神々達の推薦でもあります」 
 
 「あっちの世界の神様の推薦?」 
 
 「貴方達の世界の神は嘆いておりました。多くの人間が教養があり、可能性に満ち溢れているのに貴方方の世界には大きな困難があり、絶望し命を絶つ者が多いと、貴方方の世界の神は嘆いておりました。素晴らしい人間が沢山いる、優しさに溢れ人を思いやれる人間達、多くの困難にも冷静に立ち向かえる事が出来る知性ありし人間達、長い年月をかけ神ですら創造してしまう人間達、時に迷い人を傷つける事があっても、正道を歩む者達、多くの違いを許せる者達、可能性の申し子達、貴方の世界の人間は、一つの世界を跨いだだけで、その可能性を開花させる者が多く、自分の為といい世界に貢献した事柄は多くいます」 
 
 無駄口、陰口、人を貶める人間、暴力にものを言わせる人間、正義に酔い人を死に貶める人間、成功した人間を成功したい人間の足を少しでも引っ張ろうとする人間、創作や創造を笑い可能性を自ら断とうとする人間、自分の人生が上手くいかないから、人の足を引っ張る人間、追い詰める人間、俺には俺を含めて人間がそんな綺麗な存在には見えない。 
 
 「本当に?小さな異世界の子を受け入れた人間、そんな貴方が人間の善性を疑うのですか?」 
 
 「それは・・・・善性じゃなく欲望だよ。一人は寂しいって誰かといたいって欲望だ、善性ではない」 
 
 「貴方の欲望で二人の子は救われました。それでよいのでは?」 
 
 「結果論だ。あの子が救われたのは俺が何かしてやったからじゃない、自然とそうなっただけで」 
 
 「それでよいではないですか、そんな貴方だから神々は貴方を選んだのです」 
 
 「それで、俺に何か用事でもあるんですか?」 
 
 「ええ、貴方はこの世界で生きていくには脆く弱い、危険な事もあるかと思います。そんな貴方に特殊な能力を与えましょう」 
 
 スキル!もらえるなら確かに嬉しい。 
 
 SF映画の様に自分の目の前に画面が現れる。 
 
 -魔法ー
 
 浄化 清潔 異物除去 細菌除去 寄生虫除去  
 
 -スキルー 
 
 毒感知 魔道具作成 建築 アイテムボックス 調理 遊具創造 ものまね 金剛体 身体能力強化 解呪 無毒化
 
 「他に欲しい能力はありますか?」 
 
 「どれがどう効果あるかわからないけど、十分すぎるかと・・・・」 
 
 「貴方の作る料理は私達もこっそり頂いています。貴方のお店が多くの人を幸せに導くように願っています。もしなにかあれば神像に祈りなさい。スキルは多くあれど貴方は万能ではありません。この世界では貴方を殺せる者や魔物が沢山います。それを忘れないように注意して生きなさい」 
 
 なんか最後に爆弾落とされたんだけど、俺の料理神様達がこっそり食べてるの!?あと俺は異世界人だから確かにこの世界で生きてる人達より弱いけど、殺されるなんて怖すぎるよ!折角スキルもらったのに簡単に死んだらもったいないじゃないですか!?まぁなんか使命でも与えられたわけでもないので、今まで通り料理作って、自分の世界の本業も頑張って普通に生きますけども・・・・ありがとうございました!こっちの世界に呼んでくれて!正直楽しいです!いい人達にあえて幸せです!。 
 
 次第に消えていく女神様が最後満面の笑みで消えていった。
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