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1.始まりの地
きゅう、地球との接点
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眩しくて目を開けてられない。
「いきなりどうしたの…」
うわぁ、まだぽわぽわする。いきなり光るのはだめよね、ナシよ。昔TVアニメでフラッシュか何かが強すぎて問題になったもの、うろ覚えだけれど。
ふう、ようやく、目がきちんと開けられるようになったわ。そこは違う世界のようでした。
「トンネルを抜けるとそこは…ってまぁ、雪国でもないし、違う世界なんだけどね、元々。んー、ちょっと今まで花畑にいたのよね、私。ここは海のようね」
目の前には花がそれぞれに光って浮いている幻想的な世界が広がっていた。下は鏡のようになっているのかしら。夜の海でこういう光景を見た気がするわ。この光景を眺めているとリボンをつけた2人が私の周りをふわふわしてるのが分かった。
「すごい光景ね、此処。とっても綺麗」
上を見てみると月が1つと半分で2つある。星の色や形も様々だ。やっぱり違う世界なのね。
写真を撮ろうと思わずスマホに手が伸びる。
「あれ?なにこれ」
異世界写真集のアルバム共有をダメ元でしていたのだけれども、夫と共有できてる。
「もしかして一瞬繋がったのかな。通知もきてるわ」
共有さえできてたら写真を更新したら見てもらえるわね。さてと、沢山通知がきてるわ。何からみようかしら。
・・・・・
私がいなくなったことが全国ニュースになっているのね。行方不明にしても早いと思ったら玄関のところがまるっとなくなっていた、だなんてそれは怪奇現象すぎるものね、全国ニュースにもなるわね。…もしかして、この場所にある砂利や木の欠片は玄関の残りだったり、…いえ、考えないでおきましょ。
少し間違ったら私まで木っ端微塵だったのでは、身につけてるものも無事で本当によかったわ。靴を履いてたタイミングも今更ながら最高だったわね。
家族や友達、色々な人から沢山の連絡がきてた。愛されてるわね、本当に有り難いことだわ。
夫には心配かけてしまったけれど、異世界写真集の共有アルバムでどうにか生存を伝えられたかしら。サブカルチャーには疎かった気がするけれど、大丈夫かしらね。妻が行方不明になったと思ったら花畑や石などの自然の写真を送ってきました、とかいったら頭がおかしいと思われるものね。苦労をかけるわね。
経済的な心配はしなくても大丈夫だろうけど、子どもたちの精神が心配ね。こればかりはどうしょうもないけれど。強くたくましく乗り越えて欲しいわ。まだあなた達に会う気でいるけれどね、私は。
また一瞬でも繋がるかもしれない可能性にかけて、大事な人には写真付きでメールを送っておきましょう。ふふ、なら、元気な姿を撮らないとね。
「ねえねえ、ケサランとパサラン、家族や友達に写真を送りたいのだけれど、一緒に映ってくれる?」
2人が頷いたのでインカメで何枚か写真を撮る。
いい写真が撮れたわ、合成みたいね、こんなの地球にはないもの。すっぴんだし、少し目が腫れてるけれどこんなものでしょう。週刊誌などに売り込みはかける人はいないと思うけど、ネットにもあげないでねっていっておきましょ。
そうね、あとは、戻るのを諦めてないことも付け加えてっと。よし、こんなものね。
「さてと、各所に送れたことだし、写真はこれからも撮り続けましょう。圏外でも共有はできるわ!」
一瞬でも電波が通じたのが嬉しかったのか、興奮が冷めないわ。このままじゃ眠れそうにもないわね。
「ねえねえ、2人は寝ないの?まだお話しててもいいかしら」
ケサランとパサランがいるので話しかけてみる。
パサランはチカチカしてどこかに飛んでいってしまったが、ケサランは頷いて残ってくれたみたいだ。
「ありがとう。あのね、契約って勝手に破棄とかできたりするものなの?いいえ、破棄したいわけではないわ、誤解しないで欲しいのだけど。なんといったらうまく伝わるかな。なんで契約してくれたの?そんな簡単にしていいものでもないのでしょう。ああ、あやふやになっちゃったわね。そうね、契約ってお互いの同意がない限りは破棄できない?」
ケサランが穏やかに光りつつ頷いている。
「そうよね、契約だもの。私はね、この世界に来てから初めて仲良くなれたケサランとパサランを手放したくはないの。ずっと一緒にいてくれる?」
頷いて飛んできて頬ずりをしてくれる。か、かわいいわ。
「不思議なのよね。なんで契約してくれたのかなって。行動を縛るようなことはしないけど、そういうのもできちゃうかもでしょう?私を気に入ってくれたから、助けてくれるのかな。そしたら、嬉しいけどね。ふふ、ありがとう」
手の上に乗って甘える仕草をしてくれる。言葉は通じないけど、分かりあえてる気がする。
「さっき日が暮れるときに光ったのはなにか意味があるの?」
頷いている。
「花が光るのはケサランたちの力が関係する?」
頷いている。
一問一答を繰り返していると急にケサランがチカチカして何かを訴えてきた。
「んー、相変わらず何を言いたいのか分からないけど、なんとなく緊急事態っぽい光り方ね。焦ってるのかな、こっちに行けばいいの?」
ケサランが花畑の中に早く早く!といっているような気がしているので靴を履いて貴重品だけは手にして夜の花畑の中に入っていく。
「わ、素敵。少し花だけが茎から離れて浮いて光っているのね、どういう仕組みなのかしら」
まじまじと見ていたいところだけれども、ケサランが急かしているようなのであとに続く。
他の綿毛ちゃんたちもぞろぞろと集まってきているようだ。
「一体何があるっていうのかしら」
不思議に思いつつも花と月と綿毛ちゃんたちの明かりのみを頼りに続いていく。
ドッカーン…
「いきなりどうしたの…」
うわぁ、まだぽわぽわする。いきなり光るのはだめよね、ナシよ。昔TVアニメでフラッシュか何かが強すぎて問題になったもの、うろ覚えだけれど。
ふう、ようやく、目がきちんと開けられるようになったわ。そこは違う世界のようでした。
「トンネルを抜けるとそこは…ってまぁ、雪国でもないし、違う世界なんだけどね、元々。んー、ちょっと今まで花畑にいたのよね、私。ここは海のようね」
目の前には花がそれぞれに光って浮いている幻想的な世界が広がっていた。下は鏡のようになっているのかしら。夜の海でこういう光景を見た気がするわ。この光景を眺めているとリボンをつけた2人が私の周りをふわふわしてるのが分かった。
「すごい光景ね、此処。とっても綺麗」
上を見てみると月が1つと半分で2つある。星の色や形も様々だ。やっぱり違う世界なのね。
写真を撮ろうと思わずスマホに手が伸びる。
「あれ?なにこれ」
異世界写真集のアルバム共有をダメ元でしていたのだけれども、夫と共有できてる。
「もしかして一瞬繋がったのかな。通知もきてるわ」
共有さえできてたら写真を更新したら見てもらえるわね。さてと、沢山通知がきてるわ。何からみようかしら。
・・・・・
私がいなくなったことが全国ニュースになっているのね。行方不明にしても早いと思ったら玄関のところがまるっとなくなっていた、だなんてそれは怪奇現象すぎるものね、全国ニュースにもなるわね。…もしかして、この場所にある砂利や木の欠片は玄関の残りだったり、…いえ、考えないでおきましょ。
少し間違ったら私まで木っ端微塵だったのでは、身につけてるものも無事で本当によかったわ。靴を履いてたタイミングも今更ながら最高だったわね。
家族や友達、色々な人から沢山の連絡がきてた。愛されてるわね、本当に有り難いことだわ。
夫には心配かけてしまったけれど、異世界写真集の共有アルバムでどうにか生存を伝えられたかしら。サブカルチャーには疎かった気がするけれど、大丈夫かしらね。妻が行方不明になったと思ったら花畑や石などの自然の写真を送ってきました、とかいったら頭がおかしいと思われるものね。苦労をかけるわね。
経済的な心配はしなくても大丈夫だろうけど、子どもたちの精神が心配ね。こればかりはどうしょうもないけれど。強くたくましく乗り越えて欲しいわ。まだあなた達に会う気でいるけれどね、私は。
また一瞬でも繋がるかもしれない可能性にかけて、大事な人には写真付きでメールを送っておきましょう。ふふ、なら、元気な姿を撮らないとね。
「ねえねえ、ケサランとパサラン、家族や友達に写真を送りたいのだけれど、一緒に映ってくれる?」
2人が頷いたのでインカメで何枚か写真を撮る。
いい写真が撮れたわ、合成みたいね、こんなの地球にはないもの。すっぴんだし、少し目が腫れてるけれどこんなものでしょう。週刊誌などに売り込みはかける人はいないと思うけど、ネットにもあげないでねっていっておきましょ。
そうね、あとは、戻るのを諦めてないことも付け加えてっと。よし、こんなものね。
「さてと、各所に送れたことだし、写真はこれからも撮り続けましょう。圏外でも共有はできるわ!」
一瞬でも電波が通じたのが嬉しかったのか、興奮が冷めないわ。このままじゃ眠れそうにもないわね。
「ねえねえ、2人は寝ないの?まだお話しててもいいかしら」
ケサランとパサランがいるので話しかけてみる。
パサランはチカチカしてどこかに飛んでいってしまったが、ケサランは頷いて残ってくれたみたいだ。
「ありがとう。あのね、契約って勝手に破棄とかできたりするものなの?いいえ、破棄したいわけではないわ、誤解しないで欲しいのだけど。なんといったらうまく伝わるかな。なんで契約してくれたの?そんな簡単にしていいものでもないのでしょう。ああ、あやふやになっちゃったわね。そうね、契約ってお互いの同意がない限りは破棄できない?」
ケサランが穏やかに光りつつ頷いている。
「そうよね、契約だもの。私はね、この世界に来てから初めて仲良くなれたケサランとパサランを手放したくはないの。ずっと一緒にいてくれる?」
頷いて飛んできて頬ずりをしてくれる。か、かわいいわ。
「不思議なのよね。なんで契約してくれたのかなって。行動を縛るようなことはしないけど、そういうのもできちゃうかもでしょう?私を気に入ってくれたから、助けてくれるのかな。そしたら、嬉しいけどね。ふふ、ありがとう」
手の上に乗って甘える仕草をしてくれる。言葉は通じないけど、分かりあえてる気がする。
「さっき日が暮れるときに光ったのはなにか意味があるの?」
頷いている。
「花が光るのはケサランたちの力が関係する?」
頷いている。
一問一答を繰り返していると急にケサランがチカチカして何かを訴えてきた。
「んー、相変わらず何を言いたいのか分からないけど、なんとなく緊急事態っぽい光り方ね。焦ってるのかな、こっちに行けばいいの?」
ケサランが花畑の中に早く早く!といっているような気がしているので靴を履いて貴重品だけは手にして夜の花畑の中に入っていく。
「わ、素敵。少し花だけが茎から離れて浮いて光っているのね、どういう仕組みなのかしら」
まじまじと見ていたいところだけれども、ケサランが急かしているようなのであとに続く。
他の綿毛ちゃんたちもぞろぞろと集まってきているようだ。
「一体何があるっていうのかしら」
不思議に思いつつも花と月と綿毛ちゃんたちの明かりのみを頼りに続いていく。
ドッカーン…
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