36 / 83
第7章 文化祭編
第36話 複雑な気持ち
しおりを挟む
運動会も無事に終わり今は十月中旬……
私達演劇部は十一月の文化祭に向けての稽古が本格的に始まっていた。
それぞれの役のイメージをみんな真剣に考えながら練習に取り組んでいる横でカンカンと大道具や小道具を製作している音も鳴り響いている。
「大浜さん、さっきからとても怖い顔をなんですけど大丈夫なんですか?」
佐藤さんが心配そうな顔で大浜さんに聞いている。
「えっ? 佐藤さん、何か言った? 私は今、カラスに成りきっているからあまり話しかけないでもらえるかしら……」
大浜さんはそう言うとまた怖い顔をしている。
「カラスってあんな怖い顔をしないとダメなのかしらね?」
影の副部長高田さんが少し呆れた顔をしながら小声で佐藤さんの耳元で言っている。
「私もハゲタカのイメージを考えているんですけど全然わからなくって……」
佐藤さんが困った表情で高田さんに言うとその横から同級生の福田さんがニヤリとしながら、
「前に大浜さんが言っていた通りハゲのかつらをかぶって、くちばしをつければいいじゃないか。それで完璧なハゲタカになるぞ!!」
「なっ、何を言っているのよ!? 私は絶対にハゲのかつらはかぶらないからねっ!!」
佐藤さんは目の色を変えて福田さんに言い返していたけど、私はそんな二人を見て心の中で笑ってしまっていた。
「ホウ、ホウ、ホウ……」
順子がフクロウの鳴き声を練習しているその横で私は片足を曲げながら太ももを上に上げ、そして両手を広げてフラミンゴを表現していた。
そういえばフラミンゴってなんて鳴くのかな……?
すると順子が私に話しかけてくる。
「ねぇ浩美、足はもう大丈夫なの?」
リレーで転んでしまい足を怪我した私のことを順子は心配してくれているみたいだ。
「えっ? ああ、心配してくれてありがとう。まだ擦りむいた足は痛いけど、痛くないほうの足で支えるから大丈夫よ。私もだけど、順子もリレーの時に足を挫いたでしょ? 順子こそ大丈夫なの?」
そう私が聞き返すと順子は「うーん、そうねぇ……痛くないと言えば嘘になるけど私はフクロウ役だからさ、あまり足には影響ない役だし大丈夫よ。わ、私の方こそありがとう……」
順子は少し照れくさそうな表情で私にお礼を言ってくれたので私も少し照れくさそうにこう言った。
「あれだけリレー前に二人で『うちのクラスが勝つ』って言い合いをしたのに結局、私達二人とも足を怪我しちゃったわね。そう思うとなんだかとても恥ずかしいよね?」
「まぁ思い出したら恥ずかしいけど、あの後の男子のリレーや佐藤さんや立花部長の走る姿を見ていたら、そんなこと忘れるくらいの凄いリレーだったから……あっ!! そう言えば浩美が泣いていた時、五十鈴君、浩美の頭に手をのせて何か言っていたみたいだけど何て言ってたの?」
「えっ!? そ、それは秘密よ!! 絶対に秘密……」
私は少し赤くなってしまった顔を誤魔化す為に再び片足を上げてフラミンゴに成りきりセリフの練習を始めた。
順子は首をかしげ不思議そうな表情をしていたけど、「まぁ、いっか……」と呟きホウホウと言いながら練習を再開するのであった。
私は練習しながらもチラチラと彼と立花部長が『鳥の王』と『獣の王』が和解する大事な場面の練習をしているところを見ていた。
しかし彼は未だにリレー後の立花部長の言葉が頭から消えていないのか、どうも彼の動きには違和感があり立花部長の顔をまともに見ていない様に思う。
「隆君、ここのシーンは王同士がお互いの目を見てがっちり握手するところだから、ちゃんと私の目を見てくれないかな?」
立花部長は少し微笑みながら彼に言ったが彼は「は、はい、すみません……」と言いながらも結局、一瞬立花部長の目を見るもすぐに視線を逸らしてしまう。
「もう、隆君……文化祭まであまり時間が無いから、このシーンに時間を取り過ぎる訳にはいかないのよ」
立花部長の笑顔はそのままだけど口調は少し強かった。
「は、はい、すみません……」
彼はさっきと同じ返事をしている。
このままだと二人が『抱き合うシーン』なんて程遠いわね。
っていうか『抱き合うシーン』は無しにならないかな……
「分かったわ、隆君。少し休憩しましょう!! 私も一緒に休憩するから……ね?」
立花部長がそう言うと彼は慌ててこう言った。
「い、いえ、休憩はまだ早いですよ!! お、俺、頑張るんでもう少し練習しましょうよ!? そ、それに一緒に休憩なんて……」
なるほどね。おそらく今の彼にしてみれば立花部長と一緒に練習するのも恥ずかしいくらいなのに、一緒に休憩だなんて何を話せばいいのか困るんだろうなぁ……
でも私なら『幼稚園の時は声をかけてくれてありがとうございました』とか、『何で今まであの時の女の子が自分だと言ってくれなかったのですか?』とか、簡単に聞けるんだけどなぁ……『前の世界』の彼はとても恥ずかしがり屋だったから分かるけど、『この世界』の彼はあまりそういう風には見えないから何だか不思議だわ……
「ダメ、休憩しましょう!!」
立花部長はそう言うとその場に座り込んでしまった。
なので、彼も仕方なしに『はぁ……』とため息をつきながらその場に座り込む。
すると立花部長は急に立ち上がり、彼に近づいたかと思うと彼の横にピッタリと座り直したのだ。
「えっ!?」
えっ!?
彼は口に出して驚き、私は心の中で驚きと同時に身体がフラフラと揺れてしまいフラミンゴの体制が崩れそうになってしまった。
そして彼が顔を赤くしながら慌てた表情をすると、立花部長は彼に対してニコッと微笑んだあと何もしゃべらずに窓の外をジッと眺めるいるのであった。
彼はとても緊張した顔で汗を掻きながら同じく窓の外を眺め、数分間沈黙が続いた。
彼にとって真横にピッタリと立花部長がいる事は『幸せな時間』なのか『拷問の時間』なのか私には分からないけど、できれば後者であってほしい……
勿論、あんな二人の姿を見せられている私にとってはまさしく後者の方だわ。
休憩後、再び練習を始める二人だけど、やはりなかなか大事なシーンで彼は立花部長から視線を逸らしてしまっている。
お願い、このまま『握手のシーン』だけで終わってちょうだい!!
こんな彼では『抱き合う』なんてシーンは絶対できないと思うから!!
「メェメェ、ヤギさんや?」
「メェメェ、何だい、ヒツジさん?」
そんなことを思っている私と、なかなか噛み合わない練習をしている二人の横で『ヒツジ役』の木場君と『ヤギ役』の夏野さんがアドリブを入れながら仲良く練習をしている。
「メェメェ、鳥達は今度いつ攻めてくるのでしょうメェ?」
「さぁ、いつだろうメェ?」
「考えても仕方ないわメェ……」
「そうだメェ……」
「そうだメェメェ……」
「 「メェメェ、メェメェ……」 」
二人のメェメェという声がドンドン大きくなり彼と立花部長の練習が止まり、二人共木場君達の方を向き首を傾げている。
そして二人同時に……
「 「二人ともメェメェメェメェうるさい!! 気が散って練習ができない!! メェメェ言いたかったら向こうの方でやってくれるかな!?」 」
二人の声に驚いた木場君と夏野さんは、
「 「メェ~ッ!!」 」
と叫びながらその場を逃げるように去って行った。
その様子を立花部長がクスっと笑うと彼もつられて笑い出し、そしてお互いに大きな声で笑い合う。
いつの間にか立花部長の目を見ながら笑っている彼の姿をとても複雑な気持ちになる私だった。
――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
この回から『文化祭編』スタートです。
文化祭の劇に向けて本格的に練習を始める『演劇部』
そんな中、浩美は隆と立花部長との合同練習が気になって仕方が無い。
そして隆の態度のせいでなかなか練習が噛み合っていなかった二人だったが木場と夏野のお陰で距離が縮まってしまい更に浩美の心は穏やかではない状態になってしまう。
今後の彼女達の動きに注目です。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
私達演劇部は十一月の文化祭に向けての稽古が本格的に始まっていた。
それぞれの役のイメージをみんな真剣に考えながら練習に取り組んでいる横でカンカンと大道具や小道具を製作している音も鳴り響いている。
「大浜さん、さっきからとても怖い顔をなんですけど大丈夫なんですか?」
佐藤さんが心配そうな顔で大浜さんに聞いている。
「えっ? 佐藤さん、何か言った? 私は今、カラスに成りきっているからあまり話しかけないでもらえるかしら……」
大浜さんはそう言うとまた怖い顔をしている。
「カラスってあんな怖い顔をしないとダメなのかしらね?」
影の副部長高田さんが少し呆れた顔をしながら小声で佐藤さんの耳元で言っている。
「私もハゲタカのイメージを考えているんですけど全然わからなくって……」
佐藤さんが困った表情で高田さんに言うとその横から同級生の福田さんがニヤリとしながら、
「前に大浜さんが言っていた通りハゲのかつらをかぶって、くちばしをつければいいじゃないか。それで完璧なハゲタカになるぞ!!」
「なっ、何を言っているのよ!? 私は絶対にハゲのかつらはかぶらないからねっ!!」
佐藤さんは目の色を変えて福田さんに言い返していたけど、私はそんな二人を見て心の中で笑ってしまっていた。
「ホウ、ホウ、ホウ……」
順子がフクロウの鳴き声を練習しているその横で私は片足を曲げながら太ももを上に上げ、そして両手を広げてフラミンゴを表現していた。
そういえばフラミンゴってなんて鳴くのかな……?
すると順子が私に話しかけてくる。
「ねぇ浩美、足はもう大丈夫なの?」
リレーで転んでしまい足を怪我した私のことを順子は心配してくれているみたいだ。
「えっ? ああ、心配してくれてありがとう。まだ擦りむいた足は痛いけど、痛くないほうの足で支えるから大丈夫よ。私もだけど、順子もリレーの時に足を挫いたでしょ? 順子こそ大丈夫なの?」
そう私が聞き返すと順子は「うーん、そうねぇ……痛くないと言えば嘘になるけど私はフクロウ役だからさ、あまり足には影響ない役だし大丈夫よ。わ、私の方こそありがとう……」
順子は少し照れくさそうな表情で私にお礼を言ってくれたので私も少し照れくさそうにこう言った。
「あれだけリレー前に二人で『うちのクラスが勝つ』って言い合いをしたのに結局、私達二人とも足を怪我しちゃったわね。そう思うとなんだかとても恥ずかしいよね?」
「まぁ思い出したら恥ずかしいけど、あの後の男子のリレーや佐藤さんや立花部長の走る姿を見ていたら、そんなこと忘れるくらいの凄いリレーだったから……あっ!! そう言えば浩美が泣いていた時、五十鈴君、浩美の頭に手をのせて何か言っていたみたいだけど何て言ってたの?」
「えっ!? そ、それは秘密よ!! 絶対に秘密……」
私は少し赤くなってしまった顔を誤魔化す為に再び片足を上げてフラミンゴに成りきりセリフの練習を始めた。
順子は首をかしげ不思議そうな表情をしていたけど、「まぁ、いっか……」と呟きホウホウと言いながら練習を再開するのであった。
私は練習しながらもチラチラと彼と立花部長が『鳥の王』と『獣の王』が和解する大事な場面の練習をしているところを見ていた。
しかし彼は未だにリレー後の立花部長の言葉が頭から消えていないのか、どうも彼の動きには違和感があり立花部長の顔をまともに見ていない様に思う。
「隆君、ここのシーンは王同士がお互いの目を見てがっちり握手するところだから、ちゃんと私の目を見てくれないかな?」
立花部長は少し微笑みながら彼に言ったが彼は「は、はい、すみません……」と言いながらも結局、一瞬立花部長の目を見るもすぐに視線を逸らしてしまう。
「もう、隆君……文化祭まであまり時間が無いから、このシーンに時間を取り過ぎる訳にはいかないのよ」
立花部長の笑顔はそのままだけど口調は少し強かった。
「は、はい、すみません……」
彼はさっきと同じ返事をしている。
このままだと二人が『抱き合うシーン』なんて程遠いわね。
っていうか『抱き合うシーン』は無しにならないかな……
「分かったわ、隆君。少し休憩しましょう!! 私も一緒に休憩するから……ね?」
立花部長がそう言うと彼は慌ててこう言った。
「い、いえ、休憩はまだ早いですよ!! お、俺、頑張るんでもう少し練習しましょうよ!? そ、それに一緒に休憩なんて……」
なるほどね。おそらく今の彼にしてみれば立花部長と一緒に練習するのも恥ずかしいくらいなのに、一緒に休憩だなんて何を話せばいいのか困るんだろうなぁ……
