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第11章 運命との戦い編
第76話 私と彼との答え合わせ
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「い、石田……今、何て……?」
彼は自分の耳を疑った感じで聞き直してきた。
「驚くのも仕方無いよね。今日までずっと……今日の日が来るまでずっと私、隠していたから……」
私の心臓の動きが激しくなっているのが分かる。
恐らく彼も……
彼は驚きの表情をしながら、ゆっくりと私に近づいて来た。そして……
「も、もしかして石田、お前……」
「フフ、そうよ。そのもしかよ。私は一度『死んでいる』……そして『この世界』に飛ばされて『人生のやり直し』をしてきたの……五十鈴君も『同じ』でしょ?」
私がそう言った瞬間、目の前で彼は膝間つき両手をベッドの上に置きながら私の顔を見つめくる。そして彼の目から大粒の涙が流れだす。
そして私も大粒の涙が流れだしてきた。
「やっとお互いに『隠す必要』が無くなって……それに『同じ境遇の人』が目の前にいるから安心しちゃって涙が勝手にあふれてきたのかな……」
私がそう言うと彼は涙を拭き取りながら、
「こ、『この世界』に飛ばされたのは俺だけだと思っていたよ……まさか石田もだっただなんて……でもそうだよな。俺だけが『特別』ってのも今考えるとおかしな話だよな……? でもいつからなんだ? 石田が『この世界』に来たのは?」
「私が『この世界』に来たのは幼稚園を卒園したばかりの日だったわ」
彼はは驚いた表情をしながら、
「えっ!? おっ、俺と同じ日じゃないか!? し、信じられない!! 石田は『前の世界』の石田のままだったぞ。全然『違和感』なんて無かったし……」
「フフ、だから前に言ったじゃない。私達は『元演劇部』だって。でも五十鈴君よりも私の演技力の方が上だとは思うわ。だって五十鈴君、ところどころで凄く『違和感』あったし……」
「そ、そうだよな。自分でもそう思うよ。でもそれは『ある目的』を達成する為には仕方が無い事でもあったんだけど……」
「分かってる。つねちゃんと『結婚』する為でしょ? それと私の事も助けてくれようとしていたのよね? 今まで一人で悩ませて辛い思いをさせてしまってゴメンね……」
「い、いや、そんな事……辛いのはお互い様じゃないか……」
「私もね、五十鈴君と同じで『ある目的』があったの。っていうか『前の世界』で私が死ぬ瞬間、何を思ったか分かるかな?」
「えっ? 死ぬ瞬間に思ったこと? 『怖い』とか『死にたくない』とかかな?」
「うううん、少し違うよ。『前の世界』の私も白血病だったし、いずれ死ぬ事は覚悟していたんだ。でもね『事故』で死ぬのは嫌だった。それに私の病気の為に巻き込まれて一緒に死んでしまうお母さんにも申し訳なかった。でも一番私が強く思ったのは『このまま想いを伝えられないまま死ぬのは嫌』って事だったの。そして死んだと思って目を開けたらそこは自宅のテーブルで目の前には『卒園おめでとう』と笑顔で話かけるお母さんがいたの……」
「石田の伝えたかった想いって何だったんだ? 寿や稲田達に何か伝えたかったのかい?」
一瞬、間が空き、私は『はぁ……』とため息をつきながら話し出しだす。
「ほんと、五十鈴君って昔から鈍感な人ね? 私が伝えたかったのは……『私は昔から五十鈴君の事が好きでした。私の分まで元気に生きてね』ってあなたに伝えたかったの……」
「えっ!?」
彼は私の言葉に驚きを隠せないようだ。
あっ、そっか。彼もまた『前の世界』から来た人……
だから『前の世界』の私も彼の事が好きだっただなんて知らないし、気付いてもいなかったんだ。だからこんなにも驚いているんだね?
私は少し疲れてきたけど、このチャンスを逃したくない思いで必死に今までの経緯を話した。
彼に対して最初に違和感を感じたのは『前の世界』では小四の時から会話をするようになったはずなのに、『この世界』の彼は低学年の頃から積極的に私に話しかけてくれた事。
彼が『未来』から来ているのを確信したのは中一の時に偶然、病院の前で出くわした時の会話だった事……
私が事故で死ぬ事を知らないはずの彼が執拗に『事故に気をつけろ』と言ってくれた事……
そして小さい頃から大人の雰囲気があった彼を照らし合わせて『未来』から来たのだと確信したという事。
そして『この世界』に来た私にとって『誤算』があった事も伝えた。
親友の久子が彼の事を好きになるとは思っていなかった事。
自分が応援してしまう立場になってしうなんて考えていなかった事。
そして最大の誤算は彼が『つねちゃん』の事が好きだったという事……
「あの『七夕祭り』の時に五十鈴君と『つねちゃん』の会話を聞いた私はこれまでの考えを改めたんだぁ……」
「そ、そうだったんだ……」
「だからね、本当は死ぬ寸前に五十鈴君に告白する予定にしていたんだけど、小六の夏休みにお見舞いに行った時、どうしても我慢できなくなってしまって……五十鈴君にキスをしてしまったの……あの時は驚かせてゴメンね……?」
「い、いや……俺の方こそ……」
その後直ぐに、彼が『前の世界』に逆戻りをして中一の五月に突然、『この世界』に戻って来た事を聞き、私はとても驚いてしまった。
「そ、そんな事が……だから急にみんな五十鈴君が変わったって言いだしたんだ……」
「やはりそうか……そうだよな。自分でも周りの目が変わったとは思っていたんだけど、でもあの時は『空白の一年』を埋める為に必死だったからさ……」
彼との答え合わせはお互いに驚きの連続だった。
今までの謎が一つずつ解けて行き私は嬉しかったけど、きっと彼も同じ気持ちだと思う。
そして私は今日の日に飛行機に乗らない為にとった作戦を彼に説明した。
「私ね、このままいけば八月に東京へ行く事が決まってしまうからまだそんなに体調が悪くない時点で『具合が悪いフリ』をしたの。五十鈴君が家にお見舞いに来てくれた時は大してしんどく無かったんだ」
「え? そうだったのかい?」
「うん、私としては東京に行く前に病状を悪くして地元で入院する必要があったから……私の病気を心から治したいと思っているお母さんに『東京には行きたくない』なんてわがままは絶対に言えないから……それが死ぬ事だと分かっていても……」
「い、いや……石田の気持ちは良く分かるよ。でも、その作戦を実行したからこそ、こうやって俺と……」
「うん、でも不思議よね? 『仮病』をしてから直ぐに思いが通じたのか突然、身体に異変が起きてしまって……突然、身体がとてもだるくなったり、痛くなったり、寝るのも辛い状態になってしまったから……結局、『前の世界』よりも病気の進行が早まってしまって……」
「ふ、複雑な気持ちになるよな……?」
「だねぇ。でも、これで東京には行かなくて済むし、事故で死ななくても済む。だから後は私がどれだけ生きれるのか、そして皆にしっかりとお別れができるかだと思って覚悟を決めたわ……」
彼との答え合わせからどれくらい時間が経ったのだろう。
病室の窓の外はもう薄暗くなってきている。
「あっ……」
彼は急に何かを思い出したようで、小声で独り言を言っている。
「石田の無事を確認したら奏に連絡する約束をしていたのに、すっかり忘れていたな……奏、心配しているだろうなぁ……こんな時にスマホがあれば……」
スマホ……?
スマホって何だろう?
それに私は知りたい。彼が知っている『前の世界の未来』を……
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
遂に浩美は隆に『前の世界』から来たことを告白する。
そして隆も……
お互い、今まで誰にも言えなかった事を話せる喜びを感じているのだった。
完結まで残り数話です。
どうぞ最後までお付き合いください。
彼は自分の耳を疑った感じで聞き直してきた。
「驚くのも仕方無いよね。今日までずっと……今日の日が来るまでずっと私、隠していたから……」
私の心臓の動きが激しくなっているのが分かる。
恐らく彼も……
彼は驚きの表情をしながら、ゆっくりと私に近づいて来た。そして……
「も、もしかして石田、お前……」
「フフ、そうよ。そのもしかよ。私は一度『死んでいる』……そして『この世界』に飛ばされて『人生のやり直し』をしてきたの……五十鈴君も『同じ』でしょ?」
私がそう言った瞬間、目の前で彼は膝間つき両手をベッドの上に置きながら私の顔を見つめくる。そして彼の目から大粒の涙が流れだす。
そして私も大粒の涙が流れだしてきた。
「やっとお互いに『隠す必要』が無くなって……それに『同じ境遇の人』が目の前にいるから安心しちゃって涙が勝手にあふれてきたのかな……」
私がそう言うと彼は涙を拭き取りながら、
「こ、『この世界』に飛ばされたのは俺だけだと思っていたよ……まさか石田もだっただなんて……でもそうだよな。俺だけが『特別』ってのも今考えるとおかしな話だよな……? でもいつからなんだ? 石田が『この世界』に来たのは?」
「私が『この世界』に来たのは幼稚園を卒園したばかりの日だったわ」
彼はは驚いた表情をしながら、
「えっ!? おっ、俺と同じ日じゃないか!? し、信じられない!! 石田は『前の世界』の石田のままだったぞ。全然『違和感』なんて無かったし……」
「フフ、だから前に言ったじゃない。私達は『元演劇部』だって。でも五十鈴君よりも私の演技力の方が上だとは思うわ。だって五十鈴君、ところどころで凄く『違和感』あったし……」
「そ、そうだよな。自分でもそう思うよ。でもそれは『ある目的』を達成する為には仕方が無い事でもあったんだけど……」
「分かってる。つねちゃんと『結婚』する為でしょ? それと私の事も助けてくれようとしていたのよね? 今まで一人で悩ませて辛い思いをさせてしまってゴメンね……」
「い、いや、そんな事……辛いのはお互い様じゃないか……」
「私もね、五十鈴君と同じで『ある目的』があったの。っていうか『前の世界』で私が死ぬ瞬間、何を思ったか分かるかな?」
「えっ? 死ぬ瞬間に思ったこと? 『怖い』とか『死にたくない』とかかな?」
「うううん、少し違うよ。『前の世界』の私も白血病だったし、いずれ死ぬ事は覚悟していたんだ。でもね『事故』で死ぬのは嫌だった。それに私の病気の為に巻き込まれて一緒に死んでしまうお母さんにも申し訳なかった。でも一番私が強く思ったのは『このまま想いを伝えられないまま死ぬのは嫌』って事だったの。そして死んだと思って目を開けたらそこは自宅のテーブルで目の前には『卒園おめでとう』と笑顔で話かけるお母さんがいたの……」
「石田の伝えたかった想いって何だったんだ? 寿や稲田達に何か伝えたかったのかい?」
一瞬、間が空き、私は『はぁ……』とため息をつきながら話し出しだす。
「ほんと、五十鈴君って昔から鈍感な人ね? 私が伝えたかったのは……『私は昔から五十鈴君の事が好きでした。私の分まで元気に生きてね』ってあなたに伝えたかったの……」
「えっ!?」
彼は私の言葉に驚きを隠せないようだ。
あっ、そっか。彼もまた『前の世界』から来た人……
だから『前の世界』の私も彼の事が好きだっただなんて知らないし、気付いてもいなかったんだ。だからこんなにも驚いているんだね?
私は少し疲れてきたけど、このチャンスを逃したくない思いで必死に今までの経緯を話した。
彼に対して最初に違和感を感じたのは『前の世界』では小四の時から会話をするようになったはずなのに、『この世界』の彼は低学年の頃から積極的に私に話しかけてくれた事。
彼が『未来』から来ているのを確信したのは中一の時に偶然、病院の前で出くわした時の会話だった事……
私が事故で死ぬ事を知らないはずの彼が執拗に『事故に気をつけろ』と言ってくれた事……
そして小さい頃から大人の雰囲気があった彼を照らし合わせて『未来』から来たのだと確信したという事。
そして『この世界』に来た私にとって『誤算』があった事も伝えた。
親友の久子が彼の事を好きになるとは思っていなかった事。
自分が応援してしまう立場になってしうなんて考えていなかった事。
そして最大の誤算は彼が『つねちゃん』の事が好きだったという事……
「あの『七夕祭り』の時に五十鈴君と『つねちゃん』の会話を聞いた私はこれまでの考えを改めたんだぁ……」
「そ、そうだったんだ……」
「だからね、本当は死ぬ寸前に五十鈴君に告白する予定にしていたんだけど、小六の夏休みにお見舞いに行った時、どうしても我慢できなくなってしまって……五十鈴君にキスをしてしまったの……あの時は驚かせてゴメンね……?」
「い、いや……俺の方こそ……」
その後直ぐに、彼が『前の世界』に逆戻りをして中一の五月に突然、『この世界』に戻って来た事を聞き、私はとても驚いてしまった。
「そ、そんな事が……だから急にみんな五十鈴君が変わったって言いだしたんだ……」
「やはりそうか……そうだよな。自分でも周りの目が変わったとは思っていたんだけど、でもあの時は『空白の一年』を埋める為に必死だったからさ……」
彼との答え合わせはお互いに驚きの連続だった。
今までの謎が一つずつ解けて行き私は嬉しかったけど、きっと彼も同じ気持ちだと思う。
そして私は今日の日に飛行機に乗らない為にとった作戦を彼に説明した。
「私ね、このままいけば八月に東京へ行く事が決まってしまうからまだそんなに体調が悪くない時点で『具合が悪いフリ』をしたの。五十鈴君が家にお見舞いに来てくれた時は大してしんどく無かったんだ」
「え? そうだったのかい?」
「うん、私としては東京に行く前に病状を悪くして地元で入院する必要があったから……私の病気を心から治したいと思っているお母さんに『東京には行きたくない』なんてわがままは絶対に言えないから……それが死ぬ事だと分かっていても……」
「い、いや……石田の気持ちは良く分かるよ。でも、その作戦を実行したからこそ、こうやって俺と……」
「うん、でも不思議よね? 『仮病』をしてから直ぐに思いが通じたのか突然、身体に異変が起きてしまって……突然、身体がとてもだるくなったり、痛くなったり、寝るのも辛い状態になってしまったから……結局、『前の世界』よりも病気の進行が早まってしまって……」
「ふ、複雑な気持ちになるよな……?」
「だねぇ。でも、これで東京には行かなくて済むし、事故で死ななくても済む。だから後は私がどれだけ生きれるのか、そして皆にしっかりとお別れができるかだと思って覚悟を決めたわ……」
彼との答え合わせからどれくらい時間が経ったのだろう。
病室の窓の外はもう薄暗くなってきている。
「あっ……」
彼は急に何かを思い出したようで、小声で独り言を言っている。
「石田の無事を確認したら奏に連絡する約束をしていたのに、すっかり忘れていたな……奏、心配しているだろうなぁ……こんな時にスマホがあれば……」
スマホ……?
スマホって何だろう?
それに私は知りたい。彼が知っている『前の世界の未来』を……
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お読みいただきありがとうございました。
遂に浩美は隆に『前の世界』から来たことを告白する。
そして隆も……
お互い、今まで誰にも言えなかった事を話せる喜びを感じているのだった。
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