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第8話 エルフ、姉と再会する。2
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そして視点は俺へと戻る。
姉の詩織は、俺の姿を見て目を見開くほど驚いてる。まあ、弟がこんな姿になってたらそれは驚くわなぁ。
弁明しなければっ。
「姉さん、これはかくかくしかじかで……」
だが姉さんは驚くどころか、下を向いて黙ってしまった。
やばいっ、何かしくじってしまったか!?
「あの姉さん、大丈……」
「詩織お姉ちゃん……」
「姉さん……?」
「詩織お姉ちゃんって呼んでっ!!」
「ふえっ!?」
どうしたんだ姉さん?頭がおかしくなったのか?
「お願いっ!詩織お姉ちゃんってっ!」
「はぁ……分かったから。言うから……」
言えばいいんだろ、言えば。
「ーーねぇちゃん」
「うん?聞こえないよぉ~?」
「詩織お姉ちゃん!!」
「はーい、あなたの詩織お姉ちゃんですよー!!よしよーし」
姉さんに抱きつかれ、俺の顔は姉さんの豊かな胸に埋まってしまった。
く、苦しいけど柔らかい!!
が、俺はMではないため、この柔らかさよりも苦しいさのほうが強い。
「姉さん離してっ、苦しいっ!」
「詩織お姉ちゃんでしょ?」
「し、詩織お姉ちゃん離してっ!」
すると、姉さんは「はーい」と言ってすんなり俺のことを離してくれた。
「ところでえーくんはどこかしら?」
「今頃気づいたのかよ!!」
「だって、目の前に可愛い子がいたら先に愛でるのが当たり前だと思う……よ?」
「よ?じゃねーよ!!普通、自分の弟の部屋に知らない奴が居たら警戒するだろ!?」
「可愛いから警戒するわけないもーん」
「そんなわけっ!ーーーーあるかもしれない……」
確かにな。可愛い女の子が俺の部屋にいても警戒しないかもしれない。
「って、そんなことよりっ!俺がし、詩織お姉ちゃんの弟なんだ!」
「ふえっ?君がえーくん?」
「そうだよ。なんか悪いか?」
「悪いも何も、えーくんは男の子だよ?しかも引きこもりだし、君みたいな可愛い女の子とは無縁の存在だよ?」
「悪かったな!引きこもりで女の子と無縁で」
「何で君が謝るの?」
「だから、俺がえーくんだからだよ!!」
「ふえっ?君がえーくん?」
「はぁ……話が進まない……」
話が進まないし、無意識だろうけど俺のことをディスるわ。この姉、本当に俺のこと大事な弟だと思っているのか?
そう思っていると、姉さんは、何か良いことでも思い付いたのか、手をポンと叩いて話し出した。
「じゃあ、君がえーくんだって信じて欲しいなら、えーくんのこと質問しても答えられるよね?」
「えっ?うん」
「だから私から質問するから君が答えてね。全部答えられたら君がえーくんってことを信じてあげる」
「分かった」
分かったんだが、何か嫌な予感がしなくもない……
「じゃあ質問は全部で三つだよ?それでは第一問。ででんっ。えーくんの誕生日はいつでしょう?」
そんなもの簡単だ。
「一月十一日だな」
「おおー、正解!すごいねぇ?」
「すごいねぇ」って。俺の誕生日だし当然当てられるに決まっているじゃないか。
「では第二問。チャラんっ。家に住んでいた時のえーくんのベッドの下にあるエッチな本のタイトルは何でしょう?」
「なっ!?」
「うふふっ、答えられるかなぁ?」
答えられる答えられないとかの前提の前に、俺のベッドの下になんか何も隠してなんか無いぞ?
これも簡単じゃないか。
「答えは、何も隠してないだ!」
「ファイナルアンサー?」
「ああ、ファイナルアンサーだ!」
「じゃあ、正解を発表します。正解は……じゃがじゃがじゃんっ!何も隠してないでした!すごいねぇ君。二問目も正解だよ!」
「当然だ、俺の問題だからなっ!」
「因みに、えーくんの鍵がかけられてる引き出しの中には『女の子にモテる十の方法』っていう本が隠してあるんだよ?」
「な、何でそれをっ!?」
「お姉ちゃんに隠し事はできないんだよ?弟くんは覚えといたほうがいいかもしれないね?」
「そういう問題じゃないっ!それじゃあ俺のプライバシーが守れてない……って、俺がえーくんだって分かってるじゃないか!!」
「ふぇ?何のことでしょうか?」
「この人露骨に誤魔化したぞ!?」
「では、ラストの問題いこー!」
「話をそらすな!!」
全く。このダメ姉め、最初から分かってて質問したな?
まあいい。後でやり返すとしよう。
「最後の問題!チャラんっ!えーくんが将来結婚すると誓った人は誰でしょう?」
こんなのが最終問題か?簡単じゃないか。答えは「そんな人いない」だ。なんだ、結構すんなり終わったな。
「正解は、そんな人いなーーーー待てよ?」
思い刺さる所がある。それは俺が引きこもった理由にも関係する。
俺は中学生の時、虐められていたというより、弄ばれていた。その理由とは何か。
それは、「俺は姉さんと結婚するんだ!!」と叫んでいたからだ。
中学生の中盤くらいまでは、真面目に姉さんと結婚すると考えていたため、授業の一環での未来家系図でも姉と結婚すると書いていたし、先生にもそう話していた。
たぶん、それでみんな思ったのだろう。
「こいつ、やばい奴(重度のシスコン)だ」と。
それから徐々に外の世界から離れていき、引きこもりの今に至る。
てことは、この姉は、俺の黒歴史を使って問題を出してきているということになる。
今思う。この姉、ゲスすぎではなかろうか。
しかも、引きこもりとはいえ俺だって二十一歳。
この歳にもなり、あんな問題の答えを堂々と言えるのだろうか?答えは否だ。言えはしない。
そのため、新たな解決策を見つけるために無言を貫いた。
「もういいのかなぁ?無言っていうことは分からないってことで?」
「い、いや、答えるので待ってください……」
くっ、別の回答が見つからない……もう仕方がない。信じてもらうためには答えなきゃならないんだ!
プライドを捨てろ!俺!
「し、詩織……詩織お姉ちゃんでしゅ……」
「正解っ!!えーくん大好き!!」
「ふにゃ!?」
姉さんは俺に抱きついた。嬉しそうでなりよりだ。
だが、俺のほうというとーーーー
信用を得た代わりに、男としての尊厳が失われたのだった。(もう女だけど……)
姉の詩織は、俺の姿を見て目を見開くほど驚いてる。まあ、弟がこんな姿になってたらそれは驚くわなぁ。
弁明しなければっ。
「姉さん、これはかくかくしかじかで……」
だが姉さんは驚くどころか、下を向いて黙ってしまった。
やばいっ、何かしくじってしまったか!?
「あの姉さん、大丈……」
「詩織お姉ちゃん……」
「姉さん……?」
「詩織お姉ちゃんって呼んでっ!!」
「ふえっ!?」
どうしたんだ姉さん?頭がおかしくなったのか?
「お願いっ!詩織お姉ちゃんってっ!」
「はぁ……分かったから。言うから……」
言えばいいんだろ、言えば。
「ーーねぇちゃん」
「うん?聞こえないよぉ~?」
「詩織お姉ちゃん!!」
「はーい、あなたの詩織お姉ちゃんですよー!!よしよーし」
姉さんに抱きつかれ、俺の顔は姉さんの豊かな胸に埋まってしまった。
く、苦しいけど柔らかい!!
が、俺はMではないため、この柔らかさよりも苦しいさのほうが強い。
「姉さん離してっ、苦しいっ!」
「詩織お姉ちゃんでしょ?」
「し、詩織お姉ちゃん離してっ!」
すると、姉さんは「はーい」と言ってすんなり俺のことを離してくれた。
「ところでえーくんはどこかしら?」
「今頃気づいたのかよ!!」
「だって、目の前に可愛い子がいたら先に愛でるのが当たり前だと思う……よ?」
「よ?じゃねーよ!!普通、自分の弟の部屋に知らない奴が居たら警戒するだろ!?」
「可愛いから警戒するわけないもーん」
「そんなわけっ!ーーーーあるかもしれない……」
確かにな。可愛い女の子が俺の部屋にいても警戒しないかもしれない。
「って、そんなことよりっ!俺がし、詩織お姉ちゃんの弟なんだ!」
「ふえっ?君がえーくん?」
「そうだよ。なんか悪いか?」
「悪いも何も、えーくんは男の子だよ?しかも引きこもりだし、君みたいな可愛い女の子とは無縁の存在だよ?」
「悪かったな!引きこもりで女の子と無縁で」
「何で君が謝るの?」
「だから、俺がえーくんだからだよ!!」
「ふえっ?君がえーくん?」
「はぁ……話が進まない……」
話が進まないし、無意識だろうけど俺のことをディスるわ。この姉、本当に俺のこと大事な弟だと思っているのか?
そう思っていると、姉さんは、何か良いことでも思い付いたのか、手をポンと叩いて話し出した。
「じゃあ、君がえーくんだって信じて欲しいなら、えーくんのこと質問しても答えられるよね?」
「えっ?うん」
「だから私から質問するから君が答えてね。全部答えられたら君がえーくんってことを信じてあげる」
「分かった」
分かったんだが、何か嫌な予感がしなくもない……
「じゃあ質問は全部で三つだよ?それでは第一問。ででんっ。えーくんの誕生日はいつでしょう?」
そんなもの簡単だ。
「一月十一日だな」
「おおー、正解!すごいねぇ?」
「すごいねぇ」って。俺の誕生日だし当然当てられるに決まっているじゃないか。
「では第二問。チャラんっ。家に住んでいた時のえーくんのベッドの下にあるエッチな本のタイトルは何でしょう?」
「なっ!?」
「うふふっ、答えられるかなぁ?」
答えられる答えられないとかの前提の前に、俺のベッドの下になんか何も隠してなんか無いぞ?
これも簡単じゃないか。
「答えは、何も隠してないだ!」
「ファイナルアンサー?」
「ああ、ファイナルアンサーだ!」
「じゃあ、正解を発表します。正解は……じゃがじゃがじゃんっ!何も隠してないでした!すごいねぇ君。二問目も正解だよ!」
「当然だ、俺の問題だからなっ!」
「因みに、えーくんの鍵がかけられてる引き出しの中には『女の子にモテる十の方法』っていう本が隠してあるんだよ?」
「な、何でそれをっ!?」
「お姉ちゃんに隠し事はできないんだよ?弟くんは覚えといたほうがいいかもしれないね?」
「そういう問題じゃないっ!それじゃあ俺のプライバシーが守れてない……って、俺がえーくんだって分かってるじゃないか!!」
「ふぇ?何のことでしょうか?」
「この人露骨に誤魔化したぞ!?」
「では、ラストの問題いこー!」
「話をそらすな!!」
全く。このダメ姉め、最初から分かってて質問したな?
まあいい。後でやり返すとしよう。
「最後の問題!チャラんっ!えーくんが将来結婚すると誓った人は誰でしょう?」
こんなのが最終問題か?簡単じゃないか。答えは「そんな人いない」だ。なんだ、結構すんなり終わったな。
「正解は、そんな人いなーーーー待てよ?」
思い刺さる所がある。それは俺が引きこもった理由にも関係する。
俺は中学生の時、虐められていたというより、弄ばれていた。その理由とは何か。
それは、「俺は姉さんと結婚するんだ!!」と叫んでいたからだ。
中学生の中盤くらいまでは、真面目に姉さんと結婚すると考えていたため、授業の一環での未来家系図でも姉と結婚すると書いていたし、先生にもそう話していた。
たぶん、それでみんな思ったのだろう。
「こいつ、やばい奴(重度のシスコン)だ」と。
それから徐々に外の世界から離れていき、引きこもりの今に至る。
てことは、この姉は、俺の黒歴史を使って問題を出してきているということになる。
今思う。この姉、ゲスすぎではなかろうか。
しかも、引きこもりとはいえ俺だって二十一歳。
この歳にもなり、あんな問題の答えを堂々と言えるのだろうか?答えは否だ。言えはしない。
そのため、新たな解決策を見つけるために無言を貫いた。
「もういいのかなぁ?無言っていうことは分からないってことで?」
「い、いや、答えるので待ってください……」
くっ、別の回答が見つからない……もう仕方がない。信じてもらうためには答えなきゃならないんだ!
プライドを捨てろ!俺!
「し、詩織……詩織お姉ちゃんでしゅ……」
「正解っ!!えーくん大好き!!」
「ふにゃ!?」
姉さんは俺に抱きついた。嬉しそうでなりよりだ。
だが、俺のほうというとーーーー
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