でも私なら『幼稚園の時は声をかけてくれてありがとうございました』とか、『何で今まであの時の女の子が自分だと言ってくれなかったのですか?』とか、簡単に聞けるんだけどなぁ……『前の世界』の彼はとても恥ずかしがり屋だったから分かるけど、『この世界』の彼はあまりそういう風には見えないから何だか不思議だわ……
「ダメ、休憩しましょう!!」
立花部長はそう言うとその場に座り込んでしまった。
なので、彼も仕方なしに『はぁ……』とため息をつきながらその場に座り込む。
すると立花部長は急に立ち上がり、彼に近づいたかと思うと彼の横にピッタリと座り直したのだ。
「えっ!?」
えっ!?
彼は口に出して驚き、私は心の中で驚きと同時に身体がフラフラと揺れてしまいフラミンゴの体制が崩れそうになってしまった。
そして彼が顔を赤くしながら慌てた表情をすると、立花部長は彼に対してニコッと微笑んだあと何もしゃべらずに窓の外をジッと眺めるいるのであった。
彼はとても緊張した顔で汗を掻きながら同じく窓の外を眺め、数分間沈黙が続いた。
彼にとって真横にピッタリと立花部長がいる事は『幸せな時間』なのか『拷問の時間』なのか私には分からないけど、できれば後者であってほしい……
勿論、あんな二人の姿を見せられている私にとってはまさしく後者の方だわ。
休憩後、再び練習を始める二人だけど、やはりなかなか大事なシーンで彼は立花部長から視線を逸らしてしまっている。
お願い、このまま『握手のシーン』だけで終わってちょうだい!!
こんな彼では『抱き合う』なんてシーンは絶対できないと思うから!!
「メェメェ、ヤギさんや?」
「メェメェ、何だい、ヒツジさん?」
そんなことを思っている私と、なかなか噛み合わない練習をしている二人の横で『ヒツジ役』の木場君と『ヤギ役』の夏野さんがアドリブを入れながら仲良く練習をしている。
「メェメェ、鳥達は今度いつ攻めてくるのでしょうメェ?」
「さぁ、いつだろうメェ?」
「考えても仕方ないわメェ……」
「そうだメェ……」
「そうだメェメェ……」
「 「メェメェ、メェメェ……」 」
二人のメェメェという声がドンドン大きくなり彼と立花部長の練習が止まり、二人共木場君達の方を向き首を傾げている。
そして二人同時に……
「 「二人ともメェメェメェメェうるさい!! 気が散って練習ができない!! メェメェ言いたかったら向こうの方でやってくれるかな!?」 」
二人の声に驚いた木場君と夏野さんは、
「 「メェ~ッ!!」 」
と叫びながらその場を逃げるように去って行った。
その様子を立花部長がクスっと笑うと彼もつられて笑い出し、そしてお互いに大きな声で笑い合う。
いつの間にか立花部長の目を見ながら笑っている彼の姿をとても複雑な気持ちになる私だった。
――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
この回から『文化祭編』スタートです。
文化祭の劇に向けて本格的に練習を始める『演劇部』
そんな中、浩美は隆と立花部長との合同練習が気になって仕方が無い。
そして隆の態度のせいでなかなか練習が噛み合っていなかった二人だったが木場と夏野のお陰で距離が縮まってしまい更に浩美の心は穏やかではない状態になってしまう。
今後の彼女達の動きに注目です。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された私。大嫌いなアイツと婚約することに。大嫌い!だったはずなのに……。
さくしゃ
恋愛
「婚約破棄だ!」
素直であるが故に嘘と見栄で塗り固められた貴族社会で嫌われ孤立していた"主人公「セシル」"は、そんな自分を初めて受け入れてくれた婚約者から捨てられた。
唯一自分を照らしてくれた光を失い絶望感に苛まれるセシルだったが、家の繁栄のためには次の婚約相手を見つけなければならず……しかし断られ続ける日々。
そんなある日、ようやく縁談が決まり乗り気ではなかったが指定されたレストランへ行くとそこには、、、
「れ、レント!」
「せ、セシル!」
大嫌いなアイツがいた。抵抗するが半ば強制的に婚約することになってしまい不服だった。不服だったのに……この気持ちはなんなの?
大嫌いから始まるかなり笑いが入っている不器用なヒロインと王子による恋物語。
15歳という子供から大人へ変わり始める時期は素直になりたいけど大人に見られたいが故に背伸びをして強がったりして素直になれないものーーそんな感じの物語です^_^
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
〖完結〗王女殿下の最愛の人は、私の婚約者のようです。
藍川みいな
恋愛
エリック様とは、五年間婚約をしていた。
学園に入学してから、彼は他の女性に付きっきりで、一緒に過ごす時間が全くなかった。その女性の名は、オリビア様。この国の、王女殿下だ。
入学式の日、目眩を起こして倒れそうになったオリビア様を、エリック様が支えたことが始まりだった。
その日からずっと、エリック様は病弱なオリビア様の側を離れない。まるで恋人同士のような二人を見ながら、学園生活を送っていた。
ある日、オリビア様が私にいじめられていると言い出した。エリック様はそんな話を信じないと、思っていたのだけれど、彼が信じたのはオリビア様だった。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
ふたりは片想い 〜騎士団長と司書の恋のゆくえ〜
長岡更紗
恋愛
王立図書館の司書として働いているミシェルが好きになったのは、騎士団長のスタンリー。
幼い頃に助けてもらった時から、スタンリーはミシェルのヒーローだった。
そんなずっと憧れていた人と、18歳で再会し、恋心を募らせながらミシェルはスタンリーと仲良くなっていく。
けれどお互いにお互いの気持ちを勘違いしまくりで……?!
元気いっぱいミシェルと、大人な魅力のスタンリー。そんな二人の恋の行方は。
他サイトにも投稿しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私と彼の恋愛攻防戦
真麻一花
恋愛
大好きな彼に告白し続けて一ヶ月。
「好きです」「だが断る」相変わらず彼は素っ気ない。
でもめげない。嫌われてはいないと思っていたから。
だから鬱陶しいと邪険にされても気にせずアタックし続けた。
彼がほんとに私の事が嫌いだったと知るまでは……。嫌われていないなんて言うのは私の思い込みでしかなかった。
【完結】愛くるしい彼女。
たまこ
恋愛
侯爵令嬢のキャロラインは、所謂悪役令嬢のような容姿と性格で、人から敬遠されてばかり。唯一心を許していた幼馴染のロビンとの婚約話が持ち上がり、大喜びしたのも束の間「この話は無かったことに。」とバッサリ断られてしまう。失意の中、第二王子にアプローチを受けるが、何故かいつもロビンが現れて•••。
2023.3.15
HOTランキング35位/24hランキング63位
ありがとうございました!
殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
さこの
恋愛
恋がしたい。
ウィルフレッド殿下が言った…
それではどうぞ、美しい恋をしてください。
婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました!
話の視点が回毎に変わることがあります。
緩い設定です。二十話程です。
本編+番外編の別視点
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる