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第4章 成長編
第42話 大人への扉/亮二・加奈子
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俺はカナちゃんの件を立花部長に相談した。
「ふーん、そうなんだぁ……演劇部を2日でねぇ……それでうちのお手伝いをさせて欲しいと……オッケーいいわよ。人手が多い方が助かるし、その子が元気になる為のお役に立てるならこれもまたボランティア部らしいしね」
「あ、ありがとうございます!!」
さすが心が広い立花部長だ。俺も見習わないと……
「ただ一つだけ条件があるわ」
「えっ、条件ですか……?」
「ええ、そうよ。その子がボランティア部のお手伝いをする為の条件よ」
条件って何だ? なんか立花部長の表情が怪しいんだが……
「条件を言ってもらえますか? 俺に出来る事なら何でもしますが……」
「フフフ、私の出す条件は鎌田君なら簡単に果たせるわ。つまりね、次のボランティア部の部長を鎌田君がやってくれるのなら、その子にボランティア部のお手伝いをやってもらっても構わないわ。どうかな? この条件を鎌田君は飲めるのかなぁ? フフフ……」
「えーっ!? お、俺がボランティア部の部長ですか!?」
「うん、そうよ。いずれは鎌田君にお願いするつもりだったけど、その子のお陰でお願いしやすくなったわ」
お、お願いというよりもこれは脅迫じゃないのか? でも立花部長からは全然、悪意を感じはしないけど……
「お、俺みたいなのが部長なんて務まるでしょうか?」
「はぁ……何で鎌田君はいつも自分いに自信なさげなのかなぁ? 最近、少し自分に自信がついた感が見えてきていたから安心していたのにさぁ……」
いや、その自信は違う自信といいますか……ってか、俺は立花部長にそう思わせてしまうくらいに態度に出ていたのか!? なんて童貞卒業って恐ろしいんだ……
いずれにしても立花部長の条件を拒めないのは間違いない様だ。
「わ、分かりました。立花部長の期待に添える部長になれるかどうかは微妙ですけど、その条件飲ませて頂きます……」
「やったー、嬉しわ。これで私も安心して就活にのぞめるってものだわ。でもまぁ、鎌田君が部長になるのはもう少し先のことだから、この話はしばらくの間、二人だけの秘密にしておきましょうね?」
「は、はい……」
こうして俺はカナちゃんのお願いを利く為に次期部長が確定しまうのだった。
その夜、俺は早速、カナちゃんにオッケーをもらえたというメールをする。
直ぐにカナちゃんから「嬉しい!! りょう君、ありがとう♡」という返信が届いた。まぁ、カナちゃんが喜んでくれるのなら部長就任なんて安いものだよなと何度も何度も自分に言い聞かせながら、ぬいぐるみの『カナちゃん』をずっと眺めていた。
――――――――――――――――――――――――
りょう君からボランティアのお手伝いをさせてもらってもいいとのメールが来て私は嬉しくてぬいぐるみの『りょう君』を抱き締めながら飛び跳ねていた。
お母さんに「うるさい!!」と叱られたのは言うまでも無いけど、そんな事は気にせずに今度は『りょう君』を抱きしめながらベッドの上をゴロゴロしていたら、再度、りょう君からメールが届く。
『カナちゃん、ゴメン。一つ大事な事を言い忘れていたよ。七夕祭りでのボランティアの打ち合わせは6月の半ばくらいから行うので、その時には毎週土曜日に打ち合わせをするから、うちの大学に来てその打ち合わせにカナちゃんも参加して欲しいんだけど大丈夫かな?』
私はそのメールを読んで更にテンションが上がる。
やったーっ!! りょう君が通っている大学に行けるんだ。
『うん、私は毎日暇しているから大丈夫だよ(笑)』
ピロロン
『ハハハ……それは良かった。それじゃぁ日が近づいてきたらまた連絡するからね?』
あっ、そうだ。忘れるところだった。もうすぐりょう君の20歳の誕生日だったわ。ああ、プレゼント何にしようかしら……それもだけど、プレゼントをりょう君に渡す日を決めないといけないわね。メールで聞いてみよう。
『りょう君、また連絡よろしくね~? それと、もうすぐりょう君の誕生日だよね? プレゼントを渡したいんだけど、今度いつ会えるかな? もし忙しいのならりょう君がアルバイトの日に『焼き鳥やまだ』に持って行っても構わないかな?』
ピロロン
『えっ? 誕生日プレゼントをくれるのかい? それは嬉しいなぁ。でも無理はしないでよ? カナちゃんはまだ中学生でお小遣いにも限りがあるだろうし、気持ちだけで嬉しいからさ。それと俺は誕生日までは何かと忙しいから『焼き鳥やまだ』に顔を出してくれた方がいいかもしれないなぁ……でも夜だから無理だったらいつでもいいからね。絶対に無理はしないでよ?』
ほんと、りょう君って優しい人だよなぁ……どんどん、どんどん、りょう君の事が好きになってしまう……はぁ、7歳の差が憎くて仕方が無い……早く大人になれる薬があればいいのになぁ……
4月19日(日)今日は久しぶりに桜ちゃんと会う日……
「桜ちゃん、いらっしゃーい」
「お邪魔しまーす」
久しぶりに見る桜ちゃんが何だか大人っぽく感じてしまう私。でも逆に桜ちゃんから……
「加奈子ちゃん、中学生になってまだそんなに日は経っていないけど、なんだか大人っぽくなったんじゃない?」
「えっ、私が? いやいや、桜ちゃんの方がとても大人っぽくなったわよ。やっぱり私立の中学に行くとそうなるのかなぁ?」
「フフフ、そんな事は無いよぉ。私は加奈子ちゃんの方が大人っぽくなった気がするし……もしかして、あの『りょう君』っていう人と進展があったのかなぁって思っちゃったもん」
「えっ!? りょ、りょう君と進展ですって!? いや、それは無いわよぉ。私は中学生でりょう君は大学生だし……もし何かあればりょう君に迷惑がかかってしまうしさ……でも、この前、久しぶりにデートには行ったけどね。ただ、りょう君は私とデートをしたという感覚があったのかどうかは分からないけど……」
「へぇ、そうなんだぁ……加奈子ちゃん、とても美人だから、きっとその『りょう君』は意識していると思うけどなぁ……絶対にデートだと思っているわよぉ」
「そ、そうだと嬉しいけどなぁ……あ、それはそうと、桜ちゃんと翔太はどうなのよ? 仲良くやっているのかな?」
「うん、お陰様で仲良くしているよ。ただ、心配していた通り、翔太君は女子から凄く人気があって何人もの女子から告白されたみたいで……勿論、全て断ってくれているけど、もし私なんかが太刀打ちできないような素敵な人が翔太君に告白してきたらと思うと不安で不安で……」
そっかぁ……翔太は中学でもモテるんだ……しかし、翔太のどこが良いんだろう? 私からすれば顔が良いだけだと思うのだけど……でもまぁ、あの荻野部長よりはマシかもしれないわね。あの男は本当に顔だけだったし……
「大丈夫よ。翔太はああ見えて好きな子に対しては一途な奴だから。桜ちゃんを裏切る様なことは絶対にしないわよ。幼馴染の私が保証するわ」
「・・・・・・」
あれ? 桜ちゃんが何も返事をしてくれないけど、どうしたのかな?
すると桜ちゃんは小声でこう呟いた。
「好きな子に対しては一途かぁ……」
えっ?
「桜ちゃん、どうしたの? 大丈夫?」
「え? うん、大丈夫だよ。それでね、さっき私の事を大人っぽくなったって言ってくれたけど、そう見える理由が無いわけでもないんだぁ……」
「えっ、そうなの?」
「うん……私ね、中学生になって直ぐにね……翔太君とキスしたの……それからは毎日、キスしているんだぁ……」
「キ、キス!? それも毎日って……それは凄い、そりゃぁ桜ちゃんが大人っぽくなった様に見えるのも当然だわ!!」
毎日キスなんてしていたら、二人はいずれ……
「ハハハ、そうなのかな? じゃぁ、加奈子ちゃんが大人っぽく見えるのもあの人と……」
「えっ!? いっ、いや、無い無い!! それは無いわ!!」
りょう君とキスしたけどね……それも私から無理矢理……
「本当にぃ? なんだか怪しいなぁ……」
「全然、怪しく無いから!! 本当よ!!」
桜ちゃん、嘘ついてゴメンね……
「加奈子ちゃん……だからね、いくら翔太君が加奈子ちゃんの幼馴染だとしても翔太君は私のモノだからね……?」
えっ!? 何で桜ちゃんがそんな事を……
「あ、当たり前じゃない。翔太は桜ちゃんの彼氏なんだし、私は何も関係無いし……翔太が何か言ったの?」
「ううん、何も言ってないよ。ただ、私が加奈子ちゃんに言いたかっただけだよ……ただそれだけ……」
私は桜ちゃんが翔太の事で何か知っているのかと思い、内心ヒヤヒヤしたけど、そうではないということなのでホッとするのだった。
――――――――――――――――――――――――
4月30日、遂に俺は20歳になった。
まだまだ未熟だけど、とりあえずは大人の仲間入りだ。
そしてこの日は……
チーン
亮一兄さん……俺、20歳になったよ。
兄さんの分も精一杯生きるから、どうかこれからも俺の事を見守ってください。
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
これで第4章は終わりです。
次回から始まる第5章も何卒よろしくお願い致します。
(尚、第5章前に一度、登場人物一覧をおおくりする予定ですので参考にしていただけると嬉しいです)
「ふーん、そうなんだぁ……演劇部を2日でねぇ……それでうちのお手伝いをさせて欲しいと……オッケーいいわよ。人手が多い方が助かるし、その子が元気になる為のお役に立てるならこれもまたボランティア部らしいしね」
「あ、ありがとうございます!!」
さすが心が広い立花部長だ。俺も見習わないと……
「ただ一つだけ条件があるわ」
「えっ、条件ですか……?」
「ええ、そうよ。その子がボランティア部のお手伝いをする為の条件よ」
条件って何だ? なんか立花部長の表情が怪しいんだが……
「条件を言ってもらえますか? 俺に出来る事なら何でもしますが……」
「フフフ、私の出す条件は鎌田君なら簡単に果たせるわ。つまりね、次のボランティア部の部長を鎌田君がやってくれるのなら、その子にボランティア部のお手伝いをやってもらっても構わないわ。どうかな? この条件を鎌田君は飲めるのかなぁ? フフフ……」
「えーっ!? お、俺がボランティア部の部長ですか!?」
「うん、そうよ。いずれは鎌田君にお願いするつもりだったけど、その子のお陰でお願いしやすくなったわ」
お、お願いというよりもこれは脅迫じゃないのか? でも立花部長からは全然、悪意を感じはしないけど……
「お、俺みたいなのが部長なんて務まるでしょうか?」
「はぁ……何で鎌田君はいつも自分いに自信なさげなのかなぁ? 最近、少し自分に自信がついた感が見えてきていたから安心していたのにさぁ……」
いや、その自信は違う自信といいますか……ってか、俺は立花部長にそう思わせてしまうくらいに態度に出ていたのか!? なんて童貞卒業って恐ろしいんだ……
いずれにしても立花部長の条件を拒めないのは間違いない様だ。
「わ、分かりました。立花部長の期待に添える部長になれるかどうかは微妙ですけど、その条件飲ませて頂きます……」
「やったー、嬉しわ。これで私も安心して就活にのぞめるってものだわ。でもまぁ、鎌田君が部長になるのはもう少し先のことだから、この話はしばらくの間、二人だけの秘密にしておきましょうね?」
「は、はい……」
こうして俺はカナちゃんのお願いを利く為に次期部長が確定しまうのだった。
その夜、俺は早速、カナちゃんにオッケーをもらえたというメールをする。
直ぐにカナちゃんから「嬉しい!! りょう君、ありがとう♡」という返信が届いた。まぁ、カナちゃんが喜んでくれるのなら部長就任なんて安いものだよなと何度も何度も自分に言い聞かせながら、ぬいぐるみの『カナちゃん』をずっと眺めていた。
――――――――――――――――――――――――
りょう君からボランティアのお手伝いをさせてもらってもいいとのメールが来て私は嬉しくてぬいぐるみの『りょう君』を抱き締めながら飛び跳ねていた。
お母さんに「うるさい!!」と叱られたのは言うまでも無いけど、そんな事は気にせずに今度は『りょう君』を抱きしめながらベッドの上をゴロゴロしていたら、再度、りょう君からメールが届く。
『カナちゃん、ゴメン。一つ大事な事を言い忘れていたよ。七夕祭りでのボランティアの打ち合わせは6月の半ばくらいから行うので、その時には毎週土曜日に打ち合わせをするから、うちの大学に来てその打ち合わせにカナちゃんも参加して欲しいんだけど大丈夫かな?』
私はそのメールを読んで更にテンションが上がる。
やったーっ!! りょう君が通っている大学に行けるんだ。
『うん、私は毎日暇しているから大丈夫だよ(笑)』
ピロロン
『ハハハ……それは良かった。それじゃぁ日が近づいてきたらまた連絡するからね?』
あっ、そうだ。忘れるところだった。もうすぐりょう君の20歳の誕生日だったわ。ああ、プレゼント何にしようかしら……それもだけど、プレゼントをりょう君に渡す日を決めないといけないわね。メールで聞いてみよう。
『りょう君、また連絡よろしくね~? それと、もうすぐりょう君の誕生日だよね? プレゼントを渡したいんだけど、今度いつ会えるかな? もし忙しいのならりょう君がアルバイトの日に『焼き鳥やまだ』に持って行っても構わないかな?』
ピロロン
『えっ? 誕生日プレゼントをくれるのかい? それは嬉しいなぁ。でも無理はしないでよ? カナちゃんはまだ中学生でお小遣いにも限りがあるだろうし、気持ちだけで嬉しいからさ。それと俺は誕生日までは何かと忙しいから『焼き鳥やまだ』に顔を出してくれた方がいいかもしれないなぁ……でも夜だから無理だったらいつでもいいからね。絶対に無理はしないでよ?』
ほんと、りょう君って優しい人だよなぁ……どんどん、どんどん、りょう君の事が好きになってしまう……はぁ、7歳の差が憎くて仕方が無い……早く大人になれる薬があればいいのになぁ……
4月19日(日)今日は久しぶりに桜ちゃんと会う日……
「桜ちゃん、いらっしゃーい」
「お邪魔しまーす」
久しぶりに見る桜ちゃんが何だか大人っぽく感じてしまう私。でも逆に桜ちゃんから……
「加奈子ちゃん、中学生になってまだそんなに日は経っていないけど、なんだか大人っぽくなったんじゃない?」
「えっ、私が? いやいや、桜ちゃんの方がとても大人っぽくなったわよ。やっぱり私立の中学に行くとそうなるのかなぁ?」
「フフフ、そんな事は無いよぉ。私は加奈子ちゃんの方が大人っぽくなった気がするし……もしかして、あの『りょう君』っていう人と進展があったのかなぁって思っちゃったもん」
「えっ!? りょ、りょう君と進展ですって!? いや、それは無いわよぉ。私は中学生でりょう君は大学生だし……もし何かあればりょう君に迷惑がかかってしまうしさ……でも、この前、久しぶりにデートには行ったけどね。ただ、りょう君は私とデートをしたという感覚があったのかどうかは分からないけど……」
「へぇ、そうなんだぁ……加奈子ちゃん、とても美人だから、きっとその『りょう君』は意識していると思うけどなぁ……絶対にデートだと思っているわよぉ」
「そ、そうだと嬉しいけどなぁ……あ、それはそうと、桜ちゃんと翔太はどうなのよ? 仲良くやっているのかな?」
「うん、お陰様で仲良くしているよ。ただ、心配していた通り、翔太君は女子から凄く人気があって何人もの女子から告白されたみたいで……勿論、全て断ってくれているけど、もし私なんかが太刀打ちできないような素敵な人が翔太君に告白してきたらと思うと不安で不安で……」
そっかぁ……翔太は中学でもモテるんだ……しかし、翔太のどこが良いんだろう? 私からすれば顔が良いだけだと思うのだけど……でもまぁ、あの荻野部長よりはマシかもしれないわね。あの男は本当に顔だけだったし……
「大丈夫よ。翔太はああ見えて好きな子に対しては一途な奴だから。桜ちゃんを裏切る様なことは絶対にしないわよ。幼馴染の私が保証するわ」
「・・・・・・」
あれ? 桜ちゃんが何も返事をしてくれないけど、どうしたのかな?
すると桜ちゃんは小声でこう呟いた。
「好きな子に対しては一途かぁ……」
えっ?
「桜ちゃん、どうしたの? 大丈夫?」
「え? うん、大丈夫だよ。それでね、さっき私の事を大人っぽくなったって言ってくれたけど、そう見える理由が無いわけでもないんだぁ……」
「えっ、そうなの?」
「うん……私ね、中学生になって直ぐにね……翔太君とキスしたの……それからは毎日、キスしているんだぁ……」
「キ、キス!? それも毎日って……それは凄い、そりゃぁ桜ちゃんが大人っぽくなった様に見えるのも当然だわ!!」
毎日キスなんてしていたら、二人はいずれ……
「ハハハ、そうなのかな? じゃぁ、加奈子ちゃんが大人っぽく見えるのもあの人と……」
「えっ!? いっ、いや、無い無い!! それは無いわ!!」
りょう君とキスしたけどね……それも私から無理矢理……
「本当にぃ? なんだか怪しいなぁ……」
「全然、怪しく無いから!! 本当よ!!」
桜ちゃん、嘘ついてゴメンね……
「加奈子ちゃん……だからね、いくら翔太君が加奈子ちゃんの幼馴染だとしても翔太君は私のモノだからね……?」
えっ!? 何で桜ちゃんがそんな事を……
「あ、当たり前じゃない。翔太は桜ちゃんの彼氏なんだし、私は何も関係無いし……翔太が何か言ったの?」
「ううん、何も言ってないよ。ただ、私が加奈子ちゃんに言いたかっただけだよ……ただそれだけ……」
私は桜ちゃんが翔太の事で何か知っているのかと思い、内心ヒヤヒヤしたけど、そうではないということなのでホッとするのだった。
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4月30日、遂に俺は20歳になった。
まだまだ未熟だけど、とりあえずは大人の仲間入りだ。
そしてこの日は……
チーン
亮一兄さん……俺、20歳になったよ。
兄さんの分も精一杯生きるから、どうかこれからも俺の事を見守ってください。
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
これで第4章は終わりです。
次回から始まる第5章も何卒よろしくお願い致します。
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