元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ

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 折角、皆で海に行くのだからなるべく煩わしい事は避け、楽しめた方が良い。余り人目につかず、砂浜があり、適度な岩場がある所が良い。そう思い、前日に俺はレビテーションで空からどこの海岸に行くか下見しに来た。すると、サイドビーチとの境に丁度いい崖があった。その下が、砂浜と岩場になっている。地形を見る限り、崖を降りないとそのビーチには来られない。俺は、簡易拠点を岩場と砂浜の間に設置する。これで、場所は確保した。そして、この場所と俺の屋敷の庭をゲートで繋ぐ。これから、天然のゴムを使い”浮き輪”、”ゴムボート”、”ウェイクボード”、”バナナボート”、ボール”等の遊び道具をいくつか創作する。これで、ばっちり遊べる。後は、当日になるのを待つだけだ。

 海に行く当日。朝早くから、屋敷の人達がゲートを通り、海でのBBQの準備を始めてくれた。俺は、テーブルや椅子、クーラーボックスを創造のスキルで制作した。一旦、屋敷に戻り、最初に実家の庭にゲートを繋げる。実家には既に皆が集まっていた。

「皆さん、おはようございます。」

 俺がゲートから出ると、シャランがやって来た。

「これがゲートの魔法ですのね。どうなっているのかしら?」

「これは、空間を・・・」

 シャランに簡単に説明するが理解できないらしく、目を丸くしている。そんな中、シルビアもこっちにやって来た。

「タカミー、来たよ。海楽しみだね。」

「ううん、一旦、中央の俺の家に行ってからの移動だけどね。」

 侯爵夫妻と師匠は俺の両親とフォルクス夫妻と何やら話している。まぁ、そんなに問題は無いとは思うけど、両親が凄く畏まっている。そんな中、シン兄ちゃんだけは空気を読んでいない(笑)

「タカミー、来たぞ!早く海いこーぜ!」

「うん、ちょっと待って。みなさーん、集まってください。」

 皆が俺の周りに集まってくる。

「今から皆さんを中央の俺の家に招待するのですが、ちょっとだけ言っておくことがあります。今、俺が住んでいる所は、皆からすればお化け屋敷です。しかし、お化けと言っても悪さをする訳でなく、俺達同様に働き、楽しんでいます。偏見のある人もいるとは思いますがその辺を少し考えてあげてください。」

シルビア「見た目とか怖くないの?」

「いたって普通ですが、一人だけ見た目怖い人?がいます。」

セリカ「見た目怖いってどんな感じなの?」

「デミリッチです。」

師匠「え!!君は、デミリッチと一緒に住んでいるのかい?」

「はい、デミリッチは基本的に高位魔導士が己の命と引き換えに魔力を得たアンデットでその理由としては、大いなる恨みや魔導研究の為と言うのがほとんどです。しかし、彼は、家族を守るために敢えてデミリッチになった紳士です。皆さんに攻撃をすることはありません。話してみると凄く為にもなりますよ。」

シャラン「他にはどんなアンデットがいるんですの?」

「一応、多いのは霊体です。後、レイスが少々です。」

フォルクス親父「なんで、そんなのと住んでいるだ?」

「えっと、家がただだったからです。本来は、悪魔が居ましたがそれを俺が倒してその家を貰いました。そこに元々住んでいた人達で、心残りを解消してから成仏してもらおうと思って・・・」

ムラーノ「まぁ、とにかく行ってみるのがいいな。」

「はい。注意事項はそんなところです。それさえ気にならなければ結構快適ですよ。それでは行きましょう。」

 俺達は、ゲートを抜けて屋敷に戻った。屋敷の入口でフェラーとリカラが待っている。

「皆さま、ようこそお越しくださいました。執事のファラーと申します。」

「メイド長のリカラと申します。」

「御用の際は、なんなりとお申し付けください。」

 二人は丁寧にお辞儀をし皆を迎え入れる。

セリカ「凄くりっぱなお屋敷。全然。お化け屋敷じゃないじゃない。」

「え。フェラーとリカラは霊体ですよ。」

一同「えーー!!」

「私どもは、主様のお力でこの世に留まっております。不愉快であれば姿を現しませんのでご遠慮なくいってください。」

シン「へー、皆お化けなんだ!すっげーー!初めて見た」

 流石はシンだ。全く空気を読んでいない。しかし、誰一人として嫌がっている人はいなかった。

 フェラーとリカラは侯爵と師匠の元に歩いてくる。

「ヤマト侯爵様、ウォーレン様、お久しぶりでございます。」

侯爵「ああ、やはりここは・・・」

「その通りでございます。」

ウォーレン「師匠はいるのかい?」

「はい、ご健在でございます。」

 2,3言、挨拶をしフェラーは皆に向かって、話始める。

「では、一旦応接間にご案にいたします。こちらへどうぞ!」

 フェラーとリカラで皆を応接間に案内する。皆とすれ違う他のメイドたちは慌ただしく海に食材を運んだり、準備をしたりしている。

シルビア「ねえ、ここの人達、みんな霊なの?」

「うん。そうだよ。あまり人と変わらないでしょ?」

「うん。はじめは身構えちゃったけど、すごく良い人?達だね。」

「うん。凄く助かっているよ。」

 もう既に侯爵と師匠は気付いているようだ。ここがオッティーの元屋敷だと言う事に。

「タカミ。確認なんだが、ここは、元魔導騎士団団長 オッティー様の屋敷ではないのかい?」

「そうです。」

「まさか、オッティー様がデミリッチなのかい?」

「流石師匠ですね。そうですよ。」

「うむ。オッティー様が屋敷の皆を惨殺して自ら命を絶ったと聞いていたが・・・」
 一瞬、師匠の顔が怪訝そうになったがすぐにいつも通りの表情に戻った。

「それは、誤解だったんですよ。後でお話しします。」

「まぁ、きっと君が何かしたんだろうね。大体想像がつくが・・・」

 少ししてリカラ達メイドがお茶とお菓子を持って応接間にやって来た。

「お茶とお茶請けでございます。お茶は、サイレントヒルの名産品の茶葉を使っております。お菓子は・・・」

 メイドたちは、皆にお茶とお菓子を配り、挨拶して入口の方に立つ。少しの間、ヤマトの人達には歓談していてもらう。俺は、庭に出てドアマンドの冒険者ギルドにいく。そこには、コブラ達とプルマンが待っていた。

「おはようございます。お迎えに来ました。」

ヴァイロン「旦那様――」

 いきなりヴァイロンが飛びついてきた。

ティファ「こら!いきなり抱き付くな!!」

 ティファがヴァイロンを引き離す。

キャップ「皆を誘っておいたぜ!」

「キャップにーさん、ありがとうございます。」

コブラ「タカミ、久しぶりだな。無事中央に着けて安心したよ。」

「お蔭さまでちゃんと中央に着きましたよ。まぁ、中央でも色々ありましたが・・・」

 俺は、苦笑いをしながらコブラと話をする。

ティファ「タカミ。元気そうね。何よりだわ」

「うん、ティファもね。ヴァイロンも相変わらずだね(笑)」

ヴァイロン「キャップから海に行くって聞いたから来たニャ!うっみ、うっみ!」

 相変わらず、ヴァイロンはテンションが高い。

「うん。皆で楽しめたらいいなって思って。ヒルマンさんもいらっしゃい」

ヒルマン「はい、本日はよろしくお願いします。」

 なんだか、少し緊張しているようだ。

「まぁ、肩の力抜いて行きましょう。それでは、まずは、中央の俺の家に行きます。その前に注意事項が・・・」

 俺は、ヤマトの人達同様お化け屋敷であることを話す。ティファは怯えていたが何とか宥め行く事になった。

 ゲートを抜け、庭に出る。ヤマトの人達を迎え入れた時同様に屋敷の入口でフェラーとリカラが待っている。

「皆さま、ようこそお越しくださいました。執事のファラーと申します。」

「メイド長のリカラと申します。」

「御用の際は、なんなりとお申し付けください。」

 二人は丁寧にお辞儀をし皆を迎え入れる。

キャップ「おい、タカミ。スゲー屋敷だな。」

ヴァイロン「タカミと私の愛の巣だニャン」

 おいおい、ヴァイロンさん。テンション高いですよ。

ティファ「本当に凄いお屋敷だわ。それに全然お化け屋敷っぽくないわ」

「でも、フェラーやリカラは霊だよ。」

ティファ「え!!本当に!そんな感じ全くしないんだけど。」

「私どもは、主様のお力でこの世に留まっております。不愉快であれば姿を現しませんのでご遠慮なくいってください。」

ティファ「そ、そんな滅相もありません。よろしくお願いします。」

 後は、ホープ達が来るのを待つだけだ。コブラ達が到着したのでフェラーがヤマトの皆を呼びに行った。屋敷の中からぞろぞろと皆が出てくる。すると、シルビアが走ってきた。

シルビア「ちょっと、タカミ、この子誰?」

 俺の腕にしがみついているヴァイロンの事を見ている。

ヴァイロン「私はヴァイロンにゃ。タカミは、私の将来の旦那様ニャ!」

シルビア・ティファ「な、何言っているの!!!」

 ティファとシルビアが目を合わせた。

シルビア「ちょっと、タカミ、こっち来て」

 俺は、シルビアに連れられ皆から少し離れた所でお説教される。

「ちょっとどういうことなのよ!」

「え、どうもこうもドアマンドでパーティーを組んでいただけだけど(;’∀’)」

「でも、将来の旦那様とか言っているし。」

「勝手に言っているだけだよー。」

「それに、その隣の可愛らしい子もタカミの事気に入っているっぽいし・・・」

「それは、分かんないけど・・・(;’∀’)」

 と、そこに師匠がやって来た。

師匠「タカミ。そろそろ皆を紹介してほしいのだが。」

 そんな師匠もジト目で俺を見る。(;’∀’)

「そ、そうですよね・・・、では、皆さん、改めてご紹介しますね。」

 俺は、各々紹介する。最初にヤマト侯爵を紹介した。

「えっと、こちらがヤマト侯爵です。多分、名前くらいは知っていると思うけど。」

「バルケッタ・フィアット・ヤマトだ。娘のシルビアと妻のエヴァと長男のジュークです。皆さん、今日一日よろしく頼む。」

 皆が恐縮している。まぁそうだろうけど。

「侯爵様、皆がビビってます。」

「あ、そうか。今日一日、立場を忘れて皆と一緒に楽しみたいと思う。だから皆もそのように接してくれたら嬉しい。」

 侯爵は、丁寧にお辞儀をした。しかし、皆、緊張している感じだ。次に師匠を紹介する。

「えっと、俺の師匠のウォーレン大魔導士です。」

 師匠が俺の隣にやってきて、一言挨拶をした。

「ただいま紹介にあずかったタカミの師匠をしているウォーレン・ランバートです。皆さま、タカミが大変お世話になっております。」

ティファ「うぁー、本物のウォーレン大魔導士様だ。凄く素敵な女性・・・」

 それをかわきりに次々と紹介していく。

「ヤマトでゴールド冒険者をしている戦士のビートルです。同じく戦士のムラーノ。魔術師のセリカ、回復師のシャランです。よろしくお願いします。」

セリカ「ちなみに僕もウォーレン様の弟子だよ。だから、タカミの姉弟子になるのかな♪」

親父「ヤマトで鍛冶と武器屋をやっているフォルクスだ。息子のシンにかみさんのマルチダだ。よろしく頼む」

コブラ「ドアマンドを中心にプラチナ冒険者をやっている戦士のコブラです。こちらがアサシンのキャップ、魔導士のティファに回復師のヴァイロンです。」

「ヴァイロンにゃ!タカミの将来のお嫁さんにゃ!よろしくなのニャ!」

「な、何言っているの!お嫁さんは・・・ごにょごにょ」

ティナ「タカミのお嫁さんは私」

シルビア「ちょっと、どうなっているの?私がお嫁さんでしょ!」

 なんか、大変なことになってきた。

「ま、まぁ、ちょっと、まずは自己紹介しようね。(;’∀’)」

ヒルマン「ドアマンドで武器商人をやっているヒルマンです。よろしくお願いします。自分は、フォルクスさんの作る武具に凄く関心があります。そんなフォルクスさんに会えるなんてすごく光栄です!」

親父「ほぉ。お主が儂のファンか!お主、なかなか見る目があるぞ!」

 次に神明流の師匠達だ。

ホープ「儂は、神明流総代のホープと申します。こちらは孫娘のドミノ。総師範代のクーガじゃ。よろしくお願い奉る。」

 ホープ達は、丁寧にお辞儀する。

「儂は、最近まで身体の半分が動かなかった。しかし、タカミが儂の治療をしてくれたおかげでこうして5体満足になったのじゃ。タカミには感謝してもしきれぬ恩がある。」

「ちょ、ちょっと、師匠、やめてくださいよ。弟子として当然のことをしたまでですよ。」

セリカ「え!タカミ、剣も扱うの?」

「ええ、最近、習い始めたばかりですが。」

ドミノ「何言っているの。既に免許皆伝貰ったでしょ!」

父「何!!タカミ、お前あの神明流の免許皆伝なのか!」

「えぇ、まぁ・・・(;’∀’)」

戦士一同「えーー!!マジかぁ(本当に!)!」

ビートル「魔法だけじゃなく剣まで扱うってどんだけ凄いんだよ・・・」

父「タカミ、ちょっと後で父さんに剣の腕前、披露してみろ。」

 父が俺の耳元でコソコソ話す。

「ははは・・・分かったよ。」

 ここで、俺はボルボとオッティーを召喚する。

《召喚 ボルボ及びオッティー》

 ゲートが開き、二人が召喚される。

「主君殿、お呼びだし有難き幸せでござい奉る。」

「ほっほっほ。君主様、呼び出しすまぬのう。」

 俺は、二人を紹介する。

「えっと、今来た二人は、ボルボとオッティーです。」

 皆は、オッティーの姿を見て怯む。

オッティー「こんな姿で申し訳ないのう。儂は、中央帝都元第一魔導騎士団団長 オッティー=ファムリ=アダムスじゃ。よろしく頼む。」

「儂は、中央帝都元特殊工作部隊隊長の ボルボ・アイーンである。皆の衆、よろしくお頼み申す。」

「ボルボ、固いよ。普通に話そうよ。」

ムラーノ「ボルボ・アイーン様と言ったら5大英雄の一人だよな?」

セリカ「そんな事言ったら、オッティー様も5大英雄の一人だよ。」

シン「すっげーーー!!5大英雄のボルボ様だ!!確か、パジェロ様の師匠だよね。」

ボルボ「以前は、そうであったが色々あっての。奴とはもう全くって無いでござるよ。」

ウォーレン「し、師匠・・・」

 師匠ウォーレンはちょっと寂しそうに俯く。俺は、師匠の隣に行きそっと話しかける。

「師匠、大師匠は大変立派な方ですよ。色々な噂はありましたが、すべて払拭しました。それに、そんな顔をしていたら、美人が台無しですよ。」

 ウォーレンは、寂しそうな顔をしていたが、何かグッと堪えている。そして、

「そうだな。うん。そうだ。全く、君って奴はいつも私の想像の上を行く。大したもんだよ。」

 師匠は、無理して笑顔を作る。やはり、ちゃんとオッティーと話してほしいかな。後で、二人で話する機会を作ろう。さて、残りは俺達だけだ。

「えっと、最後に俺達ですね。俺と、ティナ、ナディアは皆さんもよく知っていると思います。もう一人、新たな家族が出来たので紹介します。彼女はノア。皆さん、よろしくお願いします。」

「ノアですわ。皆さまお見知りおきを(o^―^o)」

フォルクス「おお。お主が噂のフェニックス様だな。よかったら、本来の姿を見せてもらえないだろうか!?」

マルチダ「こら!あんたは何てこと言っているんだい!ノアさんに失礼だろ!!」

ノア「いいえ、別によろしくてよ。皆様は、我が主様の大切な方々。それくらいお安い御用ですわ。」

 ノアは、フェニックスるの姿に戻る。ノアの本来の姿を見た事無かった人たちは、ノアの美しさに目を奪われる。

一同「す、凄い・・・なんて、神々しいんだ!

キャップ「そんな、ノアさんをタカミはボコったんだけどな(笑)」

「ちょっと、キャップにーさん、洒落にならないって・・・(;’∀’)」

 なんだかんだで自己紹介は終わり、海に行く事にした。ゲートは既に繋がっている。俺は、順番にゲートを通るように促した。

「まぁ、色々な話はあると思うますが、海に移動しましょう。そこのゲートの向こうが海になっています。奥に仮設の建物を用意しておきました。女性の方々はそこで着替えをしてください。」

 皆がぞろぞろとゲートを潜り、海に行く。海風が磯の香りを運んでくる。皆は大きく深呼吸して、海の香りを楽しんだ。

キャップ「おお!海だ!!テンション上がるな!!」

ティファ「そうね。何やら開放的になるわ。」

シルビア「やっぱり海は大勢の方がもっと楽しいわね。」

使用人の人達は、”テキパキ”とBBQの準備を始める。後で、オッティーに皆にも楽しむように言ってもらおう。

ウォーレン「うん。海だ!!凄く久しぶりだ。素晴らしい風を感じる。」

オッティー「そうじゃな。あれから色々あってお前達には迷惑をかけた。主君殿のお蔭でこうしてまた海に来れたのだ。感謝じゃのう。」

リオ「そんな、おじい様は悪くありませんわ。こうしてまた海に来れたのだから、今は嫌な事は忘れて楽しみましょうよ。」

 リオとオッティーも海の解放感に浸っている。彼らは今まで本当に大変な思いをしてきた。少しでも楽しんでもらえてば、俺も嬉しい。

ティナ「これが海。凄く大きい。先が見えない。」

ナディア「ほう、壮大なもんじゃの。これが海か。妾は森や山が多かったから海には着た事無かったが、すごいモノだな。」

 ティナやナディアも凄く喜んでいる。俺は、布を使い人数分の水着を創造した。勿論、ビキニです。木偶と言っても憑依している時は、生前の姿になるので水着はあった方が良いと思う。女性達は簡易拠点で水着に着替えに行った。キャプの姿もなぜか無い。マジでどっかから覗けるのかな?。暫くすると、一人ひとり水着に着替えた女性たちが出てくる。

「おお!いい眺めだ!」

 ナディアは流石と言うべきか、文句のつけようがない。ノアもすごく可愛らしい。そんな中、ティナが”モジモジ”している。

「どうしたんだ?」

「ティナ、ナディアやノアみたいに大きくないから恥ずかしい・・・」

 お!思春期か!ティナは自分とナディア達と比較してちょっと、落ち込んでいるっぽい。

「あははは!!ティナ、大丈夫だよ。ティナだって大きく成ればナディア・・・みたいにはいかないだろうけど、ノアやみんなと同じになるよ。それに、凄く可愛らしいよ。」

「ほんと・・・?」

「うん、大丈夫!俺が言うんだから間違いない!」

 ティナは、”パァッ”っと明るくなって、皆の所に走って行った。

 次々と女性陣が出てくる。

「旦那様―!!」

 ヴァイロンが走って俺の所にやって来る。そして、自分の胸に顔を押し当ててきた。

「旦那様。この水着どうかニャ!」

 少し生地が少なめだがとてもセクシーでヴァイロンに似合っている。

「ちょっと、ヴァイロン。離れなさいよ!」

 ティファはヴァイロンを俺から引きはがす。ティファはちょっと、モジモジした感じでこっちを見ている。

「ど、どうかな・・・?」

 ティファの水着は、ブルーの水着にひらひらのパレオがまかれている。二人共凄く似合っている。

「うん、二人共凄く似合っているよ。凄く可愛い!」

 すると、今度はシルビアがやって来る。可愛らしいフリルの付いたワンピースだ。胸の所のリボンも可愛い。

「えへへ。早くタカミに見せたくて!」

「うん。シルビア、とても似合っているよ。リボンも可愛くてすごく良いね。」

「あははは!やったぁー!!ねね。一緒に泳ごうよ!」

「うん。皆が来たらね。遊び道具も沢山あるから皆で楽しもう!」

 今度は、セリカ、師匠、シャランが出てきた。セリカは、スポーツ水着、シャランは白のフリルが付いた水着だ。セリカは、やんちゃな感じだがそのスタイルは見事で、シャランも清楚な感じだが、出るとこは出ていてとても美しい。師匠は・・・

「師匠・・・なんで、Tシャツに短パンなんですか!?」

「え、な、なぜって、こ、これでもいいじゃないか…」

「えーーーーーー!!師匠の水着楽しみにしていたのに・・・」

 俺は、落ち込んだ。師匠は、そんな俺を見て、オロオロしている。

「わ、分かったよ。全く。君は本当にエッチだな。」

 師匠は、Tシャツと短パンを脱ぐ。そこには、大人の色気と少女の可愛らしさが入り混じった正に”天使”がいる。俺は、師匠の水着姿に見惚れてしまった。

「師匠・・・凄く素敵です・・・」

「な、何言っているんだい!ちょっと、そんなにじろじろ見ないでくれるか?恥ずかしいじゃないか!」

 師匠は、照れるようにどっかに行ってしまう。

”ん?”

 一人物陰に隠れて読書をしている人物がいる。オッティーだ。俺は、オッティーの所に行く。

「どうしましたか?こんな所で一人で?」

「ああ、わしゃ、こんななりじゃ。皆と一緒にいて怖がらせてしまうからのう。」

「え!オッティーさんは擬態の魔法使えないんですか?」

「わしゃ、攻撃系や封印が主な魔法じゃからな。そう言った魔法は覚えてないんじゃ。」

「なんだ。言って下さいよ。オッティーさんは、大魔導士なんだから、術式さえ理解できればすぐに使えるようになりますよ。

 俺は、オッティーに偽装の魔法を教える。流石、大魔導士だ。一発で理解し、使えるようになる。オッティーも偽装の魔法を使い、多分生前の自分だろう姿になった。

「ほう、偽装の魔法なんて舐めてかかっていたが、これは結構使える魔法じゃの。」

「潜入や尾行、使い方にっては多方面で使えます。流石に骸骨の姿じゃ確かに普通の人はみんなビビりますよね。」

 俺とオッティーも皆と合流した。
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