18 / 22
第18話 エルフ、ランジェリーショップへ行く。
しおりを挟む
そして流れるまま隣のランジェリーショップへ入店したものの。
いざ入ってみると、男の俺にとってはこんな雰囲気の場所は初めてだったため、別世界に感じてしまう。
「何今更恥ずかしがってるのよ」
「いや、実際に来てみるとちょっと恥ずかしいというか、場違いと言いますか……」
「はぁ……もうしょうがないわねー。ほら、下着は私が選んであげるから、エルは試着室に待機してなさい」
未玖は呆れたように言いながら、俺に合う下着を選びにいった。
そして俺は未玖に言われた通り、空いている試着室にてのんびり待っていることにした。
が、その向かう途中に問題が発生した。
「あのー、何かお困りでしょうかー?」
そう、女の店員が俺に話しかけてきたのだ。
自分のホームである秋葉や池袋で話しかけられたり、未玖などといった知り合いが一緒にいるならまだしも、ランジェリーショップという俺にとって完全アウェーとなる場所で、異性に話しかけられるというのは酷な話じゃなかろうか。
「良ければお客様に合うものをこちらがご用意致しますよ!」
「あ、あのー」
きっぱり断ろうとしたが、店員の営業スマイルが眩しくて断ろうにも断れない。
こういう時はちゃんとした断り方があると思うのだが、相手を傷つけてしまいそうで気が気でない。
「あのーお客様?」
ああ~、こういう時はどういう言葉を返せば良いんだよ!
そうやって困り果てていると、横から俺の助け船がやってきた。しかも超ストレート級の。
「私がこの子のを選んであげてるから店員の出る幕はないわよ」
「「へっ?」」
そこには堂々と立って、いつもより頼もしく見える未玖がいた。
店員も俺も、その威圧感に圧倒されている。
だが、それも一瞬のことだった。
「だって私は世界で一番のデザイナーなのよ?私よりもこの子に合う下着を選んであげられる人なんてこの世に存在するわけないじゃない!ましてやーーーー」
そう、未玖の自慢話が始まったのだ。俺はいつものことだと割り切って諦めてしまっているが、女の店員は、「はぁ……」と呆れてしまっている。
そしてついには、「私別にしなきゃいけないお仕事があるので」と言って、店の奥に去ってしまった。
「何なのよ、あの店員は。まだ話し終わっていないというのに。失礼ね」
未玖はまだ話し足りないのか、顔を少し膨らましている。
「まあ、いいわ。じゃあエル、私が選んできた下着を着けてみなさい。まあ、私は目で人のスリーサイズが分かるから間違いは無いと思うけど」
「お、おう」
俺はさっそく試着室に入り、服を脱ぐ。そして家で教えてもらった方法を思い出して、未玖に選んでもらった下着を着けていく。
だが、そこでさっきも起こった問題が発生。
「あのー、未玖、ちょっと中に入って見てもらってもいい?」
「何よ?ブラくらい一人で着けられるようにしなさいーーーーって嘘でしょ?」
そこで見た光景に未玖は唖然とする。そしてもう一度めをこすって確認するが、その状況は変わらない。
「えっ?これって現実?」
「ああ、恥ずかしいことにこれは現実だよ未玖」
「エルって着痩せ、うんん。凄く着痩せするタイプだったのね。私さっき揉んでたのに気づかなかったわ……」
未玖は俺の胸と睨めっこし始める。
「あの……未玖さん?」
「ーーーーへっ?ああ、ごめんなさいエル、あり得ない大きさの胸を見てぼうっとしてたわ」
げっ、そんなに怒りを貯めてるのか!?
「あの……怒っていらっしゃる?」
俺は未玖の様子を伺った。だが、未玖は俺の言葉を聞いて笑って話し始めた。
「こんなに大き過ぎると怒る気力も出ないわよ。じゃあこの大きさに合うもの選んでくるわね?
「お、おう」
「その下着は戻すから脱いどきなさいよ」
そう言って未玖は再び下着売り場に戻っていった。
俺はというとーーーーやっと肩の荷がおり、その場に座り込むのだった。
いざ入ってみると、男の俺にとってはこんな雰囲気の場所は初めてだったため、別世界に感じてしまう。
「何今更恥ずかしがってるのよ」
「いや、実際に来てみるとちょっと恥ずかしいというか、場違いと言いますか……」
「はぁ……もうしょうがないわねー。ほら、下着は私が選んであげるから、エルは試着室に待機してなさい」
未玖は呆れたように言いながら、俺に合う下着を選びにいった。
そして俺は未玖に言われた通り、空いている試着室にてのんびり待っていることにした。
が、その向かう途中に問題が発生した。
「あのー、何かお困りでしょうかー?」
そう、女の店員が俺に話しかけてきたのだ。
自分のホームである秋葉や池袋で話しかけられたり、未玖などといった知り合いが一緒にいるならまだしも、ランジェリーショップという俺にとって完全アウェーとなる場所で、異性に話しかけられるというのは酷な話じゃなかろうか。
「良ければお客様に合うものをこちらがご用意致しますよ!」
「あ、あのー」
きっぱり断ろうとしたが、店員の営業スマイルが眩しくて断ろうにも断れない。
こういう時はちゃんとした断り方があると思うのだが、相手を傷つけてしまいそうで気が気でない。
「あのーお客様?」
ああ~、こういう時はどういう言葉を返せば良いんだよ!
そうやって困り果てていると、横から俺の助け船がやってきた。しかも超ストレート級の。
「私がこの子のを選んであげてるから店員の出る幕はないわよ」
「「へっ?」」
そこには堂々と立って、いつもより頼もしく見える未玖がいた。
店員も俺も、その威圧感に圧倒されている。
だが、それも一瞬のことだった。
「だって私は世界で一番のデザイナーなのよ?私よりもこの子に合う下着を選んであげられる人なんてこの世に存在するわけないじゃない!ましてやーーーー」
そう、未玖の自慢話が始まったのだ。俺はいつものことだと割り切って諦めてしまっているが、女の店員は、「はぁ……」と呆れてしまっている。
そしてついには、「私別にしなきゃいけないお仕事があるので」と言って、店の奥に去ってしまった。
「何なのよ、あの店員は。まだ話し終わっていないというのに。失礼ね」
未玖はまだ話し足りないのか、顔を少し膨らましている。
「まあ、いいわ。じゃあエル、私が選んできた下着を着けてみなさい。まあ、私は目で人のスリーサイズが分かるから間違いは無いと思うけど」
「お、おう」
俺はさっそく試着室に入り、服を脱ぐ。そして家で教えてもらった方法を思い出して、未玖に選んでもらった下着を着けていく。
だが、そこでさっきも起こった問題が発生。
「あのー、未玖、ちょっと中に入って見てもらってもいい?」
「何よ?ブラくらい一人で着けられるようにしなさいーーーーって嘘でしょ?」
そこで見た光景に未玖は唖然とする。そしてもう一度めをこすって確認するが、その状況は変わらない。
「えっ?これって現実?」
「ああ、恥ずかしいことにこれは現実だよ未玖」
「エルって着痩せ、うんん。凄く着痩せするタイプだったのね。私さっき揉んでたのに気づかなかったわ……」
未玖は俺の胸と睨めっこし始める。
「あの……未玖さん?」
「ーーーーへっ?ああ、ごめんなさいエル、あり得ない大きさの胸を見てぼうっとしてたわ」
げっ、そんなに怒りを貯めてるのか!?
「あの……怒っていらっしゃる?」
俺は未玖の様子を伺った。だが、未玖は俺の言葉を聞いて笑って話し始めた。
「こんなに大き過ぎると怒る気力も出ないわよ。じゃあこの大きさに合うもの選んでくるわね?
「お、おう」
「その下着は戻すから脱いどきなさいよ」
そう言って未玖は再び下着売り場に戻っていった。
俺はというとーーーーやっと肩の荷がおり、その場に座り込むのだった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
おてんばプロレスの女神たち ~男子で、女子大生で、女子プロレスラーのジュリーという生き方~
ちひろ
青春
おてんば女子大学初の“男子の女子大生”ジュリー。憧れの大学生活では想定外のジレンマを抱えながらも、涼子先輩が立ち上げた女子プロレスごっこ団体・おてんばプロレスで開花し、地元のプロレスファン(特にオッさん連中!)をとりこに。青春派プロレスノベル「おてんばプロレスの女神たち」のアナザーストーリー。
彗星と遭う
皆川大輔
青春
【✨青春カテゴリ最高4位✨】
中学野球世界大会で〝世界一〟という称号を手にした。
その時、投手だった空野彗は中学生ながら152キロを記録し、怪物と呼ばれた。
その時、捕手だった武山一星は全試合でマスクを被ってリードを、打っては四番とマルチの才能を発揮し、天才と呼ばれた。
突出した実力を持っていながら世界一という実績をも手に入れた二人は、瞬く間にお茶の間を賑わせる存在となった。
もちろん、新しいスターを常に欲している強豪校がその卵たる二人を放っておく訳もなく。
二人の元には、多数の高校からオファーが届いた――しかし二人が選んだのは、地元埼玉の県立高校、彩星高校だった。
部員数は70名弱だが、その実は三年連続一回戦負けの弱小校一歩手前な崖っぷち中堅高校。
怪物は、ある困難を乗り越えるためにその高校へ。
天才は、ある理由で野球を諦めるためにその高校へ入学した。
各々の別の意思を持って選んだ高校で、本来会うはずのなかった運命が交差する。
衝突もしながら協力もし、共に高校野球の頂へ挑む二人。
圧倒的な実績と衝撃的な結果で、二人は〝彗星バッテリー〟と呼ばれるようになり、高校野球だけではなく野球界を賑わせることとなる。
彗星――怪しげな尾と共に現れるそれは、ある人には願いを叶える吉兆となり、ある人には夢を奪う凶兆となる。
この物語は、そんな彗星と呼ばれた二人の少年と、人を惑わす光と遭ってしまった人達の物語。
☆
第一部表紙絵制作者様→紫苑*Shion様《https://pixiv.net/users/43889070》
第二部表紙絵制作者様→和輝こころ様《https://twitter.com/honeybanana1》
第三部表紙絵制作者様→NYAZU様《https://skima.jp/profile?id=156412》
登場人物集です→https://jiechuandazhu.webnode.jp/%e5%bd%97%e6%98%9f%e3%81%a8%e9%81%ad%e3%81%86%e3%80%90%e7%99%bb%e5%a0%b4%e4%ba%ba%e7%89%a9%e3%80%91/

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる