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【予選】
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今日から4日間、剣術大会が開催され、本日が予選、明日、明後日が本選の決勝前、最終日が決勝と言うスケジュールになっている。俺達は、剣術大会が行われるコロシアムへ向かった。コロシアムは、中央広場にあり大体、東京ドームくらいの大きさだ。コロシアムの周辺は、お祭り騒ぎで多くのお店や露店が出ている。
「沢山の人がいる。凄い!」
「そうね。皆楽しそうで私も”ワクワク”してくるわ。ちょっと、ナディア、それ、私にも少し分けてくださる?」
「うん!これもなかなかいけるのじゃ!」
ティナは迷子にならない様に手を繋ぎ、ノアは俺の肩に留まっている。ナディアは露店で買った食べ物を持ち、頬張りながら歩く。俺達は、人込みを抜け、コロシアムの入口に着いた。入口には、受付があり、この先は関係者以外、立ち入り禁止だ。
「どうやらここから先は、俺以外は入れないらしい。皆は、観客席から観て。試合が始まるまで、適当に見て回っていいからね。」
「分かった。タカミ、頑張って。」
「了解じゃ。ご主人の試合楽しみにしているのじゃ。」
「分かりましたわ。ファイト♪」
3人?は、人込みの中に消えていく。さて、俺は、受付に向かった。受付には、すでにドミノがいる。
「もう、受付は済ませたのですか?」
「えぇ、。とっくに済ませたわよ。私は、第一グループね。」
「そうなんですね。では、俺も受付をしてきます。」
俺は、受付に行き受付をする。
「えっと、タカミと言います。中央帝都冒険者ギルドの推薦枠で登録されていると思うのですが。」
「えっと、冒険者ギルドの推薦枠ですね。少々お待ちください。はい、タカミ様ですね。では、タカミ様は予選の第二グループになります。こちらに、出身地、流派、武闘経験年数を記載してください。流派が無い場合は”我流”とお書き頂ければいいです。」
えっと、出身地は”ヤマトの街”、流派は、”神明流”で経験年数は”1ヶ月”かな。俺は、記載用紙に書き込む。
「え?武闘経験1ヶ月ですか?」
「はい。先月から習い始めました。」
「そうですか。ではこの水晶に手を乗せてください。」
俺は、水晶に手を乗せる。すると水晶は、青く光った。
「はい。ありがとうございます。これで登録は完了です。それでは、30分程度前にはコロシアムの控室にお越しください。これが選手の方が身に付けるゼッケンとコロシアム内部の地図です。試合では、魔法は禁止です。魔法を使った場合は失格となりますのでご注意ください。王都主催の大会ですが、大怪我や命を落としたとしても自己責任での参加となります。王都や相手に責任を問うことは出来ません。それをご了承いただけるならこちらにサインをお願いします。」
「分かりました。ありがとうございます。」
おれは、書類にサインをする。
「これで受付は以上となります。何か質問はありますか?」
「特にありません。」
「それでは、頑張ってください。」
俺は、受付を済ませる。予選は、各グループのバトルロイヤルで競われる。残った4名が本選へと出場する。本選出場枠は4グループあるので16名だ。本選はA,Bのグループに分かれトーナメント形式で行われる。決勝は、A,Bグループの優勝者同士で戦い、本選の準優勝者同士で3位決定戦が行われる。また、本選からは、王都の公式で毎試合の賭け事が行われる。会場には選手の情報とオッズが表示され、試合30分前に締め切られる。とりあえず、本日は、4人の中に入ればいい。
「受付終りました。俺は、折角なのでコロシアム内部をちょっと見て回ろうと思うのですが、ドミノさんはどうされるんですか?」
「そうね。じゃあ、私もご一緒させてもらおうかな。」
折角なので俺とドミノは、コロシアム内を散策する事にした。様々な地方から訪れた武闘家達が大勢いる。大柄な人や小柄だけど引き締まった体をしている人、ヒャッハーみたいな悪人顔の人(人を見かけで判断しては行けません)、各々がウォーミングアップをしている。そんな中、俺達に声をかけてくる奴がいる。クーガだ。
「おい、逃げずに来たな。約束通り、大勢の前でぶっ殺してやるから覚悟しておけよ。まさか、予選落ちなんて結果にならないだろうな。」
「おいおい、それはこっちのセリフだ。お前に師匠の偉大さを叩きこんでやるよ。精々、今のうちに大口を叩いとけ。」
「ふん。ここでぶちのめしてやってもいいんだが、楽しみは後に取っておいてやる。わっはっはっは!」
クーガは、高笑いと共にどこかに行った。
「やっぱり、あいつは最低だわ。気分悪いから私は、控室で精神統一でもするわ」
ドミノは、控室の方へ向かって行った。俺達の会話を聞いていたのか、なんか、”キラキラ”したキザっぽいイケメンが俺に話しかけてくる。
「いやぁー、君、大変な奴に目を付けられたね。」
「君は?」
「あ、ごめん。僕は、ラルト。剣術学園の期待のホープさ。」
ラルトは、前髪を掻き上げる仕草をする。見た目は16~17歳位のキザっぽい感じの剣士だ。身体のラインは細身だが、肉体はしっかりと鍛え上げられている。顔は小っちゃく、色白のブロンドヘアーで女性が好きそうな凄いイケメンだ。
「そうなんだ。ラルトはクーガを知っているの?」
「知っているも何も、彼は有名だからね。凄い実力の持ち主なのだろうけど、結構、卑怯な手も使うってね。だから、皆、余り彼には関わらない様にしているのさ。」
ラルトはポーズを決めながらクーガの話をしてくれた。
「でも、クーガは元神明流の剣士だろ?あそこは、とても礼を重んじている所だけど。」
「そうだね、君は神明流の剣士なのかい?」
「うん。最近、入門したばかりだけどね。」
「なるほど、それで目を付けられたんだね。彼は、北辰流にそそのかされたのさ。あそこは、ゴロツキのような奴らのたまり場だから」
ラルトはポーズを変え、説明してくれる。
「北辰流は有名なの?」
「っていうか。君は北辰流を知らないのかい?」
「うん、まだ、この帝都に来て1ヶ月位だからまだ帝都には詳しくなくて。」
「そうなんだね。北辰流は確かに強い。しかし、”勝てばいい”っていう方針なんだよ。確かに、冒険者や剣士にとって強さは大事さ。でも、僕はスマートな戦い方の方が好きだから彼らとは合わないんだよね。」
ラルトはポーズを変え、説明してくれる。
「まぁ、兎に角、彼には気をつけた方が良いよ。何をしてくるか分から無いからね。」
ラルトは前髪を掻き上げる。
「忠告ありがとう。でもなんで、見ず知らずの俺に親切にしてくれるんだ?」
俺は、真偽のスキルを使いながら訪ねる。
「うん。それはそうと、君は予選のグループは第二じゃないのかい?」
「うん。そうだけど。」
「予選は、バトルロイヤル形式なのは知っているよね。」
「もちろん、受付で説明は受けたから分かっているよ。それが何か?」
「そう。周りは手当たり次第に誰彼構わず襲ってくる。僕らの様に知名度の低い相手は格好の餌食だ。まぁ、僕一人でも十分対応できるけど、先ほど言った通り、僕はスマートな戦い方を好む。予選は、4人選ばれるわけだからその4人に入ればいいのさ。誰が強いかは本選で分かる。そこで、僕と手を組まないか?」
「手を組む?」
「そう、お互いフォローし合って予選突破の4人の中に入ればいい。一人より二人で戦った方が勝率はぐっと上がるだろ?」
「敵の数が減ったら、今度はこちらから戦いで弱った誰かを狙えばいい。一人より、二人で戦った方が勝率は上がるだろ。目的は、予選突破なんだから、悪い作戦では無いと思うけど。」
確かに、ラルトが言う事も一理ある。それにあまり目立ったことはしたくないしな。真偽のスキルも”真”となっているし、それはそれでありかもしれない。
「なるほど。ラルト、君、頭いいね。俺は、タカミ。その作戦にのるよ。」
「お。いいね、そう来なくっちゃ!」
ラルトは”いいね”をして歯を”キラーン”とする。なんか、変わっているけど、面白いなこいつ。
「って事で、作戦はこうだ!最初は、俺達が戦っているフリをする。他の奴らにこちらから仕掛ける事はせずに体力を温存する。襲ってくる連中は二人で対処しよう。そして、ある程度、人数が絞られてきたところで大暴れして体力が少なくなった奴を狙えばいい。最後は、4人に入るまで二人で一人を攻撃する。いいかい?」
「了解。細かい指示は、実際に始まってからしてくれ。俺は、ラルトの言う通りに動くから。」
「物分かりが早くて助かるよ。じゃあ、これからは作戦がバレるといけないから話しかけないでくれよ。お互い頑張ろうな。」
ラルトは、歯を”キラーン”とさせながら俺と握手をする。
「じゃあ、僕は、準備するからまた後で会おう!」
ラルトは、控室に戻っていった。俺も控室に戻ろうとした時、”カツッ”っと何かを蹴った。よく見ると、ちょっと大きめのネックレスだ。きっと誰かが落としたのだろう。俺は、それを拾いスタッフに渡そうとスタッフを探す。少し歩くとごっついフルプレートの戦士が”きょろきょろ”と何かを探しているそぶりを見せている。多分、これかな?
「すみません。探し物ですか?」
「君は?」
「はい、この大会に出場する物です。何か”キョロキョロ”していますが、探し物ですか?」
「あぁ、ちょっと、大切な物を落としてしまってね。困っているだ。」
「それは、これじゃないですか?」
俺は、さっき拾ったネックレスを見せる。
「あ!そう!それだ!ありがとう。助かったよ。これは、私にとってとても大切な物なんだ。」
俺は、ネックスレスを手渡す。
「見つかって良かったですね。」
「あぁ、君のお蔭だよ。私は、ウルスだ。第4グループで出場する。」
「俺は、タカミです。第2グループです。」
「そうか。では、お互い勝ち残ったらまた会おう。本当に助かった。ありがとう。」
「いいえ、ウルスさんも頑張ってください。」
ウルスは俺に一礼し、”ガシャンガシャン”音を立てて控室に戻っていく。なんか、凄く目立つ人だな。顔は見分からなかったけど。そろそろ予選の45分位前だ。俺は、控室に戻った。控室からは”ピリピリ”とした空気が流れる。俺は、ラルトから少し離れ、腰を下ろす。少しすると第二グループの呼び出しがかかった。俺は、ラルトと”アイコンタクト”を交し、少し距離を縮める。
「これから、第一グループと第二グループの予選を始める。ルールは、全員で行われるバトルロイヤル形式だ。戦闘不能になった者、自ら負けを認めたもの、場外に出たものは失格とする。また、これは、剣術大会である。一切の魔法は禁止である。魔法を使った者はその場で失格となる。また、故意に相手の命を奪う行為も禁止とする。ただし、故意でないと判断した場合は、失格にはならない。武器、防具は、自分達で用意した物を使用する事を認める。勝ち残った4名が本選への術条件を獲得する。以上」
各選手は、コロシアム中央のステージに上がっていく。
「沢山の人がいる。凄い!」
「そうね。皆楽しそうで私も”ワクワク”してくるわ。ちょっと、ナディア、それ、私にも少し分けてくださる?」
「うん!これもなかなかいけるのじゃ!」
ティナは迷子にならない様に手を繋ぎ、ノアは俺の肩に留まっている。ナディアは露店で買った食べ物を持ち、頬張りながら歩く。俺達は、人込みを抜け、コロシアムの入口に着いた。入口には、受付があり、この先は関係者以外、立ち入り禁止だ。
「どうやらここから先は、俺以外は入れないらしい。皆は、観客席から観て。試合が始まるまで、適当に見て回っていいからね。」
「分かった。タカミ、頑張って。」
「了解じゃ。ご主人の試合楽しみにしているのじゃ。」
「分かりましたわ。ファイト♪」
3人?は、人込みの中に消えていく。さて、俺は、受付に向かった。受付には、すでにドミノがいる。
「もう、受付は済ませたのですか?」
「えぇ、。とっくに済ませたわよ。私は、第一グループね。」
「そうなんですね。では、俺も受付をしてきます。」
俺は、受付に行き受付をする。
「えっと、タカミと言います。中央帝都冒険者ギルドの推薦枠で登録されていると思うのですが。」
「えっと、冒険者ギルドの推薦枠ですね。少々お待ちください。はい、タカミ様ですね。では、タカミ様は予選の第二グループになります。こちらに、出身地、流派、武闘経験年数を記載してください。流派が無い場合は”我流”とお書き頂ければいいです。」
えっと、出身地は”ヤマトの街”、流派は、”神明流”で経験年数は”1ヶ月”かな。俺は、記載用紙に書き込む。
「え?武闘経験1ヶ月ですか?」
「はい。先月から習い始めました。」
「そうですか。ではこの水晶に手を乗せてください。」
俺は、水晶に手を乗せる。すると水晶は、青く光った。
「はい。ありがとうございます。これで登録は完了です。それでは、30分程度前にはコロシアムの控室にお越しください。これが選手の方が身に付けるゼッケンとコロシアム内部の地図です。試合では、魔法は禁止です。魔法を使った場合は失格となりますのでご注意ください。王都主催の大会ですが、大怪我や命を落としたとしても自己責任での参加となります。王都や相手に責任を問うことは出来ません。それをご了承いただけるならこちらにサインをお願いします。」
「分かりました。ありがとうございます。」
おれは、書類にサインをする。
「これで受付は以上となります。何か質問はありますか?」
「特にありません。」
「それでは、頑張ってください。」
俺は、受付を済ませる。予選は、各グループのバトルロイヤルで競われる。残った4名が本選へと出場する。本選出場枠は4グループあるので16名だ。本選はA,Bのグループに分かれトーナメント形式で行われる。決勝は、A,Bグループの優勝者同士で戦い、本選の準優勝者同士で3位決定戦が行われる。また、本選からは、王都の公式で毎試合の賭け事が行われる。会場には選手の情報とオッズが表示され、試合30分前に締め切られる。とりあえず、本日は、4人の中に入ればいい。
「受付終りました。俺は、折角なのでコロシアム内部をちょっと見て回ろうと思うのですが、ドミノさんはどうされるんですか?」
「そうね。じゃあ、私もご一緒させてもらおうかな。」
折角なので俺とドミノは、コロシアム内を散策する事にした。様々な地方から訪れた武闘家達が大勢いる。大柄な人や小柄だけど引き締まった体をしている人、ヒャッハーみたいな悪人顔の人(人を見かけで判断しては行けません)、各々がウォーミングアップをしている。そんな中、俺達に声をかけてくる奴がいる。クーガだ。
「おい、逃げずに来たな。約束通り、大勢の前でぶっ殺してやるから覚悟しておけよ。まさか、予選落ちなんて結果にならないだろうな。」
「おいおい、それはこっちのセリフだ。お前に師匠の偉大さを叩きこんでやるよ。精々、今のうちに大口を叩いとけ。」
「ふん。ここでぶちのめしてやってもいいんだが、楽しみは後に取っておいてやる。わっはっはっは!」
クーガは、高笑いと共にどこかに行った。
「やっぱり、あいつは最低だわ。気分悪いから私は、控室で精神統一でもするわ」
ドミノは、控室の方へ向かって行った。俺達の会話を聞いていたのか、なんか、”キラキラ”したキザっぽいイケメンが俺に話しかけてくる。
「いやぁー、君、大変な奴に目を付けられたね。」
「君は?」
「あ、ごめん。僕は、ラルト。剣術学園の期待のホープさ。」
ラルトは、前髪を掻き上げる仕草をする。見た目は16~17歳位のキザっぽい感じの剣士だ。身体のラインは細身だが、肉体はしっかりと鍛え上げられている。顔は小っちゃく、色白のブロンドヘアーで女性が好きそうな凄いイケメンだ。
「そうなんだ。ラルトはクーガを知っているの?」
「知っているも何も、彼は有名だからね。凄い実力の持ち主なのだろうけど、結構、卑怯な手も使うってね。だから、皆、余り彼には関わらない様にしているのさ。」
ラルトはポーズを決めながらクーガの話をしてくれた。
「でも、クーガは元神明流の剣士だろ?あそこは、とても礼を重んじている所だけど。」
「そうだね、君は神明流の剣士なのかい?」
「うん。最近、入門したばかりだけどね。」
「なるほど、それで目を付けられたんだね。彼は、北辰流にそそのかされたのさ。あそこは、ゴロツキのような奴らのたまり場だから」
ラルトはポーズを変え、説明してくれる。
「北辰流は有名なの?」
「っていうか。君は北辰流を知らないのかい?」
「うん、まだ、この帝都に来て1ヶ月位だからまだ帝都には詳しくなくて。」
「そうなんだね。北辰流は確かに強い。しかし、”勝てばいい”っていう方針なんだよ。確かに、冒険者や剣士にとって強さは大事さ。でも、僕はスマートな戦い方の方が好きだから彼らとは合わないんだよね。」
ラルトはポーズを変え、説明してくれる。
「まぁ、兎に角、彼には気をつけた方が良いよ。何をしてくるか分から無いからね。」
ラルトは前髪を掻き上げる。
「忠告ありがとう。でもなんで、見ず知らずの俺に親切にしてくれるんだ?」
俺は、真偽のスキルを使いながら訪ねる。
「うん。それはそうと、君は予選のグループは第二じゃないのかい?」
「うん。そうだけど。」
「予選は、バトルロイヤル形式なのは知っているよね。」
「もちろん、受付で説明は受けたから分かっているよ。それが何か?」
「そう。周りは手当たり次第に誰彼構わず襲ってくる。僕らの様に知名度の低い相手は格好の餌食だ。まぁ、僕一人でも十分対応できるけど、先ほど言った通り、僕はスマートな戦い方を好む。予選は、4人選ばれるわけだからその4人に入ればいいのさ。誰が強いかは本選で分かる。そこで、僕と手を組まないか?」
「手を組む?」
「そう、お互いフォローし合って予選突破の4人の中に入ればいい。一人より二人で戦った方が勝率はぐっと上がるだろ?」
「敵の数が減ったら、今度はこちらから戦いで弱った誰かを狙えばいい。一人より、二人で戦った方が勝率は上がるだろ。目的は、予選突破なんだから、悪い作戦では無いと思うけど。」
確かに、ラルトが言う事も一理ある。それにあまり目立ったことはしたくないしな。真偽のスキルも”真”となっているし、それはそれでありかもしれない。
「なるほど。ラルト、君、頭いいね。俺は、タカミ。その作戦にのるよ。」
「お。いいね、そう来なくっちゃ!」
ラルトは”いいね”をして歯を”キラーン”とする。なんか、変わっているけど、面白いなこいつ。
「って事で、作戦はこうだ!最初は、俺達が戦っているフリをする。他の奴らにこちらから仕掛ける事はせずに体力を温存する。襲ってくる連中は二人で対処しよう。そして、ある程度、人数が絞られてきたところで大暴れして体力が少なくなった奴を狙えばいい。最後は、4人に入るまで二人で一人を攻撃する。いいかい?」
「了解。細かい指示は、実際に始まってからしてくれ。俺は、ラルトの言う通りに動くから。」
「物分かりが早くて助かるよ。じゃあ、これからは作戦がバレるといけないから話しかけないでくれよ。お互い頑張ろうな。」
ラルトは、歯を”キラーン”とさせながら俺と握手をする。
「じゃあ、僕は、準備するからまた後で会おう!」
ラルトは、控室に戻っていった。俺も控室に戻ろうとした時、”カツッ”っと何かを蹴った。よく見ると、ちょっと大きめのネックレスだ。きっと誰かが落としたのだろう。俺は、それを拾いスタッフに渡そうとスタッフを探す。少し歩くとごっついフルプレートの戦士が”きょろきょろ”と何かを探しているそぶりを見せている。多分、これかな?
「すみません。探し物ですか?」
「君は?」
「はい、この大会に出場する物です。何か”キョロキョロ”していますが、探し物ですか?」
「あぁ、ちょっと、大切な物を落としてしまってね。困っているだ。」
「それは、これじゃないですか?」
俺は、さっき拾ったネックレスを見せる。
「あ!そう!それだ!ありがとう。助かったよ。これは、私にとってとても大切な物なんだ。」
俺は、ネックスレスを手渡す。
「見つかって良かったですね。」
「あぁ、君のお蔭だよ。私は、ウルスだ。第4グループで出場する。」
「俺は、タカミです。第2グループです。」
「そうか。では、お互い勝ち残ったらまた会おう。本当に助かった。ありがとう。」
「いいえ、ウルスさんも頑張ってください。」
ウルスは俺に一礼し、”ガシャンガシャン”音を立てて控室に戻っていく。なんか、凄く目立つ人だな。顔は見分からなかったけど。そろそろ予選の45分位前だ。俺は、控室に戻った。控室からは”ピリピリ”とした空気が流れる。俺は、ラルトから少し離れ、腰を下ろす。少しすると第二グループの呼び出しがかかった。俺は、ラルトと”アイコンタクト”を交し、少し距離を縮める。
「これから、第一グループと第二グループの予選を始める。ルールは、全員で行われるバトルロイヤル形式だ。戦闘不能になった者、自ら負けを認めたもの、場外に出たものは失格とする。また、これは、剣術大会である。一切の魔法は禁止である。魔法を使った者はその場で失格となる。また、故意に相手の命を奪う行為も禁止とする。ただし、故意でないと判断した場合は、失格にはならない。武器、防具は、自分達で用意した物を使用する事を認める。勝ち残った4名が本選への術条件を獲得する。以上」
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