上 下
2 / 8

情けは人の為ならず

しおりを挟む
あれから5年は経ったのか。
細々とマジックをしつつ生計を立てている。マジック以外にも歌と大道芸もやってます、昔とった杵柄っていうものですね。まぁ歌はカラオケくらいしかやってないけど。子どもたちが好きでよく行ってたな、懐かしい。

リンはまだ目覚めない。ずっと私のマントにいる。生きているのか死んでいるのか分からないけれど、私のオーラ?モヤ?がなくなるまではそのままぐるぐる巻きにしておいてる。もちろん、親子設定だ。病弱なので治療法をみつけて旅してる、よく眠っているんです、でゴリ押しだ。お母さんはゴリ押しもできます。押しが強くなれてたのは守るべきものがあるからか。

「さ、よってらっしゃい。種も仕掛けもない不思議なことがおこります~!」

昔はもっときちんとした口上を述べてたけど広場とかでやる分にはこのくらいがちょうどよい。最初の街は随分と豊かだったんだな、と今更ながらに気がついた。あそこ、異能試しとかがあるとこの近くの街だし、そうなるんかな。
異能はほとんどの人には見られないから積極的にマジックに活用してます。モヤモヤも巧く操れるようになったし。
その後、自分はお花が操れるらしく手や何もないところから花を出せる。うんうん、マジックっぽい。この世界にない花たちを出すのは生態系が気になるけど、異能で出した花はしばらくすると消えるから多分繁殖はしないでしょう、多分。

異能が使えそうな人がいるときは普通のマジックで、そうじゃないときは異能を使って、とそれなりにやっていたけど、どこでヘマをしたんだろう。

「…ねえ、キミ、聞いているかい?」

リコ、リン、天国にいるであろうみんな、故郷の人たち、お母さん、もうだめかもしれない。

話は少し前に遡る。遡らせて。

いつものようにちょっと賑わってる場所でマジックを始めたのよ。屋台もでててその周辺の人にここでやってもいいか、って許可ももらって。まぁ大抵は許可なんて必要ないんだけど、無駄な争いはしたくないし。
で、許可でたから、いつものようにやって、で、異能が使えそうな人もいないし、ちょびっと派手なパフォーマンスとしたりしたわけてすよ。
助手がいないからね、蔦で自分を覆って合図をすると中にいません!みたいなトリックだったりね。まぁ二重にしたりとか、そういうトリックよ。
で、まあ、そこまではいいのよ。無事に終えてお金回収をしてたら、もう少しで終わるってときにヤクザ?荒れくれ者?っぽい人がきてウンタラカンタラいってまして、まあ、ここもいいのよ、たまにくるタカリの人だと思ったから。
でもお客さんたちは避けるし、屋台の人も関わらないようにしてるし、あ、あのおばさん、運が悪いな、みたいな目で見てくるね?
うん、タカリの人たちをクレーマーとして対応してたら、なんか脅してくるのよ。

“オマエの子ども、シナズケ宿に寝てるんだってな。ぐるぐる巻きになってたなあ。子どもの枕元にあったコレ、売れるかな”

なんて言われたら急いで帰るじゃん?そうするとリンの隣に知らない人がいるし。セキュリティなんて普通のお宿だからね、鍵くらいしかないよ。

で、冒頭に戻るってわけ。
とりあえずは、リンのマントぐるぐる巻きは健在だしオーラのようなものでも包まれてる。うん、大丈夫そう。

「はぁ、リン、無事で良かった。…で、貴方はどちら様でどのようなご用件で?」

なんかごちゃごちゃいってたけど、リンのことが気になりすぎててそれどころじゃないし、私が攻撃されたら反撃できるように花を置いて放置してたんだよね。あーあ、何かやな予感がする。平和な世界が懐かしい。

「全く聞いてなかったわけね」

なんか若い男の人が怒ってるような呆れてるような感じだけど、こっちだってそれなりに怒っているんだよね。不法侵入だし、手下みたいな人たちに脅迫もされてるし、営業妨害もされてる。

「ええ、全く聞いてなかったわ。礼儀のなってないものとは話をする気はないので、どうぞお引き取りを」

ドアの方を指差す。こういうのは舐められたら終わりだからね。あら、フラワーちゃんも指?葉っぱでドアをさすなんて、以心伝心だ。

「そういわないでよ、その子のことが治せるっていっても?」

ほう、そういう手段を使ってくるのか。

「なるほど。お話は聞こうと思います。では、どうぞ、こちらに」

多分向こうは異能持ち。花のこと見えてるみたいだし。強そう。これは使いの者ってやつ?いや、判断するのはまだ早い。

「んー、ここじゃダメかな。着いてきて。あ、もう帰ってこないからその予定で」

…信用はできないけど、リンはこのままでいいはずがない。腐敗臭とはないしあのマントの下はどうなってるのか私じゃ分からないのよね。取らないほうが良いってことくらいしか分からない。付いていくしかないか。リンと自分自身を守ることくらいなら出来るかな。攻撃にはあまり向いてないけど、守ることにはそれなりに自信がある。

「分かった。この子以外に連れはいないし、持っていくものは全てここにあるからこのまま出られる。どこに行くの」

このまま出られる、といったら笑みが深まった。顔はそこそこいいのに不気味で気持ち悪い。

「ついてからのお楽しみ。じゃ、行こっか」

ここの宿は日払いさせてもらっていたし、鍵とチップとしてのお金を受付の子に渡して別れを告げる。前にいる青年をみても何も言わないってどころか畏まってる。偉い人なのか?まだ何も分からない。

「じゃ、これに乗って」

リンを抱きかかえながら着いていくと大通りに出た。ここらへんは、馬車?馬ではないな、車?でもない何か乗り物があるので、私は未知の世界だ。基本的に移動は乗り合いのバスや飛行船?みたいなものとかを使っているがそれはもっと外れにある。ここは中流階級以上の人たちがいるエリアになる。

この薄汚い服でいてもいいのか、と思ったが青年が言うんだし、いいのであろう。

「では、遠慮なく失礼します」

・・・・・

移動の中でなにか質問をされたりするかと思ったがそんなことはなく始終無言で過ごした。自己紹介をしてない気もしたが、些細なことである。

「「「おかえりなさいませ、レネお坊ちゃま」」」

「うん、ただいま」

金髪のさらりとした髪が揺れる。ああ、やっぱりいいとこのお坊ちゃまなのか。どうしてあんなゴロツキを…と思ったけど、あれとは別件か。まだ気を許すな。何があってもいいように小さな花を自分の肩とリンにつけておく。

「それと、その花仕舞っておいてね。ここにいるみんな視えるから」

なるほど、異能持ち集団の使用人ね。敵対心をもたれるのは得策ではない。

「…失礼しました」

ここまでのこのこ付いてきたけど大丈夫だったか、今になって不安がよぎる。最悪花に食べてもらって種としてどこかに飛ばしてもらえばいいけど、屋内だとキツイな。

「それで、キミ、えーっと、貴方はどうしてここに私達を連れてきたのですか。この子のことを治療してもらえるそうだけど、目的を教えてもらえると嬉しいのですが。慈善活動でしたら、教会とかですし、私達は旅をしている最中ですので」

使用人の目もあるので、敬語を使ってみる。レネお坊ちゃまって呼ばれてたからレネ様?になるんだろうけど、まだ呼んでいいのか分からないし。

「せっかちだなあ。じゃ、予定変更!その子をここにおろして、あっ、待って、やっぱこっち来て」

使用人が近づいてきて歩きながら指示をしている。なんなんだ。

「ほら、こっち」

指差したのはお屋敷の隣りにあるホテル?お店のような場所だ。

「ここにおろして。そう、いいよ。少し離れてて」

青年がそういうのでお店のようなところのベンチにリンを寝かせて少し離れる。

「みててね」

悪戯顔をして何やら始めている。うーん、何するのかな。危険なことではなさそう…。ここで刃物を振り上げられたりしたら終わりではあるけど、そんな素振りはなし。オーラ?モヤ?みたいなのが、青年から出てきた。異能か?

「ちょっと弱めてもらっても?」

リンのマントのオーラ?みたいなもののこと?弱めたりとかできるのかな…花に吸い取ってもらえばいっか。

「フラワーちゃん、お願い」

手から出てきた花が歩いていってリンが寝ているマントの上に登る。うん、ファンタジー。ここだけみるととってもほのぼの。
根を張るようにしてぐんぐん吸い取る。あ、花が輝いてきた。それ、私に戻ってくるのかな。

「なんか独特だね、もうそのくらいでいいよ」

だいぶ弱まってきたところで再び青年が何かをしだす。ぶつぶつ唱えてる。異能ってもしかして、魔法の類だったりするのかな。お母さん、そういうの沢山読んできました。ああ、続きはどうなったのかな、それよりも帰れるのかな。

「…よし、もうマントとっていいよ。あとはみんな宜しくね」

「「「かしこまりました」」」

あれよあれよという間にリンが運ばれていく。

「あの…」

聞きたいことが多すぎる。なんなんだ、一体。リンはどうなったのか分からなかった。けど、もう大丈夫なのかな。

「色々聞きたいこともあるだろうし、話そっか」

青年がこちらを向きつつ歩き出す。またお屋敷の方に向かうからこっちが住んでるところなのか。それとも来客用か。いや、マコト、冷静になるんだ。
部屋の中にはいると立派な応接間があった。ああ、これ、ドラマや映画でみたことあるやつ。

「そこ座って。今お茶持ってくるから。それとも先に着替えてくる?着替えならあるけど」

くすくすと青年に笑われてる。確かにここに来てから妙に自分が薄汚く感じてしまっている。服も草臥れているしお風呂もシャワーや水浴びだったので汚れが落ちていないような気もする。匂いには気を遣っているから臭くはないと思うけど、鼻がバカになってる可能性もあるし分からない。

「…いえ、このままで」

青年に笑われてるのも癪だし、何より聞きたいことがあるので先に聞いてしまおう。

「では、聞きたいことがあります。まず、広場で私に香り袋が売れるか、とか話しかけてきた人たちは貴方の差し金ですか。あのようなことは営業妨害です。やめてください。そして、リンはどうなりましたか。何をしましたか。貴方は私に何をさせたいのですか。見返りといってもお支払いできるお金はあまり持ち合わせがありません。そもそも貴方は一体…」

パンパン

青年が手を叩いた。聞きたいことがあるだろうし、話そうっていってきたのはそちらでは。不服なのでそれを隠さずに青年をみるとやはり笑っている。

「聞きたいことがたくさんあるみたいだし、順を追って話していくよ。まあ、焦らずに。んー、やっぱり臭いから湯浴みしてきたら?」

…失礼すぎる。が、臭いといわれたら気になる。お風呂あるのかな、水で拭いたり川で洗ったりだったから正直心惹かれる。そんな顔がバレたのだろう。メイドさんのような方がきて、湯浴みの場所に案内された。

「レネお坊ちゃまの申し付けによりお客様の担当になりましたクルリです。よろしくお願いします。お客様の湯浴みのお手伝いをさせていただきます」

クルリさんという女性の方がにこりともせずに脱がしにかかってきた。いや、そういうのはちょっと求めてないです。

「よろしくお願いしますマコトと申します、って、あの、本当にすみません。湯浴みのやり方とかを教えていただけたら自分でできますので、「だめです」、はい」

押しが強い。なにこれ、押しが強い。怖い、目が座ってる。

「せめて、服は、あの、あまり綺麗じゃないので自分で脱がせてください、いや、本当に、自分で脱げるので、すみません」

服を脱がそうとしてくるのを必死にとどめ、自分で脱ぐ。もうこうなったら恥もなにもない。生娘でもないので元々そこまで恥ずかしいとかはないし申し訳ない気持ちが強い。

「では、脱ぎ終わりましたらこちらへ」

クルリさんも腕まくりして準備万端だ。怖い。もうなるようになれだ。
好き勝手洗われて何やかんやされたけど、やっぱり湯につかれるのはいいね。

しっかり湯につかって緊張がほぐれたのかそれともクルリさんの手がゴッドハンドなのかいつの間にか寝てしまっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ

トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!? 自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。 果たして雅は独りで生きていけるのか!? 実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。 ※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

~まるまる 町ごと ほのぼの 異世界生活~

クラゲ散歩
ファンタジー
よく 1人か2人で 異世界に召喚や転生者とか 本やゲームにあるけど、実際どうなのよ・・・ それに 町ごとってあり? みんな仲良く 町ごと クリーン国に転移してきた話。 夢の中 白猫?の人物も出てきます。 。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

神様のミスで女に転生したようです

結城はる
ファンタジー
 34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。  いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。  目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。  美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい  死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。  気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。  ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。  え……。  神様、私女になってるんですけどーーーー!!!  小説家になろうでも掲載しています。  URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

処理中です...