9 / 34
1.始まりの地
きゅう、地球との接点
しおりを挟む
眩しくて目を開けてられない。
「いきなりどうしたの…」
うわぁ、まだぽわぽわする。いきなり光るのはだめよね、ナシよ。昔TVアニメでフラッシュか何かが強すぎて問題になったもの、うろ覚えだけれど。
ふう、ようやく、目がきちんと開けられるようになったわ。そこは違う世界のようでした。
「トンネルを抜けるとそこは…ってまぁ、雪国でもないし、違う世界なんだけどね、元々。んー、ちょっと今まで花畑にいたのよね、私。ここは海のようね」
目の前には花がそれぞれに光って浮いている幻想的な世界が広がっていた。下は鏡のようになっているのかしら。夜の海でこういう光景を見た気がするわ。この光景を眺めているとリボンをつけた2人が私の周りをふわふわしてるのが分かった。
「すごい光景ね、此処。とっても綺麗」
上を見てみると月が1つと半分で2つある。星の色や形も様々だ。やっぱり違う世界なのね。
写真を撮ろうと思わずスマホに手が伸びる。
「あれ?なにこれ」
異世界写真集のアルバム共有をダメ元でしていたのだけれども、夫と共有できてる。
「もしかして一瞬繋がったのかな。通知もきてるわ」
共有さえできてたら写真を更新したら見てもらえるわね。さてと、沢山通知がきてるわ。何からみようかしら。
・・・・・
私がいなくなったことが全国ニュースになっているのね。行方不明にしても早いと思ったら玄関のところがまるっとなくなっていた、だなんてそれは怪奇現象すぎるものね、全国ニュースにもなるわね。…もしかして、この場所にある砂利や木の欠片は玄関の残りだったり、…いえ、考えないでおきましょ。
少し間違ったら私まで木っ端微塵だったのでは、身につけてるものも無事で本当によかったわ。靴を履いてたタイミングも今更ながら最高だったわね。
家族や友達、色々な人から沢山の連絡がきてた。愛されてるわね、本当に有り難いことだわ。
夫には心配かけてしまったけれど、異世界写真集の共有アルバムでどうにか生存を伝えられたかしら。サブカルチャーには疎かった気がするけれど、大丈夫かしらね。妻が行方不明になったと思ったら花畑や石などの自然の写真を送ってきました、とかいったら頭がおかしいと思われるものね。苦労をかけるわね。
経済的な心配はしなくても大丈夫だろうけど、子どもたちの精神が心配ね。こればかりはどうしょうもないけれど。強くたくましく乗り越えて欲しいわ。まだあなた達に会う気でいるけれどね、私は。
また一瞬でも繋がるかもしれない可能性にかけて、大事な人には写真付きでメールを送っておきましょう。ふふ、なら、元気な姿を撮らないとね。
「ねえねえ、ケサランとパサラン、家族や友達に写真を送りたいのだけれど、一緒に映ってくれる?」
2人が頷いたのでインカメで何枚か写真を撮る。
いい写真が撮れたわ、合成みたいね、こんなの地球にはないもの。すっぴんだし、少し目が腫れてるけれどこんなものでしょう。週刊誌などに売り込みはかける人はいないと思うけど、ネットにもあげないでねっていっておきましょ。
そうね、あとは、戻るのを諦めてないことも付け加えてっと。よし、こんなものね。
「さてと、各所に送れたことだし、写真はこれからも撮り続けましょう。圏外でも共有はできるわ!」
一瞬でも電波が通じたのが嬉しかったのか、興奮が冷めないわ。このままじゃ眠れそうにもないわね。
「ねえねえ、2人は寝ないの?まだお話しててもいいかしら」
ケサランとパサランがいるので話しかけてみる。
パサランはチカチカしてどこかに飛んでいってしまったが、ケサランは頷いて残ってくれたみたいだ。
「ありがとう。あのね、契約って勝手に破棄とかできたりするものなの?いいえ、破棄したいわけではないわ、誤解しないで欲しいのだけど。なんといったらうまく伝わるかな。なんで契約してくれたの?そんな簡単にしていいものでもないのでしょう。ああ、あやふやになっちゃったわね。そうね、契約ってお互いの同意がない限りは破棄できない?」
ケサランが穏やかに光りつつ頷いている。
「そうよね、契約だもの。私はね、この世界に来てから初めて仲良くなれたケサランとパサランを手放したくはないの。ずっと一緒にいてくれる?」
頷いて飛んできて頬ずりをしてくれる。か、かわいいわ。
「不思議なのよね。なんで契約してくれたのかなって。行動を縛るようなことはしないけど、そういうのもできちゃうかもでしょう?私を気に入ってくれたから、助けてくれるのかな。そしたら、嬉しいけどね。ふふ、ありがとう」
手の上に乗って甘える仕草をしてくれる。言葉は通じないけど、分かりあえてる気がする。
「さっき日が暮れるときに光ったのはなにか意味があるの?」
頷いている。
「花が光るのはケサランたちの力が関係する?」
頷いている。
一問一答を繰り返していると急にケサランがチカチカして何かを訴えてきた。
「んー、相変わらず何を言いたいのか分からないけど、なんとなく緊急事態っぽい光り方ね。焦ってるのかな、こっちに行けばいいの?」
ケサランが花畑の中に早く早く!といっているような気がしているので靴を履いて貴重品だけは手にして夜の花畑の中に入っていく。
「わ、素敵。少し花だけが茎から離れて浮いて光っているのね、どういう仕組みなのかしら」
まじまじと見ていたいところだけれども、ケサランが急かしているようなのであとに続く。
他の綿毛ちゃんたちもぞろぞろと集まってきているようだ。
「一体何があるっていうのかしら」
不思議に思いつつも花と月と綿毛ちゃんたちの明かりのみを頼りに続いていく。
ドッカーン…
「いきなりどうしたの…」
うわぁ、まだぽわぽわする。いきなり光るのはだめよね、ナシよ。昔TVアニメでフラッシュか何かが強すぎて問題になったもの、うろ覚えだけれど。
ふう、ようやく、目がきちんと開けられるようになったわ。そこは違う世界のようでした。
「トンネルを抜けるとそこは…ってまぁ、雪国でもないし、違う世界なんだけどね、元々。んー、ちょっと今まで花畑にいたのよね、私。ここは海のようね」
目の前には花がそれぞれに光って浮いている幻想的な世界が広がっていた。下は鏡のようになっているのかしら。夜の海でこういう光景を見た気がするわ。この光景を眺めているとリボンをつけた2人が私の周りをふわふわしてるのが分かった。
「すごい光景ね、此処。とっても綺麗」
上を見てみると月が1つと半分で2つある。星の色や形も様々だ。やっぱり違う世界なのね。
写真を撮ろうと思わずスマホに手が伸びる。
「あれ?なにこれ」
異世界写真集のアルバム共有をダメ元でしていたのだけれども、夫と共有できてる。
「もしかして一瞬繋がったのかな。通知もきてるわ」
共有さえできてたら写真を更新したら見てもらえるわね。さてと、沢山通知がきてるわ。何からみようかしら。
・・・・・
私がいなくなったことが全国ニュースになっているのね。行方不明にしても早いと思ったら玄関のところがまるっとなくなっていた、だなんてそれは怪奇現象すぎるものね、全国ニュースにもなるわね。…もしかして、この場所にある砂利や木の欠片は玄関の残りだったり、…いえ、考えないでおきましょ。
少し間違ったら私まで木っ端微塵だったのでは、身につけてるものも無事で本当によかったわ。靴を履いてたタイミングも今更ながら最高だったわね。
家族や友達、色々な人から沢山の連絡がきてた。愛されてるわね、本当に有り難いことだわ。
夫には心配かけてしまったけれど、異世界写真集の共有アルバムでどうにか生存を伝えられたかしら。サブカルチャーには疎かった気がするけれど、大丈夫かしらね。妻が行方不明になったと思ったら花畑や石などの自然の写真を送ってきました、とかいったら頭がおかしいと思われるものね。苦労をかけるわね。
経済的な心配はしなくても大丈夫だろうけど、子どもたちの精神が心配ね。こればかりはどうしょうもないけれど。強くたくましく乗り越えて欲しいわ。まだあなた達に会う気でいるけれどね、私は。
また一瞬でも繋がるかもしれない可能性にかけて、大事な人には写真付きでメールを送っておきましょう。ふふ、なら、元気な姿を撮らないとね。
「ねえねえ、ケサランとパサラン、家族や友達に写真を送りたいのだけれど、一緒に映ってくれる?」
2人が頷いたのでインカメで何枚か写真を撮る。
いい写真が撮れたわ、合成みたいね、こんなの地球にはないもの。すっぴんだし、少し目が腫れてるけれどこんなものでしょう。週刊誌などに売り込みはかける人はいないと思うけど、ネットにもあげないでねっていっておきましょ。
そうね、あとは、戻るのを諦めてないことも付け加えてっと。よし、こんなものね。
「さてと、各所に送れたことだし、写真はこれからも撮り続けましょう。圏外でも共有はできるわ!」
一瞬でも電波が通じたのが嬉しかったのか、興奮が冷めないわ。このままじゃ眠れそうにもないわね。
「ねえねえ、2人は寝ないの?まだお話しててもいいかしら」
ケサランとパサランがいるので話しかけてみる。
パサランはチカチカしてどこかに飛んでいってしまったが、ケサランは頷いて残ってくれたみたいだ。
「ありがとう。あのね、契約って勝手に破棄とかできたりするものなの?いいえ、破棄したいわけではないわ、誤解しないで欲しいのだけど。なんといったらうまく伝わるかな。なんで契約してくれたの?そんな簡単にしていいものでもないのでしょう。ああ、あやふやになっちゃったわね。そうね、契約ってお互いの同意がない限りは破棄できない?」
ケサランが穏やかに光りつつ頷いている。
「そうよね、契約だもの。私はね、この世界に来てから初めて仲良くなれたケサランとパサランを手放したくはないの。ずっと一緒にいてくれる?」
頷いて飛んできて頬ずりをしてくれる。か、かわいいわ。
「不思議なのよね。なんで契約してくれたのかなって。行動を縛るようなことはしないけど、そういうのもできちゃうかもでしょう?私を気に入ってくれたから、助けてくれるのかな。そしたら、嬉しいけどね。ふふ、ありがとう」
手の上に乗って甘える仕草をしてくれる。言葉は通じないけど、分かりあえてる気がする。
「さっき日が暮れるときに光ったのはなにか意味があるの?」
頷いている。
「花が光るのはケサランたちの力が関係する?」
頷いている。
一問一答を繰り返していると急にケサランがチカチカして何かを訴えてきた。
「んー、相変わらず何を言いたいのか分からないけど、なんとなく緊急事態っぽい光り方ね。焦ってるのかな、こっちに行けばいいの?」
ケサランが花畑の中に早く早く!といっているような気がしているので靴を履いて貴重品だけは手にして夜の花畑の中に入っていく。
「わ、素敵。少し花だけが茎から離れて浮いて光っているのね、どういう仕組みなのかしら」
まじまじと見ていたいところだけれども、ケサランが急かしているようなのであとに続く。
他の綿毛ちゃんたちもぞろぞろと集まってきているようだ。
「一体何があるっていうのかしら」
不思議に思いつつも花と月と綿毛ちゃんたちの明かりのみを頼りに続いていく。
ドッカーン…
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
転生キッズの魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
西園寺おとば🌱
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
田舎の雑貨店~姪っ子とのスローライフ~
なつめ猫
ファンタジー
唯一の血縁者である姪っ子を引き取った月山(つきやま) 五郎(ごろう) 41歳は、住む場所を求めて空き家となっていた田舎の実家に引っ越すことになる。
そこで生活の糧を得るために父親が経営していた雑貨店を再開することになるが、その店はバックヤード側から店を開けると異世界に繋がるという謎多き店舗であった。
少ない資金で仕入れた日本製品を、異世界で販売して得た金貨・銀貨・銅貨を売り資金を増やして設備を購入し雑貨店を成長させていくために奮闘する。
この物語は、日本製品を異世界の冒険者に販売し、引き取った姪っ子と田舎で暮らすほのぼのスローライフである。
小説家になろう 日間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 週間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 月間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 四半期ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 年間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 総合日間 6位獲得!
小説家になろう 総合週間 7位獲得!

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
不定期投稿になります。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。
人見知り転生させられて魔法薬作りはじめました…
雪見だいふく
ファンタジー
私は大学からの帰り道に突然意識を失ってしまったらしい。
目覚めると
「異世界に行って楽しんできて!」と言われ訳も分からないまま強制的に転生させられる。
ちょっと待って下さい。私重度の人見知りですよ?あだ名失神姫だったんですよ??そんな奴には無理です!!
しかし神様は人でなし…もう戻れないそうです…私これからどうなるんでしょう?
頑張って生きていこうと思ったのに…色んなことに巻き込まれるんですが…新手の呪いかなにかですか?
これは3歩進んで4歩下がりたい主人公が騒動に巻き込まれ、時には自ら首を突っ込んでいく3歩進んで2歩下がる物語。
♪♪
注意!最初は主人公に対して憤りを感じられるかもしれませんが、主人公がそうなってしまっている理由も、投稿で明らかになっていきますので、是非ご覧下さいませ。
♪♪
小説初投稿です。
この小説を見つけて下さり、本当にありがとうございます。
至らないところだらけですが、楽しんで頂けると嬉しいです。
完結目指して頑張って参ります
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる