元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ

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【決勝】

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 俺は帰りの道中、今日のクーガとウルスの試合の事を考えながら歩いていた。奥義 撃破斬や斬鉄剣は、斬筋や点穴を正確に打ち抜く必要がある。「止まっている」物であれば達人の域に達していればすぐ出せるであろう。しかし、相手は「動いて」いる。斬筋や点結も「動いて」いるのだ。つまり、点穴や斬筋にしてもはぶれて見えるだろう。そこに正確に「気」を打ち込むのは至難の業だと思う。ましてや対戦相手は”あのウルス”である。気の流れは間違いなく分かっていただろう。そんな事を考えながら歩いていると、いつの間にか街が見渡せる丘の上に出た。辺りもいつの間にか暗くなっている。流石に街を見渡せる場所だけあってカップルが”チラホラ”といる。俺は、木々の間を通り、更に上へと進んだ。どれくらい進んだのだろう。ふと、木々が途切れている場所がある。俺は、その場所に行ってみる。すると、街頭で彩られた町が一望できる崖に出た。

”崖か。俺の人生が終わり、新たに始まったきっかけになったんだよな・・・”

 もちろん、この場所は俺の人生には全く無関係の場所だがちょっと思いふけってしまう。崖に向かって歩いて行くと一人の少女が座って街を眺めていた。”前回”は見知らぬ少女だったが、そこに居る少女は俺のよく知っている少女だ。

「ドミノさん・・・」

 ドミノが振り向き、驚いた顔をしている。

「タカミ。なぜ君がここに?」

「うん。なんとなく考え事をして歩いていたらこの場所に出たんだ。ここからも街が一望できるんだね。」

 俺は、ドミノの方に歩いていく。

「うん。この場所はね。修練に行き詰った時によく来ていたんだ。ここから街を見下ろしているとなんだか気持ちが収まってくるんだ。」

俺は、さりげなく隣に座った。少しの間、沈黙が流れた。

「なんで何も言わないのよ。」

「いえ、特に意味は無いのですが・・・」

「今ね。私がおじい様とクーガとで稽古をしていた時の事を思い出していたの。クーガも前はあんなんじゃなかったなって。おじい様と何があったか知らないけど、ずっと育ててもらって、しかも剣術まで教えて貰ったおじい様にあんなことをするなんて…絶対に許せない!本当は私がおじい様の無念を晴らしたい・・・ってずっと思っていた。」

「うん。」

「タカミはすごい。一カ月前にこの道場に現れて、私でも習得していない奥義までも習得して。私のこの剣にかけてきた時間は何だったのかなって思ってね。」

「凄いかすごくないかは分からないけど、他の人達より”力”があるのは自分でもわかっている。でも、その”力がある”っていう事には意味と責任もあると思っているんだ。この”力”は神様が、俺が持つ運命を全うするために与えてくれたものだと思っている。そして、その運命の線上にドミノやホープ師匠、これまでそして、これから出会う多く人達の運命の懸け橋になるのが俺の力なのかなとも思っているんだ。これはこれで、結構プレッシャーだよ。それに、剣術はドミノに大切なことを沢山教えてくれていると思う。その時間はかけがえのない物であり、ドミノの大切なものになっていると思うよ。」

「そうか・・・、うん、そうだよね。でも、クーガに勝てなかったの悔しいな・・・」

「きっと、それにも意味があるんじゃないかな。俺が明日、きっちりドミノやウルスさん、ホープ師匠の落とし前を付けるから!」

「本当にタカミには勝てないや。力も考え方も・・・、一カ月前に出会ったときは、頼りなさそうなのが来たなって感じだったし(笑)」

「えーー、それは酷い(;’∀’)」

「でも、今は、タカミを信じているよ。一緒に修練を積み、同じ相手に挑んだ仲間としてもね。タカミの努力は私も見て来たもん。ね。タカミはなんで剣術を始めたの?」

 俺は、ボルボやオッティーの話をした。そして、剣術大会で国王に直訴する事も。

「ちょ、ちょっと、待って!ボルボ様やオッティー様って言ったら伝説の5大英雄の人達じゃない。そんな人達の汚名を返上するなんて・・・、タカミにはかなわない訳だ・・・」

「そんな事無いよ。勝ち負けじゃないと思うし。これも俺の運命の一つ何だろうな。」

「こんな、頼りなさそうに見える男の子が、そんなに凄いなんてね。なんか今日は、凄くカッコ良く見えるよ。」

「え…、俺ってそんなに頼りなさそう?(;’∀’)」

「だって、背も低いし、ひょろっとしているし(笑)」

「背が低いのは何も言えませんが、ひょろっとしているんじゃなくて鋼の肉体が凝縮されているんだよ。」

「はいはい。そう言う事にしておきます。(笑)」

「うぅ…、あそうだ!面白い魔法を見せてあげるよ。ドミノはどんな男性が好みなの?」

「え!な、何?いきなりどうしたの?」

「いいからいいから。外見の特徴を言ってみて。」

「外見だけなら、背が高くて、がっしりとした凛々しいイケメンかな。」

「なんか、抽象的だな。ちょっと、やってみるか。」

《カモフラージュ(偽装)》

 俺は、ドミノに言われたイケメンに偽装してみる。イケメンはラルトぐらいしか知らないのでラルトをモデルにしてみた。

「ドミノ。さあ、もうそんなに落ち込まないでこっちにおいで」

「!!くぇrちゅいおp@」

 俺は、偽装した姿でドミノに迫る。ドミノは、口を”パクパク”して固まっている。

「どうした?俺の顔に何かついているのか?」

「!!あsdfghjkl;:」

 俺は、ドミノを抱き寄せる。口を”パクパク”してドミノは固まっている。

「そんな顔はドミノには見合わないよ。」

「!!zxcvbんm、。・」

 俺は、ドミノの頬を撫でる。口を”パクパク”してドミノは固まっている。

「なーんてね。どう?面白いでしょ?」

「!!!!」

 俺は、元の姿に戻った。

「ば、ば、ばば、ばっかじゃないの!!!!ちょっと、ときめいちゃったじゃない!!何てことしてくれるのよ!!!」

 どうやら、ドミノは”ドキドキ”しているらしい。ちょっと、悪ふざけが過ぎたかな(;’∀’)

「え・・・ドミノを元気づけようと思って・・・」

「ふぅ、ふぅ、あー、ビックリした。」

 ドミノは、少し落ち着きを取り戻したみたいだ。

「あなた、本当に9歳なの?」

「うん。本当。」

「こんな9歳見た事無い。まぁいいか。ありがとう。少し元気になれた。」

「うん。ドミノの無念も俺が背負って明日戦うから、元気出して。」

「さぁて、帰りましょうか。こんな茶番見ていたら落ち込んでいるのがバカバカしく思えてきた。」

「うん。帰ろう。」

「ねぇ、手を繋いでもいい?」

「うん。いいよ。じゃ、手を繋いで帰ろう。」

 俺とドミノは手を繋ぎ、ドミノを道場に送る。その後、俺は、屋敷に帰宅した。



「ただいまー。」

 俺が屋敷に戻ると、ナディアが俺の所にやって来た。

「ご主人、すまないのじゃ。実は、ご主人に全額かけつつもりじゃったのに、制限をかけられてしまったのじゃ。」

「ん?どういう事?」

「うむ。同じ人物には大金貨50000枚までとなっておったのじゃ。つまり、2試合とも大金貨50000枚しかかけられなかったのじゃ。」

「っていうか、十分だと思うけど。(;’∀’)」

「しかし、ご主人に全額賭けろと申しつかっておったのに・・・妾は不甲斐ないのじゃ・・・」

「そんな事無いよ。ナディアは十分、俺のお願いを聞いてくれているよ。だから、そんな顔しなくていいよ。美人が台無しだ。」

「そ、そうか!?妾は美人か!?明日は、決勝だから全額賭けられると言っておったのじゃ。明日こそ妾に任せるのじゃ!」

「うん。よろしくお願いね。」

 俺は、オッティーの所に行く。

”コンコン”

「タカミですがいいですか?」

「主君殿、開いてますぞ。」

「失礼します。」

 俺は、オッティーのいる書斎に入っていく。そこで、ボルボも呼び出した。

「主君殿、何用でござるか?」

「うん、実は、二人に話しておきたいことがあって。」

 俺は、ホープとクーガの確執について話をする。

「なるほど。分かったでござる。では、”その二人”を連れて行けばいいでござるね。」

「うん。よろしく頼むね。」

「しかし、裏でそんな話があったとは、この件は多くの悲しみがあったんじゃのう。」

「兎に角、明日が勝負だ。二人共よろしくお願いね。」

「何をおっしゃられる。そもそも主君殿は、我々の為に色々と画策をしてくれているんじゃ。むしろ、我々の方がよろしくお願いするところじゃ。本当にかたじけない。」

「ううん。俺は当たり前のことをしているだけだよ。人が不幸になる、もしくは、不幸のままでいるのは心が痛むからね。兎に角、明日は任せてよ。」

「主君殿、よろしくお願いしますのじゃ。(ござる)」

 そして、俺は部屋に戻り、いつもの様にIPS細胞を導入したマウスの観察をする。問題の行動は全く起こっていない。アナライズで状態をチェックする。ホメオスタシスも異常はなく、生命維持に関するフィードバック系統は正常に機能している。スキャンを用いて全身をチェック。ガン化も見られない。もう少し、様子を見るか。



本日は、剣術大会最終日の決勝が行われる。一緒に闘技場に行く3人もなぜか緊張気味だ。ナディアは張り切っているけど・・・。闘技場に着き、俺は選手控室に向かおうとした所でティナに呼び止められた。

「タカミ、ちょっと、耳貸して。」

「ん?何?」

 俺は、ティナに耳を貸す。すると、

「タカミ、頑張ってね。(チュッ)」

 俺はビックリしてティナを見る。ティナは、ちょっと恥ずかしそうに”モジモジ”している。

「うん。頑張って来るよ。女神さまに祝福のキスを貰ったからね。」

 俺は、ティナにウィンクをして選手控室に向かった。選手控室の前にごついフルプレートを身に付けているゴッツいのがいる。ウルスだ。ウルスは俺に気が付くと”ガシャンガシャン”と音を立てて向かってくる。

「タカミ君、昨日は随分と世話になった。あれから、回復師の人達に自分の状態を説明してもらったよ。君は、私の命の恩人だ。ありがとう。」

 ウルスは、俺に深々と頭を下げる。

「いえいえ、お身体が無事でよかったですよ。あれから調子の悪い所は無いですか?」

「おかげさまで今は、絶好調だよ。私は、君にお礼と忠告に来たんだ。クーガは、剣の打ち合いの最中に何かを仕掛けて来るぞ。私の目に向かって何か飛ばしてきたが、幸い兜である程度防ぐことが出来たが一部が瞼に突き刺さった。幸い、目は負傷しなかったがあの様さ。」

 ウルスは悔しそうにしている。

「忠告ありがとう。俺も、あの試合を見てておかしいと思ったんだ。急に動きが止まったからね。ウルスさんの無念も俺が晴らしてくるよ。」

「彼には騎士道と言う物が通用しない。勝つための手段を択ばない。君も気をつけてくれ。」

 俺は、頷き、控室へと向かう。控室に入り、瞑想し集中力を高める。どれくらいの時間が経ったのだろう。運営担当者が俺の所にやって来た。

「そろそろ時間ですが準備はよろしいですか?」

「はい。いつでも行けます。」

急にスタジアムに歓声が沸く。そして、会場にアナウンスが鳴り響いた。

「さあ、何ても笑っても最終決戦だ。優勝は神明流のタカミか?北辰流のクーガか?まずは、タカミ選手の入場だ!!」

 俺は、運営関係者の指示を受け、ステージに入場する。観客席は満員御礼だ。立ち見も多くいる。流石は決勝だけの事はある。正面の高い席でこちらを見ているのが王族の人達だろう。俺は、ステージに入り、観客にお辞儀をする。

「さあ、続いて登場するのは北辰流クーガ選手だ!!」

 同じように観客から歓声が沸き、クーガが太々しく入場して来る。余裕のある不敵な笑みが浮かんでいる。クーガもステージに上がり、観客に手を伸ばす。

「よぉ。逃げずにやって来たな。俺は、お前を大勢の観客の前で”ギッタギタ”にして神明流とお前にとどめを刺してやんよ。」

 俺は、クーガの挑発を無視する。

「さあ、両者が出揃いました。優勝を手にするのは、タカミかクーガか!それでは剣術大会最終日、決勝の火蓋が切って落とされる!!」

 アナウンスと共に、開始のドラムが鳴り響いた。クーガがすごい勢いで攻撃を仕掛けてくる。俺は、剣で受けずにすべて避ける。そして、隙を見て中段に蹴りを入れ吹き飛ばした。

「ぐは!何?」

「なんだ、そんなもんか?そんなスローじゃ、俺にかすり傷一つ負わせられないぞ。」

 俺は、剣の先をクーガに向け威嚇する。そして、今度はこちらからいつもより速いスピードで攻撃を仕掛ける。クーガは剣で受けに徹するが、ちょいちょい致命傷にならない程度に攻撃を当てていく。

「ほらほら、さっきまでの威勢はどうしたんだ?”ギッタギタ”にするんだろ?」

 俺は、攻撃の手を緩めない。クーガは攻撃に転ずることが出来ない。

「な、な、馬鹿な。なんだこのスピードと威力は!?」

 再度、俺は攻撃を繰り出す。それをクーガが受ける。

”キン!

俺は、クーガの剣を弾き飛ばした。

「おいおい、その程度か?いいぞ、拾ってきて。待っていてやるから」

「くっ!なめやがって!この小僧が!!」

 クーガは剣を拾い、俺に突進してくる。そして、剣を繰り出してくる。俺は、それを剣で受け流す。一瞬、クーガがニヤリと笑った。と同時に俺の目の前に何かが飛んできた。俺は、それを手ですべてつかみ取った。

「なんだこりゃ?」

「北辰流奥義 乱れ牙突」

 俺は、すべて避ける。そして、再度、中段に蹴りを打ち込みクーガを吹き飛ばす。

「はぁ、はぁ、何!!なぜだ!!」

 手に取った物を見てみると”気”を込めた髪の毛が針金のように”ピン”となっている。どうやらこれで目を潰し攻撃を仕掛けていたらしい。

「こんな小細工、俺には通用しない。もうないのか?」

「くそっ!!」

 クーガは大きく振りかぶり剣を振り下ろす。それを俺は、剣で受け止めた。すると、何か霧状の液体みたいなものが降ってくる。剣に何か仕込んであったみたいだ。しかし、審判には汗か何かの飛沫にしか見えないのだろう。試合を中断することなく、試合を続行させている。

「北辰流 霧の舞」

「撃破斬!」

 俺は、点穴をずらして剣で受ける。

「な、なぜ動ける!!その毒霧は大型の魔物さえも麻痺させる物だと言うのに!!」

「あー、なんか、ちょっと痺れるな。でも、この程度なら身体に気を巡らせれば簡単に中和できる。それに、俺は毒耐性が高いからな。もう終わりか?じゃあ、今度はこちらから行かせてもらうぞ。」

 俺は、フェイントを織り交ぜながら剣を繰り出す。そして、

”ベシ!”

 剣の腹でクーガの顔面を強打する。今の一撃で鼻は折れただろう。クーガは鼻血を垂らしながら俺も見る。

「これは、ホープ師匠の分ね。もう、戦意喪失しちゃったかな?降参してもいいよ。」

 再度、俺はクーガが剣を構えるのを待つ。

「くっそ!!!!!」

 クーガは剣を振り回し、突進してきた。完全に逆上している。そして、俺は剣の腹でクーガの両脇を強打し、みぞおちを剣の柄で強打した。

「ぐえぇ…」

「これはウルスの分。おいおい、大丈夫か?回復するの待っててやろうか?」

 俺が回復を待っていると、クーガから剣が繰り出される。

「斬鉄剣!」

 クーガが繰り出した斬鉄剣を剣ではじく。この瞬間、クーガは”万歳”の格好になった。

「本当の斬鉄剣は・・・」

《斬鉄剣》

 俺は、神速で斬鉄剣を繰り出す。

「こうやるんだよ。」

 一筋の斬筋を俺は両断する。

「お前は、もう終わりだ。」

 俺は、くるっとクーガに背を向け、ステージ中央に戻っていく。すると、クーガの利き腕が落ち、血が噴き出す。

「ぎゃあぁぁぁ!!!!!俺の腕がーーーー!!!」

 クーガは、膝を落とし、戦意を喪失した。

「そして、これは今までお前が手にかけてきた剣士達の分だ。」

「勝者 タカミーーー!!!」

 決勝の終わりを告げるドラムが鳴り響く。救護班がクーガの下に駆け寄ってくる。その救護班に俺は、”落ちた腕を氷の魔法で凍らせて保存しておいてくれ”と救護班に頼む。そして、クーガは、救護班に連れられ退場していった。

 俺の下には勝者インタビューをする司会がやって来た。

「いやぁー、圧倒的な強さでしたね。あのクーガ選手を物ともしないなんて。」

「はい、ちょっとやりすぎた感はありますが、彼は多くの剣士達に同じ思いをさせてきました。当然の報いでしょう。」

「最後に放ったあの技は何だったのですか?」

「あれは、斬鉄剣。神明流の奥義の一つです。北辰流が勝つためにどんな卑怯な手を使っても神明流には勝てません。」

「最後に、一言お願いします。」

「はい。技を極めた人間にいくら小細工をしても勝てないと言う事です。神明流は礼と道理を重んじ、正々堂々戦う流派です。技だけではなく心・技・体、すべてを磨くことが大切で、神明流にはそれがあります。応援してくださいました皆様。ありがとうございました。」

 俺は、観客に深々とお辞儀をし、同様にステージにもお辞儀をしてステージを降り、控室に戻った。表彰式まではまだ時間がある。俺は、クーガいる救護室に行く。クーガの処置は終わり、止血も済んでいる。ヒールで治療したとみられ、傷口は塞がっている。その横には、氷漬けにされた腕も置いてある。

「やぁ、クーガ気分はどうだ?」

「き、貴様、何しに来やがった。無様な俺を笑いに来たのか!」

「まぁ、そういしたいのはやまやまだけど、そんな事の為には来ないよ。」

「じゃあ、何しに来やがった!?」

「表彰式だ。お前も表彰式に出席しろ。」

「ふん、この俺の無様な姿をもっと晒せというのか。お前も中々だな。」

「そうだな。それもいいが、本題は違う。」

「何言ってるいるかさっぱりだ。俺が、お前の表彰式なんかに出席する訳ないだろ。」

「いや、お前は出席する。なぜならば、お前の両親は生きている。その事実が表彰式で明らかになる。」

「何!!!お前、何言っているんだ!!俺の両親はホープの爺に殺されたんだぞ。」

「まぁ、来れば分かる。こいつも俺が預かっておく。真実を知りたかったら出席する事だな。」

 俺は、氷漬けにされたクーガの腕を空間収納に仕舞い、クーガの控室を後にする。
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