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第21話 エルフ、危機一髪!
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しばらくして店員に助けられた俺たちは、店員にお礼を言ってから店を後にした。
因みにだが、俺が来ていた衣装はもうワンサイズ大きいものが在庫にあったということで、それに着替え直しつつ、ボタンが取れてしまったほうも購入させていただいた。
でも、これはこれで使い道があるとのこと。そう未玖が言っていた。俺には分からないが。
「それにしてもいい買い物したわねー!」
「うん、えーくんすごく可愛くなった!!」
「いや、男の俺としては可愛いは褒め言葉じゃないんだが……」
俺は捨てるようにセリフを吐いた。
俺が可愛いことは分かっているつもりだが、正面から言われるとな。カッコいいとかだったら受け止められるんだが。
そんな愚痴を吐いていると、俺の視界には微笑みながら近づいてくる姉さんが見えた。一瞬で分かる。さっきもあったし。これは本当にやばいやつじゃん!
「えーくんは女の子だよ。ね、未玖?」
「えっ!?私!?」
「ね、未玖?」
「は、はい!そう思います!!」
いきなり話を振られた未玖も最初は戸惑っていたが、この状態である姉さんに逆らったらどうなるか知っていたため、咄嗟に返事を返した。
「ね?未玖もそう言ってるよ?」
「その怖い顔やめて欲しいんですけど!?」
「えーくんが女の子だってーーーー」
「あぁあーー!!もう分かったよ!俺、私は女の子です!!可愛いと言われて嬉しかったです!!だから姉さん、いつもの優しくて可愛い顔に戻ってくれ!!」
「ふえっ!?」
姉さんはいきなり顔を真っ赤にさせ、そんな顔を手で押さえて後ろを向いてしまった。そして独り言の内容までは聞き取れないが、ブツブツと何か呟いている。
やばい、これはガチで怒らせちまったか?
そんな風にあたふたしているエルだったが、詩織は怒っているわけではなかった。寧ろ逆。
「わ、私が可愛いだって、えへへっ」
こんな感じでずっとにやけているだけであった。そんな詩織にエルは恐る恐る話しかけた。
「あ、あの姉さん?」
「はい!!なんでしょう!?私は何でもないよ!?」
「えっ、そうなのか?あー、えっと、何だか分からないけど、じゃあ、もう怒ってないでいいのか?」
「うん!もう怒ってないです!!むしろピンピンだよ!!ほらっ!」
「は、はぁ……」
いきなり態度が逆転した詩織に戸惑っているエルだったが、その縁側で「ちょっと悔しいけど、これは有効活用出来そうね」と冷静にエルと詩織の状況を分析する未玖を見て、戸惑いは薄れて逆に呆れてしまった。
元からこの二人を完璧に理解しようとしていた俺が馬鹿だったのか。そう思うことした。
しかし、これだけでは終わらなかった。
こんなに大騒ぎしていれば周りの人たちには必ず目につくものだ。それは俺たちの騒動も同様だった。しかも俺も含めて(ナルシストでは無いからな!世間的にだからな!!)三人ともレベルの高い美少女だ。ならば尚更だ。
俺たちが周りに気づいた頃には、周りの人たちはスマホを構えて動画を撮るなり写真を撮るなりしてカオスな状態だった。いや、俺たちのやり取りも結構カオスではあったんだけども!!
「撮影や写真はやめてください!!撮ったものも消してください!!これ以上は訴えます!!」
姉さんと未玖はそんな周りの人たち、いや野次馬たちにそう呼びかけた。しかし、それで諦めてくれる人もいるものの、その他の方が大勢いた。
そしてついには俺の存在に気づいた人もいた。
「あ、あれってトゥイッターであげてたエルフの女の子じゃね?」
面白いことに人間は連鎖するもの。それを聞くと野次馬はさらに増えていき、酷いことに俺の帽子を取ろうとしてくる輩も出てきた。
「ひゃっ!?」
「よっしゃぁあーー!!帽子取ったりーー!!」
そしてついには、誰かが俺が被っていた帽子を一瞬で剥ぎ取った。それをされてしまえば、俺の耳を隠すものは無くなってしまう。それが今だ。
俺は恐怖のあまり耳を隠すように押さえた。
もう終わりだ!!その言葉で俺の心はでいっぱいだ。
だが、そんな時、いつも助けてくれる存在がいた。
「エルっ!!」
「えーくん!!」
二人の声が聞こえる。その声が聞こえるのと同時に二人の姉は、俺の手を片手ずつ握りしめ、その場から駆け出した。俺はその手に重力のようにつられていく。
そして俺たちは、人の多いショッピングモールをどんどんと駆け抜けていった。
因みにだが、俺が来ていた衣装はもうワンサイズ大きいものが在庫にあったということで、それに着替え直しつつ、ボタンが取れてしまったほうも購入させていただいた。
でも、これはこれで使い道があるとのこと。そう未玖が言っていた。俺には分からないが。
「それにしてもいい買い物したわねー!」
「うん、えーくんすごく可愛くなった!!」
「いや、男の俺としては可愛いは褒め言葉じゃないんだが……」
俺は捨てるようにセリフを吐いた。
俺が可愛いことは分かっているつもりだが、正面から言われるとな。カッコいいとかだったら受け止められるんだが。
そんな愚痴を吐いていると、俺の視界には微笑みながら近づいてくる姉さんが見えた。一瞬で分かる。さっきもあったし。これは本当にやばいやつじゃん!
「えーくんは女の子だよ。ね、未玖?」
「えっ!?私!?」
「ね、未玖?」
「は、はい!そう思います!!」
いきなり話を振られた未玖も最初は戸惑っていたが、この状態である姉さんに逆らったらどうなるか知っていたため、咄嗟に返事を返した。
「ね?未玖もそう言ってるよ?」
「その怖い顔やめて欲しいんですけど!?」
「えーくんが女の子だってーーーー」
「あぁあーー!!もう分かったよ!俺、私は女の子です!!可愛いと言われて嬉しかったです!!だから姉さん、いつもの優しくて可愛い顔に戻ってくれ!!」
「ふえっ!?」
姉さんはいきなり顔を真っ赤にさせ、そんな顔を手で押さえて後ろを向いてしまった。そして独り言の内容までは聞き取れないが、ブツブツと何か呟いている。
やばい、これはガチで怒らせちまったか?
そんな風にあたふたしているエルだったが、詩織は怒っているわけではなかった。寧ろ逆。
「わ、私が可愛いだって、えへへっ」
こんな感じでずっとにやけているだけであった。そんな詩織にエルは恐る恐る話しかけた。
「あ、あの姉さん?」
「はい!!なんでしょう!?私は何でもないよ!?」
「えっ、そうなのか?あー、えっと、何だか分からないけど、じゃあ、もう怒ってないでいいのか?」
「うん!もう怒ってないです!!むしろピンピンだよ!!ほらっ!」
「は、はぁ……」
いきなり態度が逆転した詩織に戸惑っているエルだったが、その縁側で「ちょっと悔しいけど、これは有効活用出来そうね」と冷静にエルと詩織の状況を分析する未玖を見て、戸惑いは薄れて逆に呆れてしまった。
元からこの二人を完璧に理解しようとしていた俺が馬鹿だったのか。そう思うことした。
しかし、これだけでは終わらなかった。
こんなに大騒ぎしていれば周りの人たちには必ず目につくものだ。それは俺たちの騒動も同様だった。しかも俺も含めて(ナルシストでは無いからな!世間的にだからな!!)三人ともレベルの高い美少女だ。ならば尚更だ。
俺たちが周りに気づいた頃には、周りの人たちはスマホを構えて動画を撮るなり写真を撮るなりしてカオスな状態だった。いや、俺たちのやり取りも結構カオスではあったんだけども!!
「撮影や写真はやめてください!!撮ったものも消してください!!これ以上は訴えます!!」
姉さんと未玖はそんな周りの人たち、いや野次馬たちにそう呼びかけた。しかし、それで諦めてくれる人もいるものの、その他の方が大勢いた。
そしてついには俺の存在に気づいた人もいた。
「あ、あれってトゥイッターであげてたエルフの女の子じゃね?」
面白いことに人間は連鎖するもの。それを聞くと野次馬はさらに増えていき、酷いことに俺の帽子を取ろうとしてくる輩も出てきた。
「ひゃっ!?」
「よっしゃぁあーー!!帽子取ったりーー!!」
そしてついには、誰かが俺が被っていた帽子を一瞬で剥ぎ取った。それをされてしまえば、俺の耳を隠すものは無くなってしまう。それが今だ。
俺は恐怖のあまり耳を隠すように押さえた。
もう終わりだ!!その言葉で俺の心はでいっぱいだ。
だが、そんな時、いつも助けてくれる存在がいた。
「エルっ!!」
「えーくん!!」
二人の声が聞こえる。その声が聞こえるのと同時に二人の姉は、俺の手を片手ずつ握りしめ、その場から駆け出した。俺はその手に重力のようにつられていく。
そして俺たちは、人の多いショッピングモールをどんどんと駆け抜けていった。
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