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第5話 エルフ、お肉を食べてみた。
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配達のお兄さんにあの失態をしてしまいしばらくして。
いつまでもうじうじしていては何も出来ないため、さっきのことは割り切って、午前から調べてみたかったお肉が食べられるのかを、確かめることにした。
今回買ったお肉は、鶏肉、豚肉、そして牛肉だ。他にも鯨のお肉や鹿肉などといったお肉もあるとは思うが、主に流通していて食べる機会が多いであろう三つを選んでみた。
そして今回はそのお肉を、焼いて塩胡椒を振って食べてみようと思う。
それじゃあさっそくやってみよう!!
まずはキッチンにあるフライパンを取ってと……
「……あれ、フライパンない?」
でも、この二週間くらい一回は料理したはず……
今までの料理を思い出してみる。だが、カップ麺またはコンビニ弁当しか記憶にない。
「もしかして俺、この部屋に引っ越してきてから料理してない!?」
だからか。道理でキッチンがガラガラだと思ったよ。
「って、そんなところじゃない!どうやって肉を焼けばいいんだよ……」
生憎、俺の家のキッチンには、料理道具などほぼ存在しない。たまに、二つのラーメンを混ぜてみたりとか、食べづらい時に移し替えるお皿とかは存在するのだが。
あと、調味料とかの心配もいらないだろう。ケチャップマヨネーズはもちろん、塩胡椒、砂糖は存在する。
たまにそれを使って味変させると、同じものを食べていても飽きないものだ。
因みに、入手先は実家である。実家はこの家からそう遠くはないため、またなくなった時にお邪魔するとしよう。
話は戻るが、お肉をどうやって焼くかだ。
うーん……浮かび上がらない。しょうがない、最終手段だ。
「ヘイ、カンナちゃん、フライパンが無くてもお肉を焼く方法を教えて!!」
スマホに語りかけるが、肝心のAIであるカンナちゃんは無反応だ。もう一度同じように声を掛けてみるが、無視されていると思うほどの無反応。
その理由が分かっていても少し傷付いてしまいそうだ。
カンナちゃんが反応しないのは、俺の声が変わってしまったという点にあるだろう。
AIであるカンナちゃんは、最初に設定してある、男の時の俺の声を主として設定している。
つまり、エルフ、女になってしまった俺を、声ではスマホの持ち主だと思っていないのだろう。
ということで、結局普通に自分で検索することにした。最初からそうしろよ!と思うかもしれないが、あえてそこは触れないでほしい。
そして調べた結果、電子レンジでもお肉が焼けるということだったため、電子レンジで焼くことに決めた。
では改めて、お肉を作っていこう。
といっても作業は、お肉を包んで電子レンジを500ワットに設定し、数分から十何分程度加熱するだけだ。焼く時間は、お肉の厚さに応じて変えていく。
この焼く時間は何も面白いものはないため、飛ばさせて頂こう。
では……ジャンプ!!
ーー二十分後ーー
見事にお肉が完成した。分厚いお肉はコンビニで弁当を買った時についてくる、箸の袋の中にある爪楊枝を刺して中を確認したが、特に問題なく中まで火が通っているみたいだ。
では実食といこうか。割り箸を手にし、手を合わせる。
「いただきます!!」
パクリっ。一気にお肉に噛み付いた。
「っ!?うま……くない……じゃあ、違う種類のお肉も!?」
そして別の種類のお肉にも噛み付く。
「お、美味しくない……」
少量なら食べられないということはないが、無理に食べているといつか吐いてしまいそうだ。
俺の大好物のお肉が食べられないなんて……人生半分損してる……
「あっ、俺の人生ここで終わりだ……肉が食えない人生なんて……」
肉が食べれなくなって病んでしまうエルフであった。
いつまでもうじうじしていては何も出来ないため、さっきのことは割り切って、午前から調べてみたかったお肉が食べられるのかを、確かめることにした。
今回買ったお肉は、鶏肉、豚肉、そして牛肉だ。他にも鯨のお肉や鹿肉などといったお肉もあるとは思うが、主に流通していて食べる機会が多いであろう三つを選んでみた。
そして今回はそのお肉を、焼いて塩胡椒を振って食べてみようと思う。
それじゃあさっそくやってみよう!!
まずはキッチンにあるフライパンを取ってと……
「……あれ、フライパンない?」
でも、この二週間くらい一回は料理したはず……
今までの料理を思い出してみる。だが、カップ麺またはコンビニ弁当しか記憶にない。
「もしかして俺、この部屋に引っ越してきてから料理してない!?」
だからか。道理でキッチンがガラガラだと思ったよ。
「って、そんなところじゃない!どうやって肉を焼けばいいんだよ……」
生憎、俺の家のキッチンには、料理道具などほぼ存在しない。たまに、二つのラーメンを混ぜてみたりとか、食べづらい時に移し替えるお皿とかは存在するのだが。
あと、調味料とかの心配もいらないだろう。ケチャップマヨネーズはもちろん、塩胡椒、砂糖は存在する。
たまにそれを使って味変させると、同じものを食べていても飽きないものだ。
因みに、入手先は実家である。実家はこの家からそう遠くはないため、またなくなった時にお邪魔するとしよう。
話は戻るが、お肉をどうやって焼くかだ。
うーん……浮かび上がらない。しょうがない、最終手段だ。
「ヘイ、カンナちゃん、フライパンが無くてもお肉を焼く方法を教えて!!」
スマホに語りかけるが、肝心のAIであるカンナちゃんは無反応だ。もう一度同じように声を掛けてみるが、無視されていると思うほどの無反応。
その理由が分かっていても少し傷付いてしまいそうだ。
カンナちゃんが反応しないのは、俺の声が変わってしまったという点にあるだろう。
AIであるカンナちゃんは、最初に設定してある、男の時の俺の声を主として設定している。
つまり、エルフ、女になってしまった俺を、声ではスマホの持ち主だと思っていないのだろう。
ということで、結局普通に自分で検索することにした。最初からそうしろよ!と思うかもしれないが、あえてそこは触れないでほしい。
そして調べた結果、電子レンジでもお肉が焼けるということだったため、電子レンジで焼くことに決めた。
では改めて、お肉を作っていこう。
といっても作業は、お肉を包んで電子レンジを500ワットに設定し、数分から十何分程度加熱するだけだ。焼く時間は、お肉の厚さに応じて変えていく。
この焼く時間は何も面白いものはないため、飛ばさせて頂こう。
では……ジャンプ!!
ーー二十分後ーー
見事にお肉が完成した。分厚いお肉はコンビニで弁当を買った時についてくる、箸の袋の中にある爪楊枝を刺して中を確認したが、特に問題なく中まで火が通っているみたいだ。
では実食といこうか。割り箸を手にし、手を合わせる。
「いただきます!!」
パクリっ。一気にお肉に噛み付いた。
「っ!?うま……くない……じゃあ、違う種類のお肉も!?」
そして別の種類のお肉にも噛み付く。
「お、美味しくない……」
少量なら食べられないということはないが、無理に食べているといつか吐いてしまいそうだ。
俺の大好物のお肉が食べられないなんて……人生半分損してる……
「あっ、俺の人生ここで終わりだ……肉が食えない人生なんて……」
肉が食べれなくなって病んでしまうエルフであった。
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