61 / 93
第6章 衝撃の事実編
第60話 一生、君を守る/亮二
しおりを挟む
「そ、そうだったんですね……驚きました……まさか俺の方が死んでいたなんて……何か亮一兄さんに申し訳ない気がします……」
「亮二君、泣いているのかい? 違う、違うんだよ!! 俺が言いたいのはそういう事では無いんだ。そりゃぁ、俺が『この世界』に来なければ亮一君は死ぬ事は無かったのではって思った事はあったけど、今はそういう思いは無いんだ。逆に俺としては『この世界』で生きる事を許された二人にどうしても幸せになってもらいたいと願っているんだ。特に亮二君は亮一君の分も幸せになる義務があると思うんだよ」
亮一兄さんの分まで幸せになる義務……
「そう言ってもらえると気持ちが楽になりますが……でもそうだったんですね? 隆おじさんが心配されている反動というのは……」
「その反動の結果の一つが君達二人なのは間違いないが、これは俺にとってはまだ気持ちが救われる方の良い反動なんだ。何と言っても君達は7年前に出会い、そして5年後に再会して今に至る訳だから……これって運命の糸で結ばれている証だと思う。もしこの世に前世というものがあるのならきっと二人はその前世でもお互いの事を……」
そうっかぁ。そういう考え方もできるんだよな。俺とカナちゃんは前世で結ばれていて隆おじさんのタームリープをきっかけに『この世界』で再び巡り合えたのかもしれない。いや、そう思うようにしよう。
「そうですね。何か理由があってカナちゃんは『この世界』で三田さん夫婦の娘として生まれ、生まれて直ぐに死ぬはずだった俺がこうして生きている……そんな二人が出会ったんですもんね? 隆おじさんのおっしゃる通り、俺とカナちゃんは前世で結ばれていたんだと思うようにします」
「うんうん、そう思いながらこれからも頑張って欲しい。そして亮二君には俺が香織を守っているのと同じくらいに加奈子ちゃんを一生守って欲しいんだ」
カナちゃんを一生守る……
「勿論、守りますけど隆おじさんの言い方はマジで何かから守る様な感じに聞こえますよね? あっ、それってもしかして……」
「そうだよ。さっきも言ったけど俺は『良い反動』ならまだしも『変化した未来に対しての悪い反動』を恐れているんだ。今、幸せだからといってこれからも幸せに暮らせる保証なんて無いんだ。だから俺は常に香織や家族を守る為に一生懸命生きている」
「幸せを守るって大変なんですね?」
「そりゃぁそうさ。俺に限らず世の中の人達は自然と幸せを守る為に必死に生きているんだよ。ただ俺はそれを強く意識しているだけさ」
「言われてみればそうですね。それでは俺もこれからは今の幸せを、カナちゃんを守る為に一生懸命生きようと思います」
「ふぅ、ようやく亮二君に笑顔がもどってホッとしたよ。俺はその事を言いたかったんだけど、かなり回りくどい話をして不安にさせてしまい申し訳無かったね?」
「そ、そんな事は無いですよ。俺は隆おじさんの話を聞けて本当に良かったと思っています。もっと詳しい話を聞きたいくらいですから。あっ、一つだけ質問してもいいですか?」
「ああ、どうぞ」
「隆おじさんは『前の世界』のいつの時代からタイムリープして来られたのですか? それと今の実際の年齢は何歳なんでしょうか?」
広美は15歳の時に6歳の自分にタームリープをして亡くなるまでに24年生きた事になる。次に広美として転生をしたから今年で20歳だから現在は……よ、43歳ってことになるんだよな? まぁ、俺の事を子供、良くても弟にしか思えなかった気持ちは今ならよく分かるんだよなぁ……
「うーん……実は自分の本当の年齢というか生きてきた年数を考えるとゾッとするから考えないようにしていたんだけどねぇ……俺は前の世界の令和2年3月に49歳でこの世界に6歳児としてタームリープしてきたんだよ。それで今は誕生日がくれば39歳だから……分かるよね? これ以上は恐ろし過ぎて計算したくないなぁ……早い話が生きて来た年数だけで言えば俺はとっくに老人なんだよ……」
「れいわ2年? それって元号ですか?」
「ああ、元号だよ。あと10年もすれば平成から令和に変わるんだよ」
「そ、そうなんですか!? それは驚きました」
「驚きついでにこれはサービスとして教えておこうかな。実は今使っている携帯電話よりももっと凄い機能がついた携帯電話が再来年あたりに発売されるから楽しみにしておくといいよ」
「携帯電話よりも凄い携帯電話ですか? よく分かりませんが楽しみにしておきます」
「それとさ……うーん、これは直接、亮二君達に関係あるかどうかは分からないけども……実はあと数年もすれば、あのエキサイトランド跡地にステップスターと同じくらい大きい観覧車ができるんだよ。名前は『ジャンプスター』、まぁベタな名前だけどね。そしてその横には1年遅れで大型水族館もできるんだよ」
「えーっ、そ、そうなんですねか? カナちゃんと一緒に行ける所が増えるんでそれは凄く嬉しい情報です!!」
「喜んでくれて嬉しいよ。ちなみに『前の世界』よりも2年程早く完成するみたいだから、これが『良い方の反動』だと良いのになぁと思っているんだけどね」
「でも不思議ですね? ジャンプスターができる事を隆おじさんが知っているのは当然でしょうけど、何故『前の世界』よりも2年早く完成するって事を知っているのですか? まだニュースで発表されていない情報なのに……」
「おっ!! 亮二君、君は結構鋭い子だね? そう、普通は誰も知らないよね? 実はさ、うちの会社でジャンプスターや水族館建設に使われる部品の一部を製作する事になっているんだ。だから一般の人達より情報が早いんだよ。でもこれは極秘情報だから今はまだ誰にも言わないでくれないかな?」
「ハハハ、そうなんですね。分かりました、誰にも言いません。そう言えば隆おじさんの会社って昔は普通の鉄工所だったらしいですけど今は電気設備や精密機器も扱っている会社でしたよね? そんな大きなプロジェクトも携わっているって凄いなぁ……」
「いやいや、ただの小さな町工場だよ」
「でも前に父さんから聞きましたよ。隆おじさんの会社は青葉市で一番大きな工場だと言われている橋本金属青葉工場の得意先の一つだって……それって凄すぎるでしょ?」
「ハハハ、凄くは無いさ。橋本金属青葉工場は金属素材を製作している工場だから、うちがそこの素材を購入しているだけだし……その工場には俺の弟が働いているから取引しやすかったっていうのもあるんだよ」
「えっ? ということは隆おじさんが『前の世界』でリストラにあった会社って……」
「うん、そうだよ。俺がリストラにあった会社が橋本金属青葉工場だったんだ」
そうだったのかぁ……でも、そのリストラされた会社の得意先に今はなっているんだから『この世界』の隆おじさんは人生の勝ち組だよなぁ……俺もこれから頑張らないと……
「あ、あのぉ……」
「何だい?」
「無理なら諦めますが、俺が大学を卒業したら隆おじさんの会社で働かせていただけないでしょうか?」
「えっ、うちの会社なんかでいいのかい? 俺としては亮二君が来てくれるのならとても嬉しいけど亮二君は大卒になるんだからうちの会社よりももっと良い会社に就職できると思うんだが……」
「いえ、俺は隆おじさんの会社で働きたいんです!! お願いします、おじさん!!」
「ハハハ、分かったよ。卒業したら是非、うちに来てくれ。くれぐれも留年だけはしないでくれよ? ハハハ……」
「分かりました!! ちゃんと卒業できるように頑張ります。よろしくお願いします!!」
こうして俺達は話を終え、帰宅するのだった。
まさかあんな話を聞くとは思わなかったなぁ……でも広美から話を聞いた後と同じで俺の心はスッキリした気がする。それに就職先も決まったし、これは一石二鳥って感じだな。そうだ。就職先が決まった事だけでもカナちゃんに連絡しよう。
「あ、もしもしカナちゃん!?」
「りょう君、こんばんは。今日はどうしたの? なんだか声がとても嬉しそうなんだけど」
「ハハハ、さすがカナちゃん、よく俺が嬉しそうだって分かったね?」
「そりゃぁ分かるよぉ。だって大好きな人の声だもん」
うっ、可愛すぎるぞ……
「じ、実は俺さ、ついさっき就職先が決まってさ……」
「え、そうなの? それは良かったね? おめでとう、りょう君。これは近々、お祝いデートに行かなくちゃいけないわねぇ? フフフ……」
「お祝いデートかぁ……それは良いアイデアだね」
うーん、ジャンプスターや水族館がもっと早く完成してくれればいいのにさぁ……そうだ。カナちゃんが18歳になったらジャンプスターのゴンドラの中で正式にプロポーズをするってのも良いかもしれないぞ。
それまでは、いや一生俺は……カナちゃんを絶対に守ると心に誓った。
「亮二君、泣いているのかい? 違う、違うんだよ!! 俺が言いたいのはそういう事では無いんだ。そりゃぁ、俺が『この世界』に来なければ亮一君は死ぬ事は無かったのではって思った事はあったけど、今はそういう思いは無いんだ。逆に俺としては『この世界』で生きる事を許された二人にどうしても幸せになってもらいたいと願っているんだ。特に亮二君は亮一君の分も幸せになる義務があると思うんだよ」
亮一兄さんの分まで幸せになる義務……
「そう言ってもらえると気持ちが楽になりますが……でもそうだったんですね? 隆おじさんが心配されている反動というのは……」
「その反動の結果の一つが君達二人なのは間違いないが、これは俺にとってはまだ気持ちが救われる方の良い反動なんだ。何と言っても君達は7年前に出会い、そして5年後に再会して今に至る訳だから……これって運命の糸で結ばれている証だと思う。もしこの世に前世というものがあるのならきっと二人はその前世でもお互いの事を……」
そうっかぁ。そういう考え方もできるんだよな。俺とカナちゃんは前世で結ばれていて隆おじさんのタームリープをきっかけに『この世界』で再び巡り合えたのかもしれない。いや、そう思うようにしよう。
「そうですね。何か理由があってカナちゃんは『この世界』で三田さん夫婦の娘として生まれ、生まれて直ぐに死ぬはずだった俺がこうして生きている……そんな二人が出会ったんですもんね? 隆おじさんのおっしゃる通り、俺とカナちゃんは前世で結ばれていたんだと思うようにします」
「うんうん、そう思いながらこれからも頑張って欲しい。そして亮二君には俺が香織を守っているのと同じくらいに加奈子ちゃんを一生守って欲しいんだ」
カナちゃんを一生守る……
「勿論、守りますけど隆おじさんの言い方はマジで何かから守る様な感じに聞こえますよね? あっ、それってもしかして……」
「そうだよ。さっきも言ったけど俺は『良い反動』ならまだしも『変化した未来に対しての悪い反動』を恐れているんだ。今、幸せだからといってこれからも幸せに暮らせる保証なんて無いんだ。だから俺は常に香織や家族を守る為に一生懸命生きている」
「幸せを守るって大変なんですね?」
「そりゃぁそうさ。俺に限らず世の中の人達は自然と幸せを守る為に必死に生きているんだよ。ただ俺はそれを強く意識しているだけさ」
「言われてみればそうですね。それでは俺もこれからは今の幸せを、カナちゃんを守る為に一生懸命生きようと思います」
「ふぅ、ようやく亮二君に笑顔がもどってホッとしたよ。俺はその事を言いたかったんだけど、かなり回りくどい話をして不安にさせてしまい申し訳無かったね?」
「そ、そんな事は無いですよ。俺は隆おじさんの話を聞けて本当に良かったと思っています。もっと詳しい話を聞きたいくらいですから。あっ、一つだけ質問してもいいですか?」
「ああ、どうぞ」
「隆おじさんは『前の世界』のいつの時代からタイムリープして来られたのですか? それと今の実際の年齢は何歳なんでしょうか?」
広美は15歳の時に6歳の自分にタームリープをして亡くなるまでに24年生きた事になる。次に広美として転生をしたから今年で20歳だから現在は……よ、43歳ってことになるんだよな? まぁ、俺の事を子供、良くても弟にしか思えなかった気持ちは今ならよく分かるんだよなぁ……
「うーん……実は自分の本当の年齢というか生きてきた年数を考えるとゾッとするから考えないようにしていたんだけどねぇ……俺は前の世界の令和2年3月に49歳でこの世界に6歳児としてタームリープしてきたんだよ。それで今は誕生日がくれば39歳だから……分かるよね? これ以上は恐ろし過ぎて計算したくないなぁ……早い話が生きて来た年数だけで言えば俺はとっくに老人なんだよ……」
「れいわ2年? それって元号ですか?」
「ああ、元号だよ。あと10年もすれば平成から令和に変わるんだよ」
「そ、そうなんですか!? それは驚きました」
「驚きついでにこれはサービスとして教えておこうかな。実は今使っている携帯電話よりももっと凄い機能がついた携帯電話が再来年あたりに発売されるから楽しみにしておくといいよ」
「携帯電話よりも凄い携帯電話ですか? よく分かりませんが楽しみにしておきます」
「それとさ……うーん、これは直接、亮二君達に関係あるかどうかは分からないけども……実はあと数年もすれば、あのエキサイトランド跡地にステップスターと同じくらい大きい観覧車ができるんだよ。名前は『ジャンプスター』、まぁベタな名前だけどね。そしてその横には1年遅れで大型水族館もできるんだよ」
「えーっ、そ、そうなんですねか? カナちゃんと一緒に行ける所が増えるんでそれは凄く嬉しい情報です!!」
「喜んでくれて嬉しいよ。ちなみに『前の世界』よりも2年程早く完成するみたいだから、これが『良い方の反動』だと良いのになぁと思っているんだけどね」
「でも不思議ですね? ジャンプスターができる事を隆おじさんが知っているのは当然でしょうけど、何故『前の世界』よりも2年早く完成するって事を知っているのですか? まだニュースで発表されていない情報なのに……」
「おっ!! 亮二君、君は結構鋭い子だね? そう、普通は誰も知らないよね? 実はさ、うちの会社でジャンプスターや水族館建設に使われる部品の一部を製作する事になっているんだ。だから一般の人達より情報が早いんだよ。でもこれは極秘情報だから今はまだ誰にも言わないでくれないかな?」
「ハハハ、そうなんですね。分かりました、誰にも言いません。そう言えば隆おじさんの会社って昔は普通の鉄工所だったらしいですけど今は電気設備や精密機器も扱っている会社でしたよね? そんな大きなプロジェクトも携わっているって凄いなぁ……」
「いやいや、ただの小さな町工場だよ」
「でも前に父さんから聞きましたよ。隆おじさんの会社は青葉市で一番大きな工場だと言われている橋本金属青葉工場の得意先の一つだって……それって凄すぎるでしょ?」
「ハハハ、凄くは無いさ。橋本金属青葉工場は金属素材を製作している工場だから、うちがそこの素材を購入しているだけだし……その工場には俺の弟が働いているから取引しやすかったっていうのもあるんだよ」
「えっ? ということは隆おじさんが『前の世界』でリストラにあった会社って……」
「うん、そうだよ。俺がリストラにあった会社が橋本金属青葉工場だったんだ」
そうだったのかぁ……でも、そのリストラされた会社の得意先に今はなっているんだから『この世界』の隆おじさんは人生の勝ち組だよなぁ……俺もこれから頑張らないと……
「あ、あのぉ……」
「何だい?」
「無理なら諦めますが、俺が大学を卒業したら隆おじさんの会社で働かせていただけないでしょうか?」
「えっ、うちの会社なんかでいいのかい? 俺としては亮二君が来てくれるのならとても嬉しいけど亮二君は大卒になるんだからうちの会社よりももっと良い会社に就職できると思うんだが……」
「いえ、俺は隆おじさんの会社で働きたいんです!! お願いします、おじさん!!」
「ハハハ、分かったよ。卒業したら是非、うちに来てくれ。くれぐれも留年だけはしないでくれよ? ハハハ……」
「分かりました!! ちゃんと卒業できるように頑張ります。よろしくお願いします!!」
こうして俺達は話を終え、帰宅するのだった。
まさかあんな話を聞くとは思わなかったなぁ……でも広美から話を聞いた後と同じで俺の心はスッキリした気がする。それに就職先も決まったし、これは一石二鳥って感じだな。そうだ。就職先が決まった事だけでもカナちゃんに連絡しよう。
「あ、もしもしカナちゃん!?」
「りょう君、こんばんは。今日はどうしたの? なんだか声がとても嬉しそうなんだけど」
「ハハハ、さすがカナちゃん、よく俺が嬉しそうだって分かったね?」
「そりゃぁ分かるよぉ。だって大好きな人の声だもん」
うっ、可愛すぎるぞ……
「じ、実は俺さ、ついさっき就職先が決まってさ……」
「え、そうなの? それは良かったね? おめでとう、りょう君。これは近々、お祝いデートに行かなくちゃいけないわねぇ? フフフ……」
「お祝いデートかぁ……それは良いアイデアだね」
うーん、ジャンプスターや水族館がもっと早く完成してくれればいいのにさぁ……そうだ。カナちゃんが18歳になったらジャンプスターのゴンドラの中で正式にプロポーズをするってのも良いかもしれないぞ。
それまでは、いや一生俺は……カナちゃんを絶対に守ると心に誓った。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説

両親や妹に我慢を強いられ、心が疲弊しきっていましたが、前世で結ばれることが叶わなかった運命の人にやっと巡り会えたので幸せです
珠宮さくら
恋愛
ジスカールという国で、雑草の中の雑草と呼ばれる花が咲いていた。その国でしか咲くことがない花として有名だが、他国の者たちはその花を世界で一番美しい花と呼んでいた。それすらジスカールの多くの者は馬鹿にし続けていた。
その花にまつわる話がまことしやかに囁かれるようになったが、その真実を知っている者は殆どいなかった。
そんな花に囲まれながら、家族に冷遇されて育った女の子がいた。彼女の名前はリュシエンヌ・エヴル。伯爵家に生まれながらも、妹のわがままに振り回され、そんな妹ばかりを甘やかす両親。更には、婚約者や周りに誤解され、勘違いされ、味方になってくれる人が側にいなくなってしまったことで、散々な目にあい続けて心が壊れてしまう。
その頃には、花のことも、自分の好きな色も、何もかも思い出せなくなってしまっていたが、それに気づいた時には、リュシエンヌは養子先にいた。
そこからリュシエンヌの運命が大きく回り出すことになるとは、本人は思ってもみなかった。


悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。


婚約者の様子がおかしいので尾行したら、隠し妻と子供がいました
Kouei
恋愛
婚約者の様子がおかしい…
ご両親が事故で亡くなったばかりだと分かっているけれど…何かがおかしいわ。
忌明けを過ぎて…もう2か月近く会っていないし。
だから私は婚約者を尾行した。
するとそこで目にしたのは、婚約者そっくりの小さな男の子と美しい女性と一緒にいる彼の姿だった。
まさかっ 隠し妻と子供がいたなんて!!!
※誤字脱字報告ありがとうございます。
※この作品は、他サイトにも投稿しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる