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1.始まりの地
に、はじめての場所
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眠ってしまったのか気を失っていたのかあやふやだけど、どうやら真っ白い空間からは抜け出したようです。
ふう、自分の色しかなかったから、あんなところにいたら気が狂うわ。
にしてもなんなのよ、一体。
横になってしまったので服をはたきつつ、あたりを見渡してみる。
「うわぁ…」
思わず漏れてしまう声。だけど、仕方がない。
なんてったって、あたり一面花畑。
こんなことある?虫絶対にいるわよ、こんなところ。ファンタジーあるあるの魔物とかもいるわよね?
もっと安全そうなところにおろしてよね、本当になんなの。許すまじ。
とはいえ、あたりを見渡してみるけど、人の気配はもちろんのこと生き物の気配が何もしないのよ、此処。不気味すぎる場所ですね。
色とりどりの綺麗な花畑に虫もいないのよ、地面はサラサラの土、土というよりも砂や砂利に近いわね、これ。
公園や運動場でみたことあるわ、こんな場所によく生えてるわね、お花たち。流石ファンタジー。
服が汚れないし歩きやすそうだけれども、森でもないし、なんなの。
私の格好は仕事着、とはいえ今はもうスーツではなくてカジュアルね。事務作業が多いし、出先でなくてよかったわ。
車の中にヒールはおいてあるからスニーカー、これは正解だったわね。
持ち物は、貴重品やスマホに化粧道具一式、あとは帰宅後そのまま子どもたちのお迎えや買い物と思ったからそれのあれやこれ、前回は通勤中に震災に合ったから、何かあったときのためにと持ち歩いてる最低限の非常袋も役に立ちそうね。車の中においてある備蓄用のお水がないのが痛いけれど、出掛け間際が幸いしてかかなりの荷物を持ってこれたのは大きいわね。
役に立たないのが一番だったけれども。言ってもこの際、仕方がない。
とりあえず、スマホは圏外のままだし、写真だけは撮っておこうかな、はあ、待ち受けにうつる家族が恋しい、絶対に家族とまた会うんだから!
死んでるだなんて嘘よ、私はここにいるし。会えるかな、元の世界に戻れないのかしら。だめよ、るみ、弱気になっちゃ。
無害そうな花だけれども、何があるのか分からない異世界なので、無闇矢鱈に触らずに。慎重に慎重を重ねておきましょう。
花に近寄ってみたら人食い花でした、みたいなオチは嫌よ。小石を投げて確認してみたけど、何もなかったわ。
花畑でも一応獣道みたいなのがあるのね。不思議。私のいたところだけが丸く空いているのね、なんなのかしら、本当。
日も高いし、まだ暮れることはないでしょう、多分。
時間は、えっと、そういえば時間は一緒なのかしら。
とりあえず腕時計はそのままにして、今は8時ね、よし、では、お昼にはまたここに戻ってきましょう。
魔力のない魂が必要というようなことを言っていたから、すぐに死ぬような場所には転送させてないでしょ、いくらなんでもね!フラグじゃないわよ、これは。
というか魔力っていってたわね、あの神もどき!魔力ということは魔物がいるのかしら。
さ、初めての異世界よ。なんていってたっけ。ビバ?ピバ?なんちゃらだったわ、もっときちんと聞いておけばよかったかしら。ま、今更ね。
家族と別れてるやらなんやらの不安は抱えているけれども、切り替えが大事よ、まず私が生きていないとね!ここから動いたら危険なのかしら、いえ、何かあっても対処できないわ、格闘技もやったことのない平和な世界で生きてきたもの。
見渡す限りは何もなし。静寂ね。高いものもなさそう。
死にたくはないけれども、ここにいても埒が明かない。
方位磁石なんて持ってないけど、地球と一緒ということで。
迷わないように…、今は午前中だから、影の向いている方向が西ね、では北から見てみましょう。
初めての異世界?なのかな、レッツゴーよ!
一人でも気分を盛り上げていかないとね、どうにもね。
・・・・・
なにもないわ。もう15分は歩いているけれど、何もないなんてことあるのかしら。
花畑は途切れてただの砂利になっているけれども。生き物の気配もなにもない。
不思議を通り越して不気味ね、ここは。
何にせよ、静かすぎるわ。私の足音しかしないじゃない。
「こんにちはー。誰かいませんか。もしもーし」
自分の声が響き渡るのみ。あれ、響くってことはここは洞窟かなにかなの。反響しているってことよね。やまびこってわけでもないし、うーん。
外であまり大きな声を出したことがないから分からないな。
もっとサバイバルのやり方をきちんと覚えておけばよかったのだろうけど、普通に生きてたらいらないもの。サバイバルの本、スマホにいれていたっけ。
あとでダウンロードの確認をしてみましょ。
圏外でもできることはあるものね、文明の力をみせるときってやつね。
北の方には何もないようね、花畑がみえないくらい来ちゃったけれど。
あら、ここは砂利ではなくて大きな石になってる。透明な石でガラスみたい。きれいな場所だわ。
さてと、写真だけ撮ってまた戻りましょう。せめて水辺か何かを見つけないと生きていけなそうね。
あとは屋根になりそうな場所ね、何処かあるかしら。
ここで生きていくしかないのなら、やるしかないのよね。
ふう、自分の色しかなかったから、あんなところにいたら気が狂うわ。
にしてもなんなのよ、一体。
横になってしまったので服をはたきつつ、あたりを見渡してみる。
「うわぁ…」
思わず漏れてしまう声。だけど、仕方がない。
なんてったって、あたり一面花畑。
こんなことある?虫絶対にいるわよ、こんなところ。ファンタジーあるあるの魔物とかもいるわよね?
もっと安全そうなところにおろしてよね、本当になんなの。許すまじ。
とはいえ、あたりを見渡してみるけど、人の気配はもちろんのこと生き物の気配が何もしないのよ、此処。不気味すぎる場所ですね。
色とりどりの綺麗な花畑に虫もいないのよ、地面はサラサラの土、土というよりも砂や砂利に近いわね、これ。
公園や運動場でみたことあるわ、こんな場所によく生えてるわね、お花たち。流石ファンタジー。
服が汚れないし歩きやすそうだけれども、森でもないし、なんなの。
私の格好は仕事着、とはいえ今はもうスーツではなくてカジュアルね。事務作業が多いし、出先でなくてよかったわ。
車の中にヒールはおいてあるからスニーカー、これは正解だったわね。
持ち物は、貴重品やスマホに化粧道具一式、あとは帰宅後そのまま子どもたちのお迎えや買い物と思ったからそれのあれやこれ、前回は通勤中に震災に合ったから、何かあったときのためにと持ち歩いてる最低限の非常袋も役に立ちそうね。車の中においてある備蓄用のお水がないのが痛いけれど、出掛け間際が幸いしてかかなりの荷物を持ってこれたのは大きいわね。
役に立たないのが一番だったけれども。言ってもこの際、仕方がない。
とりあえず、スマホは圏外のままだし、写真だけは撮っておこうかな、はあ、待ち受けにうつる家族が恋しい、絶対に家族とまた会うんだから!
死んでるだなんて嘘よ、私はここにいるし。会えるかな、元の世界に戻れないのかしら。だめよ、るみ、弱気になっちゃ。
無害そうな花だけれども、何があるのか分からない異世界なので、無闇矢鱈に触らずに。慎重に慎重を重ねておきましょう。
花に近寄ってみたら人食い花でした、みたいなオチは嫌よ。小石を投げて確認してみたけど、何もなかったわ。
花畑でも一応獣道みたいなのがあるのね。不思議。私のいたところだけが丸く空いているのね、なんなのかしら、本当。
日も高いし、まだ暮れることはないでしょう、多分。
時間は、えっと、そういえば時間は一緒なのかしら。
とりあえず腕時計はそのままにして、今は8時ね、よし、では、お昼にはまたここに戻ってきましょう。
魔力のない魂が必要というようなことを言っていたから、すぐに死ぬような場所には転送させてないでしょ、いくらなんでもね!フラグじゃないわよ、これは。
というか魔力っていってたわね、あの神もどき!魔力ということは魔物がいるのかしら。
さ、初めての異世界よ。なんていってたっけ。ビバ?ピバ?なんちゃらだったわ、もっときちんと聞いておけばよかったかしら。ま、今更ね。
家族と別れてるやらなんやらの不安は抱えているけれども、切り替えが大事よ、まず私が生きていないとね!ここから動いたら危険なのかしら、いえ、何かあっても対処できないわ、格闘技もやったことのない平和な世界で生きてきたもの。
見渡す限りは何もなし。静寂ね。高いものもなさそう。
死にたくはないけれども、ここにいても埒が明かない。
方位磁石なんて持ってないけど、地球と一緒ということで。
迷わないように…、今は午前中だから、影の向いている方向が西ね、では北から見てみましょう。
初めての異世界?なのかな、レッツゴーよ!
一人でも気分を盛り上げていかないとね、どうにもね。
・・・・・
なにもないわ。もう15分は歩いているけれど、何もないなんてことあるのかしら。
花畑は途切れてただの砂利になっているけれども。生き物の気配もなにもない。
不思議を通り越して不気味ね、ここは。
何にせよ、静かすぎるわ。私の足音しかしないじゃない。
「こんにちはー。誰かいませんか。もしもーし」
自分の声が響き渡るのみ。あれ、響くってことはここは洞窟かなにかなの。反響しているってことよね。やまびこってわけでもないし、うーん。
外であまり大きな声を出したことがないから分からないな。
もっとサバイバルのやり方をきちんと覚えておけばよかったのだろうけど、普通に生きてたらいらないもの。サバイバルの本、スマホにいれていたっけ。
あとでダウンロードの確認をしてみましょ。
圏外でもできることはあるものね、文明の力をみせるときってやつね。
北の方には何もないようね、花畑がみえないくらい来ちゃったけれど。
あら、ここは砂利ではなくて大きな石になってる。透明な石でガラスみたい。きれいな場所だわ。
さてと、写真だけ撮ってまた戻りましょう。せめて水辺か何かを見つけないと生きていけなそうね。
あとは屋根になりそうな場所ね、何処かあるかしら。
ここで生きていくしかないのなら、やるしかないのよね。
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