11 / 22
第11話 エルフ、お風呂に入る。
しおりを挟む
「ここからどうしよう……」
俺は悩んでいた。お風呂に入る。それは昨日の着替えるだけと違って、この身体を触らなければならなくなる。
それは一昨日まで男だった俺にはまだ高難易度すぎるゆえの悩みだった。
実際にどのくらい高難易度かって?
それは、二次元と三次元、天地の差で違うと考えていいだろう。
もっと具体的に言えば、二次元では楽に落とせるヒロインが、三次元では鬼畜難易度になってしまうくらい違う。(本人がわかりやすいと思い込んでいるだけです)
別に女の子の身体を見たり触ったりするのは俺にとって贅沢すぎるご褒美な筈だが、自分の身体だと思うと嬉しい筈なのだが、少し気が引けてしまう。
俺は、鏡に映っている自分の変わり果てた姿を見て睨めっこする。
改めて自分の姿を見てみると、どの部分に関してもハイスペック、ハイクオリティーな気がする。三次元に疎い俺が言っているのなら尚更だ。
この透き通った腰の高さまで伸びている金色の髪で、天然の緑色の瞳。そして顔は恐ろしい程に整っている。
さらに、胸は見るからに大きく、お尻もぷりっとしている。女性かつ自分が理想としている、ボンキュッボンを体現したようだ。
「これが俺……」
これくらい自分が美少女と認識すると、さっきまで自分の身体だと気が引けるとかどうでもよくなってくる。
ごくりっ。
「ちょっと見るくらいだったら大丈夫だよな?自分の身体に付いてるものだし!自分の身体を知ることは大切だし!?」
そしてそのまま服を脱ぎ捨てて未知の世界への扉を開けようとした時だった。
「えーくん、タオルと着替え置いとく……っ!?」
「あっ」
俺のタオルと着替えを持って来た姉さんと目が合ってしまった。
姉さんの目は心なし……いや、結構引いている。
「いや、これには訳ありましてですね?」
「そうなの?私は興味ないけど、えーくんがどうしてもというなら言い訳を聞いてあげてもいいよ?」
「あのでして、自分の身体を確認して理解を高めるということをしようとしてまして……決してやましい気持ちはないです。はい」
「それで。えーくん、本当は?」
「はい、自分のおっぱいの誘惑に負けてしまいました!」
すると姉さんは、俺のタオルと着替えを無言で置いて出るぎわに言った。
「えーくんのべーだっ!」
姉さんはそう言って出ていった。そして俺はこの時思った。
俺の話し相手(三次元の)、姉さん居なくなったらマジで誰も居なくね?
その現実に落ち込みながら、俺はとぼとぼとシャワーを浴びるのだった。
その一方で姉、詩織はというとーーーー
「もう、えーくんったらっ!お胸が大好きだったら私の見せてあげるのにっ!なんで自分の大きなお胸を見て興奮してるのっ!?」
詩織は苛立っていた。ただ、えーくんことエルが、自前のおっぱいを見て苛立ってたのではなく、エルを詩織の胸に執着させることが出来なかったことを悔やんでの苛立ちだった。
「どうしたら私に気を戻せるかなぁ?」
えーくんの気を私に戻したい。けれど、腕や背中に胸を押し付けたりするだけでは足りない。
もっと刺激が強いものを。そして、それはふと頭に浮かんだ。
「よしっ、これだったらえーくんも放っておけないよねっ!」
詩織は上機嫌で、シャワーを浴びているエルのところへ向かったのだった。
そして視点は俺に戻る。
俺はささっと頭を濡らし、シャンプーを垂らして頭を洗っていた。
いままでだと、髪は短かったためにすぐ洗い終わっていたが、今は生憎の長髪で、その部類の中でも結構長いほうだ。そのため、髪を洗うだけでも結構な時間が掛かっている。
もっと効率よく長い髪を洗う方法は無いのだろうか?
後でスマホで調べておくとしよう。
お湯を出し、シャンプーを洗い流す。そして髪を片側に寄せ、視界をクリアにした。
「ふぅ……洗い終わった」
そして一息ついて身体を洗うことにした。手でボディーソープを伸ばしていく。泡だて、身体の隅から隅までごしごし洗う。
胸とかも洗わなければならないが、そこは無心で貫いた。
泡を流して全て終えると、湯船に浸かった。
「ふわぁ、あったまるー」
この温かさが身体にしみるぜ。
湯船に入ると、胸が浮いているおかげか、肩が少し楽になった。
「胸って大きいと大変だな……姉さんも結構大きいし、苦労してそうだなー」
大きい胸をもつ今の俺だからこそ、大きい胸をもつ人の苦労が今なら少しわかるような気がした。
これからはもっと巨乳を大切にしていこうと思う。
巨乳様、有り難や、有り難や。
「いやー、それにしても俺が女になるなんてなー、人生何があるかわからないもんだなー」
「確かにそうだね、えーくん。私もえーくんが女の子になるとは思わなかったよ?しかもとびっきり可愛い女の子に!!」
「ああ、そうだな。俺だってそう思うーーーーって、なんで姉さんがここにいるんだよ!?」
いつの間に風呂の中へ入り、俺の会話にしれっと入っている姉さんは、普通に風呂椅子に座って頭を洗おうとしている。
「って、普通に洗おうとしているそこの姉さん。今弟の俺が入ってるんですけど?」
「うん?私に弟はいないよ?妹はすぐここにいるけど」
「結局俺は、姉さんの中で完璧に女として認識されてるのかよ……」
「そうだよっ?えーくんはもう女の子だよ。だから私たちは姉妹だよ。ということでえーくん、私と背中洗いっこしよっ?」
「百歩譲って姉妹だとしても、そのスキンシップは難易度高めな気がするんですけど!?」
「もうえーくんはダメばっかり言うんだから。だから友達出来ないんだよ?」
「今それは関係ないでしょ!?」
姉さんは俺のツッコミに微笑むと、身体に巻いていたタオルをとった。
「じゃあ、えーくんが私の身体洗ってくれる?」
そう言ってくる姉さんは、どこか大人の色っぽさを醸し出していた。それに俺は、少しドキっとしてしまった。
「あれっ?えーくん照れてる?」
「別にっ!?照れてないしっ」
「本当かなぁ?その割には目線が私の身体にいってるけど?」
な、なぜ分かった!?
「あれ?その顔は図星かな?」
「ぐぐぐっ」
「まあ、冗談だけどね、えーくん」
「なっ!?」
姉さんは俺の反応にクスクスと笑うと、風呂椅子から立ち上がって再びタオルを巻いた。
そしてまた風呂椅子に腰を落とすかと思いや、風呂椅子の後ろに腰を落として手で風呂椅子を指した。
「じゃあ、えーくん、ここに座ってくれる?」
「えっ?俺が?」
「うん、だってえーくんだけだと女の子の身体上手く洗えなかったでしょ?」
「えっ?でも結構上手く洗えたと……」
「メンズのシャンプーとか使ってる時点でダメかなぁ」
「面目ございません……」
「よろしい。じゃあえーくん、ここに座って」
俺は風呂椅子に座った。そして姉さんは、自分専用のものであろうお風呂セットを取り出した。
「じゃあいくよ、えーくん。女の子のこといっぱい教えててあげるから」
「ほどほどにお願いします……」
「全部覚えるまで上がらせないからね?覚悟~!」
しばらくの間お風呂は、姉さんに調教されている俺の声で溢れかえっていたのだった。
俺は悩んでいた。お風呂に入る。それは昨日の着替えるだけと違って、この身体を触らなければならなくなる。
それは一昨日まで男だった俺にはまだ高難易度すぎるゆえの悩みだった。
実際にどのくらい高難易度かって?
それは、二次元と三次元、天地の差で違うと考えていいだろう。
もっと具体的に言えば、二次元では楽に落とせるヒロインが、三次元では鬼畜難易度になってしまうくらい違う。(本人がわかりやすいと思い込んでいるだけです)
別に女の子の身体を見たり触ったりするのは俺にとって贅沢すぎるご褒美な筈だが、自分の身体だと思うと嬉しい筈なのだが、少し気が引けてしまう。
俺は、鏡に映っている自分の変わり果てた姿を見て睨めっこする。
改めて自分の姿を見てみると、どの部分に関してもハイスペック、ハイクオリティーな気がする。三次元に疎い俺が言っているのなら尚更だ。
この透き通った腰の高さまで伸びている金色の髪で、天然の緑色の瞳。そして顔は恐ろしい程に整っている。
さらに、胸は見るからに大きく、お尻もぷりっとしている。女性かつ自分が理想としている、ボンキュッボンを体現したようだ。
「これが俺……」
これくらい自分が美少女と認識すると、さっきまで自分の身体だと気が引けるとかどうでもよくなってくる。
ごくりっ。
「ちょっと見るくらいだったら大丈夫だよな?自分の身体に付いてるものだし!自分の身体を知ることは大切だし!?」
そしてそのまま服を脱ぎ捨てて未知の世界への扉を開けようとした時だった。
「えーくん、タオルと着替え置いとく……っ!?」
「あっ」
俺のタオルと着替えを持って来た姉さんと目が合ってしまった。
姉さんの目は心なし……いや、結構引いている。
「いや、これには訳ありましてですね?」
「そうなの?私は興味ないけど、えーくんがどうしてもというなら言い訳を聞いてあげてもいいよ?」
「あのでして、自分の身体を確認して理解を高めるということをしようとしてまして……決してやましい気持ちはないです。はい」
「それで。えーくん、本当は?」
「はい、自分のおっぱいの誘惑に負けてしまいました!」
すると姉さんは、俺のタオルと着替えを無言で置いて出るぎわに言った。
「えーくんのべーだっ!」
姉さんはそう言って出ていった。そして俺はこの時思った。
俺の話し相手(三次元の)、姉さん居なくなったらマジで誰も居なくね?
その現実に落ち込みながら、俺はとぼとぼとシャワーを浴びるのだった。
その一方で姉、詩織はというとーーーー
「もう、えーくんったらっ!お胸が大好きだったら私の見せてあげるのにっ!なんで自分の大きなお胸を見て興奮してるのっ!?」
詩織は苛立っていた。ただ、えーくんことエルが、自前のおっぱいを見て苛立ってたのではなく、エルを詩織の胸に執着させることが出来なかったことを悔やんでの苛立ちだった。
「どうしたら私に気を戻せるかなぁ?」
えーくんの気を私に戻したい。けれど、腕や背中に胸を押し付けたりするだけでは足りない。
もっと刺激が強いものを。そして、それはふと頭に浮かんだ。
「よしっ、これだったらえーくんも放っておけないよねっ!」
詩織は上機嫌で、シャワーを浴びているエルのところへ向かったのだった。
そして視点は俺に戻る。
俺はささっと頭を濡らし、シャンプーを垂らして頭を洗っていた。
いままでだと、髪は短かったためにすぐ洗い終わっていたが、今は生憎の長髪で、その部類の中でも結構長いほうだ。そのため、髪を洗うだけでも結構な時間が掛かっている。
もっと効率よく長い髪を洗う方法は無いのだろうか?
後でスマホで調べておくとしよう。
お湯を出し、シャンプーを洗い流す。そして髪を片側に寄せ、視界をクリアにした。
「ふぅ……洗い終わった」
そして一息ついて身体を洗うことにした。手でボディーソープを伸ばしていく。泡だて、身体の隅から隅までごしごし洗う。
胸とかも洗わなければならないが、そこは無心で貫いた。
泡を流して全て終えると、湯船に浸かった。
「ふわぁ、あったまるー」
この温かさが身体にしみるぜ。
湯船に入ると、胸が浮いているおかげか、肩が少し楽になった。
「胸って大きいと大変だな……姉さんも結構大きいし、苦労してそうだなー」
大きい胸をもつ今の俺だからこそ、大きい胸をもつ人の苦労が今なら少しわかるような気がした。
これからはもっと巨乳を大切にしていこうと思う。
巨乳様、有り難や、有り難や。
「いやー、それにしても俺が女になるなんてなー、人生何があるかわからないもんだなー」
「確かにそうだね、えーくん。私もえーくんが女の子になるとは思わなかったよ?しかもとびっきり可愛い女の子に!!」
「ああ、そうだな。俺だってそう思うーーーーって、なんで姉さんがここにいるんだよ!?」
いつの間に風呂の中へ入り、俺の会話にしれっと入っている姉さんは、普通に風呂椅子に座って頭を洗おうとしている。
「って、普通に洗おうとしているそこの姉さん。今弟の俺が入ってるんですけど?」
「うん?私に弟はいないよ?妹はすぐここにいるけど」
「結局俺は、姉さんの中で完璧に女として認識されてるのかよ……」
「そうだよっ?えーくんはもう女の子だよ。だから私たちは姉妹だよ。ということでえーくん、私と背中洗いっこしよっ?」
「百歩譲って姉妹だとしても、そのスキンシップは難易度高めな気がするんですけど!?」
「もうえーくんはダメばっかり言うんだから。だから友達出来ないんだよ?」
「今それは関係ないでしょ!?」
姉さんは俺のツッコミに微笑むと、身体に巻いていたタオルをとった。
「じゃあ、えーくんが私の身体洗ってくれる?」
そう言ってくる姉さんは、どこか大人の色っぽさを醸し出していた。それに俺は、少しドキっとしてしまった。
「あれっ?えーくん照れてる?」
「別にっ!?照れてないしっ」
「本当かなぁ?その割には目線が私の身体にいってるけど?」
な、なぜ分かった!?
「あれ?その顔は図星かな?」
「ぐぐぐっ」
「まあ、冗談だけどね、えーくん」
「なっ!?」
姉さんは俺の反応にクスクスと笑うと、風呂椅子から立ち上がって再びタオルを巻いた。
そしてまた風呂椅子に腰を落とすかと思いや、風呂椅子の後ろに腰を落として手で風呂椅子を指した。
「じゃあ、えーくん、ここに座ってくれる?」
「えっ?俺が?」
「うん、だってえーくんだけだと女の子の身体上手く洗えなかったでしょ?」
「えっ?でも結構上手く洗えたと……」
「メンズのシャンプーとか使ってる時点でダメかなぁ」
「面目ございません……」
「よろしい。じゃあえーくん、ここに座って」
俺は風呂椅子に座った。そして姉さんは、自分専用のものであろうお風呂セットを取り出した。
「じゃあいくよ、えーくん。女の子のこといっぱい教えててあげるから」
「ほどほどにお願いします……」
「全部覚えるまで上がらせないからね?覚悟~!」
しばらくの間お風呂は、姉さんに調教されている俺の声で溢れかえっていたのだった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
おてんばプロレスの女神たち ~男子で、女子大生で、女子プロレスラーのジュリーという生き方~
ちひろ
青春
おてんば女子大学初の“男子の女子大生”ジュリー。憧れの大学生活では想定外のジレンマを抱えながらも、涼子先輩が立ち上げた女子プロレスごっこ団体・おてんばプロレスで開花し、地元のプロレスファン(特にオッさん連中!)をとりこに。青春派プロレスノベル「おてんばプロレスの女神たち」のアナザーストーリー。
彗星と遭う
皆川大輔
青春
【✨青春カテゴリ最高4位✨】
中学野球世界大会で〝世界一〟という称号を手にした。
その時、投手だった空野彗は中学生ながら152キロを記録し、怪物と呼ばれた。
その時、捕手だった武山一星は全試合でマスクを被ってリードを、打っては四番とマルチの才能を発揮し、天才と呼ばれた。
突出した実力を持っていながら世界一という実績をも手に入れた二人は、瞬く間にお茶の間を賑わせる存在となった。
もちろん、新しいスターを常に欲している強豪校がその卵たる二人を放っておく訳もなく。
二人の元には、多数の高校からオファーが届いた――しかし二人が選んだのは、地元埼玉の県立高校、彩星高校だった。
部員数は70名弱だが、その実は三年連続一回戦負けの弱小校一歩手前な崖っぷち中堅高校。
怪物は、ある困難を乗り越えるためにその高校へ。
天才は、ある理由で野球を諦めるためにその高校へ入学した。
各々の別の意思を持って選んだ高校で、本来会うはずのなかった運命が交差する。
衝突もしながら協力もし、共に高校野球の頂へ挑む二人。
圧倒的な実績と衝撃的な結果で、二人は〝彗星バッテリー〟と呼ばれるようになり、高校野球だけではなく野球界を賑わせることとなる。
彗星――怪しげな尾と共に現れるそれは、ある人には願いを叶える吉兆となり、ある人には夢を奪う凶兆となる。
この物語は、そんな彗星と呼ばれた二人の少年と、人を惑わす光と遭ってしまった人達の物語。
☆
第一部表紙絵制作者様→紫苑*Shion様《https://pixiv.net/users/43889070》
第二部表紙絵制作者様→和輝こころ様《https://twitter.com/honeybanana1》
第三部表紙絵制作者様→NYAZU様《https://skima.jp/profile?id=156412》
登場人物集です→https://jiechuandazhu.webnode.jp/%e5%bd%97%e6%98%9f%e3%81%a8%e9%81%ad%e3%81%86%e3%80%90%e7%99%bb%e5%a0%b4%e4%ba%ba%e7%89%a9%e3%80%91/

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる