75 / 93
第7章 試練編
第74話 本当の試練/加奈子
しおりを挟む
りょう君が目を覚ました日、りょう君の記憶から私が消えている事が分かった日、私は絶望感しか湧かずその場で泣き崩れてしまった。
りょう君は私に謝り必死に思い出そうとしてくれたけど、途中で激しい頭痛に襲われると苦しみだした。そして薬の影響でそのまま眠ってしまい、私も肩を落としながら病室を出た。
でも真保さんがそんな私を呼び止めて「ロビーで少しお話しよう」と言ってくれたので私はそのまま真保さんについて行き、ロビーの椅子に腰を掛ける。
そして真保さんが口を開く。
「加奈子ちゃん、ゴメン……亮二が目を覚ましたという連絡をした時に記憶障害の事もお母さんに伝えてもらえば良かったのだろうけど……前もって知っていれば加奈子ちゃんもこんなにも落ち込むことは無かったのに……」
「いえ、どのタイミングでりょう君の記憶障害の事を知っても私はショックだと思うので気にしないでください……」
「ありがとう……ただ私はね、もしかしたら亮二は加奈子ちゃんの事は覚えているんじゃないかと……覚えていなくても顔を見れば突然、思い出すんじゃないかと少し期待をしていたの……でも今はまだ難しいみたいだなぁ……」
「そうですね……無くした記憶を思い出そうとしたら激しい頭痛が起きるみたいですし、あんな苦しそうなりょう君を見るのは辛いですから無くした記憶はこれからゆっくり時間をかけて思い出してくれたらいいと思います……」
「そう言ってもらえると助かるわ。うーん、それにしても加奈子ちゃんは本当に優しい子だね」
「え? いや……別に私は優しい子ではないですよ……昔は同級生に冷たい性格って陰で言われていたこともありましたし……」
「そうなんだ。じゃぁ、亮二と出会ってこんなにも暖かくて優しい子になったのかな?」
「優しいかどうかは分かりませんがりょう君と出会って私が変わったのは否定しません。りょう君は思いやりがあって常に私の事を考えてくれる優しさがあって……だからいつの間にか私もりょう君の様にどんな事があっても誰に対してでも優しい女性でありたいと思う様になりましたから……それに私はりょう君が目を覚ました時、どんな状態であっても、これからどんな事が起ころうとも私はりょう君の傍にいるんだって決めましたから……ただ、まさかりょう君の記憶から私が消えるとは思っていませんでしたのでショックだったというか……これからどうすればいいんだろうって不安になってしまって……」
「加奈子ちゃん……」
会話が途切れ少しの間、ロビーがシーンと静まりかえっている。横目で真保さんを見ると何か考え事をしている様に見えた。
「不思議なのよねぇ……」
真保さんが小さな声で呟く。
「え? 何が不思議なんですか?」
「亮二の記憶障害の状況が不思議だなぁって……だって、あの子の記憶は中学1年生の1学期くらいまでは残っているのよ。だから私を含めた家族や広美ちゃん家族、それに千夏ちゃん家族の記憶は残っているの。まぁ、亮二からすれば中学生のはずの私が突然、大人になって現れた感じがして驚いてはいたけどさ……」
そうなんだ。りょう君は中学1年の1学期までの記憶はあるんだ……なんか中途半端な時期までの記憶しかないんだなぁ……
ん? あれ? 私が初めてりょう君に出会ったのって、たしか……
「あっ!! 中学1年の1学期って……」
「だよね? 私が気付くくらいだから加奈子ちゃんも気付くよね? あなた達がエキサイトランドで初めて出会ったのって、前にお母さんから聞いたけど亮二が中学1年の夏休みで加奈子ちゃんが幼稚園児の時なんでしょ?」
「そうなんです!! だからあと1ヶ月だけでも長く記憶が残ってくれていれば私と出会った時の記憶も残っていたのに……何で神様はこんな意地悪をするのよって思ってしまいます」
「そうだね。加奈子ちゃんならそう思うよね? でも私は少し違う捉え方をしたというか……」
「え? ど、どんな捉え方をされたんですか?」
「逆におかしいと思わない? というか、こんな中途半端な時期で記憶が途切れるなんておかしいと思わない? 加奈子ちゃんと出会う1ヶ月前までの記憶しかないなんて絶対におかしいわ」
中途半端な時期だと私も思うし歯がゆい気持ちは凄くあるけど、こればかりは私にはどうにもできないし、仕方が無い事だとも思う自分もいる……
「ま、まぁ中途半端だとは私も思いますが……」
「でしょう? だから私、これには何か理由があるんじゃないかと思ったのよ」
「り、理由ですか?」
「そう、理由……前に私、加奈子ちゃんに『夢』の話をしたのを覚えてる?」
「夢? あの時ですか? りょう君の病室で真保さんと初めて会った日の……」
「そうよ。あの日、加奈子ちゃんにした話よ。私は夢の中で亮二と亡くなった亮一兄さんの会話をしている夢を見て、その会話の中に『試練』という言葉が出ていたって言ったよね?」
「は、はい……そう言ってました……だから私はりょう君が目覚めるまで、全てが私達が幸せになる為の試練なんだと思いながら一日も欠かさず、りょう君のお見舞いに行き語りかけたり、目を覚ました時に少しでも早くリハビリが始めれる様にと足や腕などをマッサージしたり、りょう君が目覚めた時に喜んでもらおうとりょう君が通った高校に行こうと必死で受験勉強も頑張っています……」
「そうだね。加奈子ちゃんの亮二に対する想いは私にも伝わっていたわ。そしておそらく亮二にも加奈子ちゃんの想いが伝わったから奇跡が起きて目を覚ましたんだと思うの。でも本当の試練はそこじゃない……もしかしたら亮二が加奈子ちゃんの記憶を無くしたまま目を覚ました事こそが本当の試練じゃないかなって思ったの……」
「本当の試練……」
「加奈子ちゃんは亮二があなたの記憶を無くしているからといって、このまま落ち込んで亮二の事は諦めちゃうの?」
「いえ、そんな事は……多分ないと思います……」
「多分なの?」
「いえ、絶対にないです!!」
「だったら落ち込んでいる場合じゃないよね? 明日からこの『最後の試練』にどう立ち向かって行くかを考えていかないと……」
そうだ。私は何を落ち込んでいるのだろう? もしかしたら、このまま目を覚ますことなく死んでしまう可能性もあったりょう君がこうして目を覚ましてくれたのよ。それだけでも感謝しかないわ。私の記憶が無いからといって落ち込んでいる場合じゃ無いし、このまま諦めることなんてあり得ない。
記憶が無くなっているりょう君に対して私ができる事はきっとあるはずだわ。
そして精一杯、りょう君の為に私が出来る事を頑張った結果……一から私の事を好きになってもらえれば……欲を言えば少しずつ記憶を取り戻してくれれば……
「真保さん、私、明日から、いえ、今から頑張ります!! だから今のりょう君の病状を詳しく教えていただけませんか?」
「加奈子ちゃん、良い顔に戻ったわ。うん、何でも教えるから私に任せてちょうだい」
「はい、よろしくお願いします!!」
こうして私の……いえ、私達の『本当の試練』が始まった。
りょう君は私に謝り必死に思い出そうとしてくれたけど、途中で激しい頭痛に襲われると苦しみだした。そして薬の影響でそのまま眠ってしまい、私も肩を落としながら病室を出た。
でも真保さんがそんな私を呼び止めて「ロビーで少しお話しよう」と言ってくれたので私はそのまま真保さんについて行き、ロビーの椅子に腰を掛ける。
そして真保さんが口を開く。
「加奈子ちゃん、ゴメン……亮二が目を覚ましたという連絡をした時に記憶障害の事もお母さんに伝えてもらえば良かったのだろうけど……前もって知っていれば加奈子ちゃんもこんなにも落ち込むことは無かったのに……」
「いえ、どのタイミングでりょう君の記憶障害の事を知っても私はショックだと思うので気にしないでください……」
「ありがとう……ただ私はね、もしかしたら亮二は加奈子ちゃんの事は覚えているんじゃないかと……覚えていなくても顔を見れば突然、思い出すんじゃないかと少し期待をしていたの……でも今はまだ難しいみたいだなぁ……」
「そうですね……無くした記憶を思い出そうとしたら激しい頭痛が起きるみたいですし、あんな苦しそうなりょう君を見るのは辛いですから無くした記憶はこれからゆっくり時間をかけて思い出してくれたらいいと思います……」
「そう言ってもらえると助かるわ。うーん、それにしても加奈子ちゃんは本当に優しい子だね」
「え? いや……別に私は優しい子ではないですよ……昔は同級生に冷たい性格って陰で言われていたこともありましたし……」
「そうなんだ。じゃぁ、亮二と出会ってこんなにも暖かくて優しい子になったのかな?」
「優しいかどうかは分かりませんがりょう君と出会って私が変わったのは否定しません。りょう君は思いやりがあって常に私の事を考えてくれる優しさがあって……だからいつの間にか私もりょう君の様にどんな事があっても誰に対してでも優しい女性でありたいと思う様になりましたから……それに私はりょう君が目を覚ました時、どんな状態であっても、これからどんな事が起ころうとも私はりょう君の傍にいるんだって決めましたから……ただ、まさかりょう君の記憶から私が消えるとは思っていませんでしたのでショックだったというか……これからどうすればいいんだろうって不安になってしまって……」
「加奈子ちゃん……」
会話が途切れ少しの間、ロビーがシーンと静まりかえっている。横目で真保さんを見ると何か考え事をしている様に見えた。
「不思議なのよねぇ……」
真保さんが小さな声で呟く。
「え? 何が不思議なんですか?」
「亮二の記憶障害の状況が不思議だなぁって……だって、あの子の記憶は中学1年生の1学期くらいまでは残っているのよ。だから私を含めた家族や広美ちゃん家族、それに千夏ちゃん家族の記憶は残っているの。まぁ、亮二からすれば中学生のはずの私が突然、大人になって現れた感じがして驚いてはいたけどさ……」
そうなんだ。りょう君は中学1年の1学期までの記憶はあるんだ……なんか中途半端な時期までの記憶しかないんだなぁ……
ん? あれ? 私が初めてりょう君に出会ったのって、たしか……
「あっ!! 中学1年の1学期って……」
「だよね? 私が気付くくらいだから加奈子ちゃんも気付くよね? あなた達がエキサイトランドで初めて出会ったのって、前にお母さんから聞いたけど亮二が中学1年の夏休みで加奈子ちゃんが幼稚園児の時なんでしょ?」
「そうなんです!! だからあと1ヶ月だけでも長く記憶が残ってくれていれば私と出会った時の記憶も残っていたのに……何で神様はこんな意地悪をするのよって思ってしまいます」
「そうだね。加奈子ちゃんならそう思うよね? でも私は少し違う捉え方をしたというか……」
「え? ど、どんな捉え方をされたんですか?」
「逆におかしいと思わない? というか、こんな中途半端な時期で記憶が途切れるなんておかしいと思わない? 加奈子ちゃんと出会う1ヶ月前までの記憶しかないなんて絶対におかしいわ」
中途半端な時期だと私も思うし歯がゆい気持ちは凄くあるけど、こればかりは私にはどうにもできないし、仕方が無い事だとも思う自分もいる……
「ま、まぁ中途半端だとは私も思いますが……」
「でしょう? だから私、これには何か理由があるんじゃないかと思ったのよ」
「り、理由ですか?」
「そう、理由……前に私、加奈子ちゃんに『夢』の話をしたのを覚えてる?」
「夢? あの時ですか? りょう君の病室で真保さんと初めて会った日の……」
「そうよ。あの日、加奈子ちゃんにした話よ。私は夢の中で亮二と亡くなった亮一兄さんの会話をしている夢を見て、その会話の中に『試練』という言葉が出ていたって言ったよね?」
「は、はい……そう言ってました……だから私はりょう君が目覚めるまで、全てが私達が幸せになる為の試練なんだと思いながら一日も欠かさず、りょう君のお見舞いに行き語りかけたり、目を覚ました時に少しでも早くリハビリが始めれる様にと足や腕などをマッサージしたり、りょう君が目覚めた時に喜んでもらおうとりょう君が通った高校に行こうと必死で受験勉強も頑張っています……」
「そうだね。加奈子ちゃんの亮二に対する想いは私にも伝わっていたわ。そしておそらく亮二にも加奈子ちゃんの想いが伝わったから奇跡が起きて目を覚ましたんだと思うの。でも本当の試練はそこじゃない……もしかしたら亮二が加奈子ちゃんの記憶を無くしたまま目を覚ました事こそが本当の試練じゃないかなって思ったの……」
「本当の試練……」
「加奈子ちゃんは亮二があなたの記憶を無くしているからといって、このまま落ち込んで亮二の事は諦めちゃうの?」
「いえ、そんな事は……多分ないと思います……」
「多分なの?」
「いえ、絶対にないです!!」
「だったら落ち込んでいる場合じゃないよね? 明日からこの『最後の試練』にどう立ち向かって行くかを考えていかないと……」
そうだ。私は何を落ち込んでいるのだろう? もしかしたら、このまま目を覚ますことなく死んでしまう可能性もあったりょう君がこうして目を覚ましてくれたのよ。それだけでも感謝しかないわ。私の記憶が無いからといって落ち込んでいる場合じゃ無いし、このまま諦めることなんてあり得ない。
記憶が無くなっているりょう君に対して私ができる事はきっとあるはずだわ。
そして精一杯、りょう君の為に私が出来る事を頑張った結果……一から私の事を好きになってもらえれば……欲を言えば少しずつ記憶を取り戻してくれれば……
「真保さん、私、明日から、いえ、今から頑張ります!! だから今のりょう君の病状を詳しく教えていただけませんか?」
「加奈子ちゃん、良い顔に戻ったわ。うん、何でも教えるから私に任せてちょうだい」
「はい、よろしくお願いします!!」
こうして私の……いえ、私達の『本当の試練』が始まった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
二人の甘い夜は終わらない
藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい*
年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる