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第17話 エルフ、策にはまる。
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「ううっ、俺の胸の純潔があんな風にうばわれるなんて……」
未玖の禁忌を犯してしまった俺は、泣きながら喪失感に追われていた。といっても胸を揉まれただけだが。
「そんな落ち込むことでもないでしょうに。たかが胸を揉んだだけでしょ?シャキッとしなさい。そんなんじゃ、これから女の子としてやっていけないわよ」
「そんなこと言われても、俺は男だ!」
「はいはい、そうですねー」
真面目に言ったつもりだが、未玖には軽く流されてしまった。というより、元より言い分には興味ないという顔だ。ここで姉さんに助け船を出してもらおうとしたが、目を逸らされてしまった。
「それよりも。早くエルに合うブラを選びに行かないといけないわね、お姉ちゃん?」
「それもそうだけど、お姉ちゃんはそろそろ時間だから行かないと」
姉さんはスマホで時間を見ながら言った。
「時間って何の?」
「えへへっ、それは内緒だよー」
口に人差し指をつけて「秘密」アピールをする姉さん。うむ、実に可愛らしい。
「じゃあ、お姉ちゃん一旦抜けるから、後は未玖お願いね?」
「ええ、任せといて」
「じゃあ、未玖もエルくんもまた後で、ね?」
「えっ?ちょっと待っ」
姉さんは「バイバイ」と手を振って、何も説明せずに何処かに行ってしまった。そして俺と未玖だけが取り残されてしまった。
だが、未玖は至って冷静だった。
「もしかして未玖は理由知ってたり?」
「えっ?もちろんよ。最初から知ってたわよ。それがどうしたの?」
「い、いえ、ナンデモナイデス」
「ふーん。ま、べつにいいけど。それよりーーーー
何とか未玖を誤魔化せたみたいだ。
それよりもだ。結果から見るに、俺は姉さんにしてやられたみたいだ。
「ちょっとエル?」
朝に買い物に約束をしたにも関わらず、外せない用事があるらしく、姉さんは途中で買い物から抜けてしまった。そして未玖にはそのことは伝わっていた。
「ねえ、聞いてる?」
ならば、これは計画的犯行と言っていいだろう。結局は姉さんは、何らかの形で今日俺をショッピングに誘うつもりだったのだろう。
姉さんは昔から今回みたいに、いきなり手の込んだ犯行をしてくる時がある。未玖みたいに分かり易ければいいのだが、姉さんはああいう性格な上、天然が入っているため、この上なく分かりづらい。それが今回の敗因だろう。(負けたと思っているのはエルだけです)
「今回は姉さんの策に嵌まったか……」
そう残念に思っていると、不意に頭をチョップされた。
「痛ったぁ~。何するんだよ未玖!」
「何するんだよじゃないわよ!さっきからずっと話しかけてるのに無視するエルが悪いんでしょ!!」
「えっ?そうだったのか?考え事してて気づかなかった。悪い」
未玖は俺が謝ると思っていなかったのか、不意打ちのような感じになり、恥ずかしいのか何だのか分からないが、顔を赤らめた。
「どうした?熱でもでたか?」
「っ!?」
俺が心配して未玖のおでこを自分のおでこで計ってやると、未玖の顔は先よりもみるみる赤くして、火だるまになった。
「熱は、ないな。って、未玖?」
「ううっ、何でもないわっ!!早くブラ選びに行くわよ!!」
「お、おう」
俺はこれ以上未玖に言及することはなかった。
そして、黙って未玖の後ろについていくことにした。
未玖の禁忌を犯してしまった俺は、泣きながら喪失感に追われていた。といっても胸を揉まれただけだが。
「そんな落ち込むことでもないでしょうに。たかが胸を揉んだだけでしょ?シャキッとしなさい。そんなんじゃ、これから女の子としてやっていけないわよ」
「そんなこと言われても、俺は男だ!」
「はいはい、そうですねー」
真面目に言ったつもりだが、未玖には軽く流されてしまった。というより、元より言い分には興味ないという顔だ。ここで姉さんに助け船を出してもらおうとしたが、目を逸らされてしまった。
「それよりも。早くエルに合うブラを選びに行かないといけないわね、お姉ちゃん?」
「それもそうだけど、お姉ちゃんはそろそろ時間だから行かないと」
姉さんはスマホで時間を見ながら言った。
「時間って何の?」
「えへへっ、それは内緒だよー」
口に人差し指をつけて「秘密」アピールをする姉さん。うむ、実に可愛らしい。
「じゃあ、お姉ちゃん一旦抜けるから、後は未玖お願いね?」
「ええ、任せといて」
「じゃあ、未玖もエルくんもまた後で、ね?」
「えっ?ちょっと待っ」
姉さんは「バイバイ」と手を振って、何も説明せずに何処かに行ってしまった。そして俺と未玖だけが取り残されてしまった。
だが、未玖は至って冷静だった。
「もしかして未玖は理由知ってたり?」
「えっ?もちろんよ。最初から知ってたわよ。それがどうしたの?」
「い、いえ、ナンデモナイデス」
「ふーん。ま、べつにいいけど。それよりーーーー
何とか未玖を誤魔化せたみたいだ。
それよりもだ。結果から見るに、俺は姉さんにしてやられたみたいだ。
「ちょっとエル?」
朝に買い物に約束をしたにも関わらず、外せない用事があるらしく、姉さんは途中で買い物から抜けてしまった。そして未玖にはそのことは伝わっていた。
「ねえ、聞いてる?」
ならば、これは計画的犯行と言っていいだろう。結局は姉さんは、何らかの形で今日俺をショッピングに誘うつもりだったのだろう。
姉さんは昔から今回みたいに、いきなり手の込んだ犯行をしてくる時がある。未玖みたいに分かり易ければいいのだが、姉さんはああいう性格な上、天然が入っているため、この上なく分かりづらい。それが今回の敗因だろう。(負けたと思っているのはエルだけです)
「今回は姉さんの策に嵌まったか……」
そう残念に思っていると、不意に頭をチョップされた。
「痛ったぁ~。何するんだよ未玖!」
「何するんだよじゃないわよ!さっきからずっと話しかけてるのに無視するエルが悪いんでしょ!!」
「えっ?そうだったのか?考え事してて気づかなかった。悪い」
未玖は俺が謝ると思っていなかったのか、不意打ちのような感じになり、恥ずかしいのか何だのか分からないが、顔を赤らめた。
「どうした?熱でもでたか?」
「っ!?」
俺が心配して未玖のおでこを自分のおでこで計ってやると、未玖の顔は先よりもみるみる赤くして、火だるまになった。
「熱は、ないな。って、未玖?」
「ううっ、何でもないわっ!!早くブラ選びに行くわよ!!」
「お、おう」
俺はこれ以上未玖に言及することはなかった。
そして、黙って未玖の後ろについていくことにした。
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