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さて、今日は本選の中日だ。俺は、準備をして皆とコロシアムに向かう。
「ご主人、今日もご主人に全額賭ければいいのじゃろ?」
「うーん、昨日で結構目立ってると思うけど、大丈夫?」
「問題無かろう。妾達は、正当に賭けておるのじゃ。インチキしている訳では無いのじゃから堂々とやればいいのじゃ!」
「そうだね!じゃあ、ナディア、今日もお願いね。」
「了解した!」
今日は、2回戦目と準決勝まで行われる。コロシアムに着くとティナ達と別れ、控室に向かう。控室に行く途中、ドミノと出会った。
「どみのさん!」
ドミノは振り返り、俺を見つめる。しかし、無言のまま自分の控室に入って行ってしまった。俺も、すぐれない気分のまま控室に入る。控室には、ラルトが既にいた。
「やぁ、タカミ。調子はどうだい?」
「結構いいかな。ラルトは?」
「まずまずさ。順当に行けば僕たちは2回戦目で当たるね。お互いフェアーな戦いをしようじゃないか。」
ラルトは、ポーズを決める。
「そうだね、お互い頑張ろう!」
俺達は握手を交わす。
俺達が話をしていると、会場が騒がしくなった。何かと思い控室からコロシアムに出てみると、どうやら俺のオッズが大きく変わったらしい。本日の俺のオッズは1.1倍だ。ナディアが俺に賭けるまではかなり配当が高かったが、ナディアが俺に賭けオッズが急落する。高配当狙いで俺に賭けていた人はちょっと気の毒だと思った。今日は、ちょっと苦戦しているように戦うか。1時間後、運営担当者が俺を呼びに来た。
「タカミ選手、試合が始まるのでコロシアムに出てください。」
俺はコロシアムに出る。正面にはポリスがいる。気合十分って感じだ。
「これより武闘大会3日目、2回戦が開催されます。初戦は、神明流タカミと我流 ポリスとの戦いだ。昨日に引き続き、タカミが一番人気となっています。果たしてどんな戦いが繰り広げられるでしょうか!」
アナウンスが、会場を白熱させる。観客の声援と共に開始のドラムが鳴り響く。俺は、剣を構え、ポリスを見据える。ポリスは右手にショートソードに左手にダガーを持つ変わったスタイルの2二刀流だ。多分、ダガーを使ってリるのでクラスはアサシンなんだろう。お互いに間合いを詰めていく。先に仕掛けてきたのはポリスだった。左右巧みにショートソードとダガーを使い俺に攻撃を仕掛けてくる。
「おっと、先に攻撃を仕掛けたのはポリス選手だ!それをタカミ選手が巧みにかわす!」
俺は、剣でショートソードを受け流し、ダガーを躱す。手数が多いが隙も結構ある。俺は、一瞬、一瞬の細かい隙を付きダメージを千種瀬せていく。
「両者、中々の攻防剛だ!!」
俺も、無傷では何なのでたまに剣とダガーの刃先が当たるように避ける。こうすれば戦いは拮抗しているように見える。多少切れても、皮一枚切れる程度だし、試合後回復できるので大した問題は無い。防御力の差だろう。なんせ、チートなもんで・・・(;’∀’)
「ここで、両者、疲れがたまって来たか!?さあ、両者からどんな攻撃が繰り出されるのか!」
特に見せ場もないまま終盤になる。ポリスは、肩で息をし始め大ぶりになってきた。かなり体力を削ったと思う。ポリスが大きく振りかぶって攻撃をしてきた。その機に俺は、気を込めた剣で抜刀術を使いポリスのショートソードとダガーを弾き飛ばす。
「おっと、タカミ選手がポリス選手の剣を弾き飛ばした!!」
そして、懐に潜り込み、下から顎先に剣を突き付け寸止めする。
「ポリスさん、勝負ありでしょう。」
「くっ。そうだね。私の負けだよ。」
「ここで試合終了です!!!ポリス選手、タカミ選手に敗れました。」
試合の終わりを告げるドラムがコロシアムに鳴り響く。
「勝者 タカミ!!!」
コロシアムに歓声が響いた。俺は、勝者インタビューを受けえる。ドミノを称え、神明流をアピール知るようにインタビューに答え、コロシアムを後にした。俺と入れ替わるようにラルトが試合に出て行く。俺は、ポリスの控室の前に向かった。暫くすると、荷物を持ったポリスが出てくる。
「ポリスさん!!」
「あぁ、君か。どうしてここに?」
「はい、以前、ポリスさんが言っていた子が忘れられなくて。妹さん、身体のどこが悪いんですか?」
「あぁ、腰から足にかけて痛みがあるらしい。多少は歩けるが、すぐに痛みがひどくなって歩けなくなる。今は、体を動かすとかなりのげ通があるらしい。昔は、一緒に遊んだりしていたのだが、今は、下半身が痛いみたいだ。街の回復師にも見てもらったのだが一向に良くならない。でも、兎に角、痛い所を治癒させてもらうしか方法が無い。継続的に治癒してもらうにはお金がかかるのさ。」
「いつぐらいからその症状が出ているのですか?」
「ここ1年程度だ。まぁ、君には関係のない事だから放って置いてくれ。」
「確かに、俺には関係のない事だけど、こうやってポリスさんと知合えたのは何かの縁です。俺なら治せる可能性があります。」
「あ、確か、君も回復魔法が使えるんだったな。しかし。有名な回復師の方にお願いしても治らないのだぞ。君が治せるって言うのか?」
「可能性はあります。よかったら妹さんに会わせてください。」
「何かの縁か・・・、確かにそうかもな。君は何か不思議な感じがする。ありがとう。是非、妹に会ってくれないか?」
「分かりました。それでは大会が終わったら妹さんの所に行きましょう!」
「私の家はサイドビーチの民家だ。馬で行っても2日はかかる。それでもいいのかい?」
「もちろんですよ。苦しんでいる人を放って置けませんから。」
「ありがとう。では、大会が終わったらよろしく頼む。私は、町はずれの宿に泊まっている。」
ポリスは、宿の名前と場所の地図をくれた。大会が終わったら尋ねよう。」
「タカミ、私は君に敗れたが応援しているよ。頑張ってくれ。」
「はい、ありがとうございます。それでは、大会が終わったら伺いますね。」
「あぁ、ありがとう・・・」
俺は、控室に戻る。丁度、ラルトの試合が終わった所らしい。勝者は、ラルトみたいだ。つまり、ラルトが俺の次の対戦相手となった。俺は、控室から、クーガとドミノの試合を観戦する。
一見ドミノが押しているように見られるが、クーガはドミノの出方を伺っている。ドミノがクーガに攻撃し、その攻撃をクーガが受け流す。隙があれば、そこに一撃を入れてくる。。気を抜くと致命傷を貰う事になる。しかし、流石はドミノだ。その反撃を予測し、クーガ同様剣で受け流している。そして仕切り直しか、お互いが距離を取った。するとクーガが何かを投げる。それをドミノがはじき返すが、その隙にクーガが何かを仕掛けた。ここからじゃ良く見えないかも。そして、クーガが何かドミノに向かって言っている。と、その時ドミノは抜刀術の構えをし、放つ。しかし、それを待っていたかのようにクーガのカウンターがドミノを襲った。ドミノは、片膝をつき息が荒い。そこからクーガの突きのラッシュが入る。そして、ドミノの腹部に突きが入り、ドミノは、倒れてしまった。しかし、レフリーが試合終了の合図を出す前に動けないドミノを蹴りあげた。
”な、なんてことをするんだ。ドミノはもう戦えないじゃないか!”
クーガは、ふてぶてしく手を上げ、勝者インタビューも受けずにコロシアムを降りて行った。武闘家としての態度ではない。医療班がドミノに駆けつけ手当てをしている。なんとか、自力で起き上がり、礼をしてコロシアムを降りる。観客席からは、拍手の音が聞こえた。俺は、ドミノの控室に向かう。控室からすすり泣く声が聞こえた。相当、悔しかったに違いない。技術的にドミノがクーガより劣るのは、分かっていた。しかし、分かっていてもドミノは血の滲む様な努力をし、本大会に臨んだ。そのドミノをあざ笑うかのような態度。俺は、クーガに対し怒りを覚えた。俺は、ドミノの控室には入らず、自分の控室に戻る。
控室に戻ると、ウルスの試合が始まっていた。相変わらず捨て身の攻撃だ。しかし、その一撃がやばい。バスターソードから繰り出される剛剣は、まともに食らったら致命傷になるだろう。しかも剣速はとても速い。今の試合内容では、相手がかなりの隠し技を持っていない限り、この状況を打開するのは難しそうだ。それに、ウルス自体、まだ何かありそうな気がする。だが、そこまでかからず試合は終了する。相手が放つ剣をウルスが掴み、ウルスが渾身で放った剣が相手の脇腹に直撃した。相手はその場で戦闘不能になる。まぁ、あの剛剣を受けて無事な奴はほとんどいないとおもうけど…
1時間程度の休憩後、俺とラルトの試合となる。休憩後、運営関係者が俺の事を呼びに来る。コロシアムには既にポーズを決めて俺を待つラルトがいた。
「さあ、タカミ君。我々の華麗なる戦いで、観客を魅了しようじゃないか。」
「うん。よろしくお願いします。」
戦いのドラムが鳴り響く。スピア使いだ。俺は、模倣のスキルを使い相手の出方を伺う。相手もこちらの出方を伺っているのでこちらから攻撃を仕掛けた。基本に忠実な剣技だ。それをラルトは、ヒラヒラと躱していく。
「アークス流 蝶の舞い。君は蝶の様な動きを捕らえることが出来るかな。」
ラルトは、俺がどのように動くのか分かっているかの様に俺の攻撃を躱す。そして、すっと消え、横から鋭い突きの連打が襲い掛かる。俺は、とっさに反応し、剣で突きを受けていく。
「アークス流 乱れ突き。流石、タカミ君だ。この連携技をよく受けきれた。僕の流派は、蝶の様に舞い、蜂のように刺す。いつまで持ちこたえられるかな。」
少しの攻防の末、お互いに距離をとる。どうやって、俺の動きを感知しているんだろう。
「ほう、僕の攻撃をすべて躱すなんて流石だね。次はそうはいかないよ。」
今度は、ラルトから攻撃を仕掛けてきた。俺は、模倣のスキルを使い、相手と同じ技を使う事で相手の技を見切る。ヒラヒラとラルトの攻撃を躱す。神明流の鍛錬のお蔭で、どのような原理で技が出されるのか理解できるようになっている。ラルトは、俺の呼吸や筋肉の動き、目の動きを観察、次の動作を予測し、攻撃を躱しているようだ。
《剣技 蝶の舞いを取得》
「何、僕の蝶の舞いを!!」
しかし、ここはやはり神明流で決着をつけたい。俺は、目を閉じ、抜刀術の構えをし、心眼で相手の動きを感知する。
「クッ!!しかし、目を瞑ったら僕の動きも見えないようね。」
ラルトはスッと右後ろに移動し、攻撃を仕掛けてきた。俺は、それを躱し、抜刀術でラルトの胴に一撃を決めた。
「グハ!」
ラルトは、脇を押さえながら距離をとる。
「どうして僕の動きが分かる。」
ラルトは、再度、横に移動し、攻撃を仕掛けてきた。俺は、抜刀術奥義撃破斬を用いて応戦する。
「神明流 奥義 撃破斬!」
ラルト、俺、お互いの切っ先が当たる。そして、ラルトの刀身が粉々に吹き飛んだ。俺は、そのまま、攻撃を続行し、身体を一回転させながら燕返しを使い、ラルトの首先に剣を当てた。
「勝負ありですね。」
「ウェポンブレイクか・・・凄い技術だね・・・僕の負けだよ。」
俺は、中央に戻り、ラルトにお辞儀をし、感覚席に向けてお辞儀をする。観客席からは、歓声が飛び交う。俺は、勝者インタビューを受け、控室へと戻る。本日最後の試合。ウルスとクーガだ。俺が控室に戻り、少しすると両社がコロシアムに現れた。なんか、嫌な予感がする。そんな中、試合開始のドラムが響く。
ウルスは、バスターソードを両手に持ち、二刀流でクーガに挑んでいる。確かにクーガの一撃もウルスに匹敵するほどの威力を持っている。そこでウルスは防御を捨て、攻撃一点に集中したのだろう。ウルスは、踊るようにクーガに攻撃を仕掛けていく。フルプレートの鎧が無いみたいに軽やかに攻撃を繰り出す。一方、クーガはその攻撃を剣で受け流し、相手のスキを突きカウンターを狙っているのだろう。時々、カウンターが決まるが、ウルスの頑丈な鎧がその威力を半減させる。打ち合いの最中、一瞬ウルスの動きが止まった。そこにクーガが神明流の奥義である撃破斬をウルスの鎧の中に打ち込む。それも、左右から2度に渡り打ち込まれている。ウルスは立ったまま動かない。すると鎧の隙間から血が噴き出す。ウルスはそのまま倒れ、救護班に運ばれていった。観客席からは悲鳴にも似た声も上がっている。
”こんなの試合じゃない!殺し合いじゃないか!!”
俺も、急いでウルスの下へと駆けつける。そこには、ぐったりとしたウルスが、救護班の回復師に囲まれてヒールを受けている。
「ちょっといいですか?」
俺は、回復師達をかき分け、急いでウルスをスキャンする。脈の振れがかなり少ない。内部での出血が酷いのだろう。直ぐに止血し、腹腔に溜まった血液を除去して損傷個所を修復しないと危ない。
「ウルスさん。分かりますか?」
ウルスは、うっすらと目を開けた。
「うぅ、君か・・・ごめん、クーガを仕留めることが出来なかったよ。」
「そんな事はどうでもいいです。直ぐに処置をしないと命が危ないです。俺に任せてくれませんか?」
「ありがとう…私は、もうダメだ。好きにしてくれ。」
ウルスは、そのまま意識を失った。
急がないとちょっとやばい。俺は、簡易オペ室を取り出し、緊急のオペの準備をする。
「皆さん、ありがとうございます。ここからは、俺がやります。」
「なんだ君は!もう、彼女は助からないよ。せめて、出来る事はするが・・・」
「俺が助けます。兎に角、この空間には入らず離れてくれれば見ていても構わない。」
「何言っているんだ!もうダメだ。せめて、安らかなに・・・」
「何言っているんですか!!患者はまだ生きている!生きている限り、可能性はあるんだ!黙って見てろ!!」
身体が”ビクンビクン”と痙攣が始まる。
”ショック症状だ!!ヤバい!!”
俺は、急いで心臓にリカバリーをかけ、邪魔されない様に周りの空間に結界を張り、人を入れないようにした。そして、ウルスをベッドを移動させ鎧を転移で外し、ベールで身体を覆う。俺は、空間収納から白衣を取り出し、バサッと着る。ウルスの痙攣も止まった。
「これから、緊急のオペを始める。」
俺は、再度、ウルスをスキャンし、出血箇所を特定し、止血していく。
《スキャン》
俺の目の前に止血箇所が映し出される。その箇所を止血していく。
《クリップ》
すると脈の振れが戻ってきた次に出血した血液を取り除くためお腹を開く。
《アネスシージャ》
《キュアバクテリア》
《キュアウィルス》
《ウォータメス》
《バキューム》
俺の指先から細長い光が現れ、その光が触れる部分から光のホースを通して血液をトレイへと吸い出していく。血液を取り除き、臓器をチェックしていく。目視とスキャンを利用したので損傷個所の特定は容易だ。CT、MRI、カメラの機能がすべて備わっているスキャンは目視では発見できない損傷個所も鮮明に映し出す。臓器は、かなり損傷している。俺は、臓器を一つ一つ再建していく。
《リジェネレイト》
再建した臓器と血管を繋ぎ、血流を戻していく。
《シール》
それを繰り返し、一つ一つ丁寧に修復していった。そして、見落としが無いか身体全体をスキャンする。臓器の損傷は、すべて再建できた。バイタルも安定している。俺は、お腹を閉じる。
《アンチウィルス》
《アンチバクテリア》
《シール》
《リカバリー》
《キュア》
「ふぅ、オペ終了!」
俺は、麻酔を解きウルスに話しかける。
「ウルスさん、うるすさん」
「う、うーん・・・」
ウルスは目を覚ます。
「ウルスさん、どこかまだ痛むところありますか?」
「あぁ、もう大丈夫だ・・・私は、生きているのか?」
「はい。とりあえず、損傷個所はすべて治しました。体力も戻っているはずです。」
俺は、結界を解く。回復師達がウルスに詰め寄り、損傷状況を確認している。
「すべて治っている・・・き、奇跡だ・・・君は一体・・・回復師なのか?」
「いや、俺は、医者だ。」
俺は、黙って救護室を後にした。
「ご主人、今日もご主人に全額賭ければいいのじゃろ?」
「うーん、昨日で結構目立ってると思うけど、大丈夫?」
「問題無かろう。妾達は、正当に賭けておるのじゃ。インチキしている訳では無いのじゃから堂々とやればいいのじゃ!」
「そうだね!じゃあ、ナディア、今日もお願いね。」
「了解した!」
今日は、2回戦目と準決勝まで行われる。コロシアムに着くとティナ達と別れ、控室に向かう。控室に行く途中、ドミノと出会った。
「どみのさん!」
ドミノは振り返り、俺を見つめる。しかし、無言のまま自分の控室に入って行ってしまった。俺も、すぐれない気分のまま控室に入る。控室には、ラルトが既にいた。
「やぁ、タカミ。調子はどうだい?」
「結構いいかな。ラルトは?」
「まずまずさ。順当に行けば僕たちは2回戦目で当たるね。お互いフェアーな戦いをしようじゃないか。」
ラルトは、ポーズを決める。
「そうだね、お互い頑張ろう!」
俺達は握手を交わす。
俺達が話をしていると、会場が騒がしくなった。何かと思い控室からコロシアムに出てみると、どうやら俺のオッズが大きく変わったらしい。本日の俺のオッズは1.1倍だ。ナディアが俺に賭けるまではかなり配当が高かったが、ナディアが俺に賭けオッズが急落する。高配当狙いで俺に賭けていた人はちょっと気の毒だと思った。今日は、ちょっと苦戦しているように戦うか。1時間後、運営担当者が俺を呼びに来た。
「タカミ選手、試合が始まるのでコロシアムに出てください。」
俺はコロシアムに出る。正面にはポリスがいる。気合十分って感じだ。
「これより武闘大会3日目、2回戦が開催されます。初戦は、神明流タカミと我流 ポリスとの戦いだ。昨日に引き続き、タカミが一番人気となっています。果たしてどんな戦いが繰り広げられるでしょうか!」
アナウンスが、会場を白熱させる。観客の声援と共に開始のドラムが鳴り響く。俺は、剣を構え、ポリスを見据える。ポリスは右手にショートソードに左手にダガーを持つ変わったスタイルの2二刀流だ。多分、ダガーを使ってリるのでクラスはアサシンなんだろう。お互いに間合いを詰めていく。先に仕掛けてきたのはポリスだった。左右巧みにショートソードとダガーを使い俺に攻撃を仕掛けてくる。
「おっと、先に攻撃を仕掛けたのはポリス選手だ!それをタカミ選手が巧みにかわす!」
俺は、剣でショートソードを受け流し、ダガーを躱す。手数が多いが隙も結構ある。俺は、一瞬、一瞬の細かい隙を付きダメージを千種瀬せていく。
「両者、中々の攻防剛だ!!」
俺も、無傷では何なのでたまに剣とダガーの刃先が当たるように避ける。こうすれば戦いは拮抗しているように見える。多少切れても、皮一枚切れる程度だし、試合後回復できるので大した問題は無い。防御力の差だろう。なんせ、チートなもんで・・・(;’∀’)
「ここで、両者、疲れがたまって来たか!?さあ、両者からどんな攻撃が繰り出されるのか!」
特に見せ場もないまま終盤になる。ポリスは、肩で息をし始め大ぶりになってきた。かなり体力を削ったと思う。ポリスが大きく振りかぶって攻撃をしてきた。その機に俺は、気を込めた剣で抜刀術を使いポリスのショートソードとダガーを弾き飛ばす。
「おっと、タカミ選手がポリス選手の剣を弾き飛ばした!!」
そして、懐に潜り込み、下から顎先に剣を突き付け寸止めする。
「ポリスさん、勝負ありでしょう。」
「くっ。そうだね。私の負けだよ。」
「ここで試合終了です!!!ポリス選手、タカミ選手に敗れました。」
試合の終わりを告げるドラムがコロシアムに鳴り響く。
「勝者 タカミ!!!」
コロシアムに歓声が響いた。俺は、勝者インタビューを受けえる。ドミノを称え、神明流をアピール知るようにインタビューに答え、コロシアムを後にした。俺と入れ替わるようにラルトが試合に出て行く。俺は、ポリスの控室の前に向かった。暫くすると、荷物を持ったポリスが出てくる。
「ポリスさん!!」
「あぁ、君か。どうしてここに?」
「はい、以前、ポリスさんが言っていた子が忘れられなくて。妹さん、身体のどこが悪いんですか?」
「あぁ、腰から足にかけて痛みがあるらしい。多少は歩けるが、すぐに痛みがひどくなって歩けなくなる。今は、体を動かすとかなりのげ通があるらしい。昔は、一緒に遊んだりしていたのだが、今は、下半身が痛いみたいだ。街の回復師にも見てもらったのだが一向に良くならない。でも、兎に角、痛い所を治癒させてもらうしか方法が無い。継続的に治癒してもらうにはお金がかかるのさ。」
「いつぐらいからその症状が出ているのですか?」
「ここ1年程度だ。まぁ、君には関係のない事だから放って置いてくれ。」
「確かに、俺には関係のない事だけど、こうやってポリスさんと知合えたのは何かの縁です。俺なら治せる可能性があります。」
「あ、確か、君も回復魔法が使えるんだったな。しかし。有名な回復師の方にお願いしても治らないのだぞ。君が治せるって言うのか?」
「可能性はあります。よかったら妹さんに会わせてください。」
「何かの縁か・・・、確かにそうかもな。君は何か不思議な感じがする。ありがとう。是非、妹に会ってくれないか?」
「分かりました。それでは大会が終わったら妹さんの所に行きましょう!」
「私の家はサイドビーチの民家だ。馬で行っても2日はかかる。それでもいいのかい?」
「もちろんですよ。苦しんでいる人を放って置けませんから。」
「ありがとう。では、大会が終わったらよろしく頼む。私は、町はずれの宿に泊まっている。」
ポリスは、宿の名前と場所の地図をくれた。大会が終わったら尋ねよう。」
「タカミ、私は君に敗れたが応援しているよ。頑張ってくれ。」
「はい、ありがとうございます。それでは、大会が終わったら伺いますね。」
「あぁ、ありがとう・・・」
俺は、控室に戻る。丁度、ラルトの試合が終わった所らしい。勝者は、ラルトみたいだ。つまり、ラルトが俺の次の対戦相手となった。俺は、控室から、クーガとドミノの試合を観戦する。
一見ドミノが押しているように見られるが、クーガはドミノの出方を伺っている。ドミノがクーガに攻撃し、その攻撃をクーガが受け流す。隙があれば、そこに一撃を入れてくる。。気を抜くと致命傷を貰う事になる。しかし、流石はドミノだ。その反撃を予測し、クーガ同様剣で受け流している。そして仕切り直しか、お互いが距離を取った。するとクーガが何かを投げる。それをドミノがはじき返すが、その隙にクーガが何かを仕掛けた。ここからじゃ良く見えないかも。そして、クーガが何かドミノに向かって言っている。と、その時ドミノは抜刀術の構えをし、放つ。しかし、それを待っていたかのようにクーガのカウンターがドミノを襲った。ドミノは、片膝をつき息が荒い。そこからクーガの突きのラッシュが入る。そして、ドミノの腹部に突きが入り、ドミノは、倒れてしまった。しかし、レフリーが試合終了の合図を出す前に動けないドミノを蹴りあげた。
”な、なんてことをするんだ。ドミノはもう戦えないじゃないか!”
クーガは、ふてぶてしく手を上げ、勝者インタビューも受けずにコロシアムを降りて行った。武闘家としての態度ではない。医療班がドミノに駆けつけ手当てをしている。なんとか、自力で起き上がり、礼をしてコロシアムを降りる。観客席からは、拍手の音が聞こえた。俺は、ドミノの控室に向かう。控室からすすり泣く声が聞こえた。相当、悔しかったに違いない。技術的にドミノがクーガより劣るのは、分かっていた。しかし、分かっていてもドミノは血の滲む様な努力をし、本大会に臨んだ。そのドミノをあざ笑うかのような態度。俺は、クーガに対し怒りを覚えた。俺は、ドミノの控室には入らず、自分の控室に戻る。
控室に戻ると、ウルスの試合が始まっていた。相変わらず捨て身の攻撃だ。しかし、その一撃がやばい。バスターソードから繰り出される剛剣は、まともに食らったら致命傷になるだろう。しかも剣速はとても速い。今の試合内容では、相手がかなりの隠し技を持っていない限り、この状況を打開するのは難しそうだ。それに、ウルス自体、まだ何かありそうな気がする。だが、そこまでかからず試合は終了する。相手が放つ剣をウルスが掴み、ウルスが渾身で放った剣が相手の脇腹に直撃した。相手はその場で戦闘不能になる。まぁ、あの剛剣を受けて無事な奴はほとんどいないとおもうけど…
1時間程度の休憩後、俺とラルトの試合となる。休憩後、運営関係者が俺の事を呼びに来る。コロシアムには既にポーズを決めて俺を待つラルトがいた。
「さあ、タカミ君。我々の華麗なる戦いで、観客を魅了しようじゃないか。」
「うん。よろしくお願いします。」
戦いのドラムが鳴り響く。スピア使いだ。俺は、模倣のスキルを使い相手の出方を伺う。相手もこちらの出方を伺っているのでこちらから攻撃を仕掛けた。基本に忠実な剣技だ。それをラルトは、ヒラヒラと躱していく。
「アークス流 蝶の舞い。君は蝶の様な動きを捕らえることが出来るかな。」
ラルトは、俺がどのように動くのか分かっているかの様に俺の攻撃を躱す。そして、すっと消え、横から鋭い突きの連打が襲い掛かる。俺は、とっさに反応し、剣で突きを受けていく。
「アークス流 乱れ突き。流石、タカミ君だ。この連携技をよく受けきれた。僕の流派は、蝶の様に舞い、蜂のように刺す。いつまで持ちこたえられるかな。」
少しの攻防の末、お互いに距離をとる。どうやって、俺の動きを感知しているんだろう。
「ほう、僕の攻撃をすべて躱すなんて流石だね。次はそうはいかないよ。」
今度は、ラルトから攻撃を仕掛けてきた。俺は、模倣のスキルを使い、相手と同じ技を使う事で相手の技を見切る。ヒラヒラとラルトの攻撃を躱す。神明流の鍛錬のお蔭で、どのような原理で技が出されるのか理解できるようになっている。ラルトは、俺の呼吸や筋肉の動き、目の動きを観察、次の動作を予測し、攻撃を躱しているようだ。
《剣技 蝶の舞いを取得》
「何、僕の蝶の舞いを!!」
しかし、ここはやはり神明流で決着をつけたい。俺は、目を閉じ、抜刀術の構えをし、心眼で相手の動きを感知する。
「クッ!!しかし、目を瞑ったら僕の動きも見えないようね。」
ラルトはスッと右後ろに移動し、攻撃を仕掛けてきた。俺は、それを躱し、抜刀術でラルトの胴に一撃を決めた。
「グハ!」
ラルトは、脇を押さえながら距離をとる。
「どうして僕の動きが分かる。」
ラルトは、再度、横に移動し、攻撃を仕掛けてきた。俺は、抜刀術奥義撃破斬を用いて応戦する。
「神明流 奥義 撃破斬!」
ラルト、俺、お互いの切っ先が当たる。そして、ラルトの刀身が粉々に吹き飛んだ。俺は、そのまま、攻撃を続行し、身体を一回転させながら燕返しを使い、ラルトの首先に剣を当てた。
「勝負ありですね。」
「ウェポンブレイクか・・・凄い技術だね・・・僕の負けだよ。」
俺は、中央に戻り、ラルトにお辞儀をし、感覚席に向けてお辞儀をする。観客席からは、歓声が飛び交う。俺は、勝者インタビューを受け、控室へと戻る。本日最後の試合。ウルスとクーガだ。俺が控室に戻り、少しすると両社がコロシアムに現れた。なんか、嫌な予感がする。そんな中、試合開始のドラムが響く。
ウルスは、バスターソードを両手に持ち、二刀流でクーガに挑んでいる。確かにクーガの一撃もウルスに匹敵するほどの威力を持っている。そこでウルスは防御を捨て、攻撃一点に集中したのだろう。ウルスは、踊るようにクーガに攻撃を仕掛けていく。フルプレートの鎧が無いみたいに軽やかに攻撃を繰り出す。一方、クーガはその攻撃を剣で受け流し、相手のスキを突きカウンターを狙っているのだろう。時々、カウンターが決まるが、ウルスの頑丈な鎧がその威力を半減させる。打ち合いの最中、一瞬ウルスの動きが止まった。そこにクーガが神明流の奥義である撃破斬をウルスの鎧の中に打ち込む。それも、左右から2度に渡り打ち込まれている。ウルスは立ったまま動かない。すると鎧の隙間から血が噴き出す。ウルスはそのまま倒れ、救護班に運ばれていった。観客席からは悲鳴にも似た声も上がっている。
”こんなの試合じゃない!殺し合いじゃないか!!”
俺も、急いでウルスの下へと駆けつける。そこには、ぐったりとしたウルスが、救護班の回復師に囲まれてヒールを受けている。
「ちょっといいですか?」
俺は、回復師達をかき分け、急いでウルスをスキャンする。脈の振れがかなり少ない。内部での出血が酷いのだろう。直ぐに止血し、腹腔に溜まった血液を除去して損傷個所を修復しないと危ない。
「ウルスさん。分かりますか?」
ウルスは、うっすらと目を開けた。
「うぅ、君か・・・ごめん、クーガを仕留めることが出来なかったよ。」
「そんな事はどうでもいいです。直ぐに処置をしないと命が危ないです。俺に任せてくれませんか?」
「ありがとう…私は、もうダメだ。好きにしてくれ。」
ウルスは、そのまま意識を失った。
急がないとちょっとやばい。俺は、簡易オペ室を取り出し、緊急のオペの準備をする。
「皆さん、ありがとうございます。ここからは、俺がやります。」
「なんだ君は!もう、彼女は助からないよ。せめて、出来る事はするが・・・」
「俺が助けます。兎に角、この空間には入らず離れてくれれば見ていても構わない。」
「何言っているんだ!もうダメだ。せめて、安らかなに・・・」
「何言っているんですか!!患者はまだ生きている!生きている限り、可能性はあるんだ!黙って見てろ!!」
身体が”ビクンビクン”と痙攣が始まる。
”ショック症状だ!!ヤバい!!”
俺は、急いで心臓にリカバリーをかけ、邪魔されない様に周りの空間に結界を張り、人を入れないようにした。そして、ウルスをベッドを移動させ鎧を転移で外し、ベールで身体を覆う。俺は、空間収納から白衣を取り出し、バサッと着る。ウルスの痙攣も止まった。
「これから、緊急のオペを始める。」
俺は、再度、ウルスをスキャンし、出血箇所を特定し、止血していく。
《スキャン》
俺の目の前に止血箇所が映し出される。その箇所を止血していく。
《クリップ》
すると脈の振れが戻ってきた次に出血した血液を取り除くためお腹を開く。
《アネスシージャ》
《キュアバクテリア》
《キュアウィルス》
《ウォータメス》
《バキューム》
俺の指先から細長い光が現れ、その光が触れる部分から光のホースを通して血液をトレイへと吸い出していく。血液を取り除き、臓器をチェックしていく。目視とスキャンを利用したので損傷個所の特定は容易だ。CT、MRI、カメラの機能がすべて備わっているスキャンは目視では発見できない損傷個所も鮮明に映し出す。臓器は、かなり損傷している。俺は、臓器を一つ一つ再建していく。
《リジェネレイト》
再建した臓器と血管を繋ぎ、血流を戻していく。
《シール》
それを繰り返し、一つ一つ丁寧に修復していった。そして、見落としが無いか身体全体をスキャンする。臓器の損傷は、すべて再建できた。バイタルも安定している。俺は、お腹を閉じる。
《アンチウィルス》
《アンチバクテリア》
《シール》
《リカバリー》
《キュア》
「ふぅ、オペ終了!」
俺は、麻酔を解きウルスに話しかける。
「ウルスさん、うるすさん」
「う、うーん・・・」
ウルスは目を覚ます。
「ウルスさん、どこかまだ痛むところありますか?」
「あぁ、もう大丈夫だ・・・私は、生きているのか?」
「はい。とりあえず、損傷個所はすべて治しました。体力も戻っているはずです。」
俺は、結界を解く。回復師達がウルスに詰め寄り、損傷状況を確認している。
「すべて治っている・・・き、奇跡だ・・・君は一体・・・回復師なのか?」
「いや、俺は、医者だ。」
俺は、黙って救護室を後にした。
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